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2012年01月15日

【文章術】『伝わる!文章力が豊かになる本』小笠原信之


伝わる!文章力が豊かになる本
伝わる!文章力が豊かになる本


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の未読本関係の記事でご紹介した1冊。

昨年の6月にご紹介して、当ブログでも人気(月間ランキング9位)だった『伝わる!文章力が身につく本』の続編です。

伝わる!文章力が身につく本
伝わる!文章力が身につく本

本書も、前作同様「文章を書く機会がある方」なら知っておきたい点が多々。

「語彙力・表現力を高める」80のコツとテクニックをご覧アレ!


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【ポイント】

■1.動詞を使ってやわらかく
(かたい文)
連日の35度を超える猛暑が、冷房機器の爆発的需要をもたらした

(やわらかい文)
35度を超える猛暑が続いたせいで、冷房機器が爆発的に売れた
(中略)

つまり、猛暑を主語に据えた名詞中心の文(かたい文)を、事実を平明に記述する動詞中心の文(やわらかい文)へ変換しているのです。この変換(かたい→やわらかい)には次の3原則があります(野内良三著『日本語作文術』中公新書による)。

(1)名詞を動詞に換える。
(2)要形容詞を副詞に換える。
(3)無生物主語を原因・理由・手段・条件、あるいは場所・時間の表現に換える。


■2.「話す」「語る」「述べる」の使い分け
「話す」は「放す」と同語源で「声に出してものを言う」という意味です。"声に出す"のが中心的意味なので、三つの中では適用範囲かいちばん広そうです。(中略)
「語る」は「事柄や考えを言葉で順序立てて相手に伝える」という意味です。「語る」には"話に筋かある"ことが、基本的に求められます。
「述べる」は「伸べる」と同語源で「言葉を連ねて言い表す」ことです。


■3.自分以外を示す「他人」「よそ者」
「他人」の第ーの意味は"親類縁者などでない人"です。さらに、自分以外の人全般を広く指す用法もあります。「他人が口を出さないでほしい」といった文です。(中略)

「他人」が血縁にもとづくなら、「よそ者」地縁をもとにしています。その土地とは関係ない人、つまり"ほかの土地から来た人"。他国者"という意味で、漢字では「余所者」と書きます。土地に限らず、サークルや組織などの所属が異なる人も指します。


■4.「こと」は個人、「もの」は一般
「こと」は「言」から出た語で、言葉で考えたり話したりする対象全般を指します。言葉を用いるのは人間ですから、人間、つまりは話し手を中心にした出来事について個別的な意見などを述べるときに用います。
「もの」は「物」に由来します。物は人間の思考とは別に客観的に存在します。つまり、人の意見によって左右されない存在(=不変のもの=普遍のもの)として捉えられます。そこからー般論へとつながります。


■5.主観表現「うれしい」、客観表現「喜ばしい」
(うれしい)
合格でき、とてもうれしい。

(喜ばしい)
彼女が合格できたのは、とても喜ぱしい。
 好ましい気分を表す場合、筆者自身の感情の主観表現なのか、好ましく思う気持ちの客観表現なのかに分かれます。
 例文の「うれしい」は前者です。筆者自身が合格して晴れ晴れしている、その感情をストレートに表しています。(中略)
 下の「喜ばしい」は後者です。(中略)
「喜ばしい」は自分のことには原則として使いません。「私が合格できてとても喜ぱしい」とは言いませんね。


■6.不明なことをきく「聞く」「質(ただ)す」
「聞く」は、誰かに声をかけて尋ねるときに用います。「交番で聞いた」とは、警察官に声をかけたということですね。(中略)
「質す」は、納得できるまで質問することです。例文の「疑問点」をはじめ、不明点、真意、真偽などを目的語とすることが多いです。


【感想】

◆引用のボリュームがあったのでこの辺で。

なんでも前作『伝わる!文章力が身につく本』は昨年末時点で14万部を突破しているのだそう。

この手の実用書としては、かなりの売れ行きであり、ビジネスパーソン(並びに学生)の「文章術」のニーズの高さが伺えるかと。

そして本書も前作同様「文章力」を高めるものであり、特に「語彙」「言い回し」についての言及が多いのが特徴です。


◆中でも本書の第3章「言葉の使い分けを身につける」では、各品詞ごとに代表的な類義語群をグループ分けし、意味、用法等を例文とともに解説。

今回も上記でご紹介したポイントは、ここからが一番多かったです。

自分自身、何気なく使い分けている言葉も「なぜそうなのか」については分かっていないものが多く、非常に勉強になりました。

「他人」と「よそ者」、「こと」と「もの」などは、感覚的に使い分けていたものの、その語源等までは知らなかったので、いざ「なぜそうなのか」を聞かれると、答えられなかったワケで。

……って、こういう時は「聞く」じゃなくて「質す」ですかw


◆他にも付箋を貼りつつ割愛した中では、このようなものが。

●「硬い」「堅い」「固い」の使い分け

●「著す」と「記す」

●「感心する」と「感動する」

●「有名」と「高名」

●「全部」と「一切」

●「〜に関して」と「〜にとって」


いずれも、実際に文章を書いている時はあまり間違えないのでしょうが、私は本書を読むまで、使い分けを意識すらしたことがありませんでした。

ただし、唯一未だに自信がないのが『「硬い」「堅い」「固い」』でして、今後のためにもメモを作っておこうかと……。


◆なお、巻末には「知って役立つ表現集」として、

●身体の一部を使った慣用句

●主な類語(家族・親族/季節・気象)

●よく使うオノマトペ


を収録。

特に、「身体の一部を使った慣用句」(「目が利く」「耳学問」「口を濁す」等々)は、一通り目を通しておかれることをオススメします。(←自分モナーw)


ビジネス文書から、小論文、メール、ブログまで幅広く使えることウケアイ!

伝わる!文章力が豊かになる本
伝わる!文章力が豊かになる本
第1章 洗練された表現へ高める
第2章 多様な表現を使い分ける
第3章 言葉の使い分けを身につける
第4章 要領よく描写する、説明する
巻末付録 知って役立つ表現集


【関連記事】

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【編集後記】

◆今日の本と、色合いといいテーマといい、そっくりなんですが。

すっきり! わかりやすい! 文章が書ける
すっきり! わかりやすい! 文章が書ける

出たのも昨年末ですし、書店で並んでいたら間違えちゃいそうなw


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ブログを書き始めてようやく9回目です。 文章を書くというのは難しいですね。 続けるというのはもっと難しい。 文章を書くトレーニングとしても、 コンスタントにブログを更新していきたいです。...
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