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2012年01月24日

【仕事術】『仕事のムダを削る技術』こばやしただあき


仕事のムダを削る技術 (ソフトバンク新書)
仕事のムダを削る技術 (ソフトバンク新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログの読者さんには人気の「仕事術」の本。

著者のこばやしただあきさんは、ビジネス書好きには、書評メルマガ「知識をチカラに」でお馴染みの方です。

アマゾンの内容紹介から。
ムダな仕事はしない。仕事の中に潜むムダは徹底的に削る。仕事のスピードを高めるコツは、意外なほどシンプル。お金をかけずにすぐできて、続ければ続けるほど効果が出る仕事「改善」の方法論を、ビジネス系人気メルマガの発行人が伝授。6つのステップで今日からあなたのはたらき方が変わる。

こばやしさんのメルマガ同様、シンプルながらも効果のありそうなTIPSが収録されています!


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【ポイント】

■1.継続して時間の使い方を記録する
 ドラッカーは、プロとしての仕事への向き合い方について書いている『プロフェッショナルの条件』の中で、自分をマネジメントすることの重要性を指摘しています。そして、「時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない」と述べています。
 具体的には、「継続して時間の記録を取り、その結果を毎月見ていかなければならない。最低でも年2回ほど、3、4週間記録を取るべきである」といいます。

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))


■2.残す仕事はミッションやビジョンとの親和性を考える
 以前のわたしは、どちらかというと仕事とはお金を儲けることだと考えていたところがあります。しかし、ビジネスや、ビジネスのための学び(読書や勉強会)で得た英知でお客様に貢献できることに、次第に喜びを感じるようになっていったのです。このミッションに関係している仕事は残す。それ以外は「削る仕事」の候補になります。
 あなたの使命に合った仕事、使命を実現するための仕事は残します。
 ピジョンから決めるというのは、未来に達成したいイメージから削る仕事を決めるということです。長期の目標と置き換えても構いません。長期の目標を達成することにあまり関係がないと思われる仕事は、「削る仕事」の候補です。


■3.2分でできることは優先順位に関係なくすぐやる
 わたしは、2分で終わらせられそうな仕事は、優先順位にかかわりなくすぐ行うようにしています。
 これは、べストセラー作家のデビッド・アレン氏が提唱するGTD(Getting Things Done)というタスク管理手法の1つです。
 GTDは、仕事を効率化し、ストレスを減らすことを目的とした手法ですが、まず最初に、頭の中の「気になること」について「それは何か」「行動を起こすべきか」などと自分に質問するところから始めます。質問項目には「2分以内でできるか」というものがあり、答えがYESなら、今すぐやってしまえというのです。

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
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■4.「完璧」を目指さず「修正」を織り込む
仕事に「修正」はつきものです。だから、最初から「完璧」を目指すよりも、途中に修正のプロセスが入ることを織り込んで進めたほうが、結果的には完成度の高いものに仕上がることが多いわけです。

 考え方としては、8割完成を3回繰り返すことを行うような感覚です。
1回目の仕事は、80%の完成度を目指し、そこまでできたらチェックを仰ぐ。
次に、100%から80%を引いた残りの20%の仕事を、80%完成させる。
つまり、2回目の仕事は1回目の16%。1回目(80%)にこれを足せば、仕事の完成度は96%です。さらに残りの4%の仕事を80%完成させると3.2%。2回目までにこれを足して、仕事の完成度は99.2%になるのです。


■5.マルチタスクでも質と速度を落とさないコツ
 質と速度を落とさずに、マルチタスクを実現するポイントは、「タスクの切り替えコストを小さく抑えること」と「シングルタスクのメリットを生かす」ことです。
 わたしもいろいろと試行錯誤していますが、以下のような考え方で臨むと、比較的うまくいくようです。

 ・習熟していることを複数組み合わせる
 ・似ていることを組み合わせる
 ・すき間の時間をつくらない
 ・自分の限界を知り無理をしない


(詳細は本書を)


■6.グーグルカレンダーで細かいタスクを一元化する
 たとえば、プレゼン資料作成をするとしましょう。
 ひとくちに資料作成といっても、まずテーマを決めることから始まって、伝えることを書き出す、伝える順序を決める。写真などの素材を集めるといったことが必要になります。
 これらを、「プレゼン資料作成」という予定の中のメモ欄(グーグルカレンダーでは「説明」)に書くのです。(中略)

「実行忘れ」を防ぐために、グーダルカレンダーに1つひとつのタスクを「予定」として全部書き出してしまいたいところですが、そうすると、タスクが多い場合は「予定」が多くなり、カレンダーが見にくくなってしまいます。
 だから、大きな仕事、時間がかかる仕事については「予定」として書き込み、その「予定」の中の「説明」に細かいタスクを書いているわけです。


【感想】

◆少々引用量が多いのでこの辺で。

こばやしさんご自身のブログ記事で、「とくに、新人の方や入社2、3年目の方などに参考になるはず」との記述がありましたが、なるほど納得。

「時間を記録する」「2分でできることはすぐやる」といった、奇をてらわない、王道的な手法が提唱されていました。

……って、私自身も大昔に、エクセルでこんな日勤表作ってたんですよね。



しばらく止めてましたが、本書を読んで、久しぶりに復活させてみようかと思ってみたり。


◆一方、特徴的だったのが、マルチタスクを推奨していること。

私はてっきり「電車に乗りながら本を読む」的なお話かと思ったのですが、実際に机に向かって、複数の仕事を並行してこなしていくやり方です。

こばやしさん曰く
 それぞれ1つずつ、つまりシングルタスクで行うのとどこが違うのかと思う人もいると思いますが、このやり方で進めたほうが、格段に速くできます。
とのこと。

ただし、マルチタスクでこなすのは、基本的にはルーチンや慣れている作業であって、「質を求められる仕事」については、シングルタスクで集中して行うそうです。

私の場合、ブログの下書きを書いている時は、他の作業を封印しているのに、なぜにこんなに時間がw


◆なお、割愛した中で興味深かったのが、Twitterを使った「アイデア出し」の手法。

こばやしさんは、アイデアを出さなければならない仕事をする際は、あえてツイッターのツイートやフェイスブックのニュースフィードを眺めながら作業をするのだとか。

これは、ジェームス・W・ヤングの『アイデアのつくり方』でうたわれている「アイデアは既存のものの新しい組み合せである」という考えに基づくやり方のようです。

アイデアのつくり方
アイデアのつくり方

参考記事:「アイデアのつくり方」 ジェームス・W・ヤング (著)(2006年04月14日)

「アイデア出し」と言えば、こばやしさんに以前オススメ頂いたこのスゴ本も、似たような考え方でした。

メディチ・インパクト (Harvard business school press)
メディチ・インパクト (Harvard business school press)

参考記事:「メディチ・インパクト」 フランス・ヨハンソン (著)(2006年05月15日)


◆こばやしさんは私と違って、比較的「内容の重い本」も、メルマガで紹介されてらっしゃる方です。

そもそも、大昔に初めてお会いした際に、お互いの夢を語ったことがあったのですが、こばやしさんは「一度でいいからドラッカーに会いたい」と言われていたのが印象的でした。

そういう「バックボーン」と言うか、「太い背骨」を持った方の書かれた本だからこそ、本質を突いているのだと思われ。

正直、私のような昨今のHACK本好きには、少々シンプルに感じられたのですが、「仕事」の深い部分まで分かっている方なら、きっと「これが正解」と言われるに違いありません。


自分の仕事のやり方を考え直させられた1冊!

仕事のムダを削る技術 (ソフトバンク新書)
仕事のムダを削る技術 (ソフトバンク新書)

第一章 ムダを削ると決める
第二章 仕事を仕分ける
第三章 同時に行う
第四章 仕組みを作って改善する
第五章 コミュニケーションのムダを省く


【関連記事】

「ストレスフリーの仕事術」デビッド・アレン(著) 田口 元(訳)(2006年07月01日)

【時間術】『「結果を出す人」の手帳の秘密』美崎栄一郎(2011年10月22日)

【時間管理】『あなたを変える67の時間習慣』から選んだタイムマネジメント本7冊(2011年10月17日)

【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)

【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)

【時間術】「エンジニアのための時間管理術」Thomas A. Limoncelli(2008年06月13日)


【編集後記】

◆今日のご本に関連して。

いつも忙しい 時間貧乏をやめる7つの方法
いつも忙しい 時間貧乏をやめる7つの方法

久しぶりに、内藤忍さんの「お金本以外の本」が登場。

これは要チェックですね!


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この記事へのコメント
               
こんにちは、こばやしです。
書評ありがとうございます!
シンプルでないと、実行しにくくなって、結局仕事時間の削減につながらない。
ということが、今回のわたしの経験から感じたことの一つです。
わたしも、いろいろとテクニックは知っているのですが、目的に合ったものを使うことの大切さを、このところ、強く感じています。
ドラッカーも表現はむずかしいですけど、言っていることはシンプルですし(笑)。
Posted by こばやし at 2012年01月24日 11:57
               
>こばやしさん

著者様直々のコメントありがとうございます。
さすがこばやしさんだけあって、知ってるテクニックではなく、実践できるテクニックをセレクトされてたんですね!
肝に銘じて日々働きたいと思います!

今後ともよろしくお願いします。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年01月25日 05:36