2011年10月30日
【外食Hacks!】『グルメの真実』から学んだ、外食する際気を付けたい7つのTIPS
グルメの真実 (宝島社新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログ的には珍しいグルメ本。著者の友里征耶さんは、『「覆面・自腹」を基本として、客の目線でグルメ界を斬るレストラン評論家』とのことで、勝手に親近感を憶えております。
アマゾンの内容紹介から。
ミシュランは正しいのか? グルメ通として、さまざまなお店に通い続けてきた著者が、そこに掲載のお店のウソを明らかにします。そして、料理やシェフのみならず仕入れから内装まで業界を知り尽くした男が、グルメブームをバッサリ切り捨てます。本書は、著者の前作『グルメの嘘』では書けなかった、偽装で儲ける手口や業務用食品を仕入れるすし屋の帳簿など、裏の裏を暴きます。今回は、この本の中から、外食時に知っておくとタメになるTIPSを7つほど挙げてみようかと。
「賢いお客」を目指すなら要チェックです!
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【ポイント】
■1.有名店でも「和牛」をうたってなければ「国産牛」廉価な店に限らず普通の焼き肉屋で出てくる肉はほとんどが国産牛。つまリホルスタイン種(乳用牛)のオスの廃牛か、F1と呼ばれる交雑種(肉用種と乳用種の掛け合わせ)であって、肉用種である和牛ではありません。店でわざわざ「和牛」と書いていない牛肉ははぼ100%乳牛系だと思って間違いないでしょう。国産と聞きますと日本産か、では和牛なのかと思いがちですが、種はまったく違うのです。有名鉄板ステーキ屋や高額しゃぶしゃぶ・すき焼き屋でも、わざわざ「和牛」と銘打っていない場合は「国産牛」であると思ったほうが無難であります。
■2.小型店でも大きめの寸胴があるフレンチは本物
オープンキッチンをウリにする店も多いですから、訪問したならばそのストーブ(加熱調理器具)辺りに注目してください。家庭にはない大きめの寸胴があるでしょうか。本来フレンチではスープやソースのべースとしてブイヨンや各種フォン(牛、仔羊、鶏など)は必須でありました。そしてそれらを自店で作るため長時間煮込む寸胴鍋が常備されていたのです。(中略)
最近は業務用半完成品が多く出回っており、自店で作らなくてもブイヨンや各種フォンはいくらでも安く購入できます。スープやソースのべースとなるこれら西洋出汁だけではなく、完成品であるスープや各種ソースまで業務用が販売されていますから、もはや寸胴など飲食店には必要なくなってきたのかもしれません。
ただしこれらの業務用完成品には安くて手間が省けるだけに欠点があるのです。それは独特の味わいであります。
■3.「本日のオススメ」は店にとってオススメの意味
そろそろ賞味期限(熟成期限ともいう)が切れそうなもの、意外に安かったので多く仕入れてしまったもの、などなど。店はオープン前にこの「オススメ料理」をホールスタッフに通達しているとも漏れ聞いております。
またビストロやトラットリアなどにある黒板メニューや和食系に見られる壁に貼られたメニューも似たような意図で書かれたものが多いのです。比較的廉価な店で多く見られる定番メニュー以外のオススメメニュー、実は当日の築地での仕入れに関係している場合も多いのです。
■4.ワインの値付けはシャンパンで確認する
私は昔からその店のワインに対する営業姿勢を知りたいなら、シャンパンの価格を見ろと言っております。ノンヴィンテージ、つまリヴィンテージが入っていない普及版のシャンパンの価格が8000円前後なら良心的で、1万円を簡単に超えていれば儲け過ぎと判断してまず間違いありません。シャンパンの値付けが安い店はたいてい白・赤ワインも安い確率が高いのです。
■5.赤ワインを冷やして出す店は要注意
高いワインも安いワインも冷やしてしまえば大差なし。と言いますか、常温では不味くて飲めないと思う安い赤ワインも、冷やせばそこそこ飲める味わいになるということです。
前項で無名の赤ワインをつかったワインぺアリングの店ですが、勿論赤ワインはしっかり冷やして出してきておりました。その口上は「科理が……なので冷やしたほうが良い」といかにも料理に合わせたかの様な説明でしたが、狙いは違うところにあるのです。
■6.「有名シェフお薦め店」は定休日も確認する
雑誌の企画でよく見かける「有名シェフが通う店」特集。ほんとうに料理にうなずいて読者に推薦しているのか、単に仲の良い店を義理で挙げただけなのか。もしくは自店と営業時間帯が異なるから食べに行っているだけなのかもしれないのです。
深夜までやっているから自店を閉めてから立ち寄れるだけ。日曜に営業しているから自店の休みの時に訪問できる。雑誌に推薦する理由は、当人が感じた料理の食後感によるものではない可能性が高いのです。(中略)
このような特集企画を目にしたら、まずその有名シェフの店の定休日と推薦している店の営業日をチェックしてみてください。結構両店とも定休日が被っている(つまりそのシェフは営業時間中に訪問できない)ケースも多いのではないでしょうか。ほとんど行ったこともない店を義理で推薦している場合も多いのです。
■7.HPではシェフの修行歴もチェックする
友里はレストランを初めて訪問するとき、あれば必ずその店のHPを確認します。何をチェックするかといいますと、主にメニュー構成とシェフの経歴。料理はコースだけなのか、アラカルトもあるのか。シェフはどこで修業をしていたのか、などなど。(中略)
ですから、HPでコースだけとかあるとガッカリ。いやシェフの写真はあるけど肝心の修業歴が載っていないHPを見ると、それだけで評価は低くなるのです。
なぜ写真まで載せる自己顕示欲がありながら、修業歴を出さないのか。答えは簡単で、人に言えるほどの修業歴をもっていないからであります。フレンチやイタリアンで本場へ修業に行っていない可能性が考えられるのです。
【感想】
◆本書は、私が日頃あまり読まないジャンルの本だけあって、知らないことが非常に多く、付箋を貼りまくりました。ただ、ぶっちゃけ「ジャンルとして読まない」以上に、本書の対象となっている価格帯のお店にも、ほとんど行ったことがない自分w
特に今は子供が小さいので、「レストラン=ファミレス」と言ってもいいくらいです。
これで夜の会食が多ければ、また別なんでしょうけど、1人1万円を超えるようなお店に最後に行ったのは、ほとんど1年前ですし。
そういう意味では、折角の(?)TIPSも自分で活かすことはなさそうな。
◆また、本書の「あとがき」にもあるように、この本の一番の特徴は、有名店やシェフの名前を実際に挙げているところにあります。
褒めているケースもいくつかありますが、そのほとんどが苦言提言というか、滅多斬り。
これは当事者にしてみれば、好ましくない話であり、本書が売れないことを望むインセンティブを持つ人が、アマゾンでdisりまくる日も近いのではないかと。
もっとも今回TIPSとしてそれらを挙げなかったのは、ネタバレを自重したこともありますが、私自身が食べたことのある店が1つもなかったからなんですがw
◆もう閉店してしまったお店、かつ、海外のお店ならいいかな、と思ってdisられているレストランを1つだけご紹介。
13. Fondant de frambuesas y vinagre de frambuesa / FotoosVanRobin
エル・ブジ - Wikipedia
もちろん私は行ったことなどあるワケもないのですが、「世界一のレストラン」として、一応その存在は知ってました。
ところが本書では『「エル・ブジの大罪」(世界のレストラン客にとって不毛だった20年間)』と散々です(詳細は本書を)。
一方で、あの山本益博さんは、こんな本を出されているわけで。
エル・ブリ 想像もつかない味 (光文社新書)
ちなみに、友里さんは、この件に限らず山本益博さんに対して、一貫してネガティブな立場をとられています。
◆一方、こうした著名評論家ではなくて、タレントや放送作家、料理専門のライター、はたまたグルメブロガーの話なら信用できる、という方も、本書第5章を読めば考えが変わるかもしれません。
「寿司は回転寿司しか食べたことがなかった作家が1年でグルメ気取り」になったり、「お車代」や「タダ飯」を半ば公然と要求するライターなどなど。
昔と比べたら、ブログやTwitter等でクチコミが伝播しやすくなった分、情報には踊らされないようにしたいものです。
……私の場合は、まずコンビニ飯からの脱却ですがw
本当に美味しい料理を味わうために!
グルメの真実 (宝島社新書)
第1章 食材の裏
第2章 調理の裏
第3章 メニューと演出の裏
第4章 職人、シェフの裏
第5章 飲食店を取り巻くグルメの裏
第6章 飲食店業界からなめられない賢い客たれ
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【編集後記】
◆本書とは逆に、友里さんが薦めているお店のガイドブックがこちら。絶品レストラン
アマゾンで評価を下げている★1つのレビューが「ミー○ーのおかげで経営が成り立っている店もたくさんあるんです。本当においしい店をみんなが知ってしまったら、大勢の人が困ります」と書いていてワロイましたw
ご声援ありがとうございました!
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