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2011年05月22日

【仕事術】『入社1年目の教科書』岩瀬大輔


入社1年目の教科書
入社1年目の教科書

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ライフネット生命の岩瀬大輔さんによる、「新人向け」の仕事術のご本。

とはいえ、帯に「新人もベテランも今日から変わる 一生使える50の指針」とあるように、新人以外の方にとっては、自らを省みる、良い機会になるかもしれませぬ。

アマゾンの内容紹介から。
ベテランも新人も、今日から仕事への取り組み方や考え方がすぐに変わり、一生役に立つ「指針」となる一冊。東大×MBAで30代でライフネット生命保険の副社長になり、ダボス会議の「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」に選出された著者が初めて語る、仕事における原理原則とその具体的方法。
これまた帯にあるように、「後輩や部下に読ませる」というのもアリかと。


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【ポイント】

■1.社会人として当たり前のことを、ちゃんとやる
 新卒入社や転職初年度の社員に対して、受け入れる側が最初に持つのは、優秀な人物かどうかという視点ではありません。
「社会人として当たり前のことを、ちゃんとやれる人物か」
 人物を値踏みする目が注がれていることを強く意識してください。最初が肝心です。新人時代の印象でその後のキャリアが決まると思って行動してください。
 当たり前のことができない人物という、悪い意味で目立つような行動をしてはいけません。遅刻をする新人、よく休む新人などというマイナスイメージを持たれてしまうと、それを払拭し、プラスイメージに覆すのは非常に困難です。


■2.メールは24時間以内に返信する
 メールの返信は、対応が早いだけで2割増しの評価を得られると孝えていいと思います。反対の立場に立てば、相手からの返信がすぐに返ってきたら、その人に対する印象が良くなると思いませんか。
 まずは「明日までに返事をします」「やっていません」「これからやります」という途中報告でも構いません。自ら期限を設定することで、次のステップに進むスピードがアップするのです。そういった面からも、メールの返信は可能な限り早いほうが望ましいと思います。


■3.質問はメモを見せながら行う
 まずは自分で調べる。理解できた部分とわからない部分を認識する。一通り最後までその問題について考える。自分なりの仮説を立ててみる。そのうえで、理解できない部分を質問する。予習、つまり自分なりの準備をしてから質問するのが、正しい質問の仕方であると思ってください。(中略)

 予習をする際、仮説まで考えたら、それを紙に書いてください。質問をするときには、その紙を上司や先輩に見せながら行ってください。若者が「質問が3つあります」と言いながらメモを出したら、彼がしっかり準備をしたうえで質問に来ているという印象を持たれます。自分の行動を相手に知らしめるうえでも、効果的な行為だと思います。


■4.頼まれなくても議事録を書く
 わざわざ指示を出されないかもしれません。それでも、会議の議事録の作成は自分の仕事だと思って、頼まれなくても率先して取り組んでみてください。
 議事録をまとめて文句を言う上司はいないはすです。そして、遅くとも24時間以内に上司や先輩の手元に届けるのです。もっと早く仕上げられるならば、そのほうがべターです。早ければ早いほど、チームにとってもあなたにとってもプラスになります。


■5.小さい組織で自分らしさを表現する
 組織でもプロジェクトでも、若いころは大きくて華やかな仕事に携わりたくなるものです。しかし、大きければ大きいほど、自分が関与できる部分は少なくなっていくと思ってください。華やかな大きな仕事より、むしろ誰もがやらない地味で小さい仕事をすべて引き取った方が、勉強や経験になります。その仕事を、自分らしく仕上げることに全力を上げるのです。


■6.まずは英語を「読める」ようになる
 これからのビジネスパーソンにとって英語は必須だという意見には、僕も賛成です。何かを調べようと考えたときに、日本語よりも英語のほうが圧倒的に多くの情報を手に入れることができるからです。
 僕の感覚では、世界中に存在する情報のうち、日本語と英語の情報量の比は1対100ぐらいだと思います。当面は、話せなくても書けなくても構いません。何の抵抗もなく、しかも速く読める能力だけは、急ピッチで習得してください。


■7.新聞は紙で読む
 新聞を紙で読むメリットは、自分が興味のない情報も目に入ってくることです。インターネットだと、オンデマンドで自分が興味のある情報しか見ません。キーワードから検索するので、不要な情報はシャットアウトされます。実は、一見無駄と思える情報の中に、宝が潜んでいる場合さえあるのです(iPad版など新聞紙とほぽ同じレイアウトで配信されているものは別として)。


【感想】

◆岩瀬さんは東大在学中に司法試験に合格し、新卒時には、あのボストン・コンサルティング・グループに就職。

その後、米国のベンチャー企業、投資ファンドを経て、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを修得し、現在のライフネット生命の立ち上げに参画された、といういわゆる「エリートコース」を歩まれた方です。

そんな方の仕事術ですから、どんだけ異次元空間のやり方なのかと思いきや、意外と真っ当。

この辺はもちろん、本書の対象読者が「入社1年目」なのですから、当然と言えば当然なのかもしれません。

例えば同じ岩瀬さんの本でも、「分かる人には分かる次元」という意味では、この本は結構高度でしたし。

132億円集めたビジネスプラン
132億円集めたビジネスプラン


◆ただ、しいて言えば、新卒時にコンサルティング会社にいらした分、その影響はある模様。

上記ポイントでは挙げなかったものの、本書には「目の前だけでなく、全体像を見る」という項目があったのですが、これこそコンサルタントの「マクロの視点でものを見る」やり方です。

新人だから、そこまでは必要ないのでは、と私は思ったのですが、
そんな姿勢ではいけません。全体像を見る目線を持たない人が成長する姿を、僕は見たことがありません。
とバッサリ。

なお、コンサルタントとして働いていない私たちが、このような目線を持つためには、「すでに全体像を見る視点を持った人と触れ合い、話し合うことが最も効果的」なのだとか。

具体的には、「会社役員や社長、社外の経営者などと積極的にコミュニケーションを取る」

新人さんにはちょっとハードルが高そうですが、機会があったら物おじせずにトライしてみて下さい。


◆また、本書の「おわりに」では、昨年末にフジテレビの「新報道2001」に出演された際のエピソードが。

「税制と社会保障」というテーマに対応すべく、たった5日でブラッシュアップするために、岩瀬さんは、何をされたのか?

詳しくは本書をお読み頂くとして、本の読み方や質問の仕方等、具体的なアクションが、ことごとく本書で書かれた仕事術に対応しているわけなんですね。

やっぱり、「新人以外でも実践すべき仕事のやり方」だったのだな、と。


◆とはいえ、「本は速読しない」ですとか「同期とはつき合わない」といった内容には、異を唱えたい方もいらっしゃるかもしれません。

あくまで「新聞は紙で読まない」というポリシーも、当然「アリ」ですし。

もっとも、この辺はいつも通り「取り入れられるものだけ取り入れればよい」のではないかと。

何たって「指針」として掲げられているものは50もありますから。


早いうちから読んでおけば、それだけ成長できそうです!

入社1年目の教科書
入社1年目の教科書


【関連記事】

【世帯主必読?】「生命保険のカラクリ」岩瀬大輔(2009年10月18日)

【コンサル思考】「戦略コンサルタントに学ぶ3倍速仕事力」岡島悦子(監修)(2008年06月24日)

【コンサル流】『明日から「仕事ができる」と言われる新・目標達成法 』小宮一慶(2008年04月27日)

(2009年04月26日)

【オススメ仕事術】「Yes、Boss!のすすめ」落合文四郎(2008年07月10日)


【編集後記】

◆今日の気になる本。

成長ストーリーの作り方
成長ストーリーの作り方

何だかフォレストさんらしくない装丁ですね。


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