2011年06月20日
【サッカー】『長友佑都 100人の証言』を読みました!
長友佑都 100人の証言 (別冊宝島) (別冊宝島 1775 カルチャー&スポーツ)
【本の概要】
◆昨夜はU22サッカー日本代表のクウェート戦があったということで、それにちなんで(?)本日お送りするのはサッカーネタ。先ごろインテルに完全移籍が決定した、長友佑都選手のムック本です。
自著である『日本男児』が自分語りだとしたら、こちらはタイトル通り「100人の証言」。
『日本男児』では明かされなかったエピソードがいくつもありました。
最近長友選手を知った方でも「長友通」になれること必至の一冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■1.インテルというチームでのプレッシャー◆まずは、お母さんのりえさんのお話から。
このあいだのチャリティーマッチで帰ってきた時、インテルというチームは想像以上のプレッシャーがあると言ってました。チェゼーナにいる時は、「ご飯は安くて美味しいし、みんなは良くしてくれるし、イタリアはすごく楽しい」と言っていたので、今度の違いに少しビックリしました。「ミラノは都会だし、負けたりするとサポーターに顔を合わせづらくて、外にご飯も食べに行きにくい。チェゼーナにいる時には全然感じられなかったプレッシャーがある」と。何やらインテルの同僚たちとじゃれあってる動画や画像が出回っているせいか、あまり気がつきませんでしたが、裏ではかなりのプレッシャーがあるようです。
■2.中村俊輔選手とも気軽に
◆これはガンバの橋本英郎選手の証言。
日本代表に初めて選出された時から、中村俊輔さんにガツガツ話しかけてたのが第一印象ですね。俊さんは、やや近づきにくいというか、入り込んでいくのが難しいタイプですけど、最初からそんな壁をぶっ壊してました。一時期、長友選手は「俊輔派」とかネットでは言われてましたが、単に中村選手の「近づきにくさ」をモノともしなかっただけのような。
私もてっきり、中村選手が派閥(?)に引き込んだと思ってましたが、むしろ逆だったとわw
■3.勤勉さが評価されているよう
◆イタリアのメディアからも長友選手は好意的に受け止められています。
ジャーナリストのファブリツィオ・トゥルコ氏のお話から。
ナガトモは、イタリアサッカーにとって、とても良い影響を与えてくれる選手だと思います。彼はそのサッカーを通じて、イタリア人が失くしつつある仕事への情熱を示してくれているからです。スポーツ選手らしくない生活態度と、べストをつくす気持ちの欠如で一体どれほどの才能がイタリアから失われていることでしょう。このトゥルコ氏に限らず、真面目さを評価している方は多いですね。
その点、ナガトモは非常に真面目です。才能ももちろんありますが、何より"上手くなりたい"という強い気持ちを持っています。
■4.反発力もハンパない
◆長友選手が本格的にフィジカルトレーニングを始めたのは、東福岡高校時代。
当時からコンディショニングトレーナーを勤めてらした、東 輝明さんの証言から。
肉体的な能力という点で言えば、当時から上に行けるものは持っていましたね。特にバネが強かったです。着地して跳ね返る反発力をすごく持っていたので、筋肉の収縮という面で、そのレべルは普通の選手とは違いました。なお、次に登場する近藤選手の話によると、たまにラグビー部に混じって筋トレしていたのだそうw
■5.キック力が鍛えられたボランチ時代
◆東福岡高校サッカー部のチームメイトの近藤徹志選手のお話。
当時、東福岡は伝統的にワンボランチで、そのボランチには一人でサイドに展開できるロングキックを求められていましたからね。佑都は最初、それを苦手にしていたせいか、毎日、残ってキックの練晋をしていたのも印象的です。その甲斐あってか、途中から左足でも蹴れるようになっていたし、それが今のサイドバックとしてのキックカやセンタリング能力につながっている部分もあると思います。アジアカップ決勝でのセンタリングも当時の練習の賜物なのかと。
■6.ポジショニングもいい
◆明治大学サッカー部監督の神川明彦さんは、長友選手が大学2年時において、すでに日本代表になるという確信があったそう。
彼の強みは、よく身体能力や1対1だと言われますが、ポジショニングも抜群でした。サイドバックとして中に絞るタイミングがいい。早すぎると対面する側からやられるし、遅いと間に合わない。だから逆サイドからのクロスを長友がへディングでクリアする場面がすごく多かったです。それは教えてできるものではない。ですからサイドバックが最適だと思いました。『日本男児』では、その「サイドバックがイヤだった」ことを明らかにしているんですけどねw
■7.チェゼーナでも愛されていた
◆長友選手の最初の海外でのチームだったチェゼーナ。
そのチェゼーナのジェネラル・マネージャーであるロレンツォ・ミノッテイ氏は、こう語ります。
実はチェゼーナのサポーターはもう何年も選手個人の名を呼んで応援することはありませんでした。声を上げるときも"チェゼーナ、チェゼーナ"とチーム名を連呼するだけで終わり。しかしユウトが加入して、すぐに彼らの応援が変わってきたのです。ユウトがサイドを駆け上がると、まるで彼の後押しでもするかのように、スタンドからはいつの間にか"ユウ卜、ユウト、ユウト"という声が上がるようになったのです。ちなみに、チェゼーナは監督のマッシモ・フィッカデンティ氏が大変な日本通(来日経験27回!)で、長友も彼によって発掘されたと言えます。
【感想】
◆本書は総計100人が証言しているうち、7人しかピックアップしておりませんので、割合的にもほとんどが割愛してしまっております。もちろん、中には微妙な人選(長友にあこがれる小中高生等)もないことはないのですが、中学時代から現在のインテルに至るまで、サッカーを始めてからの関係者が総出演している感じ。
この辺、長友選手の人徳というかキャラもあるのでしょうね。
東福岡高校時代の学生寮の職員のご夫婦はまだしも、明大時代のチームメイトだった林 陵平選手のお母さんまで証言されてるのがスゴイです。
最初は林選手がオフの時に一緒に実家に来たのですが、意気投合してからは一人でもお邪魔して泊まったりしていたそう。
何というフリーダムwww
◆本書は資料としてもなかなか秀逸で、巻末には出生時から現在までの年表や、FC東京でのデビュー戦から先日のインテルの最終戦までの公式戦出場全記録も収録。
その資料は最新データなのですが、本書の取材のタイミング的には、終盤にインテルでもほぼレギュラー扱いになる前の時点のようです。
「どうすればインテルでレギュラーになれるか」みたいな話もあったのですが、現実はそれを上回っているわけで。
長友さんマジ、パネェっす!
ただ、インテルと言えば、面倒見のいいサネッティをはじめ、チームの皆から可愛がられているのに、コメントがオフィシャルページに載せられるような杓子定規なものだったのが、残念かも。
だって、まだチームに合流して半年も経ってないのに、これっすよw
長友ファンならマストな1冊です!
長友佑都 100人の証言 (別冊宝島) (別冊宝島 1775 カルチャー&スポーツ)
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長友佑都写真館
ナイキ・ブランドを代表するアスリートに
私の覚悟を受け止めて佑都も腹を括りました 母親 長友りえ
「世界一のサイドバック」への道 文:大住良之
日本代表Number5
日本を世界に轟かす!『86年組』の可能性 文:飯塚健司
インテル・ミラノNumber55
西条北中学校Number10
東福岡高校Number8
明治大学Number2
FC東京Number5
チェゼーナNumber5
日本戦士、ヨーロッパで躍動!
苦しい時に役に立つ。だから頼りにされている 山本昌邦
サイドバックこそ、最高のポジション 三浦淳寛
長友になりたい! サイドバック集合!!
BACK TO YUTO NAGATOMO
公式戦出場全記録 2007.7.8-2011.5.22
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【編集後記】
◆こちらは、「隠れジェフファン」時代から応援している、阿部勇樹選手の初めてのご本。泣いた日
紹介しにくいタイプの本ですが、読んでおくつもりです。
ご声援ありがとうございました!
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