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2011年10月10日

【屁理屈?】『ウザい奴を言い負かす技術』北野真事


ウザい奴を言い負かす技術
ウザい奴を言い負かす技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ネットやリアルで「反論」する際に使えそうなテクニックをまとめた1冊。

リアル書店でパラパラ見ていて、「これは面白い!」と思わず購入してしまいましたw

アマゾンの内容紹介から。
屁理屈でウザい奴を言いくるめるワザを身につけるには?どんな場所で生活していても必ず存在するウザい奴。そんなウザイ奴らに対抗するための100の論法を図解や具体的な使い方を交えながら詳しく解説。
これさえあれば、2ちゃんでのやり取りもひと安心かも!?


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【ポイント】

■1.換言(ことばをいいかえる)
相手の発した言葉をより的確な言葉に換えることを換言という。これをすることで、より正確、公正な表現や議論を行うことかできる。もちろん自分が議論において少しでも有利になるためや相手をへコませる意図で言葉を変換してもよい。(中略)

イジメっ子(ウザい奴)
「イジメって虐められるほうにも責任あるよね」

大人(論法使用者)
「原因や理由があるだけで、たいがい責任はないだろ」


■2.お互いサマンサ(じぶんにもあてはまるひはん)
他者に対する否定的な発言をするとき、それが発言者自身にも当てはまっているならば、それをいう権利や説得力を持たないという論法をお互いサマンサという。"人の振り見て我が振り直せ"という言葉があるように、世間でもわりとポピュラーな考え方だ。(中略)

主婦A(ウザい奴)
「あなたのところの改築工事うるさいわよ」

主婦B(論法使用者)
「申し訳ありません。ただ、あなたが家を建てた時も騒音、酷かったですよ(笑)」


■3.因由分解(もっとまえのげんいんがある)
相手がある事象をある結果の原因(や理由)であると思い込んでいるとき、その事象を深く洞察、分析し本来の原因を導き出すべきだ。これを因由分解(いんゆうぶんかい)という。相手が思い込んでいる結果の原因が、本来の原因の結果であることは多い。(中略)

教師(ウザい奴)
「東大生は他大生に比べて綺麗にノートをとっているというデータがあるから、ノートはきれいにとったほうがいいぞ

生徒(論法使用者)
「それは別に"ノートを綺麗にとることで偏差値が上がる"わけではなく"ノートを綺麗にとるような真面目な人は偏差値が高い"ってだけでしょう」


■4.マックスファクター(もっともだいじなようそ)
ある言動、判断、決定をするにあたって最も重要な要素をマックスファクターという。このマックスファクターを差し置いて他者が別の要素に重きをおいていた場合、非難すべきである。(中略)

帰国子女(ウザい奴)
「日本よリアメリカのほうが自由で住みやすいよ。何やっても許される雰囲気があって」

日本人(論法使用者)
「治安のともなわない自由なんて意味ないでしょ。居住するにあたって一番大事なのは安全なんだから」


■5.絶対悪(じぶんがわるいとおもってることをやるのはぜったいてきにあく)
善悪(良し悪し)というのは人それぞれである。一般論で善(良い)とされていてもそれは所詮、功利や多数決に基づいた一つの考えに過ぎない。絶対的な悪などないのである。しかし自分か嫌だと思う、もしくは自分の価値観において悪いと思う言動を他者に対して行うことは通常、良心の呵責が発生し、少なくともその人にとっての道徳心に反しているわけである。これはある種"絶対的な悪"なので絶対悪と呼ばれている。(中略)

子供(ウザい奴)
「なんで人を殺しちゃいけないの? 悪いことなの? 悪いって人それぞれでしょ?」

父親(論法使用者)
「確かに善悪は人それぞれ。でもお前も人に殺されたくないだろ? ならば少なくともお前の中では悪いことなんだよ」


【感想】

◆引用部分が多くなってしまったのでこの辺で。

とにかく、この調子で計100個の論法が展開されています。

冒頭の内容紹介に「図解や具体的な使い方」とあるように、それぞれ、「見開き2ページの左上に解説、左下に図解、右上〜中に具体例、右下にその他の例」という構成で統一。

よく言えば分かりやすく、そうでなければおよそビジネス書らしからぬ作りと言えそうな……。

ウザい奴を言い負かす技術











◆論法のタイトルもユニークなのが多いですし、ネタ感満載w

上記のほかにも

「総勘定番長」(そうごうてきなはんだんをしたほうがうえ)

「心理不介入」(そのひとのしんりはそのひとにしかわからない)

「ヤルジュン」(やるじゅんびはできている)

「ピーコ症候群」(じぶんをわきまえてない)


なんてものが。

一番ワロタのが

「孫正義」(おかねをあげるとよろこぶよ)

で、読み方は「まごせいぎ」……って、何ぞそれww(詳細は本書を)


◆さらに、「その他の例」も、その上の一般的な例と比べると、ネタ感5割増し。

ここでは特に、世間的にも知られた例をそれとなく(?)用いています。
福島瑞穂:死刑は反対です〜
遺族:あんたは身内が殺されたことないからそういうことがいえるんだよ
ついでにこれも秀逸。
消費者:おたくの電化製品、保証期間過ぎた瞬間に壊れるように造ってるって噂だけど?
ソニー社員:そんなことはございません。都市伝説かと思われます
消費者:社員だからそんなこといってんだろ? 正直になろうぜ
ある意味、上記ポイントで挙げた例よりも分かりやすかったりw


◆これらの論法が「論理的に正しいか」というと、ぶっちゃけそうでもないのですが、実生活やネットで言い争いになった際には、参考になる点が多々あるかと。

特に、売り言葉に買い言葉じゃないですが、その場で相手に「ぐぬぬぬ……」と言わせられればいいような場合、論理的か否かはあまり関係なかったりしますから。

もっとも、逆に怖いのが、相手の感情を害して、逆恨み(?)されることかもしれません。

なまじ破壊力がある分、その使い方には気を付けて頂きたく。


100個もあれば、口喧嘩には負け無さそうですw

ウザい奴を言い負かす技術
ウザい奴を言い負かす技術
主観(そのひとどくじのかんがえ)
客観(だれからみてもおなじ)
一般論(せけんいっぱんのかんがえ)
水掛け論(けっちゃくのつかないぎろん)
定義論(ていぎにかんするぎろん)
換言(ことばをいいかえる)
論点ズレ(はなしあわれているぶぶんがちがう)
断定否定(きめつけてはいけない)
実例(そんざいするじれい)
架空例(かくうのたとえ)〔ほか〕


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【編集後記】

◆発売前ですが、社会派ブロガーちきりんさんの新刊がアマゾンでランクインしております。

自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう

この本も楽しみですね!


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