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2011年09月29日

【グローバル】『「世界標準」の仕事術』に学ぶリーダーシップのルール7選


「世界標準」の仕事術 欧米・中東・アジアの企業を見てきた人事のプロが教える
「世界標準」の仕事術 欧米・中東・アジアの企業を見てきた人事のプロが教える


【本の概要】

◆今日お送りするのは、やはり昨日の「未読本・気になる本」の記事でご紹介した1冊。

以前『世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人』をご紹介したキャメル・ヤマモトさんの最新刊です。

アマゾンの内容紹介から、一部引用。
本書で紹介する仕事術は、「情報収集の英語は3フレーズでOK」といったノンネイティブのための英語の使いこなし方から、話しながら考えるための「三拍子」、プロジェクト的に仕事を進める7ステップ、Yesを引き出す交渉術など、あらゆるビジネスで役立つ内容が満載です。
さて今回は、この本の中から特に「リーダーシップ」に関する部分を掘り下げてみました。

丁度こんなエントリが人気だったこともありますし。

なんで全員にリーダーシップを求めるのか - Chikirinの日記 なんで全員にリーダーシップを求めるのか - Chikirinの日記

リーダーシップを身に付けたい方なら要チェックで!


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【ポイント】

■1.会議では3番目までに発言する
 リーダーとして大事なのは、他人より先に考えを出して、他人の意見や行動を引き出すことです。だから、真っ先でなくてもいいですが、かなり早い段階で発言すべきです。(中略)

 まず、会議では、とにかく早めに口を開きます。いきなり1番目に発言するのは抵抗があるでしょうが、たとえば、3番目までには必ず発言するというルールを自分に課します。
 そういうふうに、自分から口火を切ると、必ず、注目をあびます。人の目があなたに注がれ、批判にもさらされます。そういう中でこそ、自分の中に当事者意識が生まれます。


■2.「話しながら考える」技を磨く(アイ・ブレイン・コントロール)」
 たとえばあなたが会議に出ているとします。そこに10人が出席していたら、誰か1人を選び、その人の目に、3秒間焦点を合わせてから、軽く会釈をします。(中略)
不思議なもので、人の顔を見ているとアイデアが出てきます。自分の目で、人間を相手にして焦点を合わせていると、必ず相手も何か反応するので、それが刺激となって自然と頭が働くのです。
 慣れてくると、2、3人に対して、数秒のアイ・ブレイン・コントロールをすると、それだけで、気持ちが落ち着くようになります。一種のウォーミングアップです。


■3.相手に緊張させないようにしようとする
自分の緊張を取り除こうとするのはほとんどの場合、徒労に終わります。むしろ、ますます緊張します。しかし、相手の側に視点を移して、相手に緊張させないようにしようとすると、自分が緊張しているどころではなくなります。すぐにはそうならないかもしれませんが、何度かやっているとそのうちにできてきます。いったんできるようになると、相手に緊張させないようにと思いながら自分が緊張するということは、ほとんどなくなります。


■4.結果としてどうなったらいいのか、というイメージを描く
コンサルティングの営業をするときも、プロジェクトを進めていくときも、ことを始める前に、その結果がどうなるかというイメージをきっちり描けないと、単なる作業者になってしまいます。
 コンサルティングの場合、作業者ではお金はもらえません。高額のコンサルティングフィーを払うだけの付加価値が求められます。それも実際にコンサルタントが提言したことを実行ずる前の段階で、これは価値があると思ってもらえなければアウトです。その意味で、実行する前に結果イメージを描くスキルは、コンサルタントとしての基本技です。


■5.指標(何を)と水準(どこまで)を明確にする
目標の基本文型は、「何」を、「〜まで」やる(達成する)です。ここで言う「何」を「指標」と言います。「〜まで」を「水準」と言います。
 たとえば、次のようなものです。
<例1>「今期の予算計画を100%達成する」という目標の場合、指標は「予算計画の達成度」で、水準は「100%」です。(中略)

 この「指標」と「水準」を明確に特定すること、それが、結果イメージをシャープにする技術のエッセンスです。


■6.「3拍子」で話ながら考える
1拍目 とっさに浮かぷ、現状認識(As-Is)について述ぺる

2拍目 次に、その正反対のことを言う。たとえば、普段から言っているような「目指すべき姿(To-Be)」」について語る

3拍目 1拍目と2拍目の間のギャップを埋める方法について話す


(詳細は本書を)


■7.仕事が来たらすぐ「さっとアウトライン」を書く
 何か今、あなたが取り組もうとしている課題を思い浮かべてください。かなり手ごわいもので、ちょっと手をつけるのに躊躇しているような課題が最適です。
 そういう課題を選んだら、今すぐ、ワードのファイルを開けて、課題の名前を書いて、即、課題解決案のアウトラインを書きます。いい解決案などすぐ出ない? いい案なんてまったく必要ありません。今、即座に思い浮かぶことだけを書きます。(中略)

 僕はかなり恥知らずですから、そういう場合に僕が何を書いているか少し告白しましょう。「この原稿を書くには、今、あるクライエントのために書いている報告書Aからあの部分を、雑誌の原稿として書いているBからあの部分をもってくる。加えてCが必要だが、それは今のところないからこれから考える必要あり」、それだけです。(中略)

 しかし不思議なもので、アウトラインを1回なぞっておくと、それから締め切り日までに、別の仕事をしている中から原稿を書くための材料か入ってくるのです。


【感想】

◆冒頭のちきりんさんの記事のこともあって、今回は第2章のみから抜き出してみました。

第2章の見出しは『 リーダーシップのルール「まず、人前に立て」』ということで、これらは丸々リーダーシップに関するもの。

本書でも「リーダーシップをとって仕事を進められる人材がグローバル人材です」と明言しています。
なぜかと言えば、グローバル人材が手掛ける仕事は、必ず多様な人々をまきこみますし、また、多様な人の力をうまく活用しなくてはできないような仕事ばかりだからです。そういう状況では、自分1人でいくら仕事ができても通用しません。どうやって、他の人、それも日本人に限らない多様な人々を動かせるか、そこが鍵になります。
また、この第2章が本書でももっともテクニカルな話が多かったです。


◆ただし、上記で抜き出したのは、本書で言及されている「34のルール」のうちの「ルール1〜3」に過ぎません。

第3章では「プロジェクト」の進め方に関して、そして第4章では「コミュニケーション」について触れられています。

特に後者では「グローバルコミュニケーションのルール9か条」と題して、「世界標準」でのコミュニケーション術を指南。

詳細は本書を見て頂くとして、「グローバル」を意識した日本人であれば、役に立つこと必至かと。


◆一方第5章では、「交渉」をテーマに、かなりのページ数を割いています。

確かに交渉は仕事をする上では非常に大事ですが、かなり細かい点まで踏み込んでいる分、別途1冊にまとめてもいいような気が。

さらに第6章では「専門性」「コンセプト力」と自らのキャリアやブランディングに関することまで言及。

「なるほど」と思ったのが、単に専門性を掘り下げるのではなく、「専門性を複数組み合わせてみる」というお話で、これは転職や自分での勉強等で、積極的に意識すべきことでしょう。


◆続く第7章のテーマは、「キャリア」そのもので、ここではお馴染みのストレングスファインダーをさらにアレンジして「強みキーワードチャート」を作成。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

参考記事:【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)

3層5項目の構成で作成される、この「強みキーワードチャート」は、ストレングスファインダーがやや抽象的なのに比べると、よりキャリアを考える上で役に立ちそうです。

だって、「私は、『最上志向』『学習欲』『親密性』『未来志向』『コミュニケーション』に強みのある人間なんです」と言われてもねぇ。
         ____
       / \  /\  キリッ
.     / (ー)  (ー)\
    /   ⌒(__人__)⌒ \ 俺って、『最上志向』『学習欲』『親密性』…
    |      |r┬-|    |   
     \     `ー'´   /   
    ノ            \
  /´               ヽ




◆冒頭でも触れた、ヤマモトさんの過去の著作である『世界で稼ぐ人 中国に使われる人 日本でくすぶる人』に比べても、本書はよりテクニカルで、いかにも「仕事術本」と言えます。

タイトルからして、当初私は「英語ネタ」が多いかと思ったのですが、むしろそちらは最低限に抑えられているのも、個人的にはありがたかったというw

帯にある「今後のあなたの年収がこの1冊で決まります」というフレーズもあながちウソでもないような?

各章のテーマごとに、読者の皆さんにもきっと得る点があると思います。


まさに「世界標準」の仕事術です!

「世界標準」の仕事術 欧米・中東・アジアの企業を見てきた人事のプロが教える
「世界標準」の仕事術 欧米・中東・アジアの企業を見てきた人事のプロが教える
はじめに
第1章 このままであなたは大丈夫ですか?
第2章 リーダーシップのルール「まず、人前に立て」
第3章 プロジェクトと「時間ケチ」
第4章 「沈黙は罪!」英語以前の会話の話
第5章 お互いの利益を見つければ、100戦あやうからず
第6章 どこでも通用する「専門性」と「コンセプト力」
第7章 10年後のために、あなたが「今」からやるべきこと


【関連記事】

【オススメ】『世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人』キャメル・ヤマモト(2011年02月26日)

【貴方は大丈夫?】『残念な人の仕事の中身 〜世界中の調査からわかった「組織で評価されない人」の共通点』ロバート・W・ゴールドファーブ(2011年08月23日)

【国際派?】『米国製エリートは本当にすごいのか?』佐々木紀彦(2011年07月21日)

【外資で働く?】『外資で結果を出せる人 出せない人』山元賢治(2011年06月05日)

【英語公用化!?】『もし御社の公用語が英語になったら 生き残るための21の方法』森島秀明(2011年02月05日)


【編集後記】

◆ワタクシごとではございますが、昨日の日経新聞朝刊の広告欄に、久しぶりに当ブログが登場しております。

対象となったのはこちらのご本。

日本人の9割に英語はいらない
日本人の9割に英語はいらない

参考記事:【脱英語?】『日本人の9割に英語はいらない』成毛 眞(2011年09月07日)

推薦文が私だけ1行だったのが、ちと恥ずかしかったですがw


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