2012年02月17日
【必読!】『会社人生は「評判」で決まる』相原孝夫
会社人生は「評判」で決まる (日経プレミアシリーズ) (日経プレミアシリーズ 152)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、出世街道を登りつめたい方や、ヘッドハンティングされたい方なら見逃せない1冊。著者の相原孝夫さん曰く、将来のキャリアを切り拓くには「パーソナル・ブランディング」ではなく、社内における「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」が重要なのだそう。
アマゾンの内容紹介から。
評判がいい人は、働きやすく、成果も上げられる。では、どんな人の評判が高まるのか。人事コンサルタントとして多くの会社員を観察してきた著者が、さまざまな具体例から、評判の重要性、高める方法を解説します。
思わず付箋も貼りまくりました!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.業績を上げた者ではなく、徳のある者が昇進すべき「功ある者に禄を与え、徳ある者に地位を与えよ」という言葉がある。功とは功績、業績であり、禄とは報酬である。つまり、業績の高かった者には賞与などの報酬で報い、徳ある者には昇進などでより高い立場を与えよということだ。(中略)
結局、「功」と「徳」とは別物との認識に立っている。功があるからといって徳があるわけではない。その逆も必ずしも成り立たない。しかし、企業の中では、功があった者に地位を与えるということが一般的に多くなされており、結果として立場と人材とのミスマッチが多く起こっている。
■2.他者と良好な関係で働く
実際にへッドハントして企業に紹介し、失敗に終わるケースのほとんどが、「他者と良好な関係で仕事ができる能力」が欠けているケースであると、あるへッドハンターは語っていた。この点は通常、新入社員の採用時に重視される要素であるが、実はキャリア採用の場合でも同様の重要性があるということになる。逆に言えば、これまでの職場において周囲と良好な関係で働くことができていた人は、他社に勧めてもリスクが少ないことになる。
■3.根回しを軽視しない
組織内で物事が進まなくなる場合の1つの典型が、根回しの不足によって出てくる、「私は聞いていなかった」という言葉なり思いだ。組織上、この「事前に聞かされていなかった」が大問題へ発展することは多い。(中略)
これはポジションが上になればなるほど、そうした感情を強く抱く傾向にある。自分が軽んじられたということで、自尊心が傷つけられるためだ。
こうした事態を回避することは、組織内で生きる者にとっては必須の要件だが、根回しというプロセスを軽く見て失敗するケースもまま見受けられる。伝統的な日本企業では、根回しの方法などもOJTの中で伝承されているケースが多いようだが、外資系企業やべンチャー企業ではそうではない。
■4.ネガティブな発言をしない
自分が上司の悪口を周囲に言ってしまった場合、上司の指示に快く応じることと、周囲に示した自身の言動との間に認知的不協和が生じる。周囲の人たちの手前、すでに言ってしまった言葉を修正するのが難しくなった場合、不協和の解消のため、上司に対して批判的な態度をとるようになってしまう。
そうした行動はもちろん悪循環を生み出す。そうこうしているうちに、ネガティブな人とのレッテルが貼られ、抜け出せなくなる。そして不満分子となってしまう。結局、自分で自分にそういう方向づけをして、突き進んでしまうわけである。
■5.目の前の仕事に精一杯打ち込む
私が仕事上多く行っている、好業績者に対するインタビューへの回答内容には、業種・職種を問わず共通点が多い。1つの重要な共通点として、これらの人たちは20代〜30代前半という時期において、脇目も振らずに目の前の仕事に没頭してきた人たちであるという点がある。決して、社外の人脈づくりに一生懸命であったり、資格取得に励んだりしてきた人たちではない。(中略)
そうすることで真の実力を身に付け、社内での評判を高め、その後のキャリアを切り拓いてきた。社内的なキャリアに留まらず、中には、へッドハントや知り合いからの紹介などで他社に移って活躍している人もいる。
■6.「パーソナル・ブランディング」より「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」
「パーソナル・ブランデイング」は見えやすい特徴をアピールすることに重点が置かれるため、結果として、現在の仕事や組織と乖離してしまうということが起こる。今後のキャリアを切り拓くための実力を身に付けようとするならば、現在の仕事に没頭し、組織とより密着度を高めていく方向へ向かわなければならない。
そのようにして、社内での自分自身の価値を高め、同時に評判を高めていくという方向にむしろ意識を向けていくべきであろう。社外へ向けての「パーソナル・ブランディング」ではなく、社内における「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」こそが、将来のキャリアを切り拓くことにつながるはずである。
■7.評判の良い人の3つの代表例
まず、評判の良い人の代表例の1番目として、「他者への十分な配慮のできる人」を挙げた。自分本位な「ナルシスト」の反対である。(中略)
2番目は、「実行力の人」であり、口は出すが手は出さない「評論家」の反対である。「実行力の人」は、細かな点も怠らずプロセスに集中する。(中略)
そして3番目は、「本質的な役割の果たせる人」だ。自分の立場や役割を理解していない「分不相応な人」の反対である。「本質的な役割の果たせる人」は、自らに与えられた役割を理解し、その役割に徹することができる人だ。
(詳細は本書を)
【感想】
◆本書はとにかく、新書の割に「非常に内容が濃かった」です。冒頭の画像の通り、付箋を貼りまくったので、泣く泣く割愛してした部分の多かったこと。
例えば第2章では、ほんのちょっとしたことで「評判」や「印象」がつくられてしまう例が挙げられています。
昇進者を決める話し合いの場で、一人の役員が自分の秘書的な役割を担っている派遣社員の女性から聞いた「ウワサ」を付け加えただけで、実力も十分にある人の昇進が見送られた、という話は他人事ではありません(詳細は本書を)。
目上の人に対して適切に振る舞うだけでなく、受付や、警備室、掃除のおばさん等々に対しても、横柄な態度は取るべきではないと思われ(当たり前ですが)。
◆同じくカットしたポイントで、「好業績者1人よリムードメーカー1人」というお話もありました。
要は、「好業績者が1人抜けても、1人分の業績がなくなるだけだが、ムードメーカーがいなくなれば、チームメンバー全員のモチべーションに関わり、全体の業績が低下しかねない」ということ。
それを読んで思ったのが、サッカー日本代表でのムードメーカーの存在です。
asahi.com(朝日新聞社):ザック監督「私は半分日本人」アジア杯V、故郷から表彰 - スポーツ
ザッケローニ監督は記者会見で、アジアカップを「素晴らしい経験だった。控え選手が素晴らしかった」と振り返った。試合には1試合も出なかったDF森脇(広島)の名前を唯一挙げ、「盛り上げてチームを支えてくれた」。正直、実力的に上の選手を外してまで、ムードメーカー的な選手を選ぶ必要があるのかとも思っていたのですが、チームマネジメントとしては正解のよう。
逆に、「斜に構えてチームの雰囲気を悪くした控え選手がいた」という噂のあった、ワールドカップドイツ大会での惨敗は、当然だったのかもしれません。
◆一方で、『「パーソナル・ブランディング」より「パーソナル・レピュテーション・マネジメント」』という論点は、当ブログ的には色々と思うことが。
例えば「没頭すべき現在の仕事」に汎用性がない場合、その会社がポシャった場合、ツブシが効かないんじゃないか、と。
会社に留まるにせよ、転職(独立)するにせよ、自分の「ウリ」を見出して、アピールすることは、決して悪いことじゃないと思います。
ただし、そういう行為を快く思わない層から「良くない評判」が出ることは避けられないのですが。
私自身、新入社員時代に、多少こじゃれたスーツを着ていたため、「なんだ、あの新人の恰好は」みたいな言われ方をされていたものの、その「良くない評判」をはね返すべく、一心不乱に働いていた記憶がw
◆ちなみに「どういう人が評判が良いのか」については、上記ポイントの最後をご参照のこと。
詳細については、第5章の「評判を高め維持する、シンプルな考え方と働き方」にて展開されています。
一人で黙々と職人スタイルで働くのではない限り、「評判」からは逃れられないもの(職人さんにも「評判」はありますが)。
私も今は自営業として独立しておりますが、もしまだ会社にいたならば、本書は絶対に読んでおくべきだと思います。
求められる人材になるために!
会社人生は「評判」で決まる (日経プレミアシリーズ) (日経プレミアシリーズ 152)
プロローグ すべては評判で決まる
第1章 評価が高くても、評判が悪ければ意味がない
第2章 驚くほど少ない情報と言葉で、印象はつくられる
第3章 中途半端な立場の人ほど、高圧的になりやすい
第4章 結果を出す職場では、他部署の社員が油を売る
第5章 評判を高め維持する、シンプルな考え方と働き方
あとがき
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【編集後記】
◆先日のバレンタインデーには、ヨメとムスメから「手作りのチョコの家」をもらいました。それがどうもこの製品のよう。
手作りセット お菓子の家
屋根のウエハースも壁のチョコも美味しく頂きました♪
ご声援ありがとうございました!
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