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2011年07月04日

【服選び】『大人の男の服装術』滝沢 滋


大人の男の服装術
大人の男の服装術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先月初旬の気になる本特集で取り上げて、そのままになっていたファッション本

著者の滝沢 滋さんは、日本でモデリストおよび商品開発に携わった後に、イタリアでもモデリスト並びに仕立ての修行をもとに研究を重ね、自身のレーベルを立ち上げられたというお方です。

アマゾンの内容紹介から。
伊勢丹、三越等で自身のブランドを展開している著者が、正しい男の服装の知識と本物のスーツの見分け方、着こなし方を公開!
確かに各アイテムの選び方は「さすがプロ!」と思わせられる鋭さでした!


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【ポイント】

■1.男の服にとって、大切なこと
男のスーツを選ぶときにはずしてはいけないことは、「この服を着たときに、敬意を持たれるか」「自分が仕事人として、最高に評価されるか」「相手に失礼にあたらない恰好であるか」ということです。
 ファッション性よりも何よりも大事なことです。
 それを、あえて1つの言葉にするならば、「礼節」という言葉で表されると私は思っています。


■2.日本人の7割は体に合わない上着を着ている
 どんなに高価なスーツでも、肩回りが合っていなければ、美しく着こなすことができません。しかし残念ながら、私が観察する限り、日本の既製服をお貰い求めいただいている方の7割は、体に合わない肩回りの上着を着ていると言っていいでしょう。
 その理由は、日本の既製品のスーツは、ハンガーに掛けた時の美しさが優先されていて、体が入った時の美しさが二の次になっているからです。


■3.服装に対する関心を失わない
これはある人が言っていた言葉で、私はとてもわかりやすいと思ったのですが、「男は自分が最高のときでファッションが止まってしまう」というものです。
 どういうことかというと、男は自分が一番イケていたとき、身につけていたもので、価値観が止まってしまう。
 たしかに言われてみるとそういう人がいます。「何年前の恰好をしているんですか?」というようなダブダブのスーツや大きな肩パッドが入ったスーツを着ている人を見かけると、たしかに当時はおしゃれだったでしょうが、「今はもう古くて、時代に合っていませんよ」と言ってあげたくなります。


■4.上着の選び方(抜粋)

●背中のフィッティング
(1)首の後ろ部分に横じわが入らないこと(一般的にはつきじわと呼びますが、さまざまな原因が考えられます)。
(2)肩甲骨の間にたてにしわが入らないこと。

●第七頸椎のフィッティング
首の後ろ、首と胴体のさかい目あたりのちょっと骨が飛び出ているところが第七頸椎です。
 上着をフィッティングするときは、この第七頸椎と上着とがきちんとくっついているかどうかを確かめてください。

●着丈のフィッティング
 一般的にジャケットの着丈というのは、後ろ中心の第七頸椎付近から、裾までの長さをさします。この長さの目安には大きく分けて
(1)第七頸椎から床までの長さ(総丈=体の高さ)の約半分
(2)後ろのお尻とももの境目
(3)腕を自然に下ろしたときの中指の第二関節からつけ根の関節の付近

 の3つがあります。(中略)

 日本人の体型におすすめなのは、まず(1)を測った上で、(2)(3)を測り、長さを調整することです。理想的な体型の人は(1)(2)(3)で測った数字がすべて一致します。

●袖丈のフィッティング
 シャツの長さは親指のつけ根にカフスが当たるのがべストです。
 シャツが正しく着られたら、いよいよジャケットの袖丈を決めます。袖丈から見えるシャツの寸法は、ジャケットの衿もとから見えるシャツの寸法と合わせること。つまり、
 袖口から見えるシャツの幅=衿から見えるシャツの幅
 となります。


■5.ネクタイの幅の美しく見える黄金比とは?
 それは「ジャケットのラぺルの幅」と「シャツの衿の幅」「ネクタイの大剣(締めたときに前に来るのが大剣、後ろ側になるのが小剣です)の幅」がほぼ等しくなるここです。ジャケットのラぺルが幅広で、シャツの衿も大きいのに、細いネクタイを締めているのはおかしいし、反対にラぺルが狭くて、シャツの衿も細いのに、太いネクタイはアンバランスです。


【感想】

◆「上着の選び方」でかなり引用してしまいましたので、今回はこのくらいで。

ただし、「(抜粋)」とあるように、本書で紹介されているフィッティングのチェック項目はこれだけではありません。

「胸」「袖」「アームホール」「ウエスト」「ヒップ」等々、「プロはここまで見ているのか!」と唸らせられる充実ぶりです。

しかも、モノクロとはいえ、図解入りでしっかり解説されていますので、これでもう、初心者でも一人でスーツを買いに行って大丈夫だと思われ。


◆もちろん、信用できる店員さんに見繕ってもらえるなら、任せてもいいとは思いますが、私自身、某有名セレクトショップで「つきじわ」が出てしまうスーツを買わされた(って自分でチェックしろって感じですがw)こともありました。

元々、客の体型に合うスーツがなかったり、あってもサイズ切れ・色切れをおこしていると、店員さんとしては「このスーツはつきじわ出てますからやめましょう」とは言いにくいのかもしれませんけど。

今まで類書でも、こうしたチェックポイントは紹介されていましたが、ここまで多項目、かつ細かいのは初めてだと思います。

下記目次をご覧頂ければお分かりのように、「選び方」については、「パンツ」「シャツ」「その他のアイテム」もありますので、あわせてご覧頂きたく。

特にパンツについては、年を取ってお腹が出てくると、一人ひとりの体型のバラつきが著しいため、できればオーダーがよいのだそう。

つい先日、●年ぶりにスーツを買いに行ったものの、上着を先に合わせるとパンツが合うスーツが1つもなく、泣く泣く上下をバラで買った私は深く納得した次第……。


◆なお、本書の1,2章では、著者の滝沢さんが服のプロらしく、男性の服の歴史やその移り変わり等についてページを割いてらっしゃいます。

これは、知識としては有益なのですが、実際の着こなしには直接は必要ない分、書店でここだけチラ見した方が、小難しく思ってスルーしてしまわれたらちょっともったいないような。

また、4章のフォーマルのドレスコードのお話も、基本的に日本国内のドメスティックな世界だけで生活するのなら、ここまで気にしなくても良いのかもしれません。

例えば、具体的な名前をあげなかったものの、アカデミー賞のプレゼンテーターを務めるのなら「こういうフォーマルの着こなしは困る」と日本の某俳優さんにバッサリダメ出しをされているという。

In photos: Oscar 2007 - Monsters and Critics

確かにその方の着こなしは、「着崩し」されてますけど、他の外人さんだって、若干微妙な方もいらっしゃる気がしないでもなく……!?


◆個人的に「グサッ」と来たのが、ポイントの3つ目にあった「男は自分が最高のときでファッションが止まってしまう」というお話。

私も税理士になってから結婚するまでの間が、一番服装に金をかけていた時期であり、実は今着ているスーツの多くも、当時購入したものです。

さすがに「大きな肩パッド」よりは後の時代なのですが、上着のボタンも三つボタンがほとんどですし、パンツの股上も現在のものに比べると深い感じ。

「何年前の恰好をしているんですか?」と言われたら、返す言葉もありませぬ。


よーし、この本片手に今度こそしっかりスーツ買ってきちゃる!

大人の男の服装術
大人の男の服装術
[基礎編]
1.男の服の本質とディテール
2.騎士階級の気高い服が男の服の源流
3.スーツと男の体の深い関係
4.日本人に知ってほしいフォーマルな装い

[実践編]
5.スーツを買う前に知っておくべきこと
6.上着の選び方
7.パンツの選び方
8.シャツの選び方
9.その他のアイテムの選び方
10.メンテナンス


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【編集後記】

◆コンビニの雑誌コーナーにあった、ちょっと気になる本(と言えるのか?)。

電動! スッキリ頭皮ブラシ~頭皮ブルブル! おうちでヘッドスパ!!
電動! スッキリ頭皮ブラシ~頭皮ブルブル! おうちでヘッドスパ!!

私は一応、「モミダッシュ PRO」という製品を持ってるので買いませんけど、コンビニで見かけたら、つい買っちゃう人もいそうな気が。


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