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2011年11月10日

【文章術】『150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方』高橋フミアキ


150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方
150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、久しぶりに文章術の本。

先日某リアル書店で平積みで大展開しているのを見て、思わず買ってしまいましたw

アマゾンの内容紹介から。
手紙・ブログ・メールから作文・自己PR・小論文・報告書まで…ニガテだった文章がみるみる書けるようになる10の文章パターンと48のテクニック。本当に書けるノウハウ満載。
短文から長文まで、パターン満載で勉強になりました!


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【ポイント】

■1.説得力が増す「承認の文章」
危機感をあおったあと、ダイエットに失敗した消費者を「承認」してあげる(受け入れる)文章を書くのです。「わたしもダイエットに何度も失敗したことがあるので、あなたの気持ちはよくわかります。あなただけじゃありません。みんな失敗経験があるんですよ。大丈夫。あなたもきっと美しい体形になれます」という文章です。
 承認の文章が入ると説得力が増します。セールスの文章ではなく、通常の文章でも使えるケースはあるかもしれません。覚えておいてソンはありません。


■2.「キーワード列挙型」でいままでと違う言葉を使えるようにする
 そこで僕が提案したいのが、キーワード列挙型の文章を書いてみることです。キーワードというのは、名詞や動名詞などの体言です。つまり、キーワード列挙型とは、いわば、体言止めの文章だと言えます。
 「私は、今日、文秋さんと映画を観に行きました」
と書くところを
 「2月14日。映画鑑賞。文秋さんとデート」
 こんなふうに書いていきます。
 1文を10文字以下の超短文で書いていくのです。(中略)

 このキーワード列挙型の文章を繰り返し書いて練習することで、いままで使っていた言葉ではない、違った言葉を使ったり、違った言い方をする力が身につきます。実は、この力こそ、文章を書くうえで最も必要なカなのです。


■3.一文は60文字以下にする
 日本語は、「何がどうする」の「どうする」にあたる述語部分が最後にきます。一文が長いとなかなか述語にたどりつかないので、作者の言いたいことがわかりづらくなるのです。しかも、上の例文のように主語のない文だとよけいわかりにくくなります。
 解決策は一文を短くすることです。長くても60文字です。60文字以下の短文をかさねて文章を作りましょう。
 長い文を60文字以下の短文に分ける方法は、早めに句点「。」を打つことです。そのとき無駄な言葉を削除したり、言い方を変えたり、時には順番を変えてみたり、改行してみたりします。


■4.ヘーゲルの弁証法を構成パターンにする
 ヘーゲルの弁証法は文章を書くために役立ちます。これを構成パターンとして活用するのです。
 テーゼは、文章の構成上は「結論」と言い換えることができます。アンチテーゼは、結論に対する「反論」といえます。「ジンテーゼ」は、その反論に対する「回答」です。最初に言った結論よりも、反論を経ることで、より高次の結論を導き出すことができます。


■5.段落のトップに要約文を入れる
 段落のトップに要約文を入れると読みやすい文章になります。書くときも「先に要約文を書いて、あとにくわしく書く」と覚えておくと書きやすくなります。この書き方を身につけると、誰でもスラスラと書けるようになるので驚きです。(中略)

(例示・略)

 要約文が段落の最初に入ることで、ぐっと読みやすくなります。同じ意味の文が入ることになりますが、近くにならばないように気をつければ大文夫です。


■6.最初と最後に同じような言葉を入れる「共鳴のテクニック」
 文章の最初と最後に同じような言葉を入れると、余韻をもった文章にすることができます。
 最後のまとめの文章に、最初に使った言葉をもってくるのです。すると文章に「ここで終わりですよ」という雰囲気を出すことができます。(中略)

 文章をまとめる簡単なテクニックです。簡単でも「うまい」と思わせる効果は絶大。これが共鳴のテクニックなのです。

(詳細は本書を)


■7.「達」「頃」「時」はひらがなに
 たとえば、「従業員達」は「従業員たち」、「小学生の頃」は「小学生のころ」、「昼食の時」は「昼食のとき」としたほうが適当でしょう。
 漢字で書くのが間違っているわけでも、使っていけなわけでもありません。ただ、「達」「頃」「時」を漢字で書いてしまうと重く感じられてしまうのです。(中略)

 「とき」については、漢字を使ったほうがよい場合もあります。それは、NHKの番組「その時歴史が動いた」のタイトルのように「時」に重点や意味を置いている場合です。


【感想】

◆当ブログでは比較的、文章術の本を紹介する機会が多いこともあり、基本的なお話になると、どうしても類書とかぶってしまいます。

本書でも、「二重表現はしない」「具体的な数字を入れる」「同じ語尾を続けない」辺りはそうでした。

上記ポイントの最後のような使い分けや、カッコの使い方等については、第6章にまとめて収録されていますので、気になる方はご確認を。

特に『』と「」の使い分けについては、書籍のタイトルが『』だというところまでは知っていましたが、映画やテレビの番組タイトルは「」なのだそう。

と言うか、当ブログでも昨年の7月くらいまで、書籍のタイトルは全部「」でくくってたのですが(ダメじゃん)。


◆また、本書の大きな特徴が、書くべき文章の長さごとに章を分けて、それぞれの「構成パターン」と「テクニック」を列挙しているところ。

上記では「150字の文章」の構成パターンとして「キーワード列挙型」を、「800字の文章」の構成パターンとして「ヘーゲルの弁証法パターン」を紹介しています。

なるほど、こういうパターンを知っておけば、文章を書く時に、最初に骨格を固められそうな。

ちなみに「キーワード列挙型」は、各文が全部体言止めになるので、日頃体言止めを使い慣れていない方は、ぜひ試してみて頂きたく。


◆本書は、実は図解も多く、初心者から中級者くらいまでの方には「分かりやすい」という意味でも良い感じ。

その一方、ポイントの最初に挙げた「承認の文章」のような上級者向けのお話も、ポロっと出てきたりするというw

他にも最後の方で『「貴種流離譚」で感動の物語を書く』なんて出てくるんですけど、「貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)」って、皆さんご存知でした?

貴種流離譚 - Wikipedia

うーん、言われてみたら、日本の昔話も外国の「神話」に近いものがありますね。

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)


◆本書は重版がかかっているので、文章術の本としては売れているのだと思います。

横書き左開きなのがちょっと残念でしたが、パターンを説明する図が多いので、それはしょうがないところかと。

個人的には、いくつか試してみたいテクニック(「段落のトップに要約文を入れる」等)があったので、元は取れました。

「キーワード列挙型で読書録を書く」というのも、Twitterで流してみてもいいかもしれませんw


短文から長文まで、きっと役立つテクニックがここに!

150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方
150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方
第1章 文章をうまく書けないのはなぜ?
第2章 「文章はこう書きなさい」には誤解がある
第3章 まずは短く書いてみよう―150字の文章を書く技術
第4章 もう少し長く書こう―300字の文章を書く技術
第5章 どこでも通用する文章を書く―800字の文章を書く技術
第6章 “うまい”文章を書くテクニック
第7章 「もっといい文章」を書くための究極テクニック


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厳選! 「『人を動かす文章術』」の超簡単な活用法8個(2011年01月05日)


【編集後記】

◆昨日WBSの「スミスの本棚」で池上 彰さんに紹介されたことにより、現在アマゾンランキングで上位に付けているのがこの本。

もうすぐ絶滅するという紙の書物について
もうすぐ絶滅するという紙の書物について

マーケットプレイスにあった安値のブツが既になくなり、新品も在庫切れのようですね。


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この記事へのコメント
               
実践的でとてもお役立ちの本でした!「貴種流離譚」知ってました〜でも「あらかじめ予約する」って使ってました・・・勘違いはこわいですね。ブログで引用させていただきました。ありがとうございます。二転び(にころび)日記<『150字からはじめる「うまい」と言われる文章の書き方/高橋 フミアキ 』>
http://nikorobinikki.blog96.fc2.com/blog-entry-234.html 
Posted by akokinoko at 2011年11月17日 00:19
               
>akokinokoさん

コメントありがとうございます!
「貴種流離譚」という単語自体ご存じだったなんて、スゴイと思います。
私はマジで見た記憶がありませんでした(汗)。

記事も拝見しました。
ご紹介感謝です。

今後ともよろしくお願いしますね!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年11月17日 05:26