2011年07月06日
【日経】『日経新聞を「早読み」する技術』に学ぶ7つのTIPS
日経新聞を「早読み」する技術 (PHPビジネス新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の気になる本の記事で取り上げた1冊。著者の佐藤治彦さんは、外資系金融機関でデリバティブを担当された後に、経済誌記者等を経験された経営コンサルタントさんです。
アマゾンの内容紹介から。
日経新聞は、読むのが難しいと言われる。また、じっくり読む時間が取れないと言う人も多い。それは、ビギナーが経済用語を理解していない、経済情勢のポイントを把握していない、新書2冊分のボリュームがあるという理由からだ。本書は、最少の時間で必要な情報を引き出すテクニックを公開。早読みの技術とともに、読みこなすための知識も解説する。今回はこの本の中から取り入れたいTIPSを7つ選んでみましたので、ご覧ください。
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【ポイント】
■1.まずは読みたい記事で、わかる記事を読むまずは、自分が気になるなと思う記事を定めてもらいたい。仕事柄、多くの情報を扱わなくてはならない私の場合は、見出しをざっと見て、赤いマジックで必要なものに丸をしていく。そして、気になる記事の中から、まずは自分が読みたい記事で、読める記事を選ぶ。(中略)
それでも、それで1日3つの記事を読んだとすると、1年365日で1095もの記事を読んだことになる。決して少ない量ではないはずなのだ。
■2.気になる記事で緊急性の高いものはスーツか手帳に入れる
緊急性の高い記事は、スーツのポケットに入れてしまう。くしゃくしゃになったって構わない。(中略)
ポケットでも、手帳に挟んでしまうといったことでも、何でもいい。時間があるときにすぐに取り出せるようにしてもらいたい。すぐに取り出せるのであれば、電車の待ち時間や訪問先に早くついてしまったとき、昼休みのちよっと空いた時間など、いや、洋式トイレで用を足す間でも何でもいいじゃないか。ふとしたときに読めるようにしてしまうのだ。
■3.表やグラフはデータバンクに収録する
切り取った記事をノートなどに貼り付けて保管するときに、ちょっとしたコツを伝授したい。データバンクに加えた方がいいオススメのものは、日経新聞の記者が苦労して集めた記事やデータをひと目でわかりやすくまとめた表やグラフだ。
■4.経済ビギナーは1面を見たあと、すぐに3面へ
日経新聞では1面でその日の最重要ニュースを掲載したあと、2面が「総合・政治」面となる。日経新聞ならではの社説などが書いてある。
そのあとの3面は「総合」面。ここは、日経新聞が「ニュースが分かる」「景気が分かる」という言葉をキーワードにして構成したぺージで、ニュースの背景には何があるのか、そのニュースがなぜ重要なのかがわかるように書かれている。グラフや表などもふんだんに使い、徹底して読者にプレゼンするぺージだ。(中略)
朝、新聞を受け取ったら、1面の見出しをチェックしたあと、持てる時間で2面の社説で何を取り上げているかを確認し、3面を中心に読むのが、王道の読み方だといえるだろう。
■5.「きょうのことば」は欠かさずチェックする
「きょうのことば」は、日経新聞3面「総合」面の左下の広告のすぐ上にある。
まずは、さっとチェックしてほしい。知ってる言葉なのか知らない言葉なのか。知ってる言葉なら、人にきかれたときにきちんと説明できるか、それとも何となく知ってる言葉か、こんな意味だろうなあとあやふやに思っているだけの言葉なのかを、判断してもらいたいのだ。
これは、最新の経済ニュースを理解するうえで重要な用語なのだ。それも多くの場合、ビギナーを意識して平易に書かれている。短い文章で、図解やグラフなども載っていて親切でもある。だから、ぜひともこの欄はチェックしておく癖をつけてもらいたい。
■6.月曜の朝は「MONDAY NIKKEI」を読む
このぺージには「今週のキーワード」という、社会人なら知っておきたい用語の解説や、主要エコノミストによる今週の市場の注目点を簡単にまとめた「週目点」、アンケートなどによってひとつのトピックを調査した「クイックサーべイ」など、読んで面白くわかりやすい記事が満載なのだ。(中略)
月曜日の朝、1面に書かれたトップ記事と重要ニュース(週末に1面をにぎわすようなニュースが起こることは少ないのだが)に目を通したあとは、「MONDAY NIKKEI」を読むことが重要だ。
■7.「私の履歴書」をトークネタとして押さえる
「私の履歴書」は日本を代表する経済人、政治家、文化、スポーツなど、日本社会が認めたウルトラVIPによる1ヵ月間の半生記だ。人気が出ると、「私の履歴書」は単行本にされることも多い。ここに登場する人たちは取材を受けることも多いのだが、それは、メデイアがほしい情報である。ところが、この「私の履歴書」はその人の人生を振り返りながら、おのおのが自分の語りたいことを語っていく。特にミドルからシニアの日経新聞を愛読する人なら気になるであろう人が、自らの半生を1ヵ月にわたって語り尽くすわけであるから面白い話もでる。
ビジネスの場で「今月の××さんの△△ということは心に滲みました」というトークが天気の次に使えたりするのは、そういうわけだ。もちろん、ビジネスや生き方のヒントも盛りだくさんである。
【感想】
◆このブログでも何度か触れたこともあるように、私は学生時代マスコミ志望だったため、一応日経新聞も読んでいました。税理士試験に専念している時期はさすがにお留守にしておりましたが、合格してからはまた再開。
これはもちろん、情報収集という目的もありますが、どちらかというと「今朝の日経の●面のあの記事で〜」と顧問先から振られた場合に、読んでいないと非常に気まずい、というのが大きいです。
年配の方を相手にして「今はネットのニュースで十分ですよ」とはとても言えませぬ。
特に本書によると、定期購読する平均年間世帯収入は、4大新聞より日経新聞の方が200万円以上高いそう。
経営者層と話す機会のあるビジネスパーソンなら、「共通言語」として読んでおく必要があるようです。
◆さて、税務面については知識を入れている私も、経済については疎い部分もあるわけでして(一応経済学科卒ですがw)。
「読みたくてわかる記事」は当然読んでいましたが、「読まなければいけないのに時間がなくて読めない記事」や「わからなくて読めない記事」をどうするべきか?
本書によれば、「まずは切り取れ」と。
スキャナーの普及によって、スクラップブックは時代遅れ(?)になりつつありますが、切り取ったものならば携帯して、ちょっとした時間に読めます。
さらに、それらを用いてオリジナルのデータバンクを作成すれば、会議やプレゼン、企画書等にも活用可能。
上記ポイントで挙げたような「表やグラフ」は、資料に用いれば説得力も増しますし、ここまでやれば元が取れるというものです。
「緊急性の高くないもの」の処理方法や、日経ビギナーがスタンド買いする場合に選ぶ曜日等、他にも役に立つTIPSが多々ありましたが、詳細は本書にてご確認を。
◆また、以前鮒谷周史さんの『平成・進化論。』で登場していたのが、上記でも触れた「私の履歴書」の経済人の全集。
アマゾンではセット販売はないようですが、こんな感じでバラ売りになっているようです。
私の履歴書・経済人
たまたまクリックしたこの巻は、本田宗一郎さんと井深 大さんが登場してましたw
私の履歴書 経済人 6
これは結構読み応えがありそうな気がw
◆ちなみに、今回とりあげた項目は、下記目次の第1章からのみ。
第2章では、最近の世界情勢や国内の経済問題等について、そして第3章では日経新聞を「スラスラ読む」ための基礎知識が展開されています。
実はこの第3章が本書の約半分を占めるのをどう考えるかで、本書の評価も変わってくるかと。
ここでは、「日本銀行」「原油価格」「イスラム金融」「ユーロ経済圏」「中国人民元」「Brics」といったキーワードについて、5〜8ページほどで解説されており、一種の「用語集」と言えないこともありません。
ただ、確かにタイトルとは直接は関係ない内容なのですが、これらを基礎知識として蓄えておけば、日経新聞を「早読み」できる、ということなら「アリ」だと思います。
日経新聞をさらに活用したい方に!
日経新聞を「早読み」する技術 (PHPビジネス新書)
序章 日経新聞を読む理由
ビジネスに役立つ
資産を増やす、投資に役立つ ほか
第1章 「早読み」する技術
ビギナーなら1日15分の「日経新聞タイム」を確保しよう
最初に読むのは、読みたい記事で、わかる記事 ほか
第2章 紙面から上手く情報を引き出すための知識
2011~12年、ビジネスと投資に関係する最重要経済ポイント
先進国共通の問題は景気回復 ほか
第3章 5分で分かる!スラスラ読むための知識
5分で知ったフリができる「日本銀行」
5分で知ったフリができる「日銀総裁」 ほか
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【編集後記】
◆今日の気になる1冊。日本の未来について話そう
執筆陣はかなり豪華なようです。
ご声援ありがとうございました!
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この記事へのコメント
プロの技術、役立ちますよね!
Posted by マグロ船 齊藤 正明 at 2011年07月06日 09:40
>マグロ船 齊藤 正明さん
スイマセン、レス漏れてました〜!
でも漁船に乗ってたら、新聞どころの騒ぎじゃないっすよね(汗)。
コメントありがとうございました!
スイマセン、レス漏れてました〜!
でも漁船に乗ってたら、新聞どころの騒ぎじゃないっすよね(汗)。
コメントありがとうございました!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年07月09日 05:56
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