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2011年06月21日

【スゴ本再び】『4日で使える 実践! 超ビジュアルシンキング』ダン・ローム


4日で使える 実践! 超ビジュアルシンキング
4日で使える 実践! 超ビジュアルシンキング


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログの2009年年間売上ランキング15位に輝く、『描いて売り込め! 超ビジュアルシンキング』の続編。

参考記事:【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)

タイトルにもあるように、4日間でビジュアルシンキングのスキルを身に付けるよう、ワークショップ形式が取り入れられているのが特徴です。

アマゾンの内容紹介から。
あの『超ビジュアルシンキング』第2弾! もう、パワーポイントなんかいらない! ナプキンの裏に、さっと走り書きするだけで、思考は明確、きっちりと伝わり、ビジネスは大成功! これで解決!
前作が実践しきれなかった方なら、マストな1冊です!


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【ポイント】

★基本的な考え方は前作と同じなので、そちらをお持ちでない方は前作の記事をまずお読み頂くと良いかもしれません。


■1.超ビジュアルシンキングの3つの基本的な問いかけ
1 どんな問題を解決できるのか? 
あらゆる問題を解決できる。わたしたちは言葉で問題を表現できる。絵を使えば言葉よりもはるかに明確に問題をとらえることができる。

2 どんな絵を使うのか? 
シンプルな絵を使う。四角、円、直線、人物、矢印を描くことができれば、本書のなかに登場する絵はすべて描ける。

3 どんな人が絵を描くのか? 
誰でも描くことができる。わたしたちには生まれながらに絵で問題を解決する才能が備わっている(自覚があっても、なくても)。問題解決に必要な絵はひじょうにシンプルなので、あなたがいまいる部屋に歩いて無事に来られるだけの視力があれば、必ず絵を使って問題を解決できるはずだ。


■2.「見る」「視る」「想像する」「見せる」の4つのステップであらわす
 ビジネス上のどんな問題であっても、「見る、視る、想像する、見せる」という一定のプロセスにしたがっていけば分解しやすくなる。つまり、やっかいな問題に見舞われても、それを解決するための台本がすでに手元にあるようなものだ。(1)問題を見てみよう、(2)なるほど、欠けているものが視える、(3)望ましい状態にするにはなにが必要なのかを想像できた、(4)さあ、これが解決策だ。
 毎回、あっというまに解決するとは限らないが、どこからスタートすればいいのかがわかる。スタート地点に立たなくてはなにも始まらない。


■3.能動的に見るためのステップ
1 できる限り多くのデータを収集する。

2 すべてがいっぺんに見えるように配置する。

3 基本的な座標軸を見抜く。

4 データを描き入れる。

5 結論を導き出す。


■4.もっと絵を描くべき理由
 さいきんわたしは目を見張るような記事を読んだ。ボーイング社の次世代型ジェット機787型機についての記事であり、文字通リグローパルに建造されていることを伝える内容だった。これほどまでの徹底したグローパリゼーションの実例をわたしは知らない。この航空機は史上もっとも複雑な機械であるにもかかわらず、複数の国の何千もの組み立てラインで何十ヵ国語もの言葉を話す人々によって組み立てられている。許容される誤差は100万分の1インチ(金額的には1ぺニー未満)という厳しさだ。なぜこのようなことができるのかといえば、理由はただ1つ、すべて(航空機プロセス、プロジェクト)が無数の絵で綿密に計画され共有されているからである。


■5.6つの問題とそれに対応する6つの絵
絵1「誰/なに」=ポートレート

絵2「どれだけの量」=グラフ

絵3「どこ」=マップ

絵4「いつ」=時系列表

絵5「どのように」=フローチャート

絵6「なぜ」=系統立てて解き明かすプロット(多変数プロット)


■6.SQVIDの5つの問い
1 Simple
<簡潔>な絵にしたいのだろうか、それとも<精巧>な絵にしたいのだろううか? それぞれどんな絵になるだろうか。

2 Quality
<質>に注目したいのだろうか、それとも<量>に注目したいのだろうか? それぞれの絵にはどんな発見があるだろうか。

3 Vison
いま重要なのは実現しようとしている<構想>なのか、それとも<構想>を<実現>することなのか?  2つの絵はどのようにちがうのだろうか。

4 Individual attributes
アイデアの<個性>に注目したいのか、それとも他のものと<比較>してみたいのか? それぞれをあらわす絵を描くことができるだろうか。

5 Data
このアイデアがもたらす<変化>に注目したいのか、それとも<現状>を重視したいのか(いまの状態はどうなっているのか> ? 絵にあらわせば、どのようなものになるだろうか。


■7.パワーポイントを使って「ライブ」で絵を描く方法
1 ふだんと同じようにスライドをつくる。
2 ライブで描く箇所はスぺースを空けておく。
3 ファイルをいつもの通りにセーブする。
4 プレゼンテーションの本番ではファイルをひらいて「スライドショー」のモードにする。
5 ポインターで(タブレット型PCならスタイラスぺン、あるいはマウスでも)画面の左下隅に移動する。描画用のパレットがあらわれる。使いたいぺンのタイプとインクの色を選ぶ。
6 ポインターを隅から離して絵を描き始める。
7 ほら、うまくいった! 現代版のオーバーへッド・プロジェクターだ!


【感想】

◆前作をお読みの方ならご存知のように、このシリーズはとにかくシンプルな手描き図が豊富です。

しかも、上記ポイントにあるように、ほぼ「四角、円、直線、人物、矢印」もしくはこれらの組み合せでできているので、理論的には「誰にでも描ける」ハズ。

…ハズなんですけど、いざ紙を目の前にすると、どうも筆が進まない、という方(含む私)のために作られたのが本書です。

ワークショップ形式ゆえ、キチンと課題をこなしていけば、必然的に手描き図を描くハメになるという。

本来であれば、私もこれらをこなしてから記事を書くべきなんでしょうが、「それ待ってたらいつまで経っても記事書けない」可能性があるため、取り急ぎ速報ベースで本書をご紹介させて頂きました。


◆もっとも、自分で描かなくとも、見ているだけで勉強になる(&楽しくなる)のは、前作と同じです。

ダラダラ長文書いてないで、こうやって画像だけ載せといた方がいいんじゃないか、と思ってみたり。

超ビジュアルシンキング1












超ビジュアルシンキング2












超ビジュアルシンキング3












本書の場合、「絵が命」なので、いつもの携帯画像ではなく、デジカメ画像を使ってみました(あんまり変わりませんが)。


◆一方、興味深かったのが、収録されているケーススタディの数々。

何たって、初っ端のエピソードでは、とある会社にて著者のダン・ロームにがビジュアルシンキングのワークショップ開催中にサブプライムショックで市場が大暴落し、午前中の3時間でダウ平均株価が700ドルも下落するというアクシデントが発生。

ワークショップに参加していたその会社の社長はワークショップを中止して、全員を職場に戻してもよかったところ、皆の前で感動的なスピーチを行います。

全員がそれに納得して部屋を出たのですが……(以下ネタバレ自重)。


◆また、かつてカナダの大手情報サービス企業であるトムソン社が、自社ブランドを世界に浸透させるための戦略立案をダンに依頼したことがありました。

ダンは膨大な資料を「超ビジュアルシンキング」によって整理し、具体的な戦略を提案。

トムソン社CEOのディック・ハリントンはそれに納得しつつ、そのチャートを見ながら、もう1つの途方もないアイデアを思いつきます。

一見ジョークのようなこのアイデアが、のちに172億の価値(?)をもつことになるとは……(これまたネタバレ自重)。


◆自分がまだ、何も手を動かしていない状態なので、本書を読めば「超ビジュアルシンキング」のスキルが身に付くとは言い切れません。

むしろ、前作を読んだ時は、小躍りしながら手描き図を描き始めたのに、いつの間にか元に戻っていたワケで。←ダメじゃんw

ただ、図を描くことは、目的ではなく手段です。

「好き/嫌い」「できる/できない」以前に、何らかの問題を前にして、解決のために図を描いた方が良ければ、そのスキルを磨くのはビジネスパーソンとして当然のこと。

そういう意味では、本書はやはり「必読」と言って良いかと。


今度こそ手描き図を使いこなすために!

4日で使える 実践! 超ビジュアルシンキング
4日で使える 実践! 超ビジュアルシンキング
はじめに 『超ビジュアルシンキング』を実践するために
第1日目 見る
第2日目 視る
第3日目 想像する
第4日目 見せる
付録 とりわけむずかしいエクササイズへのわたしの解答
実際に描いてみよう!


【関連記事】

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【88のワザ】「図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック」山田雅夫(2010年07月12日)

【図】「ビジネスモデルを見える化する ピクト図解」板橋 悟(2010年02月23日)

【図】「図で考えるとすべてまとまる」村井瑞枝(2009年09月13日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

日経新聞を「早読み」する技術 (PHPビジネス新書 181)
日経新聞を「早読み」する技術 (PHPビジネス新書 181)

一応、日経新聞と日経産業新聞は未だ取り続けています。


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