2011年10月17日
【時間管理】『あなたを変える67の時間習慣』から選んだタイムマネジメント本7冊
あなたを変える67の時間習慣
【本の概要】
◆今日お送りするのは、某大手リアル書店で発見した時間管理術の本。結構古い本なのですが、昨今の本を先取ったような濃い内容に思わずゲットしてしまいました。
そのまま内容を抜き出しても良いのですが、その「濃い本書」の元となる、さらに大元の本が何冊も登場していたので、それらの中から7冊ほど、引用部分と一緒にご紹介してみようかと。
中には中古で高値を付けているものもありますので、チェックはお早めに。
いつも応援ありがとうございます!
【タイムマネジメント本7冊&引用部分】
■1.自分の時間に鍵をかけるロタール・J・セイバルトは、「クワイエット・アワー」(静かな時間)を設けることが大事だと主張している。
「もっとも重要な仕事をする際には、できるだけ邪魔されないようにすることが賢明です。どうしたらそんなことができるのでしょうか?これについては、だれにも邪魔されない時間『クワイエット・アワー』を設けることが効果的であることがわかっています。非常に重要な予定として、自分のスケジュールに一時間の予定を入れておきましょう」
時間管理学―セルフ‐マネジメントによる成功への道
■2.机の上には必要なものしか置かない
R・マッケンジーは、次のように提唱している。
(1)手持ちのプロジェクト以外のものは、一切机の上から取り除いてしまえ!手持ちのプロジェクトこそさしあたっての最優先項目であるべきだ。
(2)それについての用意ができるまで、いかなる他の項目も机の上に乗せておくな!
(3)今手がけているプロジェクトを、いくら息抜きがしたいとか、またそれに飽きてしまったからといって、やりかけのまま放置し、別のにとりかかる誘惑に打ち勝て!」
時間を管理する技術 (1974年)
■3.完全さにこだわらない
ウィリアム・ウィルソンは、「完全主義の罠」と称して次のようにいっている。
「完全さにこだわる者は、単に仕事のスピードが上がらないばかりか、仕事の質を落とす恐れさえある。というのも、(1)部分に注意を凝らしがちなため、細部にこだわって全体の輪郭とか流れを見失うことがある、(2)完全への要求があまりに強いため、部下に仕事を委任できないことがある」
時間を拡張する技術―タイム・マネジメント16の法則
■4.ファイルは細分化しすぎない
アメリカのタイム・マネジメントの専門家、E・C・ブリスは、一般的なルールとして、薄いファイルがたくさんあるよりも、厚いファイルが少ししかない方がよいとしている。「ファイルの分類カテゴリーを細分化した方が能率的であるように見えるかもしれない。しかし細分化した項目が多くなればなるほど、ミスファイルをするチャンスが多くなる。だれかが項目を誤って解釈するからだ。たしかに、厚ぼったいファイルの中から欲しいものを探すのには、少し時間がかかるかもしれないが、誤りを防いだり、ファイルをする時間を考えれば、それくらいの時間はつぐなえる。もちろん、合理的な範囲内での話である」
タイム・マネジメント―グズグズ時間を追放する法 (1977年)
■5.進度表を作って、達成感を味わう
弁護士・公認会計士・通訳の「資格三冠王」として有名な黒川康正氏はこういっている。
「長時間にわたる仕事をしているときなど、一体自分がどこまで達成しているのかはっきりしなしと、どうしても不安になって、作業の能率が低下してしまう。こうした不安も取り除き能率を上げるには、自分なりの進度表をつくって、目で仕事の達成感を味わうようにするのがいいようである。仕事の出発地点からゴールまでにするべきことをすべて書き出して表をつくるのだ。やるぺき仕事が片づいたら、一つずつその升目を塗りつぶしていく。升目を埋める楽しみが、次のステップへの原動力ともなるのである」
能率術―道具・時間・情報をフル稼動させるコツ (ゴマセレクト)
■6.人の時間を買う
何でもかんでも自分でやろうとするのは、馬鹿げている。この時代、かなり技術も専門化されてきて、全部内製化することは難しい。瀬川博美氏は「アウトソーシングとは時間を買うことである。内製化とは時間を売ることである」と、明確に定義している。そして、アウトソーシングをする場合のコツとして、次のような3点が必要だといっている。
「基本的には、キャスティング、ジョブシェアリング、コスティングの3つが、アウトソーシングの要点だ。キャステイングとはだれに頼むか。ジョブシェアリングとは、どの仕事のどの部分を任せるか。そしてコスティングは価格交渉である」
自分を最高に生かす 欲張り時間術―24時間思いきりのよい頭の使い方
■7.日課のリストを作りそれに取り組む
ハイラム・W・スミスはいう。
「ストレスへの特効薬は、コントロールしているという意識を持つことです。つまり、あなたの基本的価値観を特定し、目標を定め、日々優先順位をつけた日課のリストをつくってそれに取り組むのです。そうすれば、人生の出来事に対するコントロールの度合いが高まっていることを実感できるでしょう。生産性は高まり、自分が好きになってきます。そして、成果に気をよくしたあなたにとって、決心したことを継続するのはさらに簡単になることでしよう」
人生を築く時間の刻み方
【感想】
そもそも、本書が発売されたのが1998年ですから約13年前。その本で紹介されている書籍ですから、上記の書籍も、基本的には全て絶版状態です。
書影も2つしかないですし、アマゾンでの中古価格も安い物がほとんど。
そんな中、ちゃんと中古の数があるのに、結構な高値が付いている上記4番目の本は、ちょっと気になります。
また、現時点で在庫が2冊しかないためか高値となっている2番目の本は、近日中に在庫がなくなってしまうかも!?
◆もちろん本書は、こうした過去の作品の引用部分だけがウリではありません。
「手におえないほど大きな仕事は、小さく分解する」なんて、定番ネタも登場し、それを「サラミ・テクニック」と呼んでいます(1本まるごとそのままだと食べられないが、スライスすると食べられるから)。
一方、吉越浩一郎さんは、同じ考え方を『問題の「エメンタールチーズ化」』と呼んでいましたが、「サラミ」の方が小さくする意味がある分、秀逸かな、と。
もっとも現時点では、「サラミ・テクニック」とは、「多くの人から気付かれないほどの少額を詐取する手法」として知られており。この10数年の間に用語の意味も変わってしまったようですが。
◆また、そんな昔の時間管理術の本で、既に「アウトソーシング」について触れられていることも意外でした。
しかも「内製化とは時間を売ること」という考えも、今さらながらに納得。
思わず吉澤 大さんの、100回以上RTされた、この名ツイートを思い出しました。
儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方
参考記事:【時間管理&仕事術】「儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方」吉澤 大(2008年02月28日)
◆なお本書は、下記目次にもあるように、「効率」を求める第1部と、「やすらぎ」「夢」を求める第2&3部とで構成されています。
今回ご紹介したのは、本書の半分を占める第1部が中心ですが、第2部にあった「元気でないときをもっと大事にする」という教えにはハッとさせられました。
当時は、まさかここまでうつ病が問題になるとは思われていなかったような。
そういう意味も含めて、本書は「バランスのとれた」高クオリティの時間管理の本だと言えるのではないでしょうか?
上記7冊の本も、機会があれば要チェックで!
あなたを変える67の時間習慣
第1部 効率的な時間
第2部 やすらぎの時間
第3部 夢のある時間
【関連記事】
社会に出る前に知っておくべき『最強の人生時間術』のこと(2011年09月02日)【時間管理術】『アジャイルな時間管理術 ポモドーロテクニック入門』Staffan Noeteberg(著), 渋川よしき,渋川あき(翻訳)(2010年12月19日)
【時間管理術】「マニャーナの法則」マーク・フォースター(2009年05月23日)
【時間管理&仕事術】「儲かる会社にすぐ変わる! 社長の時間の使い方」吉澤 大(2008年02月28日)
【ホワイトカラーの生産性向上】「デッドライン仕事術」吉越浩一郎(2007年12月20日)
【編集後記】
◆いよいよこの本にも書影が入りました。<脱・恋愛>論―「純愛」「モテ」を超えて (平凡社新書)
「いや、とりあえずモテたいんですが」という意見もあるようなないようなw
ご声援ありがとうございました!
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