2011年11月24日
【ビジネス絵文字】『ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術』永田豊志

ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で手にして「即買い」してしまった1冊。「図解」を推奨する本は数多くありましたが、本書のように、実際にその「図」自体を描くテクニックを指導してくれる本は、今までなかった(少なくともビジネス系では)と思います。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
絵文字は仕事や勉強の「記録」という退屈な作業「すばらしい自己表現」へと変えていきます。ノート類より、むしろプレゼン等の資料の見栄えが格段によくなるヨカン!
ドライな業務連絡を、ウェットで人間味あふれるコミュニケーションに変えることができます。
さぁ、一緒に絵文字の世界に出発しましょう。

【ポイント】
■1.輪郭と特徴的なバーツを1つ、2つ残す文字で書くよりも同じ情報量を伝えるために、時間がかかるのであれば、本末転倒。なるべくさらっと描け、絵心など関係なく誰にでもできることが重要です。そのためにも、なるべく少ない線や単純な図形の組み合わせで描くことが大事です。(中略)
私は、ビジネス絵文字をより簡素な絵でリアリティのあるものにするために、対象物の「輪郭」と「特徴的なパーツを1つか2つ」残すことをオススメしています。
■2.自分のレべルや用途に応じた描き分けをする
私は海外に行くことが多いので、「お金」といってもそれが米ドルなのか、豪ドルなのか、はたまた日本円なのか区別が必要です。しかし一方で、お金といえば「日本円」という人もいます。(中略)
こだわりのない人なら、お金=¥マークでもかまいません。そうでない人は、現金なのかクレジットカードなのか、日本円なのか米ドルなのか描き分けが必要です。
つまり、一口に絵文字といっても、必要な細やかさは描く人のレべルや用途に応じて大きく異なるということです。誰もが同じ絵文字を描く必要はありませんから、本当に自分に必要な最低限の絵文字からスタートするのが気楽でいいと思います。
■3.表情アイコンは目と口だけでOK
表情アイコンは基本的に目と口だけでOKです。鼻は感情によって変化しないからです。
目は点、弓形、つり上げの3種、口は横とじ、笑い、への字と、口を開けた4種もあれば十分。あとはその組み合わせでいろんな表情をつけていくことができます。
■4.家電はスイッチ類だけでなく、動きに注目
自宅で使う家電製品などは、あまり日常的に注目していないせいか、いざ描こうとすると、どういう特徴があったのか思い出すのが難しいものです。
形やスイッチ類だけでなく、家電の発する動きに着目すると、よりリアルになります。たとえば、扇風機やエアコン、ドライヤー、掃除機なら風の流れ、ライトなら明かり、リモコンであれば電波の発信を描くと、活き活きとしてきます。
■5.企業はビルで表現する
図解を作成するときに、対象が企業か個人かを区別しなければならないケースは少なくありません。また、企業であっても、大企業と中小企業、本社と支店を描き分けなければならない場合、個人であっても世帯と個人の区別が必要な場合があります。
企業をカンタンに描く方法は、ビルを描くことです。その大小で大企業⇔中小企業、本社⇔支店という区分けをするのがカンタンです。
個人の場合は、世帯であれば一軒家、1個人であれば人の上半身シルエットなどがイメージしやすいと思います。
■6.乗り物は相違点、駅は乗り物の正面図で
何かと乗り物の絵文字は使う頻度が高いので、しっかり練習しておきましょう。タイヤや車輪は見た目にあまり差がないので、電車のパンタグラフのように、「その乗り物がほかともっとも異なる点は何か」に注目して描き分けるのがポイント。駅や港を描く場合には、乗り物の正面図が描けるとさらに雰囲気が出ます。
■7.グラフの使命は全体の傾向をつかむこと
表計算ソフトで計算した結果を正確に表すのがグラフである、という考え方は捨て去ってください。グラフの使命は正確よりも全体の傾向をつかむこと。ですから、自分の手で描けるくらいでないと、トレンドが把握できているとはいえませんよ。
また、グラフの種類は用途に応じて使い分けましょう。提案書のラフや会議でトレンドを共有する場合などに、手描きでグラフがさらりと描けると、生産性がグンと高まります。
【感想】
◆実際に中身をご覧頂かないと分かりにくいのですが、とにかく開いた瞬間に「あ、これイイ!」となってしまいました。とにかく、絵文字が満載(アタリマエw)!
上記ポイントでは「家電」や「企業」「乗り物」をご紹介しましたが、他にも「生き物」「ボタン」「ビジネス文書」「地図」「エンターテインメント」等々ありとあらゆるものが登場します。
しかも巻末の付録として、スマホで持ち歩くための「使える絵文字81」なるものも収録。
どの図も縦横比がスマホで一般的な4:3になっている……って、私はスマホじゃないんでカンケーないんですが。
◆こうして言葉で書いていてもピンとこないでしょうから、実際に画像をちょっとだけお見せしようかと。
永田さんの絵文字がどこかに落ちてないか、画像検索でググったものの見つからなかったので、本書内から一部転用。
下記は、ジャンル的には「家電製品」になります。

これをグラフに活用すると、こんな感じに(見にくくてスイマセン)。

もちろん、こうした絵文字がなくとも分かるのでしょうけど、あった方が格段に見栄えがよくなるかと。
アマゾンのページに、内容紹介の動画があるので、そちらもご覧いただきたく。
◆思えば、こういう絵文字というかイラストって、描ける人はサクサク描けちゃうんですよね。
たとえば、「百式」の田口元さんとか。
タイ語勉強用のイラストをほめられたので、ついカッとしてもっと晒す | IDEA*IDEA
吉澤大先生も、自著の図は、こんな感じで描かれてらっしゃいます。
【著書】「なぜ、決算書が読めるヤツは出世するのか」 - あなたのファイナンス用心棒 吉澤 大 ブログ
吉澤先生の場合、図は基本的に全て自前のハズ。
◆私もこういう方々にあこがれて、図解系の本を色々読んでみたりもしました。
例えばこんなのとか。

描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング
参考記事:【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)
でも、実際に描くのは結構難しかったので、こっちに浮気してみたり。

「記事トレ!」日経新聞で鍛えるビジュアル思考力
参考記事:【図解化】『「記事トレ!」日経新聞で鍛えるビジュアル思考力』板橋 悟(2009年05月31日)
ところが今度は、ピクト図だと描いていてワクワクしないというか、ちょっと面白みに欠けるかな、と。
「帯に短し襷に長し」じゃないですが、なかなか難しいんですよね、実際……。
◆そんな悩みを解決してくれるべく登場したのが本書。
冒頭で申しあげたように、類書に比べると「絵文字を描くテクニック」に具体的に踏み込んでいるのが特長です。

各ジャンルごとの描き方と、それらの活用例も併記。
さらに、第7章では「会議」「提案書」「アイデア発想」といった具体例をも紹介されています。
今度こそ、図解が習得できる気がw
これはオススメせざるをえません!

ノート・手帳・メモが変わる「絵文字」の技術
1.「ビジネス絵文字」で3つの力を手に入れる
2.絵文字入門! 人の感情や動きを表す
3.ノート・メモが楽しくなる! 厳選絵文字を一気に紹介
4.絵心ゼロでも大丈夫! ニュースを絵文字で整理する
5.記号・略号を使いこなして、情報をよりシンプルに!
6.できる人がやっている「図」で考えるテクニック
7.実践! 9つの例題を絵文字メモにしてみよう
8.絵文字ノートを持ち歩こう!
<2011.11.27追記>
永田さんご自身の記事が、誠 Biz.IDに掲載されました!
誠 Biz.ID:絵文字の技術:メモは楽しいですか? 仕事は面白いですか?
こちらも是非、参考にしてみて下さい!
【関連記事】
【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)【図解化】『「記事トレ!」日経新聞で鍛えるビジュアル思考力』板橋 悟(2009年05月31日)
もしものときのための『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』6選(2011年04月13日)
【図】「図で考えるとすべてまとまる」村井瑞枝(2009年09月13日)
【88のワザ】「図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック」山田雅夫(2010年07月12日)
【編集後記】
◆本書の著者である永田さんは、この本を読んでイラストを練習したそう。
知識ゼロからの1分イラスト入門
「550点のイラストを掲載」とのことなので、参考になりそうです。

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