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2011年11月11日

【システム化】『ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則』本田直之


ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則
ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み本田直之さんの久々の新刊。

サブタイトルが「ガラパゴス上司にならないための10の法則」とあるように、本田さん初のマネジメント的な内容となっています。

アマゾンの内容紹介から冒頭部分を。
何度も同じことで怒る、プレイングマネージャーにならないために!
草食系部下をまとめ、チームとして結果を出す仕事術!
自分が会社員だったら、と思うとマストな1冊かと。


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【ポイント】

■1.非クリエイティブな仕事は効率化しよう
 非クリエイティブな仕事、つまリルーチンワーク、雑務、作業は、仕事を進めていくうえで避けて通れないものです。
 その中で、たとえば部下のスケジュール管理、営業件数の確認、営業報告書のチェック、チーム全体の案件の進捗状況、プロジェクトの進行管理などは、定期的に行われることです。
 繰り返し行われる、これら管理や確認、またホウレンソウ(報告・連絡・相談)などのミーティングは非クリエイティブなものの代表といえます。
「繰り返し行われる」ということはパターン化できるということですから、システム化したり仕組み化していくことが可能なわけです。


■2.情報が集まるようにシステム化する
 これからのプレイングマネージャーに必要になってくるスキルは、
(1)過去のことをできるだけやらないようにする
(2)仕事を分析して体系化させ、みんなに基本的な武器、ナレッジをもたせることによって平均レべルを上げて、そこからスタートする

 となります。これがなければ、部下たちも「何のためにホウレンソウしなければならないんですか」ということになってしまうのです。自動的に上司のもとに情報が集まってくるように、システム化すればいいのです。


■3.若手部下は「外国人」と思え
 これからのマネージャーに特に必要とされるのが、若い部下たちとのコミュニケーション能力です。メンバーにやるべきことを依頼するとき、明確化したり明文化したりする能力のことで、要するに、ロジカルに明快に伝えられるカです。(中略)

同じ日本人でも世代が違うため、ある意味、外国人に伝えるような感覚をもつ必要が出てきているのです。そのくらいの思いでコミュニケートしなければうまくいかないでしよう。20世紀では常識だった「これ、やっといてね」は、もうまったく通用しないのです。


■4.できる2割を育てて、全体をレベルアップする
 全体がレべルアップすると、できない2割の社員は、「自分は後れをとっている」と気づいて動き始めるか、そのまま辞めてしまうかのどちらかです。
 逆に、できない2割にカを入れてしまうと、どちらにも属さない6割も「私もケアしてほしい」と、仕事ができないほうに流れてしまいがちなのです。
 できる2割で会社全体を引っ張っていくのはなかなか難しいため、その2割がどちらにも属さない6割の社員をうまく引っ張ってくれるような形にしたほうが効率がいいのです。


■5.ITを取り入れたシステム化は徹底する
 私の場合は「とにかくだまされたと思ってやってくれ」と強制しましたが、ものすごい反発にあいました。それでも「このシステム以外で処理したものは受け付けない」と突っぱねた結果、1年後には「この仕組みがないと仕事にならない」とみんなが思うようになりました。
 ですからリーダーは、仕組みを導入することによってどうなるかを、全体的・長期的な視点に立って、徹底的に理解しておく必要があります。


■6.フレームワーク仕事術"4つのメリット"
(1)チームマネジメント力がアップする

(2)進捗管理(フレームワーク化)が簡単になる

(3)ノウハウ蓄積が容易になる

(4)効率化がすすむ


 (詳細は本書を)


■7.ワンランク上の仕事術(営業編)
 短期間で仕事を覚えてもらうには、自分たちがもっているノウハウを形にし、
「こういうステップを踏めばうまくいくんだよ」
 など、効率化した「営業するための30項目」のようなマニュアルを作成し、それに当てはめればすむようなフレームワークをつくってあげることが必要です。
 個々の営業マンの営業術を教えるのではなく、
「得意先AについてはBさんも経験豊かだからノウハウをシェアしてもらおう」
「商品CはDさんのツールを参考にしよう」
 と、ナレッジをみんなで共有して総力戦でやっていくというチームマネジメントが、最近の若手社員には向いているのです。


【感想】

◆当初、タイトルの「ホウレンソウはいらない!」というのを見たとき、とうとう「できない上司を無視して突っ走れ!」ということかと思いましたが、180度違いましたw

まず、冒頭でも触れたように、本書はマネジメントに関する本であり、「自分がいかに部下を使いこなすか」が、そのキモとなっています。

そこで出てくるのが、まずはルーチンワークの効率化。

今までも、こういった繰り返し行われる作業のマニュアル化について、本田さんは推奨されてきましたが、本書ではさらに一歩進んで「システム化」を主張。

本書では、そのために必要なソフトやツール、グループウエアがいくつか紹介されています。

私自身が1つも使ったことがなかったので、ポイントでは割愛してしまいましたが(スイマセン)。


◆また、ルーチン作業だけでなく、グループ全体としてナレッジを共有するのにも、これらのテクノロジーは有効です。

本書の第5章では「クレーム処理」「商談進捗管理」「契約書管理」「チームでの制作物作成」「イベントのToDoリスト」「問題解決ごとのデータベース」といった業務内容ごとに解説されていますので、詳しくはそちらでご確認を。

それぞれの業務ごとに「クラウド利用による業務フロー例」が挙げられているのもありがたいところ。



画像だと小さくて字が読めませんが、こんな感じでイメージ画面と業務フローが図解されています。

……まるでクラウド導入のコンサルのようなw


◆面白かったのが、このやり方は、仕事以外にも効果があるというお話。

本田さんは、ご自身のトライアスロンのチームでも同じようにナレッジを共有し、蓄積しているのだそう。
 新しく加わった人には「こうやったほうがいよ」ということは、もちろん会って教えてあげますが、口頭で説明すると抜けもあり、すべてを網羅できません。
 レース当日の持ち物はもちろん、どこで何をどんな順番でやったほうが効率がいいかなど、けっこうやることが多いのです。
なるほど、確かにw

その結果、チームは比較的新しいにもかかわらず、レベルが高いと言われているのだとか。

   / ̄ ̄\
 /   _ノ  \ 
 |   ( ●)(●)
. |     (__人__)____
  |     ` ⌒/ ─' 'ー\
.  |       /( ○)  (○)\     プライベートでは効率化は
.  ヽ     /  ⌒(n_人__)⌒ \  <求めないって『ゆるい生き方』
   ヽ   |、    (  ヨ    |    で言ってたお 
   /    `ー─−  厂   /
   |   、 _   __,,/     \


それはさておきww


◆私のような中年世代はもちろん、初めて上司となるような比較的若い世代でも、本書に書かれている内容は非常に有益だと思います。

特に、自分が今まで見てきた「上司像」が、今や通用しないことは明らかな以上、かつての上司を真似ることもできないワケですから。

従来の本田さんの本のおかげで、ひとりの「プレイヤー」として評価されてきた方でも、今後は「マネージャー」として評価されるようにならなくてはなりません。

その時にこそ、きっと本書が必要になるハズ。


新世代のマネージャーを目指すなら必読!

ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則
ホウレンソウはいらない!―ガラパゴス上司にならないための10の法則
CHAPTER1 ガラパゴスマネージャーになるな!
CHAPTER2 変化の時代―マネージャーのサバイバル・スキル
CHAPTER3 フレームワーク仕事術への進化
CHAPTER4 フレームワーク仕事術のメリット
CHAPTER5 クラウドでフレームワークを実践する


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【名言集】『トリガー・フレーズ―自分にスイッチを入れる170の言葉』本田直之(2010年12月02日)


【編集後記】

◆こちらは小宮一慶先生の新刊。

コンサルタントの仕事力 (朝日新書)
コンサルタントの仕事力 (朝日新書)

「いかにも」なタイトルですね〜w


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