2012年02月05日
【スピーチ】『口下手な人のためのスピーチ術』生島ヒロシ
口下手な人のためのスピーチ術 (ベスト新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、テレビやラジオでお馴染みのフリーアナウンサー・生島ヒロシさんのスピーチ指南本。今でも「講演の直前はドキドキするし、緊張もする」という生島さんらしい、私たちでも実践できそうなTIPSが多々ありました。
アマゾンの内容紹介から。
口下手な人でも人前を避けてきた人でも、スピーチしなければならない時が来る。震災直後でも話さなければならなかった著者による、愛される話し方から、アガらないコツまでスピーチ術を指南する。
ビジネスシーンから冠婚葬祭まで、役立つことウケアイです!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.大小2つのアンテナで聞き耳を立てさせる大きなアンテナというのは、世界の政治経済の流れとか、トレンドとか、聴衆の知らない世界で起きている話題とか、そんなことにちよっと触れることによって、へー、俺たちの知らないことを、この人は伝えてくれるな、と思うと、やはり、聞き耳を立ててくれる。
また、小さいアンテナとは、コンビニの新しいお弁当とか、百円ショップで見つけた便利グッズなど、身近な情報を提供すると、興味深く聞き耳を立ててくれる。そう「いかに聞き耳を立てさせるか」、これがアウェイで話すときに、欠かせないポイントだ。
■2.その場に合わせたテンポとスピードを考える
聴衆が若手のビジネスマンなら、テンポアップして、情報量を増やし、キーワードをたくさん言っていく。
高齢者が多い場合は、スピードダウンをして、ゆったりと説明する。そうすると、理解度が上がるが、反面、情報量は減ることになる。このように聴衆を見て、ケースバイケースで、分けていくことが重要である。
■3.アガる人は「片鼻健康法」でリラックス
呼吸法にはたくさんの種類があるが、心を安定させ、頭の働きをよくする効果があると言われている片鼻呼吸法が、スピーチ前には効果的だ。あまり聞きなれない呼吸法だが文字通り、片方の鼻だけで呼吸する方法で、もともとはヨガの呼吸法としても知られている。
右手の指で右側の鼻をふさぐ。
心が落ち着くぐらいを目安に、1、2、3、4と8ぐらいまで数えながら大きく息を吸い込み、今度は数えながらゆっくりと息を吐く。
これを3回繰り返したら、左側の鼻をふさいで同じように行う。
(詳細は本書を)
■4.手を使ったボディランゲージの注意点
絶対にしてはいけないタブーは、ポケットに手を突っ込むこと。そして演台がある場合、演台の端をつかんだり、肘をついたりするのもダメ。話し手がエラソーに見えるし、聞き手がバカにされているように感じてしまうからだ。両手は自分のわきに出して、ここぞという場面で効果的なジェスチャーとして使うといい。
■5.突然指名された時は「逆ピラミッド法」で対応
逆ピラミッドというのは、起承転結という発想より、重要なことから優先して話していく考えだ。自分の中での優先順位を1、2、3、4、5とつける。重要なことから話を始めて、時間がなけれぱ、4と5の話は捨てる。起承転結できれいにまとめるより、一番大切な言葉から話すと、あとで、「あれも言えばよかった」と後悔することもない。
■6.言いたいことの補強はエピソードが効果的
僕は、スピーチの核はエピソードだと思っている。
例えば、結婚披露宴でスピーチをする場合、当時の主役である人との今日までの付き合いの中で、心の琴線に触れるような出来事が何回かあったはずだ。
その人のちょっとした心遣いに接して「ああ、いい人だな」と思ったり、「一緒にいるととても楽しいな」と思ったことがあったはず。これは自分が実感したことだから、自分にしか語れないエピソードとなる。
■7.普段からネタを準備しておく
とっさのスピーチで困ってしまうのは、
「何を話していいかとっさに思いつかない」
「アガってしまう」
だいたい、この2つによるところが多い。大事なことはスピーチの材料を普段から準備し、話を完成させておくことに尽きる。つまり持ちネタである。
持ちネタがあれば、とっさのとき、その場に応じて話をすることができる。体験談だから、感動を呼び起こすことも可能だ。
考えてみると、自己紹介を含めた突然の指名は結構多いものだから、定番のスピーチをいくつか用意しておくべきだ。
【感想】
◆本書はタイトルに「口下手な人のための」とはありますが、正直、「口下手」に特化したコンテンツというワケではありませんでした。というよりむしろ、ほぼすべてのビジネスパーソンが気を付けておくべきポイントの方が多い気がw
もっとも、「口下手」なのであれば、上記ポイントの最後にあるように、あらかじめいくつかネタを準備しておくべき。
生島さんの場合、ちょっとした集まりで予告なしでスピーチの指名を受けることが多くあるため、4つの話を用意しているのだそう(具体的には本書にて)。
プロでさえこうなのに、私たち素人が手ぶらで指名されたら、それはテンパってしまいます罠。
◆また良く言われているように、「自分の話ぶりを録音(録画)してチェックする」ことも、本書では推奨されています。
「声の大きさ、ピッチや抑揚、ペース、リズム、話の間、話し方の強弱」等々は、練習次第でレベルアップが可能ですし。
加えて、自分の話を文字に起こせば、「文章の論理性や分かりやすさ」も一目瞭然です。
確かに「スピーチが長い人」に限って、何を言ってるのか良く分からなかったりするものですし。
この辺は「口下手ではない人」の方が意外と危ない気がします。
◆一方、「なるほど確かに」と思ったのが「エピソードの重要性」。
思えば、ジョブズのスタンフォードでのスピーチもエピソードが満載でしたよね。
私も1度、大学のテニスサークルの後輩同士の披露宴でショートスピーチをしたことがありましたが、「新郎との試合で初めて負けた時」のエピソードに触れて「あの時私が勝っていたら、今日そこにいたのは私なのに残念です」とブチ上げたら、笑いが取れました。
……いえ、もちろん全然冗談なんですけど、話として面白いと思ったのでw
なお、こういった「エピソード紹介」は、「この部分が長いとスピーチ全体が長くなる」ので、出来る限り凝縮せよ、とのこと。
スピーチは「長くてクレームが来る」ことはあっても「短くてクレームが来ることはない」のですから、意識したいものです。
◆ちなみに本書では、第4章と第5章でスピーチの文例を多数収録。
第4章は「イレギュラー・スピーチ」としてお通夜や弔事の挨拶等、第5章は「フォーマル・スピーチ」として披露宴や会社行事等がそのテーマになります。
この辺は、ぶっちゃけ生島さんご本人が文面を考えたとは思えないのですが、文例集として手許に置いておくと便利かも。
こうした「備え」をしておいてこそ、「口下手」でもスピーチに対応できるようになるワケですから。
スピーチで「デキる!」と思わせたいなら!
口下手な人のためのスピーチ術 (ベスト新書)
第1章 自分らしく話していますか?
第2章 聞き手が心を開いてくれるようにはじめよう!
第3章 どんなシーンでも使える「スピーチ・テキスト」作成法
第4章 とっさのときほど出る「イレギュラー・スピーチ」のテクニック
第5章 さすがと思われる「フォーマル・スピーチ」のコンセプト
第6章 身体で覚えていく「コミュニケーション・スピーチ」
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【編集後記】
◆気になる新刊情報を。同業の弁護士から「どうしてそんなに仕事ができるの」 と言われる私の5つの仕事術
弁護士さんは時間単価が高いですから、その仕事術も要注目ですね!
ご声援ありがとうございました!
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