2011年06月13日
【読書の王道】『自己啓発の名著30』三輪裕範
自己啓発の名著30 (ちくま新書)
【本の概要】
◆今日お送りするのは、以前『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』を当ブログでもご紹介したことのある、三輪裕範さんの最新刊。今回は、定番とも言える「名著」を30冊選び、その魅力を具体的に解説されています。
アマゾンの内容紹介から。
先行きの見えぬ不安や絶望的な困難に直面したとき、それでも真っ直ぐに人生を歩むための支えとなる言葉がある。そんな古今東西の名著を厳選したブックガイド!今回は、その30冊の中から、あえてド定番な作品を外して7冊選んでみました!
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【『自己啓発の名著30』から選んだ7冊】
福翁自伝
本書は先にご紹介した『フランクリン自伝』とならぴ、自伝の中でも名著中の名著といわれているものです。たしかに、自伝の名著といわれるだけあって、両書とも読み始めたら止まらない本当に面白い読み物です。(中略)
具体的には、フランクリンの場合はアメリカの独立戦争、また福沢諭吉(1835〜1901年)の場合は明治維新という、両国の歴史の中でも政治的・社会的変動の最も激しかった時代の最前線において、それぞれの国の知的指導者、さらには、啓蒙思想家として大活躍したことが、両書に他の追随を許さない面白さを与えたのではないかと思います。
氷川清話 (講談社学術文庫)
本書で語られている事柄の一つひとつが、いわば「読み切り」のようなかたちになっていますので、どこから読んでも面白く読むことができます。しかも、勝は日本史の中でも最もエキサイテイングな時代の中心人物であっただけに、本書中のエピソードはどれも興味深く、「ちょっといい話」の宝庫でもあります。
高橋是清自伝 (上巻) (中公文庫)
本書を読んで最初に感じることは、「本当にここに書かれたことは真実なのか。作り話ではないのか」という素朴な疑問です。それほどまでに、本書に書かれた高橋是清の人生は「波瀾万丈」という言葉そのものであり、これほど面白い本もそうめったにあるものではありません。
おそらく、ノーべル文学賞を受賞するような世界第一級の小説家でも、これほど浮き沈みの激しい、それでいて、一本筋の通った、読後感のさわやかな面白い本を書くことは、なかなかできないのではないでしょうか。
自省録 (岩波文庫)
本書においても、マルクス・アウレーリウスは、「人としていかに生きていくぺきか」を考える上で、「自分にできることへの集中」を考えることがいかに大切であるかということを、何度も繰り返して強調しています。その意味では、彼にとっては、「自分にできることへ集中」することが最も本質的な思想の核であったといえるでしょう。
自警録 (講談社学術文庫 (567))
新渡戸がいうように、「誰でも生きている間は批判されるもの」であり、「世にありて活動している間は世にはびこり非難される」ものです。特に「多く行えば行うほど非難される」のが世の常というものです。
そうであれば、他人が自分のことをどう評価しようと、どんな悪口をいおうと、それを気にしたところで無意味なことです。所詮、「世間だの世評だのということは、はなはだ漠としたもの」なのですから、悪口を言われてもみだりに自分で弁護せずに、「ジッとしてそれを放任すれば、自然にその悪口も消え、真実のみが残って、最後の勝利を得る」というのが新渡戸のアドパイスです。
修身教授録―現代に甦る人間学の要諦 (致知選書)
人生を深く生きるとはどういうことか。ともすれば、それは何か一つのことがらを深く極める生き方であるように考えられがちです。しかし、それは真に人生を深く生きることのごく一部のことにすぎません。真に人生を深く生きるとはどういうことなのか。また、どうすれば、そのような人生を歩んでいくことができるのか。本書の中にそのすぺての答えがあります。
ヘンリ・ライクロフトの私記 (岩波文庫)
知的生活とは決して金銭や生活環境の問題ではありません。へンリ・ライクロフトのように、いくら現実では、毎日の食ぺ物にも欠くような貧困生活をしていたとしても、書物の中では、ギリシャ・ローマ時代の詩人や哲学者と心ゆくまで語り合ったり、ギボンとともにローマ帝国の盛衰について徹底的に論じ合ったりすることもできるのです。それこそが真の知的生活というものであり、それは私たちが心から強く望みさえすれば、誰にでもできることなのです。
【感想】
◆本書は、下記目次にもありますように、「自伝」「人間論」「生き方論」「知的生活論」の4つのカテゴリごとに、計30冊を選んで解説されています。その分量は1冊につき、大体8〜9ページ。
書評として見るならば、十分すぎるボリュームです。
ですから、読んだことがない本について、知ったかぶることも可能かと(オイコラw)。
◆冒頭で申しあげたように、今回はド定番とも言える本は割愛しておりますが、一応、この辺は当然収録されております…って、ネタバレしすぎるのも問題なので、アマゾンの目次にあるものを中心に。
君主論 (岩波文庫)
人を動かす 新装版
読書について 他二篇 (岩波文庫)
知的生産の技術 (岩波新書)
今回上記でご紹介した7冊にこの4冊を足した11冊を読むだけでも、かなり濃い読書体験ができるハズ。
いずれも、速読には向かないタイプの本なので、読破するのに時間はかかりそうですが。
◆ちなみに、今回アマゾンでのそれぞれの本の評価を見たのですが、そのいずれもがかなりの高評価でした。
当たり前と言えば当たり前なのですが、古くから読み継がれてきた作品ばかりなだけあって、アマゾンでもまっとうな評価がされているのだと思われ。
よく、翻訳本は「外国での評価」というフィルターがかかっているので、あまり外れがない、と言われていますが、こういった定番本も「時間」というフィルターがかかっているので、同じように外れが少ないのではないでしょうか。
昨今の「ミリオンセラー」と呼ばれる本が、結果的に、日頃本を読まないような層を取り込んでいる内容なため、コアな層から酷評されるのとは対照的だな、と。
◆なお、三輪さんは、自著である『ビジネスマンのためのクオリティ・リーディング』では、どちらかというと、「速読・多読」については批判的な立場を取られていました。
そして本書でも、紹介されている30冊について、このように言われています。
皆さんには、本書でご紹介した本を、是非時間をかけて、じっくりお読みになっていただきたいと思います。これら30冊の名著を読むことは、凡百の本を何千冊読むよりも、きっと皆さんの人生を豊かなものにしてくれるはずです。私の場合、ブログを書く関係上、どうしてもノウハウ系の本を速読・多読する必要があるので、耳イタイことこの上なし。
でも、おっしゃることはごもっともですし、時間を作ってでもこの30冊は読むべき価値はあると思います。
まずはこの本を読んで、あたりを付けてください!
自己啓発の名著30 (ちくま新書)
第1章 自伝
ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』―余裕をもちながらも人生を真剣に生きる
エドワード・ギボン『ギボン自伝』―独学で畢生の歴史的大著を書き上げる ほか
第2章 人間論
ニッコロ・マキアヴェッリ『君主論』―善と悪をめぐるどこまでも深い洞察力
ラ・ロシュフコー『ラ・ロシュフコー箴言集』―強い毒気によって人間性の本質を鋭くえぐる ほか
第3章 生き方論
セネカ『人生の短さについて』―自らの可死性を忘れた愚かな人間たち
マルクス・アウレーリウス『自省録』―生き方について考え抜いた哲人ローマ皇帝 ほか
第4章 知的生活論
ジェームズ・ボズウェル『サミュエル・ジョンソン伝』―言葉の魔術師が示した天賦の知性と会話の才
ショウペンハウエル『読書について』―こんな小著でこんなに濃密な読書論ができるとは! ほか
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【編集後記】
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