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2011年12月17日

【幸運!?】『ラッキーな人の法則』に学ぶ7つの法則


ラッキーな人の法則
ラッキーな人の法則


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、マッキンゼーやアップルに勤務経験のある小杉俊哉さんによる「運のつかみ方」の指南本。

リアル書店であれこれ物色していたところ、目の前で立て続けに2冊買われていくのを見て、思わず買ってしまいました。

アマゾンに現時点で情報がないので、出版社のサイトから。
運のいい人と悪い人というのは何が違うのか。ラッキーな人の考え方や行動様式を、学術研究の結果や成功者の言葉・生き方、著者自身とまわりの人々の体験から解き明かす!研究結果に基いた「ラッキーな人々が実践している20の法則」を、実例とともに紹介します。
今年1年ツイてなかった人も、本書を読んで来年こそは幸運を呼び込んでください!


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【ポイント】

■1.何事にも楽観主義でいる
 実際のところ、ラッキーな人にも、アンラッキーな人にも、起こっている出来事に大差はありません。ラッキーな人がアンラッキーな出来事に遭遇することもありますし、アンラッキーな人がラッキーな出来事に遭遇することもあります。
 にもかかわらず、両者が手にする結果が異なってしまうのは、「とらえ方」が違うからです。つまり、楽観主義か悲観主義かの違いです。
 ラッキーを起こすには、何事にも「楽観主義」であることが、まずスタートといえます。


■2.失敗を失敗に終わらせない
 そもそも、人生には成功よりも失敗のほうが多いのです。それはラッキーな人たちにとっても同じことです。
 ただし、ラッキーをつかむ人は、失敗を失敗で終わらせません。
「失敗から学び、失敗を転じて成功に結びつける」という発想を持ち、それを実践するのです。そして、粘りに粘って、結局はラッキーをつかみ取るのです。


■3.ネットワークを持つ
「幸運」が起こる背景を、べーカー教授は次のように述べています。
「こういう類の幸運は決して偶然ではなく、実は必然的なものである。運のよい人は「クモの巣のような情報網」を構築しており、多種多様な情報をキヤッチし、タイミング良く行動するチャンスを増大させていることが数々の研究によって証明されている。(後略)」(中略)

 こうしたべーカー教授の主張に従うならば、ラッキーは、自分ひとりのカでつかめるわけではない、となります。つまり、ラッキーをつかむには、他人との関係も大きなカとなるのです。
 これは、ラッキー調査を行なってみて、私自身が非常に強く感じたことでもあります。調査の中で、「ラッキーな人」に分類された人の多くが、そのコメントで、「ラッキーをつかめたのは、周りの人のおかげ」といった内容のことを述べていたのです。


■4.見返りを求めず「ギブ」する
 まずは、見返りを求めず「ギブ」してみてください。すると「何かちょっといいことをした」と、うれしい気分がします。自分が少し大きくなったようにも感じられます。そうやって心を充実させていくことが何よりも先なのです。
 世の中で「成功者」と呼ばれる人たちは、ひたすら「テイク」ばかりしているイメージがあるかもしれませんが、実は、その逆なのです。欧米では、税制の違いはありますが、大金持ちにとって「寄付」や「社会貢献活動」などは、当たり前の行為として実践されています。


■5.悪口を言わない
 私たちの発した言葉は、自分の耳を通じて、脳の海馬という部分に記憶し、定着します。つまり、悪口ばかり言っていると、ネガティブな言葉ばかりがどんどん海馬に蓄積されていくのです。(中略)

 ラッキーな人は、そのことに気がついているのでしょう。だから、彼らは人のことを決して悪く言わないのです。
 その代わり、彼らは常に「いい言葉」を発します。たとえば、「ありがとう」という感謝の言葉。「この人はラッキーな人だな」と感じさせる人は、共通して、「ありがとう」という言葉をよく使います。そうした「いい言葉」を常に耳にしているのですから、彼らの思考回路がどんどん前向きになっていくのは当然のことです。


■6.まず自分自身を肯定する
 人間は、「自分」を認められない限り、「他人」を認めることなどできません。自分を肯定できないまま、相手を「すごい」と思うとき、それはねたみでしかありません。本心から相手を認めているわけではないのです。
 逆に、本当の意味での、他者支援や感謝というのは、相手を認め、「この人のためならひと肌脱ごう」、あるいは「ここまでしてくれてありがたい」という感情から生まれるものです。だからこそ、まず自分自身を肯定すること。自分の持つ「よさ」を認めてあげることです。


■7.「道理」を大事にする
 ラッキーな人は、直感で判断するとき、そのよりどころとして「道理」を大事にします。
 たとえば、かつての日本のバブル。土地の値段がずっと上がり続けるなんてことはあり得ないでしょう。道理に合わないのです。
 そのとき、「どう考えても、いまの状況はおかしい。これがずっと続くことはないだろう」と判断できれば、土地の投機に奔走することもなく、バブル崩壊の火の粉がふりかかるのを最小限に抑えることができました。こうした人を、周りは「ラッキーな人」と思います。


【感想】

◆本書の前に、実は著者の小杉さんは、すでにこのような本を出されています。

ラッキーをつかみ取る技術 (光文社新書)
ラッキーをつかみ取る技術 (光文社新書)

これは、小杉さんが様々な文献を読み漁り、かつ、ご自身の人事での経験(ユニデンとアップルで人事責任者)を踏まえて「ラッキーな人に共通する考え方や行動」をまとめたもの。

そしてそれをさらにバージョンアップすべく、あらたに300人以上の人たちを対象に「ラッキー度調査」を実施し、出来上がったのが本書です。

ちなみに本書の巻末には、実際に調査に使用された「ラッキー度調査シート」並びにその集計結果等が収録されていますので、気になる方はご自分でお試しアレ。


◆また、「人事」という面に関して言うなら、小杉さんはこのような本も書かれてらっしゃいます。

キャリア・コンピタンシー―新・知的ビジネス・スキル講座 (新知的ビジネス・スキル講座)
キャリア・コンピタンシー―新・知的ビジネス・スキル講座 (新知的ビジネス・スキル講座)

実はこの本はずいぶん前に読了済み。

結構良かったので、紹介しよう、紹介しようと思っていたのですが、新しい本ではないと、逆に急ぐ必要もなかったためそのままになっていました。

ところが今日ご紹介の本の中で、キャリアに関して言及されている部分で何度か登場しており、これはしまったな、と。

キャリア系の本に興味のある方なら、読んでみても良いと思います(アマゾンでもお手頃ですし)。


◆なお、分かりにくいかもしれないので、上記ポイントの6番目の内容を一部補足しておくと、「他者支援」をしている人の中には「コンプレックスだらけの自分を守る行為」として人の世話を焼く人がいるのだそう。

彼らはそうやって人を助けることで、いまの「ダメな自分」から目を背けています。

ただ、それが本心からの他者支援ではないため、裏ではひどい悪口を言っている、ということも起こるのだとか。

……なんだか、中途半端に自己啓発本等を読んでいると、ありがちな気が。

ですから、まずは「自己承認」すること。

その上で「他者支援」するのなら、ラッキーになれる確率が高まるワケです。


◆一方、今回割愛した中で付け加えておきたいのが「やらないで後悔するより、やって後悔する」というもの。

ラッキーになれるかどうか以上に、「やらないで後悔」すると、圧倒的に後を引きます。

まさに、このツイートの通り。

「やったことの後悔は日に日に小さくなるけれど、やらなかったことの後悔は日に日に大きくなる」です。林真理子さんの言葉。雑誌に載ってた。
Dec 12 via HootSuiteFavoriteRetweetReply


その点、ラッキーな人は、何かをやった上で失敗しても「楽観的」ですし、そもそも「失敗を失敗に終わらせない」のですから、ますます挑戦できるというものです。


◆本書は、読んだだけで即、ラッキーになれる、というお手軽なものではありません(あの「1万時間の法則」もありますしw)。

ただ、その確率を高めることができる、という点では、やはり一読の価値はあると思います。

ちなみに、本書の第5章に成功者・偉人の「ラッキー(ないしはその近接概念)」に関する発言を4つに分類した表が載っているのですが、それによると「状態系」(自分の力が及ばない)に属するものは、全体の3%ほどでした(詳細は本書を)。

結局、ラッキーは自ら勝ち取るものなんですね。


今からでもラッキーになりたい人へ!!

ラッキーな人の法則
ラッキーな人の法則
第1章 300人の「ラッキー度調査」から見えてきたもの
第2章 ラッキーな人が実践する20の法則(1)自己承認と自己確立
第3章 ラッキーな人が実践する20の法則(2)他者支援と感謝
第4章 ラッキーな人が実践する20の法則(3)直感と洞察力
第5章 ラッキーな人の生き方


【関連記事】

【幸運?】『「持ってる人」が持っている共通点』小笹芳央(2011年05月30日)

【羽生流】『結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)』羽生善治(2010年12月13日)

【成功法則】『ダメなときほど運はたまる ~だれでも「運のいい人」になれる50のヒント~』萩本欽一(2011年01月26日)

知らないと損する「心を揺さぶる名経営者の言葉」活用法 (2010年08月15日)

「運のいい人にはワケがある! 運を鍛える《ゴリラ》の法則」 リチャード・ワイズマン(2005年07月13日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本の中で、もっとも引用元とされていたのがこちら。

心を揺さぶる名経営者の言葉 (PHP文庫)
心を揺さぶる名経営者の言葉 (PHP文庫)

ラッキーなお話だけでなく、経営者のさまざまな言葉が収録されていてお買い得です(上記関連記事にレビュー有り)。


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この記事へのコメント
               
smoothさん

自己啓発本では「利他」を説く本が多いので、自己承認・確立を忘れがちになりますね。「やりたいからやる」という充足感からの行動であれば結果に一喜一憂されないかもしれませんが、「とにかく認められたい」という欠乏感からの行動になると、smoothさんの記事に書かれているように、負のスパイラルから抜けられなくなりますね。私もつい最近までそうでした。年末の読書本として、この本を購入します。
Posted by がってん at 2011年12月24日 00:53
               
>がってんさん

コメント&お買いあげありがとうございます(涙)。

私も自分自身、利他さえ心がけていれば良いのだと思っていました。
若いころは、自己承認できていなかったため、本書にあるように「ねたみ」もあった気が(汗)。
今思えば反省の日々であります。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年12月24日 04:20
               
smoothさん

新年の購読しているメルマガを読んでいた所、マズローの考えを根拠とする目標達成のやり方を提示している記事を読みましたが、やはり、自己承認が何より先にすべき優先事項とよくわかりました。震災の影響もあり、なかなか声高に言えないかもしれませんけど。。。

http://ameblo.jp/mentalconsultant/entry-11123402021.html
Posted by がってん at 2012年01月03日 21:47
               
>がってんさん

ご紹介頂いた記事読みました。
なるほど、「have」から「Be」を導き出すのですね!
確かに被災地のことを考えると、「そんなもの欲しがるなんて贅沢な」と言われちゃいそうな気もしますが、これはこれで「アリ」なやり方だと思います(考えるだけですしw)。

ご紹介ありがとうございました!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2012年01月04日 00:44