2012年02月19日
【フジマキ流】『目利き力』に学ぶ「目利き」になる7つのポイント
目利き力 (PHPビジネス新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「藤巻幸夫さん」改め「藤巻幸大さん」の最新刊。タイトルからして、「目利き」が大事な書評系ブロガーとしては、手を伸ばさずにはいられませんでしたw
アマゾンの内容紹介から。
モノや情報が氾濫する現代。周りに流されず、本当に価値のあるものを見抜くための「目利き」の能力が、あらゆる人にとって不可欠になっている。本書はカリスマバイヤー、マーケッターとして知られる著者が、自身の経験を元に本当にいいモノや人を見極めるための方法を説く。自分の判断に自信が持てない人、自分の軸を持ってブレずに生きていきたい人は必読の一冊。
藤巻さんのセンスや感性のヒミツが窺い知れる1冊でした!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.自分の「スタイル」でモノを選ぼうちなみに僕は「スタイル」と「モード」を対比させて考えている。「モード」とは世の中の流行や風潮、流れであり、「スタイル」とは個人の生き方や哲学から生まれてくる個別の様式だ。
自分の「スタイル」を知り、それに合ったものを選択するのは自然なこと。ところがいい大人になっているのに、その違いに気付かない人がいる。そういう人は手帳を選ぶ際も、「スタイル」ではなく「モード」、つまり流行りで選ぶのだと思う。
■2.好きなモノに囲まれて上機嫌でいよう
僕も、よく人から「元気ですね」とか、「どうしてそんなにいつも元気なんですか?」と聞かれる。僕はとくに自分が人一倍元気がいいとは思っていない。ただ、いつも上機嫌でいたいと思っているし、周りを楽しくさせたいとは思っている。
上機嫌になるのは難しいことではない。気に入った服を着て、気に入った場所で、大好きな食べ物や飲み物、そして大好きな人たちに囲まれていたら、不機嫌になれというほうが無理だ。僕が元気に見えるとしたら、きっといつも自分をそういう状況に置こうとしているからだと思う。そしてそのためには日頃からいいものを選ぶ習慣が大事なのだ。
■3.ブランドや商品は3つのポイントでチェックしよう
僕がチェックするポイントは、そのブランドや商品に「ストーリー」「フィロソフィー」「ヒストリー」の3つがあるかどうか。
ストーリー(物語)とは、そのブランドの商品を買って使うことで、どういうスタイルを買う側に提案しているか。フィロソフィーとはそのブランドや商品の成り立ちの背後にある哲学や考え方、スタンスのこと。ヒストトリーとはそのブランドがこれまで人に支持されてきた歴史があるかどうか。
つまり、自分たちの提案する「ストーリー」と「フィロソフィー」を愚直なまでに継続し、守るべきものを守ってきた「ヒストリー」があるかということだ。
■4.場数を踏んで失敗しておこう
とにかく失敗を恐れず、体験をすること。そして場数を踏むこと。たとえば、有名ブランドや高級なお店などはどうしても気後れしてしまいがち。僕も最初はそうだった。敷居が高くて思わず入るのをためらったり、思い切って中に入っても、店員が寄ってきてどぎまぎしたり。
ただし、それも場数をこなしているうちに慣れる。しまいには買う気もないのに試着室に入って、その場限りの変身を楽しむくらい図太くなる。ちなみに僕はデパ地下の試食コーナーでも平気で試食を楽しめる。図太さという点ではオバサン級に成長したかもしれない。それもこれも若い頃の経験と場数のたまものだ。
■5.ビジネスマンこそ、美術館に足を運ぼう
僕は世の中のビジネスマン、男性たちにもっと美術館に足を運んでほしいと思っている。絵なんて知らない、美術なんて興味がないという人も、一度足を運んでみるといい。芸術に触れることで、ビジネスや経済ばかりでカチカチになった頭が柔らかくほぐれていくはずだ。
日常とはまったく違う空気感に触れてみよう。人によっては眠っていたクリエイティブな感覚が再び動き出し、新たな企画が生まれるきっかけになるかもしれない。
■6.人脈は「5つのS」で築こう
人脈を増やすための本もこれまで書いてきたけれど、その中で僕が提唱しているポイントが5つのS。「シンプル」「スピーディ」「センス」「スマイル」、それに「しつこく」だ。
相手に会いたい、話をしたいというシンプルな気持ちをスピーディに伝える。そしてセンスのいい会話と笑顔を心がけ、しかもしつこく粘り強くアタックする。会った翌日には必ずお礼の手紙やメールを書く。
若い頃から人脈を増やそうと思ったらイケイケ精神と同時に、地道な努力も必要なのだ。
■7.日頃から相手をよく観察しよう
これも当たり前のことだが、プレゼントを買うときに気を付けることは、相手は何が好きか、今何を欲しいと思っているのか、といった点を考慮して買うことだ。もらって包みを開けたときに思わずふっと口元がほころぶような、気の利いたものがいい。(中略)
ここを誤解する人が意外と多いのだが、高い安いが贈り物の価値ではない。有名無名も関係ない。相手が喜んでくれるかどうかだ。
だから、日頃から相手をよく観察したり、情報を収集したりすることが必要になる。これもおもてなしと同様、事前のマーケティングが大切なのだ。また、相手が何を望んでいるのかをきちんと予測する力も必要になる。僕が言う「目利き」には、こうした分析力も含まれている。
【感想】
◆藤巻さんと言えば、私にとっては未だにバーニーズ時代の「カリスマバイヤー」と呼ばれていたイメージが強いです。ところが本書を読む限り、その前の伊勢丹時代は、外見的にはむしろ「ダサダサ」だったよう。
それが上記ポイントの4番目にもあるように「トライ&エラー」を繰り返していくうちに、だんだんと洗練されていったとのこと。
本書では、冒頭の「はじめに」を含め、何度もビジネスマンの服装の無個性な点を指摘しているのですが、確かに「無難」な着こなしだけしていては、「目利き」にはなれなさそうです。
とはいえ、藤巻さんのように「グリーンのジャケットの下に赤のストライプのベスト、そしてボルサリーノの帽子」が正解とも言いきれないのですがw
◆ただ、「着こなし」として正解かどうかは別として、このように「新たな色やファッション」に挑戦すると、「不思議に解き放たれた感覚になる」という藤巻さんの言葉には納得。
日頃から思考停止的に接しているものとは全く違うものに出会うと、「感性の扉が開く」というのは、十二分にありえるお話です。
それは、ポイントの5番目にもある「美術館」も同様。
そもそも「新しいアイデア」というのは、「脳内にある全く異なった2つの情報がミックスされてできる」という話もあるくらいですから、積極的にトライしたいところです。
◆本書では、そんな藤巻さんのお気に入りのスポットやお店、さらには「女性と1日デートするなら」ということで、「1日デートコース」まで紹介されています。
ちなみに、そのコースの中にさりげなく(?)「バーニーズ横浜店」が入っているのはご愛嬌w
私も結婚してからは一度も行ってないのですけれど、都内の店舗に比べると非常にゆったりしており、確かにデートにはオススメかも。
また、オススメショップとして、私も学生時代にはお世話になっていた「ハリウッドランチマーケット」が挙げられているのも嬉しかったです。
今でこそ、私服でもテーマカラーが「黒」の私ですが、昔はこのお店でよく買い物をして、結構カラフルな格好をしていた記憶が(遠い目)。
◆一方、知らないお店で気になったのが、池尻大橋にあるというメンズハンカチ専門店「H TOKYO」。
藤巻さんは、こちらの「ハンドロールと呼ばれる職人の手縫いハンカチ」を買われるのだそう。
ブランド等にこだわらず、「良いものを身に付ける」のも、「目利きならでは」ですね。
値段的にもお手頃なので、自分用やプレゼント用に、今度検討してみようかと。
もっとも私の場合は、まずは仕事で使う万年筆やボールペンの「良いもの」を購入する必要がありそうですが。
◆ビジネス書を読んで、その著者の生き方に憧れたり、スタイルを取り入れたり、というのはよくあることだと思います。
ただ、藤巻さんに限っては、その生き方やスタイルを真似るのは非常に難しそうな。
それでもたまに、こういう「亜流の本」を読むこと自体が、私にとっては「感性の扉が開く」ことに繋がりそうな気がします。
「目からウロコ」という表現は、当ブログでもよく使っていますけど、本書は違った意味で「目からウロコ」が落ちる1冊でした。
「目利き」を目指すなら要チェックです!
目利き力 (PHPビジネス新書)
第1章 自分を壊すことが「目利き」への道
第2章 「目利き力」はこうして磨く
第3章 僕の「目利き力」実践編!
第4章 「目利き力」を身に付けて世の中を変えよう
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。どんな問題もシンプルに解決する技術 (DO BOOKS)
相変わらず問題解決が苦手な私でも、最後まで読めそうな感じです。
ご声援ありがとうございました!
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