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2011年08月26日

【戦略】『芸能人に学ぶビジネス力』山田隆道


芸能人に学ぶビジネス力 (マイコミ新書)
芸能人に学ぶビジネス力 (マイコミ新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、芸能人の生き様から、ビジネススキルを学ぶ1冊!?

ウェブマガジン、月刊チャージャー連載の人気エッセイの新書化です。

アマゾンの内容紹介から。
普段、なにげなくメディアを通して見聞きしている芸能人。彼らのことを今までよりちょっと肯定的に見ようとする心さえ養えば、あらたに気づくことが山ほどある。たとえ素顔はどんな人間であろうが、生き馬の目を抜くような厳しい芸能界で、自分の名前を看板にたくましく荒波を渡り歩いているという点は紛れもない事実……。そこだけを考えると、どんな芸能人にもなにか一つぐらいは人生のためになる処世術の極意が隠されているんじゃないか。本書はそんな「芸能人から学ぶべきビジネスの極意」にスポットをあてた、いわゆる仕事力を向上させるための指南書であり、同時に昨今の芸能界で巻き起こった様々なニュースを題材にした、娯楽エッセイである。
読んでナルホド、意外に役立ちそうでしたw


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【ポイント】

(本書に倣い、当記事ではすべて敬称を略させて頂きます)

■1.AKB48に学ぶ内輪力
 内輪の熱とは、興味のない人から見たら「ただの内輪盛り上がりにすぎない」と揶揄できなくもない。しかし、AKB48のように最初は内輪の熱にすぎなかったものが、いつのまにか周囲にどんどん伝わっていったということを考えると、そもそもすべてのムーブメントの発端はただの内輪盛り上がりだったのではないか、とも思えてくる。
 そういう意味では、なんらかのビジネスで大きなムーブメントを起こしたければ、まずは内輪を熱くすることが重要なのだ。


■2.春風亭小朝に学ぶスルー力
 スルー力とはトラブルに見舞われたとき、それを無理に抑えつけるのではなく、あえて動かず騒がず、徹底して黙秘を貫くことで、いつのまにかトラブルが勝手におさまってしまう無形のカを指している。しかも、それでいて自身の評価を上げることもできれば、まさに達人の領域だ。春風亭小朝の場合、ただ黙秘するだけでなく、落語家としての本分を見失わなかったところが達人たるゆえんだろう。


■3.釈由美子に学ぶふんにゃか力
 普通の人間だったら、普段から周囲に称賛されている「真面目な努力家」というポイントこそ自分の長所だと認識し、そこを喜んで世間にアピールしたがるはずだ。しかし、彼女はそういった努力の日々を決して美談にせず、最近の芸能界にありがちな苦労自慢をすることもない。それどころか、美談を欲しがるマスコミを「ふんにゃか」することで煙に巻き、その結果彼女は「芸能界屈指のストイック女優」などとマスコミに過剰報道されることから逃れてきた。
 だから、釈由美子はバカ層に気づかれなかったのだと思う。


■4.桑田佳祐に学ぶ浮気力
 たとえば仕事において、自分のスタイルにこだわりすぎたり、自己分析を尊重しすぎたりした結果、自分の個性やセールスポイントを自分で勝手に決めつけている人をしばしば見かける。しかし時と場合によっては、そこにこだわりすぎるよりも、自分の素直な興味や心境の変化に抗うことなく、自由奔放にあらゆる方向性を模索、すなわち浮気をしたほうが新しい発見や能力の拡大につながることもあるわけだ。


■5.熊田曜子に学ぶスパム力
 今回の「スパムカ」は、しつこさとふてぶてしさがいかに自己アピール術として有効かを示している。仕事で自分を売り込みたいとき、たとえ気後れしてしまいそうな過剰な宣伝文句でも、それを堂々と発することができる、さらにしつこく繰り返すことができる図太い神経があったほうが、結果的に得をするのが現代社会だ。


■6.藤原紀香に学ぶヒロイン力
 学生時代に一人はいた「優等生だが、成績が悪い奴」に少し似ている。いつも一番前の席で授業を受けて、一生懸命勉強を頑張っているのはわかるのだが、どういうわけか成績が悪い。そういう奴を捕まえて「おまえ、馬鹿だな」なんて、軽々しく言えるわけがないだろう。かわいそうじゃないか。
 これこそ、まさに藤原紀香に学ぶ「ヒロイン力」である。目標に向かって努力しているプロセスをアピールすることで、周囲の雑音を押さえつけるということだ。


■7.深津絵里に学ぶ触媒力
自分の能力を冷静に分析し、社会の中で自分がもっとも能力を発揮できる適材適所のポジションを見極めることは、一般社会においても非常に重要である。かつての夢が叶わなかったとしても、決してそれで終わりではない。適材適所のポジションを新たに見つけることで、当初の夢を上回る成果をあげることだって充分にある。野球界でも、投手から野手に転向して成功した選手はいくらでもいる。


【感想】

◆下記目次をご覧頂ければお分かりのように、本書では総勢24人(グループ)の芸能人が登場。

日頃芸能界に疎い私には、なかなか新鮮な発見がありました。

芸能界で売れることや、人気を維持し続けることも、ある意味「ビジネス」であり、そもそも彼らだって、ファンから何らかの形で「対価を得ている」以上、その裏側(や表側w)には、学ぶべき点が多々あるな、と。

特に、生き残るためのスキル、というか「ブランディング能力」については、多くの方にとって参考になると思います。


◆ふと気がついたのが、本書にはお笑いの人がほとんど登場していない事。

ウェブの連載ではオードリーや間寛平も登場しているので、NGということではないようなのですが、類書とのかぶりを考えて、あえて避けているのかな、という気がしないでもありません。

ちなみに本書で唯一お笑いとして登場する加藤茶の章で、志村けんが、もとは加藤茶の付き人だった、というのを今さらながら知りました。

しかも、加藤茶は自分で志村けんをドリフに入れておいて、センターポジションを譲ったなんて…。

この例に限らず、私の場合、本当にテレビは表面的なことしか知らないので、本書のように「表に出てない部分」の知識を得られたのも有り難かったです(芸能通の方からみたら常識的なことかもしれませんが)。


◆その「お笑い」と言えば、大御所である島田紳助は、本書には登場していないのですが、当ブログ的には無視することはできないな、と。

紳竜の研究 [DVD]
紳竜の研究 [DVD]

参考記事:【紳助のヒミツ】「紳竜の研究」はスゴかった(2008年03月14日)

……これって、販売中止とかにならないですよね?

また、本書では何か所かコメントが引用されている有吉弘行が大活躍するこの本も、マジで傑作なので、未読の方は是非。

竜兵会―僕たちいわばサラリーマンです。出世術のすべてがここに
竜兵会―僕たちいわばサラリーマンです。出世術のすべてがここに

参考記事:【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)

正直、この2人はコンテンツとして中身が濃すぎるので、こうした新書レベルで「大勢の中の一人」としては、扱いきれないですね。


◆本書は、普段から当ブログでスキルアップ系の本をチェックされている方からすれば、「軽い」と感じられる可能性は高いです(そもそも新書ですし)。

ただ、以前ご紹介した何かの本にも載ってましたが、アイデアの閃きとは、脳内にある本質的な知識と、異質な知識との化学反応で起きるもの。

真面目なビジネス書の知識を蓄えている方が、こういう本を読むことで、何かしらのアイデアが生まれる可能性はあるのではないでしょうか。

それ以前に、当ブログについて「真面目なビジネス書の割合が低いのでは」、というご意見は、春風亭小朝に従ってスルー力を発揮させて頂きますw


単純に読み物としても面白い1冊!

芸能人に学ぶビジネス力 (マイコミ新書)
芸能人に学ぶビジネス力 (マイコミ新書)
01 AKB48に学ぶ内輪力
02 加藤茶に学ぶドラム力
03 中山美穂に学ぶ加齢力
04 春風亭小朝に学ぶスルー力
05 釈由美子に学ぶふんにゃか力
06 石田純一に学ぶ犬力
07 ほしのあきに学ぶお茶くみ力
08 桑田佳祐に学ぶ浮気力
09 熊田曜子に学ぶスパム力
10 新庄剛志に学ぶ風呂敷力
11 藤原紀香に学ぶヒロイン力
12 福山雅治に学ぶ弟力
13 浜崎あゆみに学ぶ鎖国力
14 安住紳一郎に学ぶ失敗回避力
15 木村カエラに学ぶ逃避力
16 大沢あかねに学ぶRPG力
17 本木雅弘に学ぶロックンロール力
18 深津絵里に学ぶ触媒力
19 トータス松本に学ぶ背伸び力
20 宮崎あおいに学ぶ博愛力
21 沢尻エリカに学ぶ潜伏力
22 樹木希林に学ぶおばあちゃん力
23 忌野清志郎に学ぶ影響力
24 大原麗子に学ぶ変わる力


【関連記事】

【人心掌握】有吉弘行の人心掌握術がスゴすぐる件(2009年04月18日)

【紳助のヒミツ】「紳竜の研究」はスゴかった(2008年03月14日)

【ビジネス書?】「THE 芸人学 スゴい!お笑い 戦国時代をサバイバルする30人の成功法則」ラリー遠田(2010年01月06日)

【モテ】「女のことは芸人に聞け モテもん」(2008年01月13日)


【編集後記】

◆この本、出た直後からアマゾンレビューでは叩かれていたのですが、いきなりアマゾンの総合ランキングに登場しております。

島田紳助100の言葉 (ヨシモトブックス)
島田紳助100の言葉 (ヨシモトブックス)

中古価格が高騰しているのは、発売中止とかじゃないですよね?


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この記事へのコメント
               
付き人の話、知りませんでした!

Posted by 齊藤 正明 at 2011年08月27日 01:40
               
>齊藤 正明さん

でしょ?
他にも色々裏話ありましたよ!
……ビジネススキルと関係ないかもしれませんがw
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年08月27日 02:06