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2011年06月25日

【プレゼン】『カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術』スティーブ・コーエン


カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術
カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、遠征先のリアル書店で平積みになっていたのを捕獲した1冊。

後から奥付を見たら、結構前に出ていることが判明したのですが、面白かったので「こまけーこたぁ(ry」

アマゾンの内容紹介から。
今すぐできる!簡単!役に立つ!NYの上流階級を煙に巻いた魔法の心理テクニック、話し方、プレゼンスキルのすべて。マジシャンは、どうやって観客の心をつかむのか?超一流のマジシャンが初めて明かす、最強の心理法則。
タイトルには「心理術」とありますが、今回は特に人前に立つ際の心構えを中心にピックアップしてみます!


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【ポイント】

■1.アクシデントに備えて複数のエンディングを用意する
 ショーの間にどんな不都合が生じても、トリックが失敗に終わらないように、マジシャンは複数のエンディングを用意しています。もちろん観客はそのうちのひとつのエンディングだけを見るわけです。――小道具を落としたり、観客から思わぬ批判が飛ぶなど、何かまずいことが起きたとき、マジシャンはすみやかに計画を変えます。気づく人はいません。観客は本来の計画を知らないので、自分たちが目にしたものが唯一のエンティングだと思うのです。
「いろいろなエンディングがある」と考えることで、大きな自信が生まれます。複数のエンディングを用意しておけば、相手がどんな反応をしても大丈夫だという余裕ができるのです。


■2.部屋を扇型に見渡して、自分の顔を見てもらう
まずAポイント(ステージ上手)からBポイント(ステージ中央)までやや足早に歩きます。歩く間、右手の一番奥に座っている人をじっと見つめてください。目をそらしてはいけません。アイコンタクトがちゃんととれたと感じるまで、その人を見つめましょう。Bポイントまで歩きながら、ステージ中央に近づくにつれ顔を少しずつ左側に向けていきます。
 Bポイントに着いたときには、あなたの鼻が左手の一番奥に座っている人に向いているようにするのです。これで、ステージ中央に立ったとき、あなたはすでに部屋全体を「扇形に見渡した」ことになります。次に、顔をゆっくりと右に戻し、右側の席の人たちと再び目を合わせてください。
 この動きにどういった効果があるかというと、ステージの中央まで歩く短いあいだに、あなたは観客全員に真正面から自分の顔を見てもらえたことになるのです。


■3.人前に出る際の歩き方
ステージの上手から入っていく場合、最初の一歩目は右足を出すこと。下手から入る場合は、左足を出すこと。
 このステージテクニックを使えば、大勢の人の前に歩み出る際に、自分の体のより広い部分を見せることができます。アドバイスと逆の出方をした場合、観客が最初に目にするのはあなたの肩と横顔です。でも、アドバイスのとおりに出ていけば、あなたが観客に与える第一印象はより鮮明で刺激的なものになります。胸の正面の広い部分が観客に見えるので、あなたはとても大きく見えます。人に与える印象が強烈になればなるほど、あなたはより堂々として見えるのです。


■4.大きく息を吸ってから人前に出る
 観客の前に登場するときは、まず大きく息を吸ってください。あなたの肺がはちきれそうになるまで思いきり酸素で満たすのです。胸腔のてっぺんまで空気でいっばいになったと感じたら、そのまま止めます。そうしてから、初めて部屋に入っていくのです。
 こうすれば、肺がしぽんだまま出ていくよりも、ずっと効果的な登場ができます。多くの人はこのテクニックを知らないために、肺に空気を入れないまま舞台に上がり、話しだす直前に素早く息を吸うことになります。こういう人の真似をしてはいけません。歩きだす前に、肺を酸素で満たしてください。息を吸うことで顔に血が上り、より生き生きとして輝いて見えますよ。


■5.話すときはテーブルの後ろではなく、前に立つ
机やテーブルの後ろに立つと、観客からはあなたの上半身しか見えません。演台の後ろにいると守られているように感じるという話し手はたくさんいますが、そういう人たちは自分のノートに目を落としたままで、手はもっぱら演台の端を握っています。これでは自分の自信のなさを強調しているようなものです。
 ステージを自分のものにしたいのなら、観客に自分の頭からつま先まで見てもらうようにするべきです。演台や机の前に出ることで、観客により強いメッセージが伝わるのです。


■6.呼吸法をマスターして、部屋全体に届く声を出す
 お腹を膨らませるようにして息を吸い、お腹を体の中にひっこめるようにして息を吐きましょう。息を吐きながら、その息に声を乗せて体から途切れなく出し続けてください。呼吸がうまくできるようになればなるほど、たくさんの息を使って声をサポートし、観客の耳に届かせることができるのです。


■7.「戦略的失敗」で関心と共感を得る
 発表の要点に入る前に、彼は次の画面が特に重要であることを告げて、クライアントの関心を高めます。そして、リモコンをクリックして先に進もうとします。が、何も起こらない。画面は前のままです。今度はリモコンを直接ノートパソコンに向けてもう一度クリック。やっばり駄目。もう一度クリックしても……何も変わらず、意気消沈するばかり。
 彼はおろおろしてクライアントに謝り、一番重要なところなのに本当に困ったと話します。それで、最後にもう一度だけ試してみると言います。彼がリモコンをクリックすると、今度は……やった! スライドはちゃんと進み、彼は勝利の笑みを浮かべたのです。
 このアクシデントによって、彼は首尾よく人々の関心と期待を高めると同時に、その共感を得ることもできました。本当は彼がリモコンのミュート(消音)ボタンを何度も押していただけだなんて、誰にも分かりません。


【感想】

◆本書は中盤あたりまでは、上記で抜き出したようなステージ上でのテクニックが中心ですが、最後の方、特に第7章は、トークにおけるテクニックがメインとなっています。

このトーク部分については、それぞれ効果があると思われる(ダブルバインド等)ものの、過去に当ブログでご紹介してきた本の内容とかぶるので、まとめて割愛。

例えばこの本とか。

コミュニケーションのための催眠誘導 「何となく」が行動を左右する (知恵の森文庫)
コミュニケーションのための催眠誘導 「何となく」が行動を左右する (知恵の森文庫)

参考記事:「催眠誘導」石井裕之(2007年02月19日)

マジシャンは、手品だけやってるのかと思いきや、裏ではステージを成功させるために、こうして人々をコントロールしているのですね。


◆一方、ステージ上のテクニックは、基本的にプレゼンにモロに通じるお話ですし、初っ端のアクシデントの件は、プレゼン以外にも、商談等に応用可能。

以前ご紹介したこちらの本で、主人公である甲州氏は、「あらゆる事態を想定して」16種類もの保険のプランを作られていましたし。

プロフェッショナルセールスマン ― 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向
プロフェッショナルセールスマン ― 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向

参考記事:【伝説!?】『プロフェッショナルセールスマン ― 「伝説の営業」と呼ばれた男の壮絶顧客志向』神谷竜太(2011年05月20日)

要は「備えあれば憂いなし」ということで。

外部向けの大人数のプレゼンだと、途中で方針変更は難しいかもしれませんが、内部向けのプレゼンで、途中でツッコミが入りそうならば、いくつか落としどころを考えておきたいところかと。


◆また、ステージ上に立つためには、ある程度の度胸も必要なワケで、本書では「引っ込み思案を克服するためのエクササイズ」がいくつか紹介されています。

「エレベーターで知らない人に話しかけてみる」
「相手に気づかれないようポケットにコインを入れる」
「知らない人を見つめ、そのまま目をそらさない」

等々、一歩間違ったら「変な人」になりそうですが、試してみる価値はありそうな。

それに、これらはそのまま「ナンパのトレーニング」にもなりそうですしw

そう言えば、過去読んだモテ本によると、何人かのナンパ師は、マジックをナンパのツールとして使っていましたっけ。

本書では、私にもできそうな簡単なマジックが2つほど載っていましたので、試してみたい方はご一読を。


◆本書は単なるマジシャンのエッセイではなく、ビジネス書を意識した作りとなっています。

上記で言及してきたように、プレゼンスキルやトークスキルが磨けるのはもちろん、冒頭の「推薦の言葉」でリッツカールトンのセールス・マーケティング担当取締役の方が「彼(著者)は営業員なのです」と言われているように、営業スキルも磨けそう。

そもそも、こうやって観客も巻き込んでやっているのを見ると、実演販売に近いような。




小ネタが盛り沢山な1冊!

カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術
カリスマ手品師(マジシャン)に学ぶ 超一流の心理術
超一流のマジシャンはどうやって観客の心をつかむのか?
最高の自分をもって場にのぞむ―コミュニケーション・スキル
聞き手に信頼と好印象を与える―話し方&プレゼン術
相手の心理を自在にあやつる―華麗なる心理テクニック
相手の気持ちを引きつけて離さない―カリスマになる方法
相手の状態や頭の中をスパッと見抜く―読心術
会話を思いどおりの方向に導く―マジックワード
相手の視線や興味を思うままにあやつる―ミスディレクション


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【編集後記】

◆西原理恵子さんのあの名作が文庫で登場。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)
この世でいちばん大事な「カネ」の話 (角川文庫)

勝間さんが解説を担当されてると聞き、思わず買ってしまいましたw


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