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2012年01月20日

【出世作法】『課長になれない人の特徴』に学ぶ7つの出世のコツ


課長になれない人の特徴 (PHP新書)
課長になれない人の特徴 (PHP新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、かなり真っ当な「出世指南本」

タイトルからして、単なる「べからず集」というか、ダメ出しするだけかと思いきや、具体的な出世のアドバイスが満載でした。

アマゾンの内容紹介から。
現代の企業は組織のスリム化と称して管理職の数を減らしており、部下つきの課長になるのは簡単なことではない。それなのに、今の経営者が上司に求めていることを弁えず、古い価値観で間違った努力をしている人が少なくない。業績ばかり気にする人、「うちの上は何を考えているのかわからない」と言う人、他人に仕事が任せられない人、ディベートが強い人…。彼らの傾向と会社で取り残されない方法を、一万人以上の人材の評価を行ったコンサルタントが親身に説く。

むしろ、サブタイトルの「今の上司には何が求められているのか」の方がしっくりくる1冊。

思わず付箋を貼りまくりました!




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【ポイント】

■1.仕事は最初からとばす
長時間にわたる仕事は、最初からスピードを上げることです。5日かかる仕事なら1日目に20%やるのではなく、30%も40%も終わらせてしまうことです。そして後半に余裕を持つだけでなく、「これだ」という仕事は1日でも早く終わらせます。
 残念キャリアがテンパっているのは、いっも納期直前です。「明日までに終わらせなくては」という時です。この人の大好きな言葉は「ラストスパート」です。
 ラストスパートするのではなく、最初飛ばして、後は余裕です。マラソンとちがって、仕事は最初から飛ばしても息切れはしません。
 出世キャリアなら余裕を見せてゴールし、「楽勝でした」と言いましょう。


■2.経営者の意見に同化する
「出世する」というのは秩序が上がることであり、意見が優先されることです。つまり「組織の中で優先される意見を出すカ」を見せればよいことになります。
 ではどんな意見が優先されるのでしょうか?
 それは秩序の最上位者である経営者の意見にフィットしているものです。だから出世キャリアは経営者の話をよく聞き、書いたものをしっかり読み、自らの意見と同化させていくことが求められます。
「上は何を考えているのかわからない」というのは、上(経営者)と意見が合わないということを訴えているもので、これこそまさに残念キャリアです。


■3.報連相ではなくアカウンタビリティを行う
 仕事を任されている場合は、上司に対して報連相は不要です。それが「任される」ということです。上司と約束した計画どおり自分でやる責任があるのですから、「ちゃんとやっています」という報告は不要です。
 では上司に何も伝えなくてよいかというと、そうではありません。上司と約束した計画どおりに仕事が進んでいないことがわかったら、すぐに(リアルタイム=随時)上司へ伝えなくてはなりません。ここで伝えることは「どこが計画どおりにいかないのか」「これから自分としてはどうしようと思っているのか」の2つです。そして上司と相談し、計画を変更します。これをアカウンタビリティといいます。


■4.つまらない仕事でも引き受ける
サラリーマンである限り、当然このようなことはあります。
 この時、絶対に「この仕事はイヤ」と言わないことです。あなたが仮にその仕事が嫌いと伝えてなくても、多くの上司は部下が喜んでやる仕事か、イヤイヤやる仕事かは、それを頼む前から大体わかっています。というより、あなたが出世キャリアなら「上司はわかっていてその仕事を命じた」という仮説を持ちましょう。
 上司はあなたが「きっとイヤな思いをするだろうな」と感じつつ、それでも仕方なく頼んでいるのです。実はこの時が出世キャリアか残念キャリアかの分かれ道です。出世キャリアを目指すなら、気持ちよく「わかりました。一生懸命やります」と伝えましよう。


■5.人の長所にフォーカスする
 あなたがセールスチームのリーダーだとします。チームメンバーに「アイデアを出すのは得意だけど、それを紙にまとめるのが苦手」という人がいたら、どんな仕事を担当してもらうでしょうか?
 紙に書くのが苦手だから「顧客への提案書を作る仕事は無理」と思えば、短所思考で、残念キャリアです。「アイデアを出すカを生かして、提案書を作る仕事をやらせてみよう。書く力はやっていくうちに上達していく。それまでは私がフォローしよう」が出世キャリアです。


■6.KY防止には会議の司会を買って出る
ここでいう司会は、議長ではなく会議に関する仕事をやる人で、事務局といってもよいものです。会議の場所、時間をセットし、議題を整理してアジェンダ(進行表)として皆に渡し、会議中は人の意見を調整して、会議の議事録を取って終了後に出席者に配る、というものです。(中略)

 司会になれば、会議の段取りを一番よく理解していますし(段取りKY防止)、人の話をよく聞かないと議事録が取れませんし(無理解KY防止)、議題を自分で作っているので誰よりもテーマはよく理解していますし(テーマKY防止)、会議を時間内に何とか終えようという思考が自然に身につきます(べクトルKY防止)。
 会議の司会になれば、自然と人の話を聞いて、最後に話すようになり、リーダーシップ、チームワークの高さをまわりに感じさせることができます。
 司会は出世キャリアを作ります。
(詳細は本書を)


■7.3つの信条で時間を守る
1つ目は時間を意識して行動することです。「時間を守らないこと」を絶対に許せない人は、相手の時間意識を見ているのです。
 2つ目は余裕です。その約束に遅れた時のダメージを考慮して、10分〜1時間くらいの時間の余裕を持って行動します。
 3つ目は「遅れる」ことに対してリアルタイム・アカウンタビリティを使います。遅れるかもしれないと思ったら、少しでも早く相手にそれを伝えることです。「ぎりぎり間に合う」と思っても「最悪で10分くらい遅れるかもしれません」と1分でも早く連絡するようにします。


【感想】

◆本書ではマネジャーになれない人の行動を「残念キャリア」、その反対で組織の階段を上がっていく人のキャリアを「出世キャリア」と定義し、両者を対比。

全6章ごとに、それぞれ5つのシーンが描かれているので、計30の「残念キャリア」と「出世キャリア」が収録されていることになります。

その中から7つだけ選んでいるワケですから、割愛しまくり。

しかも、想像していた内容よりはるかに濃かったため、冒頭の画像のように、付箋も貼りまくった次第です。


◆本書を読んで、「なるほど!」と思ったのが、ここ10年でほとんどの会社が人事制度という「出世ルール」を変えているということ。

そして、今の「上司」は昔の「出世ルール」で出世した人なため、上司と同じ考え、上司と同じ行動をとっても出世できない可能性が高いということ。

確かに「とにかく頑張る」ことや「遅くまで残業する」ことで、エスカレーター式に出世できた時代とはワケが違います。

一方で、「出世ルール」を作っている経営者は、「今」をしっかり見据えているのですから、ポイントの2番目にあるように、その考えに同化し、かつ、「上」が同意できる意見を言える必要があるという。


◆私の会社員時代は、まだ「古いルール」だったためか、「目からウロコ」なお話がいくつもありました。

例えばポイントの3番目の「報連相」の件。

仕事を任されていても「報連相」は必要で、たとえ計画通りであっても、問題ない旨、報告すべきなのかと思っていました。

本書でも、毎日のように報告してくる(でも遅れそうな時は、土壇場になってやっと言ってくるw)コンサルタントの事例が紹介されていましたが、全然笑えません罠。

他にも、今やっている仕事が好きでない場合、無理に好きになるのではなく、「好きな仕事へ変わる(異動するだけではなく)」という考え方も斬新でした(詳細は本書を)。


◆本書は、タイトルが新書によくありがちなパターンなため、「ビジネス読み物」というか「ビジネス風味のエッセイ」だと思ってしまう方が多そうな気がします。

ただし中身的には、ガッツリ単行本で掘り下げてもよい位のクオリティではないか、と。

私は出世レースが始まる前に会社を辞めてしまいましたが、もしまだ会社にいたならば、「もっと前に読みたかった」ときっと思うハズ。

特に、自分の仕事はテキパキこなすものの、人使いがあまりうまくない方には、「マネジャーになるにはどうすべきか」を知るための良い教科書だと思います。


ひと皮むけたい方にオススメ!

課長になれない人の特徴 (PHP新書)
課長になれない人の特徴 (PHP新書)
第1章 仕事編
第2章 会社編
第3章 上司編
第4章 同僚・部下編
第5章 コミュニケーション編
第6章 態度編


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【編集後記】

◆昨日の聖幸さんとの書店めぐりの記事で紹介しそこねた1冊。

ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)
ビジネスマンのための「行動観察」入門 (講談社現代新書)

「それほど話題にならなかったものの、個人的には昨年の上5冊に入ってる」と、聖幸さんにはお伝えしました。

まだお読みでない方は、ぜひ一読を!

参考記事:【オススメ!】『ビジネスマンのための「行動観察」入門』松波晴人(2011年10月20日)


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