スポンサーリンク

       

2011年10月24日

【自分ブランディング】『自分を広告する技術』佐藤達郎


自分を広告する技術 (講談社+α新書)
自分を広告する技術 (講談社+α新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、国内外の広告賞で審査員をつとめられ、ご自身も多くの受賞歴のある、佐藤達郎さんの「パーソナルブランディング」に関する1冊。

自分自身を「商品」だと仮定し、そのコンセプトやキャラクター、宣伝方法等に、広告の技術を用いることを指南して下さっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
この本は、20~30代の若いビジネスマンが、ビジネスで「抜け出せる」「違いを生める」「結果を出せる」には、どのように「自分を広告」していけばいいか、そのノウハウを最先端の広告事例を参考にしながら、分かりやすく伝えていく本です。読み進めていけば、世界の有名広告事例を楽しみながら、「自分という商品」をどう売り込んでいけばいいかが身につけられます。
奇をてらうものではなく、かなり真っ当な内容に、納得しまくりでした。


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【ポイント】

■1.やりがいのある仕事をするためには選ばれなければならない
 ボク自身何度も面接官を経験しているが、一次面接でさえ、例えば3割とか4割とかに絞らなければいけない。10人のうち6人は、落とさなければならないのだ。「別に悪い子じゃないんだけど、特筆すべき特徴もないなあ」という就活生は、まず残れない。そういう人をたくさん見てきた。(中略)

 君は、選ばれる必要がある。君自身の持ち味をハッキリとさせ、君自身の得意分野やキヤラクターを正しく知ってもらい、そうすることで選ばれて、やりがいのある仕事を手にし、評価され、さらに面白い仕事を得られるような努力が、必要だ。
 そして、そのために役に立つのが、君の「自分広告」であり、これから紹介していく数々の広告テクニックなのだ。


■2.選ばれるための3つのポイント
 では、そんな数多くの競合商品の中から選ばれるには、どうすればいいのか?
 その時々の状況で、数限りない"広告の作戦"が存在するのだが、ここでは、基本中の基本となる3つのポイントを挙げておこう。それは、(a)特徴をハッキリさせること、(b)その特徴が他の商品にはないものであること、(c)特徴を適切に知ってもらうこと、の3つだ。
 この3つのポイントを押さえたうえで、この本ではこの後さまざまな広告テクニックを紹介していく。


■3.自分の「コンセプト」を決定する
 君の「自分広告」でも、まずは"コンセプト"=基本方針を決定するのが、とてもとても重要になってくる。自分はどの線でいくのか? ポイントを絞って、あまり欲張らずに、ひとつかふたつに決めるのだ。(中略)

人は、まずは他の人のことを"ある一面"で見るのだ。だって、考えてもみてよ、君だって何十人、何百人の人と日々関わりがあるわけで、その人たちの内面の複雑さまで全部把握するのは不可能だよね? 相手も同じこと。むしろ、君自身の"ある一面"を切り取って見せてあげたほうがいい。でないと、勝手に「あまり好ましくない一面」で君は覚えられてしまうかもしれないのだから。そういう意味で、「君のコンセプト」を決めるのが、とても重要になってくる。


■4.USP(Unique Selling Proposition)はSellingできなければ意味がない
(USPは)商品で言えば、「そのポイントによって、商品が売れる」ような提言でなければならない。ということで、いかに他と違っていようが、君という商品が売れなければ、あるいは、君の評価が上がらなければ、それはなんの意味もない。(中略)

ボクも何度も大学生の面接をしたことがあるが、「エピソードを語れ!」みたいなことが就活マニュアルに書かれているせいか、かなり無理やりに「魅力的ではない」エピソードを語る学生も少なくない。
 例えば、「自分の長所は我慢強いところで、その証拠に、大学4年間雨の日も風の日も一日も休まず自転車で通学しました」みたいなもの。「南米大陸を自転車で一周しました」ならともかく、「そんなに遠くもない場所への毎日の自転車通学」は、広告会社の面接官の気持ちを動かさない、つまりsellingしないエピソードだろう。


■5.自分の「キャラ」を設定する
 キャラの設定は、無理のないことが大前提だ。君自身の普段の行動を振り返り分析し、また時には周囲に自分に対して持っているイメージを取材し、その中から、「言葉にすればこんなかな」と思われるキャラを抽出し、設定する。
 そして、そのキャラを意識し、そのキャラに基づき、そのキャラを前提に行動することで、君のアイデンティティは、ハッキリくっきりしてくる。


■6.社外勉強会での活動も大切
運営が困難な異業種交流会を中心メンバーとして上手に運営し、勉強会ブームに乗って雑誌に取り上げられ、上司もそれを読んで彼を見直して、新しい仕事を依頼してきた、という例をボクは実際に耳にしたことがある。
 上司からしてみると、会社の中ではチームリーダーを任せていないのに、他の会社のビジネスマンも多数参加する勉強会を、見事に仕切っているという事実は、評価に値するし、安心の材料になる。なにか、今までとは違う任務を与えてみようか、と考えても不思議はない。


■7.「自分がどうなれそうか」の視点を持つ
 広告の仕事をしていて学んだ大きなことのひとつは、「商品自体が持っていることでしか勝負できない」ということだ。(中略)

 実は、人間も同じだと思う。君自身が抜け出すための「自分広告」について、この本ではいろいろと考えてきたが、君自身の中にないこと、君自身の素養にないことは、いくら上手に伝えようが、実を結ばない。
 20年以上生きていれば、自分に何ができそうで、何ができなさそうか、可能性の高低も含めて、よーく考えれば、だいたいは見当がつく。「自分広告」の企画書を書くに当たっては、この部分も、じっくりと考えよう。


【感想】

◆今まで結構「パーソナルブランディング」の本を読んできたツモリでいましたが、その中でも本書は、テクニック的には1,2を争うのではないか、と。

まず、「USPを決めた」としても、それが「何のため」なのかを考えたら、上記にあるように「sellingできなければ意味がない」のは当然のこと。

自分のUSPを考える際に、どうしても「一番しっくりする」「一番特徴をつかんでいる」にフォーカスしがちですが、もしそれが「sellingできない」のであれば、他のポイントを掲げる必要があります。

この辺、プライベートの名刺に、色々なキャッチフレーズや肩書を書かれている方は、今一度ご確認を。


◆また本書の第5章では、「自分広告」のメッセージを他人に伝えるための「場(メディア)」も検討しています。

といっても、ここで言う「場」とは、従前のマスメディア(「新聞」「テレビ」「雑誌」)の特徴を踏まえた上での、会社生活等における「場」のこと。

例えば新聞のように「オフィシャルで説得性の高い」ものは、「自分広告」では「上司との面談」が該当します。

その他のテレビや雑誌についても、指摘されれば「なるほど」と納得されると思いますので、ぜひ各自考えてみて下さい。


◆続く第6章では、クチコミ、さらにはネットの活用した「自分広告」について。

本題とは直接関係ないんですが、著者の佐藤さんによる「ツイッター活用のコツ 10ポイント」が結構秀逸なんで、フォロワーを増やしたい方は要チェック!

さすが広告業界の方は、こういったツールを使いこなすのがお上手だな、と。

「AIDMA」「AISAS」といった、広告業界ではお馴染みの理論を、「自分広告」に適用されているのも、広告業界の方らしいです。


◆圧巻なのが、第7章に収録されている、本書の集大成である「自分広告」の企画書の具体例。

題して『伊藤哲郎(28歳)メーカーの営業勤務 2012年の「自分広告」企画書』

パワポ資料のように、公にプレゼンできるような企画書が収録されていますので、立ち読みされる際には、ここだけは必ずチェックを。

いや、こういう企画書を書いて、毎年リバイスしていれば、自分がどういう人間で、何をすべきなのかが、一目瞭然ですよ。

私も会社員時代には、漠然と「商品企画とか広告やりたいな〜」なんて思ってましたが、こういう分析をせずして、何を言ってたんだ、という気が(今さらw)。


本当に「抜け出したい」方なら必読です!

自分を広告する技術 (講談社+α新書)
自分を広告する技術 (講談社+α新書)
はじめに 「君という商品」は、売れていますか?
第1章 「君という商品」を、広告テクニックで輝かせよう!
第2章 「君という商品」の広告戦略を、考えよう!
第3章 君の訴求ボイントは、何だ?
第4章 どんな方法で、君を広告しようか?
第5章 「君という商品」のメッセージを載せるメデイアは?
第6章 「自分広告」には、クチコミ=評判も欠かせない
第7章 君の「広告戦略企画書」を、書いてみよう!
おわりに 「君という商品」がブランドになるために


【関連記事】

「パーソナルブランディング」 ピーター・モトンヤ (著) 本田直之 (訳)(2005年06月09日)

【キャリア構築】『会社で「ブランド人」になれ!』デービッド・ダレッサンドロ(2010年08月04日)

【メモ】セルフブランディングを考える際に意識しておきたい5つのポイント(2010年06月23日)

【個人ブランディング】あなたが『Me2.0』を買うべき3つの理由(2010年05月02日)

【ブランド】『人生を変える自分ブランド塾』に学ぶ自分ブランド7つのポイント(2011年01月10日)


【編集後記】

◆本書は会社に入ってからの話がメインですが、こちらは同じ「広告テクニック」を使うものでも就活生向け。

広告のやりかたで就活をやってみた
広告のやりかたで就活をやってみた

確かに就活ってある種の「売込み」なんで、広告と同じですよね。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ブランディング」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。