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2011年05月24日

【出世の心得?】『権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉』が予想通り濃厚だった件


権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、以前記事にした『ザ・ゲーム』の中で「必読書」として挙げられていた1冊。

ビジネスシーンのみならず、人間関係や恋愛のシーンにおいても活用できそうな、「歴史に学ぶ教訓」が満載でした。

アマゾンの内容紹介から。
本書は、パワーに翻弄されずに、抜け目なく生きていくための手引書である。古代中国、ルネッサンス期イタリア宮廷の権謀術数から、色事師の恋の駆け引き、天才詐欺師の手口まで、敗れ去った者たち、勝ち残った者たちの実際の行動と言葉が盛り込んである。法則にしたがった場合とそむいた場合の結果がどうなったかは、歴史が証明している。
さすがにそのまま使うのはどうかと思われるような、エグいものも多々。

思わず付箋も貼りまくり!?

権力に翻弄されないための48の法則










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【ポイント】

■1.主人より目立ってはならない
 自分のアイデアが主人のアイデアよりも建設的であれば、そのアイデアを主人の発案として、できるだけ周囲に広めてやるがいい。自分の助言は、あくまでも主人の助言の後追いにすぎないのだと強調するがいい。(中略)

 いずれの場合にせよ、自分の強さを隠すことが最終的にパワーを獲得することにつながるのなら、それは弱さではない。他人を自分よりも目立たせているかぎり、相手の不安感の犠牲者になるかわりに、自分が相手をコントロールする立場にいられる。


■2.本当の目的は隠しておけ
 忘れてはいけない。異常に警戒心の強い人間は、最もだましやすい相手となりうる。どこかで相手を信用させられたなら、もう煙幕は張られている。相手は別のところが見えなくなるから、そこに忍び寄って、壊滅的な一撃を加えればいい。親切そうなそぶりや正直そうなそぶり、あるいは相手の優位をほのめかすそぶりは、相手の注意をそらすための完璧な装置となる。


■3.名声は大いに頼りになる――生命をかけて名声を守れ
 名声をつくりあげるときは、ただ1つのたしかな資質にもとづいた、単純なものにするがよい。このただ1つの資質――有能さでもいいし、口説きのうまさでもいい――は、一種の名刺となって、持主の存在を知らしめ、人はそれを信じこむ。正直で有名になれば、どんな欺瞞でも使えるようになる。カザノヴァは稀代の色事師という評判を利用して、さらにやすやすと女たちを征服していった。カザノヴァの力を噂に聞いていた女たちは、大いに好奇心をかきたてられ、彼がこれほど情事に成功している秘訣をぜひ自分の目でたしかめたくなったのである。


■4.ぜひとも人の注目を集めよ
 頂点に登りつめようとするときは、まず世間の目をひくことに全力を傾けるべきである。そして、何よも重要なのは、注目の「質」などどうでもいいということだ。自分のショーがどれほど酷評されようと、自分のでっちあげにたいする攻撃がどれほど個人的な中傷になろうと、バーナムは決して文句を言わなかった。それどころか、新聞で批評家に槍玉にあげられると、バーナムはかならずその批評家をショーの開幕日に招待して、最高の席を提供するのであった。ときには匿名で、自分の仕事を自ら攻撃することさえあった。それもひとえに新聞から自分の名前が消えないようにするためだ。バーナムにしてみれば、肯定的なものであれ否定的なものであれ、注目は自分の成功を生むための大切な材料だった。


■5.他人を自分のために働かせよ、ただし手柄は決して渡すな
自分のために他人を働かせ、その手柄を自分のものにする技を身につけよ。そして、自分を神のような強さと力をもった人物に見せるのだ。すべての仕事を自分でやることが重要だと考えているなら、決して高みには到達しえない。バルボアテスラと同じ運命をたどることになるだろう。自分のもたない技術と創造性をもった人間を見つけることだ。彼らを雇うのもいい。彼らの名前のいちぱん上に、自分の名前を据えればよいのだ。あるいは、どうにかして彼らの仕事を横取りし、自分のものにするのもよい。そうすれぱ、彼らの創造力は自分の創造力となり、世間から天才として認められる。


■6.他人を自分に依存させておくすべを覚えよ
 最後に1つ警告しておく。主人が自分を頼っているからといって、主人が自分を好きだと思ってはいけない。それどころか、主人はこちらに怒りや恐怖を感じているかもしれない。だがマキアヴェッリが言ったように、愛されるよりは恐れられるほうがよい。恐怖ならコントロールできる。しかし、愛はだめだ。愛や友情のように微妙で移ろいやすい感情に頼れば、自分の立場が不安定になるだけである。一緒にいるときの楽しさからよりも、失ったときの恐怖から頼らせるほうが確実である。


■7.意図的な正直さや寛大さで敵の武装を解け
最も信用のならない敵からのものであっても、贈り物を拒否する人はめったにいない。したがって、ものを贈ることは、しばしば他人を武装解除させるためのまたとない方法となる。贈り物は人間の子供の部分を引きだして、警戒を緩めさせる。人はえてして他人の行動に皮肉な見方をするものだが、贈り物にマキアヴェッリ的な要素を見ることはほとんどない。したがって、贈り物はしばしば究極の目的を隠してくれる。相手をだます目的を隠すのに、贈り物は完璧な小道具なのである。


【感想】

◆引用する分量の関係上、ここではできるだけコンパクト、かつ、大事な部分を持ってきているのですが、本書の大部分を占めるのは、歴史上の著名人の逸話です。

最初の方から拾っていってもルイ14世千利休毛沢東オットー・フォン・ビスマルク諸葛孔明等々、豪華メンバーが大集結!

もうちょっとマイナーどころの人物であっても、なるほどすごい、と思わせられるエピソードがあったり、著名人でも意外な一面があったりと、非常に勉強になりました。

例えばエジソンの裏の顔というか、人の業績を横取りするジャイアンぶりには軽いめまいが。

子どもの教育の関係上、我が家では「発明王」ということにしておきますが、上記でリンクを貼ったニコラ・テスラに対する態度等、「偉人」と呼ばれる人のやることとは思えませぬ。

ただ、「勝てば官軍」ではないですが、結果的に名前が残っているのはエジソンの方ですし、本書の法則に逆らった結果、命を失ったり、失脚した著名人は沢山いるのだな、と。


◆かと言って、自らが他人を騙したり、手柄を横取りするのはどうかと思いますが、逆に自分がそういう目にあう可能性は常にあるわけで。

詐欺師の本を読むことが、詐欺に対する防御力を高めるように、本書を読んでおくと、騙されたりハメられたりするリスクが軽減されると思います。

また、会社における「出世レース」や「生き残り方」に関しても、本書は参考になりそう。

「他人を自分に依存させておく」なんて言うと仰々しいですが、「他人」が上司やお得意先ならば、要は「代替不可能になる」ということであり、結局「リストラされない」、ということかと。

近い将来、不本意ながらも(?)本書の内容を実践していくシーンが出てくるかもしれません。


◆ちなみに本書の構成は、各章とも、タイトルの「法則」の後、「提言」として法則の要旨をまとめたものが続き、「法則にそむいた場合」「法則に従った場合」として歴史上の逸話が紹介され、その直後にそれぞれの「解説」が。

さらにそれらを踏まえて、具体的なアクションや、実践への提言等を述べた「パワーを手にする秘訣」、比喩で表現した「イメージ」、その章のテーマに該当する過去の名言である「金言」、法則から外れるケースである「例外」と続きます。

時間のない方なら、事例が中心の「法則にそむいたor従った場合」を飛ばして、「パワーを手にする秘訣」を中心に読めば、てっとり早くエッセンスを吸収できると思われ。

私は律儀に最初から一字一句飛ばさずに読んでいたら、他の本と併読とは言え、読み終えるのに丸々4日以上かかりましたがw


◆なお、本書はあくまで上巻であり、48の法則の残り半分は下巻に収録されています。

目次を見る限り、この上巻同様、エグいながらも本質的な「法則」が収録されてるよう。

残念ながら、文庫本はさらに高いので、まずは手頃な値段帯が豊富な上巻の方から順当に攻略すべきではないか、と。

もっとも「ぜひとも注目を集めよ」なんて、モロに炎上マーケッティングみたいですし、私個人としては、その内容を100%肯定しているわけではないことを、予めお伝えしておきますが。


ある意味「劇薬」なので、取り扱いには十分ご注意を!

権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉
権力(パワー)に翻弄されないための48の法則〈上〉
主人より目立ってはならない
友を信じすぎず、敵をうまく使え
本当の目的は隠しておけ
必要以上に多くを語るな
名声は大いに頼りになる―生命をかけて名声を守れ
ぜひとも人の注目を集めよ
他人を自分のために働かせよ、ただし手柄は決して渡すな
他人に足を運ばせよ―必要ならば餌を使え
言葉ではなく行動によって勝て
感染を避けよ―不幸な人間や不運な人間とはつきあうな〔ほか〕


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【話し方】「たった1分間で相手を引きつける話し方13のテクニック」アラン・ガーナー(2010年06月06日)

【名言集】『ショーペンハウアー 大切な教え』(2010年10月07日)


【編集後記】

◆こちらの本は、先日ご紹介した直後はマーケットプレイスの在庫がはけてしまったのですが、いつの間にか復活したよう。

相手を思いのままに「心理操作」できる!―常に自分が優位に立つための「応用力」
相手を思いのままに「心理操作」できる!―常に自分が優位に立つための「応用力」

この本もかなり濃厚だったので、オススメです!


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