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2011年06月16日

【働き方】『あなたイズム ムリなく、自分らしく、でも会社に愛される働き方』博報堂ブランドデザイン


あなたイズム ムリなく、自分らしく、でも会社に愛される働き方 (アスキー新書)
あなたイズム ムリなく、自分らしく、でも会社に愛される働き方 (アスキー新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、博報堂ブランドデザイン(注:サイトから音が出ます!)さんによる「新しい働き方」の提言。

「自分」と「組織」をうまく擦り合わせる手法として、なかなか興味深いやり方が提案されています。

アマゾンの内容紹介から。
社会人の3人にひとりが「仕事がつまらない」と思っているという。やむをえない、だって仕事だから……。そういう声も聞こえてくる。だが、本当にやむをえないのだろうか? 自分ならではの働き方で、自分も成長しながら、組織に貢献していくことはできないのか? ……そのカギは、個人の持ち味と組織のらしさの共通点を探ることにある。次世代型ビジネスコンサルタント「博報堂ブランドデザイン」が提案する「新しい働き方」がこの一冊に。
なお巻末には、キーパーソンへのインタビューも収録されています!


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【ポイント】

■1.「持ち味」が活かされないと仕事は「つまらない」
 個人の「志向性」が合っていなければ、その仕事も職場もつまらないし、「スキル」や「才能」がフィットしていなければ、結果が出ず、やはりつまらない。これまで見てきたと、「つまらない」は、この2つの要素のいずれか、もしくは両方によって生じていることがほとんどだ。
 これは別の言い方をすると、その人の「持ち味」が活かされなければ、人は仕事や職場を「つまらない」と感じやすい、ということでもある。


■2.共有部分を探すのは個人も組織も同じ
 まずは、自分と異なる他者とのあいだに、共有できる部分を探す。その部分の話をきっかけにすると、スムーズに会話を進められる。さらに、その後、共有できていない部分へと話題を広げていけば、お互いに「楽しく」過ごすことができる。
 前置きが長くなったが、なにを隠そう、これは相手が個人ではなく、組織の場合にもあてはまることなのである。


■3.組織のらしさは、必ずその組織のどこかに表れている
私が組織変革コンサルティングをおこなう際には、その組織で非常にうまく運んだ仕事や賞賛されたプロジェクトに注目することが多い。各メンバーが共通して「これは良かった」と認識している仕事を見つけ出し、どういうところが評価されているのかを探れば、その組織で重んじられている価値観を浮き彫りにすることができる。


■4.個人の持ち味と組織のらしさの接点=「イズム」
 個人の持ち味の円と、組織のらしさの円、この2つが重なる部分が双方の接点であり、今後の行動指針になる。(中略)

 この「あなたイズム」を発揮することは、すなわち自分の持ち味を発揮することである。先ほども述べたように、それでいて、組織の価値観にも合致する。だからこそ、イズムにのっとって仕事に取り組めば、楽しく働けるうえに、組織にとっても良い影響を及ぼすことができるのだ。


■5.コアコンピタンスの萌芽は子供の頃にある
たとえば、子供の頃にかけっこが得意だった人っていますよね。その人のコアコンピタンスが、走ることなのかというとそうじゃない。もっと本質の部分を見るんです。すると、実は走ることそのものではなくて、競り合う過程が好きだったり、ゴールを駆け抜ける瞬間が好きだったりと、奥底に潜んでいる感覚が見えてきます。そこが把握できれば、ゴールに向かって突き進むようなことに向いているということは、たとえば営業の仕事が合っているのかもしれない、などと分かるわけです。

(野田稔・明治大学大学院教授)


■6.「成功」と「成長」を区別する
スポーツだと、勝てば「成功」として周囲にも分かりやすいし、それが「成長」だと捉えられているふしがありますが、僕の定義ではこの2つは全然別のものなんです。
 成功とは、ある目標を成し遂げること。成長とは、目標を達成したかどうかに関係なく、そこからなにかを習得して、それを次の機会の跳躍に活かせるようになること。成功はつかんだ瞬間に過去になりますが、成長は視線が未来に向いている。一生懸命チャレンジした試合に負ければ、たしかに成功はしていない。でも、成長していないわけではないんです。

(中竹竜二・日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター)


■7.会社の方向性に合致していれば「こだわり」もアリ
たとえば私たちの場合なら、会社としては「顧客満足と収益の両立」をビジョンとして掲げて重視しています。顧客満足だけを目指したいなら、利益を犠牲にすれば実現できるし、逆に収益だけにこだわるなら、顧客満足を犠牲にすれば実現できる。でも両方なくては意味がないわけで、両立こそが競争力になる。だから、まずい料理は論外としても、顧客満足と収益の両立が実現できるなら、いくらこだわってくれてもかまいません。

(星野佳路・星野リゾート代表取締役)


【感想】

◆本書はまず、第1章で「なぜ仕事がつまらないのか」を明らかにし、第2章で「個人」と「組織」の摺り合せを提案しています。

実は上記のポイントの4番目までは、この最初の2章から抜き出したもの。

第3章では、ケーススタディを使った「自分イズム」の具体的な探し方が明示されているのですが、ここは部分部分をご紹介してもしょうがないので、丸ごと割愛しました(スイマセン)。

質問が11あり、それぞれについて細かい解説がありますので、気になる方は本書にてご確認を。


◆一方、後半のインタビュー部分では、明治大学の野田稔さんから「働くことを自分で楽しくしていくための工夫や意識の転換」を。

早稲田大学ラグビー蹴球部を率いてきた中竹竜二さんから「個々のメンバーを伸ばすチームマネジメント」を。

星野リゾートの星野佳路さんから「現場の個性を重視した組織運営」をヒアリング。

このパートも、抜き出した部分以外にも、深いお話が多々あったので、ぜひお読み頂きたく。

ちなみに、お三方ともご本を出されていますよね(星野さんはちょっと違いますが)。

野田稔のリーダーになるための教科書 (別冊宝島) (別冊宝島 1735 スタディー)
野田稔のリーダーになるための教科書 (別冊宝島) (別冊宝島 1735 スタディー)

判断と決断 ―不完全な僕らがリーダーであるために
判断と決断 ―不完全な僕らがリーダーであるために

NHK仕事学のすすめ 2010年8-9月 (知楽遊学シリーズ/木曜日)
NHK仕事学のすすめ 2010年8-9月 (知楽遊学シリーズ/木曜日)


◆それにしても、今まで読んできた本の多くでは、「仕事に向き不向きはない」的なことが言われてきたワケです。

例えばこの本とか。

柳井正の希望を持とう (朝日新書)
柳井正の希望を持とう (朝日新書)

参考記事:【ユニクロ流】『柳井正の希望を持とう』(2011年06月12日)

その一方で、「自分の強みを見つけましょう」という主張もありました。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

参考記事:【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)

両者はある意味「対立」しているわけですが、うまく擦り合わせられるのなら、それに越したことはないわけで、もし、組織の方を変えられる方(会社なりポジションなり)なら、本書は一読の価値があると思います。

もし変えられない方でも、会社を飛び出す前に、本書を読んで「うまい異動の仕方」を考えて頂きたく。


◆かつては、会社側は新人を採用したら、そのまま「会社の色に染めて」いました。

私も「自分らしさとは何か」など考えることもなく、ただただ働いていましたが、果たしてそれがパフォーマンスとしてベストだったかは分かりません。

これからの時代は、会社としても個人の「らしさ」を活かし、最高のパフォーマンスを上げてもらうことが、双方にとってベストということ。

いきなりは無理かもしれませんが、本書を読む限りでは、トレンドとしても確実にそちら側に向かっている気が。


幸せに働くために!

あなたイズム ムリなく、自分らしく、でも会社に愛される働き方 (アスキー新書)
あなたイズム ムリなく、自分らしく、でも会社に愛される働き方 (アスキー新書)
はじめに
第1章 なぜ仕事は「つまらない」のか
第2章 自分の「持ち味」、組織の「らしさ」とは
第3章 イズムを見つけよう
第4章 イズムをさらに活かすために
第5章 「仕事のなかの自分」を変えるヒント――野田稔氏との対話
第6章 「自分のスタイル」とは何か――中竹竜二氏との対話
第7章 いま企業が求める「共感できる個人」とは――星野佳路氏との対話
おわりに


【関連記事】

【自分の"強み"を調べてみました】「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう」マーカス・バッキンガム(2008年06月26日)

【ユニクロ流】『柳井正の希望を持とう』(2011年06月12日)

現役東大生もびっくり 驚愕の『ラクに勝ち続ける働き方』(2011年02月25日)

【オススメ】『35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』渡邉正裕(2010年10月14日)

【オススメ】「キャリア・ショック」高橋俊介(2009年04月11日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

なぜか、人とお金がついてくる50の習慣 (フォレスト2545新書)
なぜか、人とお金がついてくる50の習慣 (フォレスト2545新書)

この手の本はあまり読まないのですが、一人で年商200億もの実績を上げるようになった、たかの友梨さんが著者とあらば、チェックしておきたいワケでして。


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