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2011年06月07日

【これは便利!】『ビジネスメール ものの言い方辞典』


ビジネスメール ものの言い方辞典 (PHP文庫)
ビジネスメール ものの言い方辞典 (PHP文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトル通りのまさに「辞典」

ビジネスパーソンが毎日接する「ビジネスメール」の「言い方・言い回し」が、これでもか、とばかりに収録された文庫本です。

アマゾンの内容紹介から。
メールの主題を「ありがとうございます」「申し訳ありません」「お願いします」など、24のカテゴリに分類。その時々の状況や気持ちに合った表現を、すぐ引ける。「ぴったりな言い方」をするための、言い換えフレーズも豊富に収録(全部で約500フレーズ。「ありがとうございます」だけでも24通りの言い方を紹介)。きめ細やかな表現ができる。
当ブログのスタイルとしては紹介しにくいタイプの本なのですが、あまりに便利なので、つい取り上げてしまいましたw


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【ポイント】

■1.「ご説明が不十分だったこともあるかと存じますので」(「誤解なさっているようですので」の言い換え)
自分の説明不足のせいで誤解・理解不足が生じたという立場をとった言い方です。へりくだったもの言いで相手に十分配慮する一方で、相手に誤解があることを伝えられます。


■2.「誠に厚かましいお願いとは存じますが」
お願い事を切り出す前や、最後に重ねてお願いする文句のなかで使う言い回しです。「ずうずうしいことは自覚していますが」という内容ですが、文書のなかでは「すみませんが……」くらいのニュアンスでも使われます。


■3.「いかが相成っておりますでしょうか」(「いかがでしょうか」の言い換え)
同じいかがを使った言い回しです。相成る(あいなる)なるのあらたまった言い方。先方の回答なり対処が遅れているケースで使うと、少し「問い質す」感じが入った表現になります。


■4.「〜の件、承りました」
相手の申し出や提案を「受ける」場合に使う表現です。承(うけたまわ)るは、受ける・引き受けるの謙譲語で、謹んで受けるという意味です。


■5.「ご笑納ください」(「お納めください」の言い換え)
より贈り物に特化した言い方になります。笑納は、笑って納めるの意味から、「つまらないものだけど笑って受け取ってほしい」という気持ちを表す言い回しです。


■6.「(社業の発展に)専心いたす」(「努める」の言い換え)
専心は、心を集中してひとつのことを行うことで、努めるを言い換えて使います。役を務めるにあたって気持ちの入りようを表現するには効果的な言い回しです。


■7.「ご多忙のためご失念かと存じますが」
遅れている(催促される状況になっている)事情を察して言う一文です。失念は、うっかり忘れてしまうこと。本当にそう思っているかは別として、「忙しくてお忘れかも知れませんが」という意味で前置きとして使います。


【感想】

◆冒頭の内容紹介にある「メールの主題の24のカテゴリ」とは、以下のものになります。
感謝・詫び・説明/弁明・依頼・問合せ・恐縮・祝福・感心・了解・断り・通覧・受領・退/転職・異動・移転・開店/開業・閉店/廃業・通知・採/不採用・案内・決意表明・催促・抗議・見舞い
これはもはや、おおよそビジネスの現場で登場する全てのシーンを押さえている感じ。

しかも、それぞれについて、さらに状況に応じた分類がなされているという。

例えば「詫び」カテゴリーなら、このように細分化されています。
謝罪の言葉・誠意の大きさを表す・謝罪の対象・反省/自戒・許しを乞う・過失の自認・相手の言い分を承認・恥じ入る・過失の要因・失礼の程度・過失の内容・過失の総括・反省・
最低でもこれらの合計×3(メイン+言い換え×2)は、用例の数があるわけで。

帯にあるように「言い換えフレーズ約500!」というのも納得です。


◆また、面白いのがフレーズの横にある顔マークのアイコン。

笑みや怒りを表しているのはいいとして、その色の濃さで3段階に分かれており(「指数」)、使う側がどれを選ぶべきかが分かりやすくなっているという仕組みです。

例えば、「恐縮です」の言い換えの3段階活用。

●弱 ⇒ 「僭越ながら」

●中 ⇒ 「恐縮しております」

●強 ⇒ 「恐縮至極に存じます」

これらが目次でひと目で分かるため、多忙な中、メールを書く場合にも大変便利かと。


◆さらに、巻末には「つなぎの言葉一覧表」なるものが。

これがまた、順接・逆説・対比/同列・添加・補足・転換と性質別に100を上回る接続詞関係が用途・例文とともに列挙されているという豪華さ。

接続詞を多用するのは問題ですが、文の書き出しに困ったときには、結構頼りになりそうです。

そして巻末でも「メールの小技」と題して、メールに関する基礎知識が計10個。

正直、ここだけまとめても1本の記事になりそうなクオリティなのですが、本文とは直接関係ないため、今回は丸ごと割愛させてもらいました(スイマセン)。


◆基本的に本書は「タブー集」のような性質のものではなく、現状よりさらによいメールを書くためのものです。

もちろん、一般的に使われる「了解しました」「お願いします」「お断りします」等々のフレーズでも間違いではありません。

ただ、同じ相手に毎回同じ文言を繰り返すよりは、多少なりとも変えた方が気が利いてますし、例えば同じメール内で何度も「了解しました」と言うよりは、「承りました」「承知しました」と言い換えた方が印象も良くなるハズ。

いずれにせよ、言い回しでうんうん悩むくらいなら、本書を手元に置いておけば、時間が節約できるかと。


これぞまさに「使ってナンボ」のお役立ち本です!

ビジネスメール ものの言い方辞典 (PHP文庫)
ビジネスメール ものの言い方辞典 (PHP文庫)
前文(宛先・送信者情報・挨拶文・用件・ことわり)
本文に使うカテゴリ別センテンス
末文(締めの言葉)
つなぎの言葉
メールの小技
本文 取り扱いセンテンス一覧


【関連記事】

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【メール】「コストゼロで人脈と売上を増やす仕事の仕組み」平野友朗(2008年10月09日)

【ビジネスメール】「5分で送信! ビジネスメール 速書き文例集」川島 冽(2008年08月14日)


【編集後記】

◆同じく最近出たメール本として、こんなのが。

ビジネスで好印象を与えるメールの7つの決まりごと (DO BOOKS)
ビジネスで好印象を与えるメールの7つの決まりごと (DO BOOKS)

「これからのビジネスパーソンが身につけたい“好印象を与える”メールのルール」ということで、より「コミュニケーション」寄りの内容のような感じですね。


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