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2011年12月11日

【名コンビ復活!】『IDEA HACKS!2.0』 小山龍介,原尻淳一


IDEA HACKS!2.0
IDEA HACKS!2.0


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、小山龍介さん&原尻淳一さんによる、お馴染み『HACKS!』シリーズの最新刊。

なんと、シリーズ第1弾の『IDEA HACKS!』の「2.0」バージョンであります。

お二人とも精力的に本を書かれていますが、このコンビで出されるのは久しぶりかと。

アマゾンの内容紹介から。
HACKSシリーズ第1弾の『IDEA HACKS!』をクラウド時代に合わせてパワーアップ!
平凡な人間が画期的なアイデアを生み出すノウハウを紹介します。全て新規書き下ろしです。
内容的には、思った以上に「深い」1冊でした!


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【ポイント】

■1.報酬ではなく贈与を優先して考える
 何を得られるかではなく、何を贈ることができるのか。問いを180度回転させ、報酬ではなく、贈与を優先して考えることによって、その人は「運」をつかむことになります。(中略)

 これを別の言い方で言えば、「方法から場へ」ということができます。
 今までのハック1.0は、方法を取り扱ってきました。それは一歩間違えるとスキル至上主義になりかねないものをはらんでいたことは、ここで認めたいと思います。
 この2.0においては、その人の献身によって、業界や社会といった「場」を豊かにすることで、自分も結果的に豊かになるという新しいアプローチを提案します。


■2.相手を活かす活人剣コンサルティング
 たとえば、僕がコンサルティングに入る場合、その分野の専門知識がなくても平気で現場に入って行きます。知らないことはどんどん質問しながら、思いついた直感を躊躇せずアウトプットします。その直感の中には、業界にいるとかえって思いつかないアイデアもあり、議論はとんとん拍子で進んでいきます。
 正しいことを言いたいという執着を手放し、自分の直感に従って体の正面でまっすぐに一刀両段する。相手が変化するからと言って意見を変えるのではなく、軸をぶらさずに対応するのです。


■3.自分の能力を人のために使うと、さらに自分の能力が発揮される
 天賦の才能や直観は、天からの「贈与」です。その自覚のある人は、なんとか返礼をしたいと思うのですが、天に対してお返しするわけにはいきません。そのときに取れる行動といえば、別の第三者や地域などの場に贈与するということです。
 スターバックスは、ニューオーリンズという場への贈与を通じて、店長たちにこのことを体験的に気づかせ、その結果、自分たちのお店に戻ったあとでもそうした場への贈与を継続したのです。その結果が、顧客満足度の向上につながり、スターバックスの社会的な「居場所」を確保することにつながったのだといえるでしょう。


■4.他人からのフィードバックがモチベーションを高める
 フィードバックというのは非常に重要なプロセスです。システムエ学で言えば、フィードバック機構があるからこそ、エアコンは決められた温度に調整できますし、機械は安定して機能することができます。
 人間というシステムも同様で、他人からフィードバックを受けることによって、安定して貫の高いアウトプットをしようというモチべーションが高まるのです。フィールドワークの現場においても、フィードバックのループを設計しておくことが重要です。


■5.過去の正解を探すのではなく、未来の仮説を考える
 正解を探すというのは、別の言い方をすれば過去に情報を探しに行くということです。過去には、たしかに誰も間違えようのない事実があり、それを正解とすれば安心です。大学入試まで、そうした勉強を続ける仕組みなので、それが身についてしまっているのは、ある意味仕方がないかもしれません。
 しかし未来については、何が起こるかわからないという点において、正解はありません。過去の正解を探すのではなく、未来の仮説を考える。そういうふうに意識を変えると、思考の仕方がガラリと変わります。


■6.セルフブランディングは単なる自己PRではない
僕(原尻)自身、広告代理店でブランド・マーケティングに7年間携わり、その後、アーティストのブランド・プランニングを設計してきました。そこで学んだのは、ブランドを作るということは、「価値の創造」に他ならないということです。
 この場合の価値とは、相手に評価されてはじめて生まれるものです。その意味では、「スキル」は価値ではありません。そのスキルが相手のニーズに合致して、相手にとって役に立ってはじめて価値となるのです。(中略)

 もしかしたら、あなたのセルフ・ブランディングは、自分の能力や趣味をアピールするツール開発で終わっていませんか? それではもったいない。自分の能力を他人のために使うからこそ価値は生まれるのであって、ツールはその価値をちよっとだけ膨らます手段でしかないのです。


【感想】

◆タイトルでわざわざ「2.0」をうたっているので、前作(『IDEA HACKS!』)の延長線上にあるのかと思って読み始めたのですが、結構ベクトルが違って驚きました。

顕著なのがポイントの最初に挙げた「贈与」という概念です。

本文中、何度か登場するのが、お馴染み内田 樹先生のこのツイート。

人間の価値は何を成し遂げたかではなく、何を贈ったかによって考量されるということが改めて身にしみるジョブス君の通夜の夜です。
Oct 06 via Twitter for iPadFavoriteRetweetReply


本書曰く、「ジョブズになるなら、スキル至上主義を捨てるべき」である、と。

つまり上記ツイートにあるように「何を贈ったか」を考えるべきなんですね。


◆それはポイントの6番目の「セルフ・ブランディング」の話でも同様です。

相手の立場に立って献身できないのであれば、それはもはや「ブランド」ではない、ということ。

「自分の能力や趣味をアピールするツール開発」という指摘に、ドキッとされた方もいらっしゃるのでは?

今後、名刺等を作成される際には、このことを意識しても良いかもしれません。

本書では「個人名刺」に関する言及があるのですが、そこで紹介されている「出逢いの大学・学長」の千葉智之さんのようにメリット(「出逢い」)を提供(贈与)されてらっしゃる方こそが、まさに「セルフ・ブランディング」の成功例なのだと感じました。

……私もモテ本の知識を活かして「出会い系の大学・学長」になろうかな(ないないw)。


◆もちろん本書では、「HACKS!」シリーズファンなら大好物であろうガジェットの紹介もアリ。

個人的に付箋を貼ったのは、こんなところです。

ニールズヤード アロマパルス スタディ
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HUROM SLOW JUICER 【酵素で元気! 世界初LSTS方式(低速圧縮搾り)】スロージューサー ホワイトHU-300W
HUROM SLOW JUICER 【酵素で元気! 世界初LSTS方式(低速圧縮搾り)】スロージューサー ホワイトHU-300W

STRIDA(ストライダ) 16インチ折り畳み自転車STRIDX LT ブラッシュ STRIDA LT
STRIDA(ストライダ) 16インチ折り畳み自転車STRIDX LT ブラッシュ STRIDA LT

詳しい用途や詳細については、本書をご確認のこと。


◆ちなみに本書のハックの中の1つに「小・中学校の卒業論集を読んでみる」というものがあります。

これは「いきがい」や「ライフワーク」を見つけるためのエクササイズの1つで、原尻さんは中学生の卒業論集で「大学教授になりたい」と書き、それが実現したのだとか。

一方私自身を振り返っても、以前ブログでも書いたように、小学校の卒業文集で「大きくなったら本屋さんになりたい」と宣言しております。

このブログも、見ようによっては、小さな書店(モテ本多すぎますがw)ですから、結構当たっているのかも。

そしてこのブログも、色々な方(著者さん、読者さん)のお役に立つこともあるので、一種の「贈与」と言えないこともないですし、まさに「ライフワーク」なのだと思います。


自らのブランディングを考えたい方に!

IDEA HACKS!2.0
IDEA HACKS!2.0
1.天才的アウトプットハック
2.超大量インプットハック
3.オリジナルを育むフィールドワークハック
4.未来を創るデザイン思考ハック
5.自立力を高める個人ブランドハック
6.人生を豊かにする複線キャリアハック


【関連記事】

「IDEA HACKS!」原尻淳一 ・小山龍介(著)(2006年07月29日)

【10選】『クラウドHACKS!』サービス&ガジェットネタ10選(2010年12月07日)

【整理術】「整理HACKS!」小山龍介(2009年06月29日)

【読書ハック】「READING HACKS!」原尻淳一(2008年10月12日)

「PLANNING HACKS!」原尻淳一(2007年05月13日)


【編集後記】

◆やはり本書内で紹介された中の1冊がこちら。

脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方
脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方

実際、ジョブズも伝記を読んで思いましたが、歩いてばかりでしたものねw


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