2011年12月04日
【文章術】『Twitterで磨く! 20代からの「国語力」』福嶋隆史
Twitterで磨く! 20代からの「国語力」
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、Twitterを使った「文章術」のご本。著者の福嶋隆史先生は、国語のスペシャリストであり、多くの著作を出されています。
そんな先生が注目されたのが、Twitter。
本書では、Twitterを利用することで、「言語コミュニケーション能力を磨き、日常生活を豊かに」していくことを目指しています。
果たして私も、ふぁぼられまくられるようになるのでしょうか?
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.「形式」が「内容」をコントロールするあなたが何かを話そう・書こうとするとき、あなたの心の中には何らかのばんやりとしたイメージ(=内容)があります。
そのイメージに「形」を与え、意味を確定するのが、言葉です。
言葉を適切に選び、適切に並べ、適切に使うことができれば、そのイメージは"ありのまま"に相手に届きます。(中略)
言いかえれば、「何を伝えるか」よりもまず「どう伝えるか」を意識することが重要である、ということです。
「内容」よりも「形式」を重視する。
この覚悟を決めてコミュニケーションに取り組むとき、論理な思考力は磨かきれます。
そして、それが、とりもなおさず「内容」を大切にすることにつながるのです。
■2.意図的に短い文章を書く
長い長い文章で構成された「本」を漫然と読んでも、感動こそすれど、技術の獲得には至りません。
できるだけ短い文章、しかも技術的に整理された、真似できるレべルの文章を読むことが大切です。
むろん、読むこと(受信)だけでは能力の獲得には至りません。
肝心なのは、書くこと(発信)です。
その際も、長い文章を漫然と書いていてはダメです。技術を持たずに芸術に挑んでも、混沌とした文章しか生み出されません。(中略)
一歩でも高いレべルに近づくには、意図的に短い文章を書かなくてはなりません。
そして、単に短い文章を書くのではなく、技術(=型・方法)を意識した、整理された文章を書く必要があります。
■3.抽象と具体の両方を備えた文章にせよ
(2) 1週間前に買った小説、30ぺージまで読んだ。それを友だちに話したら、「遅すぎ」って言われた。これでも毎日読んでるんだけど。自分にはこの速さがちょうどいいんだけどな。立ち止まったり戻ったりしながら読むのが。……速さって、そんなに大事なのかな。(中略)
(2)の最後の一文、「……速さって、そんなに大事なのかな」が、もし書かれていなかったとしたらどうなるでしょうか。
単に小説をめぐる友人とのやりとりを愚痴った文章としてしか受け止められないでしょう。
「速さって(=速さというものは)……」といった「一般化(抽象化)」が行われているからこそ、読み手が「ハッ」とするのです。
■4.テンポを維持しながら、少し立ち止まる
何か書こうとしたとき、「待てよ、ほかの表現にできないかな?」と一瞬立ち止まってみる習慣をつけましょう。
もちろん、twitterコミュニケーションでは、あまり立ち止まっている暇がありません。リアルタイムゆえのプレッシャーとも言えるものが、そこには生じてきます。
しかし、だからこそ、鍛えられるのです。
ツイートのやりとりのテンポを維持することと、発信する言葉を選ぶためにわずかな時間だけ立ち止まることとを、両立すること。
これを日々繰り返すうちに、いつのまにか、素早い「言いかえ」ができるようになってくるわけです。
■5.「型」を使ってツイートしてみる(抜粋)
●「言いかえるカ」
[A]。つまり[B]。●「くらべる力」
[B]。たとえば[A]。
[ ]は[A]。一方、[ ]は[B]。●「たどる力」
[ ]は[A]ではない。むしろ、[B]。
[A]。だから、[B]。
[B]。なぜなら[A]。
■6.非公式RTで磨く「要約力」
抽象化したコメントを書くなら、元の【具体】を残す。
具体化したコメントを書くなら、元の【抽象】を残す。
こういった意図で、元ツイートのメッセージを臨機応変に残していくわけです。(中略)
元ツイートの不要な箇所を削る作業も、ひとつの「要約」です。ひとくちに要約と言っても、目的に応じて変化をつけることが求められるのです。
自分が書き足したこのコメントの意味を理解しやすくするためには、どこを削りどこを残すべきか――。こういった意識を持ちながら非公式RTを活用すれば、自然に要約力も高まっていくことでしょう。
■7.具体を問うからこそ、全体像が浮かぶ
思考の網は、どの糸もつながっています。
1本の糸を引っ張れば、他の糸も引っ張られ、結局は全体像が見えてくるのです。
料理人に対して質問があるのなら、「料理とはどういうものですか」などと問わず、「包丁の持ち方」という具体だけを問うてみます。
そうすれば、そこから話はぐんぐん広がり、具材の切り方との相性、火を使うことと使わないことのメリット・デメリット、はたまた、料理への情熱、最近の料理界の情勢……といったあらゆる話を引き出すことが可能になるでしょう。
具体を問うからこそ、全体像が浮かぶのです。
最初から全体像を問おうとすると、具体は見えてきません。
【感想】
◆先月、当ブログにてこういう本をご紹介しました。150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方
この記事に対する、ツイッターやはてブのコメントで目立ったのが、「150字じゃなくて、140字から始めるべき」というもの。
もちろんそれは、ツイッターの「140字」という字数を意識されたものであり、その意味では、こういったツイートやコメントをされた方にとっては、本書は待望の一冊と言えそうです。
ちなみに、上記の本は「150字」にこだわったわけではなく、続く内容では「300字」「800字」とボリュームが増えていくので、ツイッターを意識される方には、やはり本書の方がオススメ。
◆なお、「140字」という字数内におさめる工夫はもちろん、多くのツイッターユーザーにとって興味あるであろう「反応のある書き方」についても言及があります。
具体的には、「RT数」や、「ファボ(お気に入り)数」。
この辺は、純粋な「文章術」の本とは違ってくるところなので、あまり掘り下げ過ぎると、むしろ「ツイッターテクニック」の本になってしまうところです。
本書では、あくまで『理性的アプローチによって言語操作能力=「論理的思考力」を高めることを目的とした本』(アマゾンの内容紹介より)なので、「売れるセールスコピー集」のような内容を期待しないように。
一応、第4章では、文章術以外での形式的な部分での記述があるので、詳細はそちらにて。
◆また、本書内には、内容に関する具体例として、著者の福島さんのツイートも収録されています。
さらに巻末には、福島先生のツイートの中から、「RTされたもののTOP10」が。
ちなみにこちらは、第3位のツイート(約1200RT)。
その他のものについても、ツイートと、それに対するコメントが付されていますので、ご参考まで。
……これが、爆RTされるツイートというものなのか。
◆私自身、ツイッターは、自分のブログ記事の更新を告知するものとしてしか利用していないのが現状です。
しかし、ブログのアクセスを増やすといった、アサマシ的な用途よりも、本書のような「国語力を磨く」という用途の方が、よほど生産的かと。
先日、間違って思わずつぶやいてしまいましたが、誰からもRTもファボもされなかったワタクシ(ちなみにルミネ2店は先月末で閉店したそう)。
やはり本書を読んで、キチンと勉強すべきかもしれませぬ。
ツイッターでキラリと光るために!
Twitterで磨く! 20代からの「国語力」
第1章 twitterで理論的思考力を向上させる
第2章 ステップ1「3つの力」で「140字」を激変させる
第3章 ステップ2 スムーズな「会話」ができる人、できない人
第4章 ステップ3 twitterコミュニケーションの「壁」を乗り越える
【関連記事】
【文章術】『150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方』高橋フミアキ(2011年11月10日)【文章術】『書くことが思いつかない人のための文章教室』近藤勝重(2011年10月02日)
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厳選! 「『人を動かす文章術』」の超簡単な活用法8個(2011年01月05日)
【編集後記】
◆ちょっと気になる本。だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産のフリーエージェント・スタイル
「働き方3.0」というのは、どんなものなのか、チェックしておきたいな、と。
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
『Twitterで磨く! 20代からの「国語力」』著者の福嶋隆史です。詳しくご紹介いただきまして、ありがとうございました!
Posted by 福嶋隆史 at 2011年12月04日 13:34
>福嶋隆史さん
著者様直々のコメントありがとうございます。
大変勉強になりました。
いつか、実際にTwitterでコメントするようになったら、再度熟読するつもりです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
著者様直々のコメントありがとうございます。
大変勉強になりました。
いつか、実際にTwitterでコメントするようになったら、再度熟読するつもりです。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年12月05日 03:06
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