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2012年01月06日

【成毛流】『成毛眞の超訳・君主論』


成毛眞の超訳・君主論 (メディアファクトリー新書)
成毛眞の超訳・君主論 (メディアファクトリー新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み成毛 眞さんの最新刊。

意表をついて(?)、あのマキアヴェッリの『君主論』を「成毛流」にアレンジされているという注目作です。

アマゾンの内容紹介から。
混迷の時代を生き抜くには、いまこそマキアヴェッリを読め! 元マイクロソフト社長にして書評ブログのカリスマ・成毛眞が、帝王学のバイブル『君主論』を大胆に解釈。超実践的な人心掌握術を、自らの経験談を交えて指南する。明日から使える超実用書。

確かに、「今だからこそ読むべき」という成毛さんのお言葉には深く納得しました!


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【ポイント】

■1.すべての人に気に入られる必要はない
 新興宗教の教祖でもあるまいし、リーダーはすべての人に気に入られる必要はない。ビジネスの現場でも、誰からも好かれる人がリーダーに適しているなどという判断は、あり得ないだろう。
 よく「誰からも好かれる人になれ」といった本を見かけるが、これは君主になるのを説いている本ではない。従者の論理を説いているのだ。(中略)

 人によって判断の基準が違うのは当たり前だ。善悪の判断も、正誤の判断も、人によってもちろん異なる。そこでブレずに自分なりの判断を貫くのは、容易ではない。
 人と違う判断軸であれば、貫き通そうとすると、必ず非難を浴びる。嫌われ者になったとしても、自分の決めた道を守り抜く人。それが今求められているリーダーである。


■2.「出る杭」になる
 民主党の蓮舫議員が「2位じゃダメなんですか」と発言して、マスコミからバッシングを受けていたが、ビジネスの世界で2位ではダメである。1位を狙った結果、2位になるのならいいが、2位を狙ったらせいぜい5位ぐらいにしかならないだろう。
 熾烈な競争に参加する気がないのなら、最初から負けを認めているのと同じである。利益はほどほどでいい、などと謙虚なことを言っても、負け犬の遠吠えにしかならない。資本主義の社会では、勝つか負けるかのどちらかであり、「ほどほど」はないのである。


■3.常に次のステージに上がるつもりで準備しておく
 マキアヴェッリはこう説く。
「にわか君主に成りあがった者が、運に恵まれ膝元に転がり込んできたものを維持するには、すみやかに用意にかかるぐらいの器量がなければ駄目である」(中略)

 ビジネスの場でも同じだ。
 今、平社員であっても、自分が係長になったら何をしたいのかを、新入社員の頃から考えておくべきだ。係長になったら課長を、課長になったら部長を意識する。常に一段上を意識しておかないと、いざ役職についたときに右往左往して、周囲に醜態をさらす結果になる。


■4.掟破りに躊躇しない
 AKB48を見るにつけ、CDを売るのに握手券だの選挙権だのをつけて1日で100万枚売ったという話を聞くと、さすがに「そこまでやるか?」という感はあるが、なにしろ物が売れない時代である。女性誌はブランドものの小物を付録につけるのが常識になるなど、どこもあの手この手でヒットを狙っている。
 正攻法でうまくいく場合もあるだろうが、現実は厳しい。ビジネスの世界できれいごとなど通用しない。生き残るために常識外れのことをするとき、最初に飛び出した人がいちばん利益を得られるのだ。そしてそれが、企業の安泰につながる。


■5.「自分軸」を持つ
 万が一にも国家が破綻したら、その後どうするかを考えて行動しなければならない時期が来る。国や企業に依存せず、ブレない自分軸を持っておく必要があるのだ。何が起きるかわからない激動の時代には、自力で情報を集めて分析し、自分が正しいと思う行動を選ぶ決断力が必要になる。その決断力が自分の軸となる。
『君主論』に出てくる君主や、マキアヴェッリ自身から学べることは、自分軸を持っておかないと周りに流されて「自分の人生」を生きられないという、古(いにしえ)から変わることのない事実である。


■6.空気をよまない
 そもそも空気を読める人間が成功した例などほとんど聞かない。
 たとえば、部下をやる気にさせるために「仕事、頑張ってるね」「君に期待してるよ」などと始終気を配る上司。こういうタイプは小さく成功できても、大きくは成功できないだろう。部下にとってわかりやすい上司であったら、部下に操縦されるだけである。(中略)

 空気は読まないほうがいいどころの話ではない。外交では空気を読むのは命取りなのだ。『君主論』を読んでいればそれがわかるだろう。


【感想】

◆引用部分が多いのでこの辺で。

冒頭にもあるように、「非常時の今」だからこそ読むべき『君主論』。

本書はその『君主論』について、成毛さんご自身の経験も交えて展開されています。

なぜなら、実は成毛さんも「マキアヴェッリ的」な振る舞いをされていたから。

そもそも、成毛さんはマイクロソフトの社長だった頃には、社員から「殿」と呼ばれていたのだとか。


◆同じく「殿」と呼ばれている著名人としては、ビートたけし氏がいますが、成毛さんによれば、氏も「マキアヴェッリが望んでいる条件に、ほとんどすべてあてはまっているように見える」とのこと。

ほかにも、小泉純一郎元首相、田中角栄元首相、それにスティーブ・ジョブズ等が、同様の評価をされています。

確かにジョブズの「非情な君主ぶり」は、まさにマキアヴェッリの『君主論』的かもしれませんねw

かくいう成毛さんも、「社長に任命されたその足で、副社長のクビを切りに行った」のだそうですが(詳しくは本書を)。


◆本書では、第1〜3章にかけて『君主論』を分析。

特に第2章では「これだけ知れば大丈夫」と題して、『君主論』の主なフレーズを、成毛さんが「超訳」されています。

しかも各項目の最後に「成毛流:『君主論』」と題して、「まとめ」まで掲載する力の入れよう(さすが「殿」!?)。

また第4章では『君主論』を「読むべき理由」ということで、本を薦めることにかけては天下一品の成毛さんにより、30ページ超かけて『君主論』が「激プッシュ」されております。

これはもう、買って読むしかないのか……。


◆……と思われた方は、巻末の「もっと知りたい人のためのブックガイド」を要チェック!

ここでは、翻訳本から図解本まで山ほどある『君主論』のどれを読むべきかを成毛さんがアドバイスして下さっています。

結構意外な本(?)も薦められていますが、やはりこの作品は外せないよう。

マキアヴェッリ語録
マキアヴェッリ語録

現時点で在庫切れなのは、本書のせいなのか!?

本書内の書影は単行本なんですけど文庫本でもいいかと思われ。


◆なお、本書を読んでいて政治家についての苦言が多いのがちょっと気になったのですが、特に日本においては、政治家(特に首相)が「アレ」なので、致し方ないのかも。

とは言え、そんな政治家を選んだのも私たち国民であることもお忘れなく。

「これからの時代、どんなリーダーを支持するべきなのか」

本書を読むと、そこまで意識するようになることウケアイです。


『君主論』を読む前に、まず本書から!

成毛眞の超訳・君主論 (メディアファクトリー新書)
成毛眞の超訳・君主論 (メディアファクトリー新書)
はじめに 今こそ強いリーダーが求められる時代
第1章 マキアヴェッリはビジネスマンの教師である
第2章 『君主論』はこれだけ知れば大丈夫
第3章 『君主論』を体得すれば人生が変わる
第4章 これから頑張る人が『君主論』を読むべき理由
付録 もっと知りたい人のためのブックガイド


【関連記事】

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【編集後記】

◆今日の成毛さんの本を読んで、真っ先に思い浮かべたのがこちら。

権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉

昨年の売上ランキング(39位)にも入っている名著。

上記関連記事の最初でご紹介してますので、そちらもご覧ください。


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