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2012年01月25日

【一石多鳥?】『25歳からのひとりコングロマリットという働き方』おち まさと,本田 直之


25歳からのひとりコングロマリットという働き方 ~仕事も肩書きもひとつじゃなくていい.~
25歳からのひとりコングロマリットという働き方 ~仕事も肩書きもひとつじゃなくていい.~


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、本田直之さん待望の新刊。

タッグを組むのは、人気プロデューサーのおちまさとさんです。

お二人の共通点は、それぞれ関連性のない多方面に渡る肩書きをお持ちなこと。

そして、これからの時代は、むしろそのような働き方が適していることが、本書では明かにされています。

名づけて「ひとりコングロマリット」

「選択肢の多い生き方」を目指す方なら必読です!


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【ポイント】

■1.低予算の生活に慣れる
 10万円の予算で仕事ができない人は、100万円もらってもできません。
 低予算で生活することに慣れていると、ひとリコングロマリットを構築する時にリスクを取りやすくなるというメリットもあります。
 お金に余裕がないと、仕事を選ぶ時もどうしても収入にこだわってしまいます。
 もしかしたらその仕事で、貴重な人脈とか、給与以上のリターンが得られる可能性があるかもしれないのに、自分が考える収入の最低ラインに満たないからと断ってしまうのは、非常にもったいないことです。


■2.自分で時間を管理する
 会社から言われて水曜日はノー残業デーにするのと、自分で水曜日は5時に帰ると決めるのとでは雲泥の差があります。ポイントは自分で時間を操れるようになること。それをしないと、いつまでも時間に追われ、縛られる生活から抜けられません。
 最初は大変かもしれませんが、頭を使えば必ず効率を上げることができます。
 ランニングでも、タイムを上げるには負荷をかけることが必要です。時間やお金も同じで、自分で目標を作って負荷をかけることで、上手に使えるようになっていくのです。


■3.「副業」ではなく「複業」を成立させる
「本業と副業」という言葉がよく使われますが、複業時代のひとリコングロマリットという働き方は、それとも違います。
 会社に動めながらいくつか仕事を持っていたとしても、ひとリコングロマリットの場合、それらは「本業と副業」ではなく、全部まとめて「複業」なのです。
 では、「副業」と「複業」の違いは何なのか。
 簡単に言うと、副業は前述のたし算の仕事、複業はかけ算の仕事です。

(詳細は本書を)


■4.自分と違うことをやっいてる人たちを見る
 子供に「大人になったら何になりたい?」と聞くと、「野球選手」とか「警察官」とか「運転手さん」とか、だいたい似たような答えが返ってきます。
 それは、自分が見たことのあるものしか想像できないからです。
 身近にそういう人がいないのに、いきなり「プロデューサーになりたい」とか「東京とハワイを行ったり来たりする仕事をしたい」というのはありえません。これは実は大人になっても同じです。
 会社に就職して同じ会社の先輩しか見ていないと、その会社にずっと勤めるか、同業他社に転職して横に移動するぐらいしか考えつきません。
 でも、自分とまったく違うやり方で違うことをやっている人を研究してみると、新しい選択肢や、いくつかの要素をミックスさせるという発想も出てくるでしょう。


■5.10個のうち1個当たればいい
当然ながら、すべての仕事で満足な結果を出すのは難しく、失敗もあります。まして次々と新しいジャンルにトライしていれば、「10の仕事があればひとつぐらいは当たるという程度になります。野球でも打率10割などありえないのと同じで、3割でも当たれば大ヒットといえるでしょう。
 つまり、ひとつやってひとつ当てるというのは至難のワザなのです。
 ひとリコングロマリットには、そういう意味でもメリットがあります。
 ひとつのことだけにカを注ぎすぎてうまくいかず、「やっぱり向いていない……」となって、ポキっと折れてしまったらそれまでです。
 でも、ひとリコングロマリットなら1本の柱が折れても倒れなくてすみます。
 そこに、失敗しても落ち込んだりあわてたりせず、「10個のうち1個当たれぱいい」と笑っていられる余裕が生まれます。


■6.失敗する人の2つのパターン
 まず、絶対にやってはいけないのは、「何かがイヤで、これをやめたいからほかのことをしよう」という発想で動くことです。
「会社をやめたけれど、転職がうまくいかないから起業する」というのもそうです。
 そういう流れの中ではいたずらに焦りが生まれるだけで、うまくいくわけがありません。それでうまくいくほど楽な世の中ではないのです。
 もうひとつやってはいけないのは、最初からお金を追ってしまうことです。
 お金のためだけにやる仕事というのはいい展開になりにくいし、「このくらい報酬をもらわないと生活できない」というスタンスでいると、せっかく面白い話が来ても逃してしまう可能性があります。
 だから生活の糧はどこかで作っておかないといけないのです。


■7.好きなことも複数やる
 たとえば、南の島などにはダイビングが好きだからダイビングのインストラクターになったという人が大勢います。
 しかし、「毎日休みなしで長時間労働」ということになったら、ダイビングが好きという気持ちは薄れてきます。大きな収入になる仕事ではないので、当然生活も苦しいし、「何のためにここにやってきたのかわからない」と思うようになる人もいるのです。
 これは、好きなことを「ひとつしか」やらないというところに原因があります。
 同じように好きなことを仕事にしても、ひとつだけでなくいろいろなことをやっていれば、その分選択肢も広がるし、リスク回避にもつながるわけです。


【感想】

◆お恥ずかしながら、私はおちさんの作品を読むのが本書が初めてで、従来の作品と本書との関連性については分かりません。

ただ、本田直之さんの本を、ほぼすべて読んできた自分にしてみれば、本書のテーマは、過去の作品の延長線上にあるものと言えるのではないか、と。

今の日本では「終身雇用制の崩壊」のような構造的な問題がまずあって、そこに昨今の「不況」が加わり、従来とは違って1つの会社に勤めあげることが必ずしも正解ではなくなりつつあります。

その解決策として「転職」「起業」「副業」といったものがあったところに、本書で取り上げている「複業」、つまり「ひとりコングロマリット」という働き方が新たに加わったわけで。


◆「ひとりコングロマリット」の「転職」や「起業」との違いは、現在の仕事(通常会社勤め)を大事にすること。

そして「副業」との違いは、「メインとサブ」という関係ではなく、「すべてがメイン」であるということ。

その際、上記ポイントの5番目にあるように、1つ1つをすべて当てる必要はなく、また、最初はお金にこだわらないことが大事なようです。

実際、その仕事や業界での「経験」は、お金を出しても買えないことがあるワケで、それが後に大きく花開くことも十分ありうりますから。

特に、ある一定規模以上の企業にいると、普通では経験できないキャリアを積むことも可能だったりします。

具体的な名前を挙げると問題になるかもしれませんので書きませんけど、「会社の金で実験(テスト)」しまくった著者さんもいるとかいないとかw


◆個人的に興味深かったのが、最後に挙げた「好きなことも複数やる」というお話で、これって「好きなことを仕事にする」のか「仕事を好きになる」のか、という問題の、新たな解決策ではないか、と。

つまり、「好きなことを仕事にしても金にならない」という現実に対して、「好きなことをいくつもやって、それぞれが仕事になる」のであれば、それで良いわけですから。

本書によれば「もしどうしてもやりたい好きなことを仕事にしたいのなら、それでうまくやっていく方法は、それだけに絞ってしまわないこと」とのこと。

「興味のあること」「スキルや知識を生かせること」等々、幅広く手を伸ばしてみることが、結果的に「好きなことを仕事にする」ための正解と言えるのではないでしょうか?


◆本書は、お二人の共著とはいえ、巻頭に4ページほどの対談がある以外は、基本的にどちらが書かれたのかはわからない構成になっています。

それでも違和感がないのは、お二人の考えがかなり似ているからだと思われ。

仕事も住む場所も肩書も、ひとつに絞らない働き方。

これからの時代は、こういう「ひとりコングロマリット」な働き方が、主流になっていくのかもしれません。


一石多鳥主義を目指したい方に!

25歳からのひとりコングロマリットという働き方 ~仕事も肩書きもひとつじゃなくていい.~
25歳からのひとりコングロマリットという働き方 ~仕事も肩書きもひとつじゃなくていい.~
1.初級編 まず、毎日の習慣をかえてみよう
2.中級編 実際のコースに出てみよう
3.上級編 ひとりコングロマリットが動き出したら


【関連記事】

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【"かなめ"になる】『「新しい働き方」ができる人の時代』セス・ゴーディン(著)神田昌典(監訳)(2011年07月01日)

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「パーソナル・マーケティング」をうまく使う、たったひとつの冴えたやりかた(2009年11月18日)

【キャリア形成】「やりがいある仕事を市場原理のなかで実現する!」渡邉正裕(2008年11月06日)


【編集後記】

◆本書で紹介されていた1冊。

戦力外通告―プロ野球を「クビ」になった男たち
戦力外通告―プロ野球を「クビ」になった男たち

「今サラリーマンでひとつのことしかやっていない人は、こういう本を読むべき」だそうです。


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【きょうの名言】好きなことを仕事にする意味―【私の論評】好きなことだけをする人は、大成しない、大成するには、規律が不可欠である!!

ブログ名:「Funny Restaurant  犬とレストランとイタリア料理」

こんにちは。グリー創業者の田中良和氏が、好きなことを仕事にすることの意味をツイートしています。たとえ、好きなことであっても、仕事であれば、成果をあげなければなりません。成果をあげるためには、規律が必要だということです。規律なしには、どんなことでも、大成はしないということです。 田中良和氏の言っていることは、そういうことだと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
Posted by yutakarlson at 2012年01月25日 15:00