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2011年07月20日

【気くばり仕事術】『なぜあの人には「味方が多い」のか』山武也


なぜあの人には「味方が多い」のか (PHPビジネス新書)
なぜあの人には「味方が多い」のか (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ビジネスシーンにおける「気くばりのススメ」

著者の山武也さんは、コンサルタントであり、ベストセラー『一流の条件』等の著書でも知られるお方です。

アマゾンの内容紹介から。
人から何かを頼まれたとき、どうするか。
好感を抱く相手なら、たとえ気の進まないことであっても何とかしようと努力するだろう。一方、反感を抱く相手なら、できれば断ろうとするし、万一断れなくても嫌々やるので、ベストを尽くした結果にはなりにくい……。
一流の人には、自分のために動いてくれる「味方が多い」のである。
あなたがもし「誰にでも平等に」「問題はすぐに電話で解決」「絶対にノーと言わない」などをモットーにしていたら、お客様や部下の信頼を失うかも! と言ったら、驚くだろうか? ヘッドハンターの草分けが語る、真の気くばり仕事術。
耳イタイお話も多いのですが、「良薬口に苦し」ですぞ!


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【ポイント】

■1.自慢話は「他人の話」として語る
 自慢については、満足するのは本人だけである。聞いている人たちは、表向きは同調しているように見えても、内心は苦々しく思っていたり辟易した気分になっていたりする。(中略)

 自慢になる話が説明をする具体例として適切なので、どうしても紹介したいと思う場合がある。そんなときは、その話の主人公を自分自身ではなく、誰かほかの人にすり替えればいい。親友だとか知人で常に世話になっている人だとか言っておけば、頭のいい人がいるものだと思われて、人々も素直に実例の一つとして聞いてくれる。


■2.指示や命令は「頼みごと」だと考える
 指示や命令は上から下へと言いつけるものであるが、同じ尊厳を持った人への働き掛けであるから、礼儀と気くばりの要素を入れることを忘れてはならない。まず、相手が聞いて理解して受け入れる態勢にあるかどうかをチェックする。様子を観察して自分で判断してもいいし、相手に直接その点を確かめてみてもいい。「今ちょっと話してもいいか」とか、「手が空いているか」とか言って、相手の都合を聞くのだ。


■3.挨拶には何かひと言付け加える
 定型的な挨拶をしただけでは、儀礼的なもので終わってしまう。そこに人間としての温かみを加味するために、何かひと言を付け加えてみる。特に仕事の場では、忙しいこともあり事務的に事を運ぼうとしている。そこに、何か具体的な会話を持ち込むのである。
 たとえば、「お早うございます」と言った後に、「今日は寒いですね」とか、「今日は忙しい日になりそう」とか、何でもいいから双方に関係があったりお互いの心をさらに結びつけたりする話題を、付け加えて言うのである。


■4.相手が遠慮する余地を残さない
「しましょうか」という質問形式の申し出にも、相手に何かをしてあげようとする親切心は感じられる。だが、それに対しては、控え目な人や引っ込み思案の傾向のある人は断るのが普通であろう。また、そのときの情況によっては、図々しいと思われたくないので辞退する人もいる。すなわち、相手が遠慮をする余地が大いにあるのだ。(中略)

 それよりも相手に心から親切にしようと思ったら、「します」とか「しましょう」とか言うのだ。自分がすでにすると決めている意思を表明する。積極的に人のことを考えた親切な行為を実行するだけだ。


■5.組織全体のために仕事は自分のところで溜めない
 とにかく、書類であれば手に取ったら、それを処理しないうちは机の上には置かない、というくらいの意気込みで仕事に当たるのである。電子メールの場合は、開いた以上は何らかの処理をしない限り、その画面を消さないという方針を貫く。すべて自分のところで「温める」ことなく、「流す」のである。
 仕事の場においては、情報であれ何であれ、自分だけで抱え込むことは避ける。さもないと、組織の中に血栓ができたようなもので、全体の機能に支障を来して皆に迷惑をかける結果になる。


■6.接待してなお礼を言う
 相手はご馳走になったことに対して礼を言う。だが、それに対して「どういたしまして」と言うだけではいけない。自分からも、わざわざ時間を割いて来てもらったことや、親しくつきあってもらったことに対して、丁重に礼を言う必要がある。今や飽食の時代でもある。自分の家における家族団欒の中で、ゆっくりとした食事をしたほうがいいと思っている人も大勢いる。
 接待をされてわざわざ足を運ぶ側よりも、接待をする側のほうが感謝すべきである度合が高い場合が少なくない。その点を忘れてはならない。


■7.断るときは、きっぱりと直ちに
 断るときは、きっぱりと直ちにというのが原則である。その際には、その理由をできるだけ簡潔に言うのが親切だ。くどくどと言い訳がましい理由を並べ立てるのは、つまらない憶測も呼ぶし未練がましくもあって、よくない。あとは、申し訳ないとか残念だとか言うに留めておく。


【感想】

◆本書の著者である山さんは、1935年生まれとのことですから、今年で76歳。

当ブログでご紹介してきたご本の著者さんとしても、かなり高齢の部類に入ります。

それだから、と言うか、全般的に年配の男性になるほど、その傾向が強くなる印象があるのですが、マナーや礼儀に関しては、かなり「タイト」。

私も新入社員当時、同じ部の年配の方に、酔った勢いで(?)説教されたことを思い出しました。

多分その方は、私のことを思ってアドバイスして下さったのだと思うのですが、当の私はしおらしくしつつも、心の中では「いちいち細かいな〜」的な態度で聞いていたわけでして。←態度デカw


◆とはいえ山さんは、ポイントの2番目にあるように指示や命令を「頼みごと」だと考えたり、今回は割愛しましたが、目下の人に対しても敬意を払う等、単に年上だからと言って上から目線でモノを言っているわけではありません。

社会人としての節度を保ちつつ、周りに対する「気くばり」を忘れないようにしよう、というのが本書のテーマ。

下記目次にもありますように、どの章も「気くばり」について述べられています。

ここまでくると、本書のサブタイトルの「一流の気くばり仕事術」の方が当初メインタイトルだったのを、売らんがために「なぜあの人には〜」と入れ替えたのではないかと疑いたくなるくらい。←考えすぎw

ただ、言われていることはもっともで、実践すれば職場の雰囲気もよくなるでしょうし、まさにタイトルにあるように「味方が多い」状態になりそうです。


◆例えば私自身、「接待した側が感謝すべき」というのは、意識したことはありませんでした。

接待してもらった際に、お礼状を出したり、電話をしていただけで満足していましたが、それは当たり前で、むしろ接待したときにこそ、違いが出ていたのですね。

また、「相手が遠慮する余地を残さない」というのも、目からウロコ。

「どうしましょうか?」と相手の意思を聞くことが気遣いかと思っていましたが、確かに私自身、本当はお言葉に甘えたいときでも、辞退していたことがありました。

これからは、相手が遠慮しそうだったら「〜しましょう!」と押し切ることにしますw


◆本書は読んだからといって、具体的なスキルが身に付くタイプの本ではありません。

しいて言うなら、かつては「飲ミニケーション」という場で上から下へと伝えられていた、「暗黙知」のようなものかと。

個人の時間を尊重する結果、いちいちアフターファイブに言ってくれる人もいないであろう今、こうして書物として接するのも良いと思います。

ただし、かつての私のように斜に構えることなく、素直に読まないと身にならないかもw


気くばりも一種の「スキル」です!

なぜあの人には「味方が多い」のか (PHPビジネス新書)
なぜあの人には「味方が多い」のか (PHPビジネス新書)
序章 気くばりが仕事に欠かせない理由
第1章 話し方や会話での気くばり
第2章 仕事力を上げる気くばり
第3章 仕事や職場での人間関係をよくする気くばり
第4章 ビジネスマナーとしての気くばり


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【編集後記】

某カリスマ書店員さんが「激売れ」とツイートされたのがこちら。

米国製エリートは本当にすごいのか?
米国製エリートは本当にすごいのか?

でもアマゾンでも品薄なんですよね〜。

(´・ω・`)ショボーン


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