2011年08月29日
【能力開発】『頭の回転が速くなるすごい!法』佐々木豊文
頭の回転が速くなるすごい!法 (知的生きかた文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、結構中身が充実している書き下ろしの文庫本。著者の佐々木先生は、「速読」や「集中力」に関する著作がおありの方です。
アマゾンの内容紹介から。
著者が30年にわたって研究開発をし、1万人以上に指導してきた能力開発法の中から、「頭の回転を速くする」というテーマに絞って新しいプログラムを組んだ。キーポイントは3つ。ひとつは「脳をリラックスさせる」。次に「集中力を高める」。そして「記憶力をよくする」。それぞれについて、脳だけでなく、精神の面や身体の面からもアプローチしていく。単なるノウハウ本とは一線を画す本である。文庫本ですし、なかなかお買い得だと思われ!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.緊張体験の記憶が頭の働きを悪くさせる物事をマイナス思考に捉えてしまったり、秘密やうしろめたいことを胸に抱えていたりして、心を煩わせるのは、緊張の原因となる記憶を潜在意識に詰め込むようなもの。これが頭の働きを著しく悪くするのです。
■2.他人と比較せず、自分に関心を向ける
競争の中に身を置いているとき、私たちはたいていその先にある昇進や、財産、名声を得ることなど、目に見える形での成功を目的としてしまいます。
だから、どこまでも勝ち負けがつきまとうのです。そうではなく、「自分の持っている能力を生かしきること」を目標にしてみましょう。自分自身がより良く改善され、余すところなく能力を発揮できることを目指すのです。
■3.感謝の気持ちを忘れない
感謝の気持ちを持つことが、頭の回転をよくするのとどう関係があるのか、と思われるかもしれませんが、心が感謝であふれているときの「嬉しい、ありがたい」という感情は、緊張を解きほぐすので、間違いなく脳にいいことなのです。
■4.嫌な仕事は先に片づける
よく、朝一番は頭がクリアで冴えているため、とにかくクリエイティブな仕事をするべきだ、といわれますが、私は必ずしもそう思いません。やらなければならない嫌な仕事が気になっている状態で、創造性など発揮できると思えないからです。
他人が関係する仕事ならなおさらです。相手の気持ちも落ち着いている朝のうちに片づけてしまうほうがいいと思います。気になる仕事が朝イチで片づくことで、その後は集中度が上がり、当然、頭の回転もよくなります。そして、自分の苦手な仕事がわかったら、以後はそれに類する仕事を優先して片づけるようにすることです。
■5.「丁寧にやろう」と意識する
丁寧にしなければと思うから、集中力も発揮されます。丁寧にやろうとすればするほど、自分の内面にある心の荒さに気づき、穏やかに保とうとするので、さらに頭の働きがよくなり集中力を「持続」しやすくなっていきます。こうして仕事を通して、集中しやすい自分をつくり上げていくことができるのです。
■6.プレッシャーを感じたら、自分の行動を実況中継する
「さあ、今まさに○○がプレゼンの壇上に立ちました!」
「さっそく最初の質問です! ○○はどう答えるのでしょうか?」
……一人芝居のようで、バカバカしく思う人もいるかもしれませんが、実際にやってみると「もしかしたら失敗するかも」「恥をかくかも」といった根拠のない不安や,焦りの独り言が湧いてこなくなるだけでなく、自身を客観的に見ることができて集中カが増します。それと同時に、実況特有の臨場感が内面から自分を奮い立たせてくれるのです。
■7.立腰姿勢で集中力を向上させる
子どもたちに「立腰教育」を行なうと、落ち着きが出て必ず集中力が向上します。すると、記憶力もよくなり、成績が向上するのです。私の教室でも立腰姿勢を指導していますが、この姿勢なくして、高速で読書をするだけの集中力は発揮できないほどです。
立腰姿勢のポイントは、次の3つ。
(1)お尻を思い切り後ろに突き出す。
(2)反対に、腰骨をウンと前に突き出す。
(3)下腹にカを入れる。
これで肩の気張りがスカッととれます。机やパソコンに向かうとき、まずこの要領で立腰姿勢をとりましょう。よく集中できて、仕事の効率が上がるのを実感できるはずです。
【感想】
◆タイトルで「頭の回転が速くなる」とあったので、どんな内容かと思いきや、意外とメンタル面に踏み込んでいる印象を受けました。特に、ポイントの1〜3辺りは、まさにそう。
とはいえ、こういった「脳のコンディション」を整えておくことが、処理速度のアップにつながるのだと思われ。
もちろん、当ブログをお読み頂く読者の皆様には、日頃から感謝しております!←ポイントの3番目を実践中
◆第2章では、「集中力」について触れられており、実は「頭の回転が速い」「考え深い」という方の多くが、尋常でない集中力の持ち主だったりすることは、かねてから私も感じておりました。
弾さんのように「悩んだことがない」方や、『ハウツー勉強―受験三冠王が語る合格へのパスポート』の著者である弥永真生さんのように、「本を読んでいる時に話しかけられても気がつかない」方というのは、やはり普通の人とは業績が違います。
また、私にとってはポイントの5番目の『「丁寧にやろう」と意識する』というのは目からウロコで、むしろ、集中している時には、ガーッとラフにやっていました。
「細かいことが気にならないほど集中している」と思っていたのは間違いで、「細かいところに気を配れる」のが集中していることなのだな、と。
◆なお、「自分の行動を実況中継する」というのは、第2回WBCの決勝・対韓国戦の10回表で、イチロー選手が実際に行ったTIPS。
打席に入る前、「ここで打ったらえらいことだな。打たなくてもえらいことになる。日本での視聴率もすごいだろうな」と、頭の中で独り言が始まってしまったのだそうです。
「こんなことが頭に思い浮かぶときはろくな結果になりません。でも浮かんでしまった以上、消すこともできないから、こうなったらこの流れに便乗したれと思って、ちょっとした実況中継を始めたんです。『さあ、この場面でイチローが打席に入ります!』みたいにね」その結果が、見事あの決勝のヒットに。
注:動画削除されました💦
なるほど、プレッシャーに押しつぶされそうになったら、試してみる価値はありそうです。
◆本書は第3章では記憶力、第4章では生活習慣、そして第5章では速読について言及。
それぞれ結構付箋も貼ったのですが、類書との兼ね合いもあるので、今回は最初の2つの章を中心としました。
食事についてリマインドしておきたいのが「白砂糖の入った食品はなるだけ控える」という点。
疲れにくい体にするにも、ストレスに強い体にするにも、白砂糖は避けた方が良いようです。
無理なく頭の回転を速くするために!
頭の回転が速くなるすごい!法 (知的生きかた文庫)
はじめに◎あなたの能力を驚くほど引き出す本
1章◎ここで分かれる!頭の回転が速い人、遅い人――その秘密は、「脳のクセ」にあった!
2章◎あなたの仕事にスピード革命を起こす法――「集中力」が劇的に上がる、この方法
3章◎実感、記憶力がどんどん強くなる!――頭がいい人、仕事ができる人の「覚える技術」
4章◎睡眠、運動、食事……脳にいいこと、悪いこと――今日から始めるべき習慣、やめるべき習慣
5章◎人生がもっと有利になる「速読脳」のつくり方――脳が生まれ変わる本の読み方、生かし方
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【編集後記】
◆とうとう、週刊ダイヤモンドまでモテ戦線に参戦か?週刊 ダイヤモンド 2011年 9/3号 [雑誌]
ちょっと興味ありますねw
ご声援ありがとうございました!
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