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2012年03月02日

【文章術88のルール】『誰にでも伝わる 文章力のつくり方』木暮太一


誰にでも伝わる 文章力のつくり方
誰にでも伝わる 文章力のつくり方

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「文章力養成協会」会長・木暮太一さんの、分かりやすい文章術のご本。

メールや提出書類等、私たちビジネスパーソンが文章を書くのに役立つTIPSが、合計88個収録されています。

アマゾンの内容紹介から。
伝わる文章には、「伝わる構造」と「伝わる表現」の2つが必要! 今すぐ文章力がアップする、88のルールを全公開。

毎回(?)文章術の本を読むたびに、「あー、このNGも今までやってたわ〜!」とキモが冷えるワタクシですが、本書もまたまた多分に漏れず……!?


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【ポイント】

■1.「起承転結」ではなく、「結論+補足・理由」で書く
「論理的な文章」で必要な要素は、「結論」とそれを支える「補足」「理由」だけです。
 物語には「起承転結」が必要かもしれません。しかしわたしたちが書こうとしている「伝わる文章」に「起承転結」は不要、むしろ有害です。(中略)

 ビジネスパーソンが書く文章に必要なのは、「結」だけです。
 重要なのも「結」だけです。
 ただし、「結論」を理解し納得するために「補足」と「理由」が必要ですから、それを書きます。しかしそれは「起」でも「承」でも「転」でもありません。


■2.構成は「頂点から逆算」する
 文章を書くときには、まず「構成(もくじ)」を考えなければいけません。
 ただし、書籍のもくじのように、並列(箇条書き)で考えてはいけません。並列にすると、「ピラミッド構造」を意識しなくなり、単純に書きたい内容をリストアップするだけになります。そして、最終結論につながらない文章を入れてしまいがちになります(これが脱線になる!)。

「最終結論」と無関係な要素が入り込まないように、構成・もくじを考えるときには、必ずピラミッド状につくります。
 いくら「書きたいこと」があっても、それがピラミッド構造から外れていたら書いてはいけません。


■3.「じつは意味がない言葉」は徹底的に削る!
・「〜という」
 ほとんどの場合、文を長くしているだけで、伝えているメッセージはまったく同じです。削除してもまったく問題ありません。

・「基本的に〜」
普段話していることは、普通は「基本的」ですから、「例外」の場合だけにれは例外です」と伝えればいいのです。

・「逆に〜」
 これも会話で頻繁に使う方がいます。しかし、実際は「逆」になっていない場合が多々あります。「逆に」と書く場合には、本当に「逆」なうか、確認するべきです。


■4.何でも「よろしくお願いします」で締めない
 ビジネスメールの最後に「よろしくお願いします」と書く方が非常に多いです。ただ、ほとんどの場合、特に何かをお願いしているわけではなく、単なる「締めの言葉」として使われています。
 しかし、本当は何かをお願いしなければいけないときにも「よろしくお願いします」と書いていませんか?
×出発前に、お渡しした備品が全部そろっているかご確認のほど、よろしくお願いいたします。

○出発前に、お渡しした備品が全部そろっているか確認し、万が一不備があった場合は○○営業部までご連絡ください。


■5.相手に行動を促す指示は、「肯定形」で書く
×この薬は、食事のあとに飲まないでください。

○この薬は、食事の前に飲んでください。
 ただし、禁止事項を否定形で書くのは問題ありません。
「その行動をしてはいけない」という意図が伝わりさえすればいいからです。
 しかし、やってほしいことを否定形にすると、読み手は自分がどんな行動をすべきなのかわからず、混乱してしまいます。
 指示内容は必ず「肯定形」で書かなければいけません。


■6.形容詞&副詞はできるだけ数字を使って書く
来週、大人数の会議があるから、広い会議室を押さえておくように。
           ↓
来週、25名前後の会議があるから、30人入る会議室お押さえておくように。
 形容詞や副詞は、できるだけ数字を使って書くべきです。
「早い」「大きい」「多い」などの形容詞は、人によって解釈が異なり、誤解をさせる原因になるからです。


■7.伝えにくい「不満」は「称賛」と「期待」でサンドイッチする
 メールでは感情(温度感)を出し、表現を和らげることも必要です。とはいえ、砕けた表現を使えない場面・相手もいます。
 そのような場合は、「不満内容を、『称賛』と『期待』で挟んで書く」という方法を取り入れてみましょう。
 文字通り「不満を書く前に、ほめる言葉や相手を理解する言葉を書き、後に『次回は期待している』という内容を書く」のです。

 最初にポジティブな内容を書けば、読み手は比較的抵抗なく、「不満」を受け入れられます。そして最後にまたポジティブな内容を書くことで、また前向きに仕事に取り組んでもらうことができます。


【感想】

◆冒頭で申しあげたように、本書を読んで「反省すべき点」が多々ありました。

やってはいけないことをやり、やるべきことは考えもつかないというアリサマ。

「基本的に〜」なんて、枕詞のように使いまくりですし、メールでは「よろしくお願いします」と何も考えずに書いていました。

でもこれ、辞書登録で「よろ」と打ったら「よろしくお願いします」と出るような人は、もっと危ないのでは?

今後、この言葉で締める前には、必ず「何かお願いする必要はないのか?」を確認するようにしなくては。


◆同じように「やらかし系」で割愛したのが、「ので」「だが」といった接続助詞の問題。

接続助詞を多用すると、文章がやたらと長くなってしまいます。

「接続助詞は常に『1文に1つ』まで」とし、「2つ以上使っていたら、途中で文章を区切る」。

これを心がけるだけで、文章を短くすることが可能になります。

……今、「接続助詞は〜」の文の頭に「基本的に」と付けそうになったのは、ヒミツですがw


◆また、割愛した中で個人的に気になったのが、「同じ意味の言葉は言い換えない」というお話。

著者の木暮さん曰く、『「同じ言葉は繰り返さずに言い換えるのが、いい文章」というのは、随筆や小説など「文章で魅せる」場合のみ』とのこと。

ビジネス文書や、連絡書面では「同じ意味の言葉は同じ言葉で統一すべき」なのだそうです。

当ブログでも、実は今まで、同じ意味の言葉は「可能な限り繰り返さない」ようにしてきたのですが、言い換えることによって、わかりづらくなっていたら、確かに本末転倒かと。


◆本書は、細かな文章表現の注意点から、「ピラミッド形で書く」といった構造面での指南まで、幅広い「文章力」の向上に役立つ内容となっています。

上記の通り「魅せる」文章にはならないかもしれませんが、ビジネス文書やビジネスメールを書くことを考えた場合には、かなり秀逸。

今まで何冊か木暮さんのご本を読んできた自分にとっても、本書が一番しっくりきました。

もちろん基本的な内容が、類書と一部重複するのは仕方ないので、その点はご留意頂きたく。

もっともこれは、文章術の本と見ればドカスカ買ってしまう私だけの問題かもしれませんがw


文章を書く機会の多いビジネスパーソンにオススメ!

誰にでも伝わる 文章力のつくり方
誰にでも伝わる 文章力のつくり方
第1章 「伝わる文章」を書く前にまず準備しよう
第2章 「伝わる文章」の構造 理論編
第3章 「伝わる文章」の構造 実践編
第4章 「伝わる文章」の表現力 理論編
第5章 「伝わる文章」の表現力 実践編
第6章 「伝わる文章」の見せ方&レイアウト


【関連記事】

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【オススメ】『伝わる!文章力が身につく本』小笠原信之(2011年06月26日)

【文章術】『100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに』酒井聡樹(2011年03月24日)


【編集後記】

◆元ワイキューブ社長だった安田佳生さんの新作が激売れ中のようです。

私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日
なぜ会社を作ったのか、なぜこんなにもむちゃくちゃな経営をしたのか、そして、なぜ破綻させなくてはならなかったのか。
タイトルが『1円玉でも拾え』だったら即買いしたのに。←違うw


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この記事へのコメント
               
伝わる文章には、「伝わる構造」と「伝わる表現」の2つが必要!

ドキッとしました。

読んでみたいです(^^)

いい本のご紹介ありがとうございます。
Posted by タッキー@自己啓発&感動大好き at 2012年03月02日 14:58
               
>タッキー@自己啓発&感動大好きさん

レス遅くなって失礼しました(汗)!
この本、個人的にはかなりオススメですよ。
よろしかったら、読んでみて下さいマセ。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年03月04日 10:30
               
smoothさん

編集後記の安田さんの本が気になりました。土井さんのメルマガでは紹介済みですが、smoothさんのブログでの掲載可能性はありますか?
Posted by がってん at 2012年03月04日 21:45
               
>がってんさん

コメントありがとうございます。

先日こういったお問い合わせに軽々しく(?)お答えしてしまいましたが、ここでもし「紹介しません」と言ってしまうと、その本を「私として」否定することになりかねません。

今まで当ブログは、推薦することはあっても「否定」することは避けていたので、今後このようなお問い合わせにはお答えしないことにしました。
ご希望に添えず、申し訳ございません。

なお、安田さんのその本も、まだ読んでおりませんので、何とも申し上げられません(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年03月05日 06:17
               
smoothさん

返信ありがとうございます。

smoothさんを困らせる事になって申し訳ありませんでした。
Posted by がってん at 2012年03月05日 19:38