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2011年05月30日

【幸運?】『「持ってる人」が持っている共通点』小笹芳央


「持ってる人」が持っている共通点―あの人はなぜ奇跡を何度も起こせるのか (幻冬舎新書 お 3-2)
「持ってる人」が持っている共通点―あの人はなぜ奇跡を何度も起こせるのか (幻冬舎新書 お 3-2)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リンクアンドモチベーション代表・小笹芳央さんの最新刊。

タイトルにある「持ってる人」とは「不確実な勝負の世界で、奇跡を何度も起こす人」のことだそう。

代表的なのが、サッカー日本代表の本田圭佑選手で、昨年のW杯カメルーン戦後の「まあ、持ってるな、ということで」という発言のおかげで、「持ってる」は一躍脚光を浴びることになりました。

本書ではスポーツ界のみならず、ビジネスシーン等においても「持ってる人」「持ってない人」を分析。

果たして私たちは、「持ってる人」になれるのでしょうか!?


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【ポイント】

■1.「単なるラッキー」と「持ってる」は違う
 確かに幸運をつかんでいることは「持ってる」ことの条件の1つのように思えます。
 しかし、「持ってる」はツキがすべてではありません。一度きりのラッキーなら、どんな人でも、長い人生のなかで一度か二度は経験があるものでしょう。しかし、それだけでは「持ってる」とは表現しませんよね。三度、四度と結果が出たからこそ「持ってる」と形容されるはずなのです。そう、続けて結果を出してこその「持ってる」なのです。それを忘れてはいけません。


■2.「持ってない人」・人の努力に見向きもせずに、陰口悪口の吹聴に邁進する人
 成功した人をうらやむ人はたくさんいます。確かにそれは、誰にとってもうらやましいことに違いありません。
 でも、成功した人の重ねた努力に思いをはせることなく、それを妬んだら、「持ってない人」へ一直線です。そして大体、人の成功をひがんだり、妬んだりする人というのは「あの人は運がよかったんだ」とか「オイシイんだ」とか言ったりします。その人の努力の部分は見たくないのでしょう。そう言う人に限って、なりふりかまわず努力する姿勢を持っていないくせに「自分はもっと認められていいはず!」と自己中心的にものごとを捉えているというのが、私の見解です。


■3.「持ってない人」・いまの自分にこの仕事は向いていない、とフテくされている人
「いまの仕事は自分に向いていない」という人に、長くその仕事をやってきた人はいないはずです。この言葉は、その仕事に打ち込んだこともなければ、向き合ったこともないから出てくる言葉なのです。こういう言い方をする人は、仕事に対するイメージも曖昧で、ただ単に、いま自分が置かれている状況に不満があるだけとしか言えません。


■4.「他人にとらわれる」と、成功が遠のく
 お客様に新しい提案をする場合、自社のみの提案ではなく、他社との競合になる、いわゆるコンペになることが多いと思います。
 そういうとき、競合はどこの会社か、その会社はどんな内容で提案するのかといったことが気になってしょうがない、というのはよくあることでしょう。競合他社の情報がないと不安だ、という気持ちは理解できます。しかし、その不安にとらわれていて、プラスになるでしょうか。
 本来、重要なのは「自分たちはどうやって顧客の抱えている問題を解決するか」であるはすです。その提案をどう顧客に示せば受け入れてもらえるか、それこそが大きなテーマであるはすです。
 顧客にとって価値のある提案をすべきなのに、そのことに向き合わず、ライバルの存在、ライバルの考えばかりに心が奪われてしまっては、成功はおぼつきません。まさしく、こういう人は「持ってない人」の思考に陥っています。


■5.怒りや不安など、「感情にとらわれる」と大事なチャンスを失う
「持ってる人」は、怒りをコントロールする術を持っています。不安と同様、どんなに怒り狂おうとも、怒りというのは事態を好転させることはありません。怒りは怒りとして自分なりに発散させておいて、相手にはぶつけず、あくまで冷静に問題を解決すべく努力したほうがよいのです。


■6.変えたい他人がいるのなら、自分の考え方と行動を変える
 ある顧客と相性がよくない、関係が上手くいっていない営業マンがいます。そのことが営業上の苦手意識になったり、彼自身の憂鬱の原因になっています。彼にどうしたいかを聞くと、「顧客との関係を改善したい」と答えました。
「持ってる人」なら、おそらくこうアドバイスするはずです。
「顧客は変わりませんよ。もし、その関係を変えたいと思うなら、自分自身を変えましょう。具体的には、自分の考え方と行動を変えることです」


■7.信頼残高は「約束」と「実行」の繰り返しで増える
 例えば、「遅刻をしない」という小さな約束。その約束を守り続けた人が、定刻になっても姿を見せない場合には、「何かよっぽどのことがあったんだな」とか「事故にでもあったんじゃないか」と心配されるものです。このように心配してもらえる人は「遅刻をしない」という「約束」と「実行」を積み重ねた結果、信頼残高が増えていたのです。


【感想】

◆本書の第1章では『4人の歴代「持ってる人」』として、冒頭の本田選手以外に3人のアスリートを紹介しています。

登場するのは、元プロ野球選手の新庄剛志選手、イチロー選手、そして今春からプロ野球界の門をくぐった斎藤佑樹選手。

と言ってもこの4人は、小笹さんが選んだわけではなく、下記記事よるものです。

スポーツ選手はよく「持ってる」って言うけど何を「持ってる」の?:日経ビジネスオンライン

なるほど、いずれの選手もインタビュー等で自分が「持ってる」という発言をしていたんですね。


◆小笹さんはこの4人以外にも、長嶋茂雄氏や、江夏豊氏といった往年の名選手や、スキージャンプの原田雅彦選手も「持ってる人」である、と指摘。

ただ、やはり「持ってる」と言えば、新庄選手に尽きるかな、と。

本書には載っていなかったものの、「『クイズ$ミリオネア』で鉛筆転がして1000万円獲得」したことが、個人的には忘れられません。

新庄剛志 - Wikipedia

このシーン、私はヨメの実家で生でテレビで観ていてビックリしました。

こういう「事件」がありえそうなところが、新庄選手の新庄選手たるゆえんなのでしょうがw


◆とはいえ本書のテーマは、単なる「ツイてる人」ではありませぬ。

第2章では、反面教師とも言える「持ってない人」を分析。

そして第3章では「持ってる人」の大きな特徴として、『「他人」「感情」「過去」にとらわれない』ことを指摘しています。

ところがこれで終わるかと思いきや、第4章では「他人・感情・過去は変えられないのか?」と題して、「持ってる人」が、これら「変えられない」はずの3つのものに、どのように働きかけているのかを分析しているという。

これらを踏まえた上で、第5章、第6章では、「持ってる」ことの本当の意味を明かしています。

なるほど、そういう結論ですか!(ネタバレ自重)


◆本書は新書である上に、エピソードも有名なものが多かったためか、サクサク読み進めることができました。

具体例が、どうしてもスポーツ界寄りにはなってはいますが、その「教え」は、ビジネスや日頃の生活に活かすことも可能だと思います。

彼ら「持ってる人」の活躍が、単に「ツキ」や「才能」の問題に留まらないことを知るだけでも、本書を読む価値はあるかと。

しいて言うなら、ビジネス界での「持ってる人」の具体例が、もっと欲しかったですが。


「持ってる人」に少しでも近づくために!

「持ってる人」が持っている共通点―あの人はなぜ奇跡を何度も起こせるのか (幻冬舎新書 お 3-2)
「持ってる人」が持っている共通点―あの人はなぜ奇跡を何度も起こせるのか (幻冬舎新書 お 3-2)
第1章 「持ってる人」が世間を賑わせている
第2章 「持ってない」人になってしまうカラクリ
第3章 「持ってる人」はものごとを分けて考えている
第4章 他人・感情・過去は変えられないのか?
第5章 「持ってる人」の世界観
第6章 「持ってる人」の正体


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そろそろ『最高齢プロフェッショナルの教え』について一言いっとくか(2010年12月20日)


【編集後記】

◆もうすぐ始まるキリンカップに備えて、読んでおきたいムックがこちら。

W杯で勝つ ザッケローニの戦略 (別冊宝島) (別冊宝島 1768 カルチャー&スポーツ)
W杯で勝つ ザッケローニの戦略 (別冊宝島) (別冊宝島 1768 カルチャー&スポーツ)

親善試合とはいえ、久しぶりの代表戦は見逃せませぬー。


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この記事へのコメント
               
今日、さっそく買ってきました!結論を言ってしまうと、随分シンプルになってしまうようですが、でもそういったシンプルなことこそ、一番難しいところですね。
Posted by akokinoko at 2011年05月30日 23:43
               
>akokinokoさん

お!素早いですね〜。
確かに本書の教えはシンプルですけど、キチンと実践出来ている人は少ないかも。
だからこそ「持ってる」人がそれほど多くない理由なんでしょうけど。
とりあえず私は「持ってない人」にならないようにだけはしたいところです。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年05月31日 03:41