2011年07月03日
【文系でもおk】『理系男子のための恋愛の科学』西内 啓
理系男子のための恋愛の科学
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、新しい切り口のモテ本。著者は、東大医学部卒の西内 啓さん、……って、当ブログでは以前ご紹介した『東大の先生が実践する「ロジカル」暗記術』をご記憶の方もいらっしゃるかと。
その西内さん、母校の大学院の医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教の際に、依頼されて「どうすればモテる男子となり得るのか」というセミナーを開始。
「うまく大学デビューをするにはどうすればよいのか」「合コンを成功させるにはどうすればいいのか」といったテーマで毎回大盛況なのだそう。
帯の「東大で多くの非モテ系男子学生を救った伝説の恋愛セミナーを再現!」というフレーズが気になったら要チェックです!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.安定型の愛着を持つ人は「リア充」になりやすい世の中には、親密さや信頼といった関係性を築くことに対して、何の難しさも感じない人(安定型)がいる一方、親密さに居心地の悪さを感じて距離を置いたり、閉じこもったりすることを快いと思う人(回避型)も、相手に見捨てられることを恐れながら、過剰に親密さを求める人(矛盾型)も存在するのです。
ここまで説明すれぱ賢明なみなさんはすでに想像がつくかと思いますが、安定型の愛着を持った人たちは、いわゆるリア充になりやすいということが容易に想像できます。
(判定テストは本書にてご確認を)
■2.売れる=モテる仕組みを作る
マーケティングの究極の目的は、経営学の神様とも呼ばれるピーター・ドラッカーによって「セールスを不要にすること」すなわち「ほっておいても物が売れる仕組みを作ること」と言われていますが、自分自身を売り込むぺき商品だと考えれば過去数十年に様々な学者や企業が発展させてきたマーケティングの知見は、今、我々が個人的にモテようと応用する上でも、大きな力になってくれることでしょう。
適切なマーケティングリサーチによって、ターゲットとしたセグメントがどのようなものを欲しているかを深く理解し、求めるものを強くイメージさせるポジショニングに成功すれば、自然とその相手は自分を求めてやってくるのです。これはいわゆる「モテる」という状態であると言って良いでしょう。
■3.エクササイズ「女子という異民族を知る」
それでは以下のようなステップで、女子という異民族の文化を分析してみましょう。
(1)コンビニや書店の店頭やインターネット上で調ぺられる女性誌の売上ランキングなどから「どのような女性誌が存在しているか」をリストアップします。(中略)
(3)好みだと思えた雑誌の見出しや目次、できれば中身について目を選します。(中略)
(4)(3)でメモした特徴から、雑誌ごとに自分が「有利に戦えそうな度合い」を順位付けします。なんとか頑張れば自分でもポジショニング可能な男性を好み、ライフスタイルや価値観にも共感できる部分があり、なおかつ自分の好みのタイプの女性ばかりが誌面に登場する雑誌があれば、当面メインターゲットセグメントとして考えてよいでしょう。(後略)
■4.まずは髪型から手をつける
西洋のことわざに「1日だけ幸せでいたいならば床屋に行け」というものがあるらしいのですが、この床屋さんの力を最大限に活用して、1日以上、幸せになってみようというのが私の提案です。
髪が短い人だったら、いつもより少し髪を長めに伸ばした後、自分が行ける範囲で、ふだん行く店よりも少し内装がオシャレな床屋や美容室で、イメチェンをお願いするというやり方です。もしセグメントの方向性がすでに見えているのであれば、そういうセグメントが好みそうな美容室に勇気を出して行ってみるというのもアリですし、もちろんふだん行っている床屋が十分素敵だという方は、引き続きそこでお世話になっていただいてもかまいません。
■5.「イケメンごっこ」という考え方の導入
慣れない服を着てるけど実は全然似合ってないんじゃないか、とか、突然イメチェンしたことを友達に弄られて笑われたらどうしよう、とか、モテたいとかイケメンになりたいなんていう分不相応な考えを浅ましいと思われるんじゃないか、など心配の種は尽きることがありません。
そしてそこまで問題が明確になったおかげで、私は次のようににアドパイスをすることができました。
「イケメンになるんじゃなくて、イケメンごっこをしてみるって言ってみたらいいんじゃないのか?」
ハロウィンに仮装をするような感覚で、「イケメンのコスプレ」をしてみるのです。
■6.芸人から学ぶべきは「面白い話のさせ方」
芸人さんは話すことのプロでもありますが、聞くことのプロでもあります。今度テレビを観るときには、ひな壇の後ろに座っている目立たない芸人さんを注意して見てみてください。
自分がしゃべっていないときでも彼らは大きくうなずき、リアクションし、盛り上がるべきところでは盛り上がる、という見えない仕事をしているはずですし、きっとその目立たない仕事によって、他のゲストは話しやすくなっていることでしょう。
素人がまず学ぶべきは、彼らの面白い話の仕方ではなく、面白い話のさせ方なのです。
■7.恋愛の会話という頻出問題
「恋愛の会話」ということについては、多くの人が「頻出問題が出され続けるものである」ということに気づいてもいないし、ましてや過去問を振り返って正解を考えようということは、絶対にしていません。
たとえば「ジブリ映画だと何が好き?」という話題は、ある種の女子と何回かデートすると絶対に一度ぐらいは聞かれますし、付き合っている彼女からは、かなりの確率で「私のどこが好き?」という質間もされます。
多くの男子は投げかけられた質問に対して、その場その場で正直に答えようとしますが、その大半は真のコミュニケーションニーズを捉えられていません。
たとえば「ジブリ映画で何が好き?」という質問1つをとってみても、多くの場合、別に相手がどの映画を好むかという情報を得たいためにする質問ではないのです。ですが、ほとんどの男子は自分の中にある正確な情報を答えただけで満足してしまうのです。
(詳細は本書を)
【感想】
◆それほど厚くない上に、第9章がケーススタディということもあって、かなり広範囲の内容を凝縮して1冊の本にした、という印象を受けました。下記目次をご覧頂ければお分かりのように、マーケティングから心理学、科学、さらにはコミュニケーションまで、本来であれば、もうちょっとページを費やして掘り下げて頂いてもよかったかも。
ただ、単に参考文献を読んでまとめただけのものではなく、実際にセミナーをしたり、学生を指導するというフィードバックがあった分、実際に必要となる部分にフォーカスしているのではないかと。
例えば、恋愛にマーケティング的な考え方を持ち込む、というアイデアは類書でも見られるのですが、では具体的にどうやるか、という話になると、これといった良い方法は提示されたことがありませんでした(私が知る限り)。
それを本書では、上記ポイントの3にあるように、女性向けの雑誌からアプローチ。
確かに、自分が「お嬢様系」の女性が好きでも、JJやCanCamに登場する男性の傾向と乖離していては、実際には難しいわけでして……。
◆外見への最初のアプローチとして、本書では「髪型」を推奨しており、これは私も同意。
美容院では、散髪だけでなく、眉カットをしてくれるところもありますし、外見のトータル的なアドバイスを受けることも可能ですから。
特に本書では、担当してくれた美容師さんに、「どういう服を買うべきか」といったアドバイスを受けることを提案しており、これは確かに言えてます。
普通に洋服のショップでアドバイスを受ける方が具体的かもしれませんが、逆に「売らんかな」の接客をされる可能性もありますし、周りに相談できる人がいない方は、是非とも参考にして頂きたく。
◆さて本書では、こういったアプローチを実際にどう行うか、という点で参考にしたい「ケーススタディ」が最終章に収録されています。
著者の西内さんの周りには「モテ化」の「実験台(?)」がたくさんいらっしゃる中、たまたま本書の執筆中に相談を受けた学生さん(エヌさん)を、西内さんが「リア充」へと改造。
西内さんの指導のもと、本書で提案されているTIPSを実践したエヌさんが、それぞれのステップでどう思ってどう感じたか、ということがエヌさんからの報告という形で描かれており、これがなかなかに秀逸です。
上記ポイントでは触れませんでしたが、お店の店員さんと気軽に話せるようになる練習等、取り入れてみたい点がいくつもありましたし、ここは本書の最大のよみどころかと。
気になる女性をデートに誘うシーンで、なかなか電話がかけられなかったり、かけた後で「精根尽きてそのまましばらく床に転がっていた」という辺りは、リアリティ満点でしたw
◆なお、本書は各章ごとに、恋愛について考える「例題」やポイントの3のような「エクササイズ」が掲載されています。
これらを読み流すだけでなく、キチンと実践するだけでも「モテ偏差値」は上がりそうな予感。
西内さんも、伊達に勉強本でデビューされておらず、たとえ「恋愛(彼女ができる)」という試験に「合格」できなくとも「実力」がつくことウケアイです。
いや、もちろん「合格」したいのはヤマヤマですけどね。
「ジブリ映画で何が好き?」という問いの正しい回答を知りたい方は要チェック!
理系男子のための恋愛の科学
第1章 イケてる心を構築する ポジティブサイコロジーからの知見(1)★アマゾンで在庫切れみたいなので、一応楽天も。
第2章 モテる相手を理解する マーケティングサイエンスからの知見
第3章 イケてる自分をデザインする コミュニケーション科学からの知見(1)
第4章 モテ得る場所に辿りつく 経済学からの知見
第5章 キュンとさせる話の聞き方 コミュニケーション科学からの知見(2)
第6章 キュンとさせる話し方 コミュニケーション科学からの知見(3)
第7章 イケてるデートを企画する 恋愛科学における戦略論
第8章 素敵な関係を維持する ポジティブサイコロジーからの知見(2)
第9章 ケーススタディ ある大学生の1か月
【送料無料選択可!】理系男子のための恋愛の科学 (単行本・ムック) / 西内啓/著
【関連記事】
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【モテ】「草食系男子の恋愛学」森岡正博(2008年09月21日)
【モテ】「理系のための恋愛論」酒井冬雪(2008年09月03日)
【モテ】「ベストパートナーになるために」ジョン・グレイ(2007年08月09日)
【編集後記】
◆今日のご本に関連して(?)。ヤリチン高等学校 ~デフレ時代のモテ技術~
当ブログでは『ヤリチン専門学校 〜ゼロ年代のモテ技術〜』をご紹介した尾谷幸憲さんの新刊です。
これも、一応チェックしなくては。
ご声援ありがとうございました!
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