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2011年10月16日

【話し方】『27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」』青木仁志


27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」
27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」


【本の概要】

◆今日お送りするのは、「プロスピーカー」で、日本プロスピーカー協会(JPSA)会長でもある、青木仁志さんの「話し方」に関するテクニックを披露した1冊。

青木さんのお名前は前々から存じ上げていたものの、本書が初めてのご紹介になります。

アマゾンの内容紹介から。
「無言のプレゼンテーション」とは?「YES」を導く「伝達力」とは?絶対の信頼と共感を生み出す「伝わる技術」とは? 35年の経験と心理学の応用から生まれたテクニック&メソッド。
人に何かを伝え、動かしたい方なら要チェックです!


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【ポイント】

■1.相手のために話す
「伝達力」をいち早く身につけるためには、相手の望みを叶えることを自分の望みとすることである。
「『自我の壁』を破りなさい」とわたしはよく言う。
 緊張したり、アガリを防ぐためには、自我を捨て、フォーユーの精神で話をすればいい。言葉は道具であり、話は目的のための手段に過ぎない。


■2.自意識こそアガる原因
 あるとき、結婚式の司会をしている人が大変緊張していたので、わたしは合い間をみて彼のところに行き、ボンボンと肩を叩いてこう言った。
「大丈夫、誰もあなたを見に来ていないから」
 すると彼は苦笑いをし、「そうですね、わたしが主役じゃなかった……新郎新婦が主役ですよね」と平常心を取り戻し、あとの司会をそつなくこなせるようになった。
 自意識こそアガる原因なのだ。「うまく話したい」「よく思われたい」という思いが強いと緊張してしまう。


■3.自分の得意領域に沿って話を展開する
 仮に星野仙一さんが財界人の前で話をすれば、みな耳を貸すだろう。それはプロ野球の闘将として、阪神を優勝にまで導いた実績があるからである。もちろん、独特なキャラクターのファンも多い。
 人が大衆を前に話すとき、あなたは何者かと見られているのである。キャリアの延長線上で話をしているあいだは言葉にも力が伝わるが、キャリアから離れた話をすると一気に失速しかねない。
 自分ができる範囲内で話しているときには、絶対にアガることがない。できないことを話したり、知識の受け売りをしたりするからアガるのである。


■4.「間」を味方にする
 わたしは、重要な話をする前に間をおく。すると、会場が一瞬"しん"とする。「次に何を言うのだろう……」と聞き手が興味をもって乗り出す瞬間をつくるのである。
 相手の集中を引き出し、そこで本質的な話を"ポン"と出すのがプロの技術だ。立て板に水のように早く話しすぎると聞き手は疲れてしまうし、ゆっくり過ぎると暇を与えてしまう。絶妙な間がポイントである。
 しかし、実際にこればかりは何度も練習し、経験を積んでいくしか上達の方法はないだろう。


■5.名言やたとえを話のスパイスにする
 聞き手に合わせたたとえ話を、引き出しとしてたくさんもっておこう。それを自在に使いこなすことで納得感を生み出せるのだ。(中略)

ドラッカーやカルロス・ゴーンの話など、生きた言葉(格言)を適宜織り交ぜていく。それはときにスパイスのように話を締め、パンチを効かせるのである。
 職業柄「名言集」のような書物を読んで、すばらしい名言の数々を頭にインプットし、プレゼンテーションに使っている。
 すると、記憶された言葉は単なる引用ではなく、自分の孝え方の一部となっていくのである。


■6.同じ目線で話しかける
 プロのスピーカーとしての心構えが未熟だと「人を見下す高慢な態度」が言葉に出てしまう。
 たとえば「あなたがた」「君たち」といった表現は、使ってはいけない類の言葉である。(中略)

 スピーカーであれば、いつでも「皆さん」といったつねに同じ目線で話しかけることが大事だ。「わたしたち」「われわれ」も同じ目線のいい言葉である。


■7.同意できない場合の対応の仕方
 しばらくは相手の話をじっくりと聞くことである。そして「なるほど、そういうお考えもあるんですね」と一言でも、完全には賛成できないといったニュアンスを会話に挟みながら黙って聞いていく。
 相手のほうから「ところで、青木さんはどう思いますか?」と聞いてくれるタイミングを待って「わたしはちょっと別の捉え方をしています」とソフトな表現をするのがポイントである。
「どんな捉え方ですか?」
「これは捉え方の問題ですので、どちらが正しいということはないんですが、少し聞いていただけますか?」
 そう断ってから、自分の孝えを述べていく。つねに相手への配慮を忘れないのが、人間関係の基本であろう。それも含めて自分の考えが受け入れられるように、うまく述べるのが「伝達力」なのだ。


【感想】

◆本書はタイトルが『心に響く「話し方」』ということで、特に「どういう状況で話すか」については限定していません。

プレゼン、講演会、セールス等々、「話す」機会は多いものの、特に、セールスのケースで光るものが多かったです。

……当ブログでは、セールスネタはあまり人気がないので上記ポイントでは割愛してしまったのですがw

個人的に「これは!」と思ったのが、セールスの現場で「いまは結論が出せない」と先送りしようとした相手をクロージングする例で、具体的な説得フレーズまでもが紹介されています。

しかもこれが、青木さんの会社の商品での例なんですから、このフレーズで陥落したお客さんが多々いらっしゃったのかと。


◆その青木さんの「プロスピーカー」としての実力ですが、以前、「プロ野球ニュース」の名物アナウンサーだった佐々木信也さんが、青木さんの研修を受けに来た際のエピソードが紹介されています。

何でも同じ「プロスピーカー」の佐々木さんに「間の取り方が絶妙」「だから3日も連続して話を聞き続けられる」と絶賛されたのだそう。

その「間」の効用については、上記ポイントの4番目にて引用した通り。

練習や経験を積み重ねないと難しいのでしょうけど、少なくとも「間」を意識するのとしないのとでは、習得するにも差がつくのではないでしょうか?


◆なお、下記目次にもあるように、本書では終章の後に『「伝達力」を高める"10のポイント"』と題したまとめページがあります。

実はここを使って、今回の記事を書こうかと一瞬思った(ヲイコラw)のですが、先日も特定の部分だけで記事を書いたばかりなので自重しました。

本書の「はじめに」で、青木さんは『プロスピーカーの生命線は『伝達力』にこそある』と言われているので、本書のエッセンスをてっとり早く知りたいなら、ここから先に読んでも良いかもしれません。

ただし、意外なまでに、私が抜き出したポイントとかぶっていないので、この記事との間では、違和感があるかもしれませんが。


◆本書は挿絵や図はほとんどないものの、見やすいレイアウトで、サクサク読み進めることができました。

ページ数もそれほどない(185ページ)ですし、マニュアルマニュアルしていない分、この手のプレゼン系の本が苦手な人でも、自己啓発書のノリで楽しめると思います。

ただし逆に、コテコテのテクニカルな本がお好きな人には物足りない可能性が。

個人的には、セールスでクロージングが苦手な人にオススメしたいところです。


類書とひと味違うプレゼン本です!

27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」
27万人を研修したトップトレーナーの心に響く「話し方」
第一章 コミュニケーション能力の差は人生格差だ
第二章 「伝達力」があればどんな場面でも緊張せずに話せる
第三章 「伝達力」でコミュニケーション能力を飛躍的に高める
第四章 人を動かす「伝達力」の活用法
終章  人生を豊かにする「伝達力」
「伝達力」を高める"10のポイント"


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【編集後記】

◆これはいわゆる婚活マンガ?

実はボク、コンカツ中です。 (ホーム社書籍扱コミックス)
実はボク、コンカツ中です。 (ホーム社書籍扱コミックス)

絵柄は女性向けっぽいですが、主人公は男性なので、当ブログ的には読んでおかないと!?


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