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2011年05月17日

【論理+心理】『ほんとうに使える論理思考の技術』木田知廣


ほんとうに使える論理思考の技術
ほんとうに使える論理思考の技術

【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「人を動かせる論理思考」のご本。

実は今年の2月くらいから、とあるテーマで似たような事をブログに記事として書こうとしていた私にとっては、ヤラレタ感が強いのですが(マジで)。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
人の気持ちをおろそかにして、論理(ロジック)だけで仕事をしてもうまくいきません。また一方で、やる気や熱意だけで物事がうまくいくわけではなく、論理的な裏づけやデータが必要です。
本書は、そうした「論理」と「心理」という両輪を、いかにビジネスで活用するかに注力した1冊です。
読みやすいながらも、なかなか奥が深い1冊です!


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【ポイント】

■1.論理的コミュニケーションの本質とは「主張」と「根拠」を分けること
「主張」というのは、自分が言いたいこと。相手に伝えたい、もしくは、相手にわかってもらいたい点です。
 一方の「根拠」は、なぜそう思ったのかの理由、そう考える元になった事実などを指します。日常生活ではあまり意識をしないかもしれませんが、ビジネスでは「主張」と「根拠」を分けることこそが、論理的であり、相手に伝わるコミュニケーションの基本なのです。


■2.ピラミッド・ストラクチャの3大チェックポイント

 (1)根拠はほんとうに「根拠」か?

 (2)主張と根拠はつながっているか?

 (3)根拠の横並ぴに違和感はないか?
 


■3.人を動かす6つのルール「CRICSS(クリックス)の法則」
 これは、心理学の世界的権威であるロバート・B・チャルディーニ教授(著書に世界的ベストセラーの『影響力の武器』がある)の研究をヒントに、私が独自に開発した「人を動かす6つのルール」です。(中略)

 ちなみに「CRICSS」とは、Commitment (コミットメント)、in Return (お返し効果)、Influence (政治力)、Comparison (比較)、Scarcity (限定感)、Sympathy (シンパシー)の頭文字をとったものです。

(詳細は本書を)


■4.苦手な人にもサラッと頼める「ナンパ話法」とは?
「何か頼みごとをする際には、相手の気持ちを落ちつかせるワンクッションを置く」というもの。つまり、

「時間があったら(ワンクッション)+この仕事をお願いできますか? (頼みたいいこと)」
「今の仕事が一段落したらでよいので.(ワンクッション)+こっちの仕事もお願いします (頼みたいいこと)」


など、文の冒頭の従文で前提条件をつけた上で、本来やってほしいことを頼むのです。


■5.会話を続けていくための「水かけ相づち法」とは?
それは、相手の言ったことをそのまま操り返すというもの。(中略)

 言葉の繰り返しという単純な「型」を通し、相手の存在を承認しているというメッセージを相手に伝える。その結果、信頼関係(ラポール)を構築できるのが、「水かけ相づち法」の本質なのです。(中略)

「話に花が咲く」なんて表現がある通り、大事なお花に水をあげる、というイメージを持つと人との会話をスムーズに進めることができるのです。つまり、

根ほり葉ほり聞いたり
話の腰を折ったり(花でいえば茎ですね)
枝葉末節にこだわったり、


することは避けたいもの。適切なタイミングで相づちという水をあげることによって「話に花を咲かせ」ましょう。


■6.ストーリーで聞き手を動かす「PARLの法則」

「人を勘かす」ときには、P (問題)、A (行動)、 R (結果)、 L (学ぴ)の願番で話を展開すると、効果絶大!

 ●Problem 自分が抱えている問題
 ●Action 問題を解決するための行動
 ●Result 行動の結果
 ●Learning 一連の体験からの学び


■7.ジョブズのプレゼンでも活用されている「PEMAの法則」

 ●Problem (問題)
 ●Enemy (その問題を引き起こした相手。強大な敵)
 ●Mission (ミッション。強大な敵をやっつけるという使命)
 ●Action (アクション。そのための第一歩)
 ちょっと前になりますが、iPadを紹介するプレゼンテーションを見たことはあるでしょうか? 最近はユーチューブなどの動画共有サイトで見られるのでぜひチェックしてみてください。iPadのプレゼンではノートPCが「強大な敵」として取り上げられました。


【感想】

◆本書は第1章で「論理」、第2,3章で「心理」を扱い、最後の第4章で両者を合わせたテクニックを紹介しています。

思えば、ロジカルシンキングの本で、「心理」的な内容を扱ったり、逆に『影響力の武器』に近いテーマの本で、「論理」について触れられていたことはなかったような?

ただ、本来両者はどちらか片方で良いものでもなく、それこそ本書の帯にもあるように「ビジネスは論理でツカみ、心理で動かす」ということかと。

実際、著者の木田さんは論理思考の力が上がるにつれ、仕事がうまくいかなくなったのだそう。

本書にはこういった『論理思考を学んだ「残念な人」』を3パターン収録していますので、心当たりのある方はご確認を。


◆さて、本書は各章の冒頭で、主人公「青木健太郎」氏が、チームをまとめあげて、企画を通すお話が語られます。

最初は、上記の『論理思考を学んだ「残念な人」の一人』だった青木氏が、小沢豪一郎氏(笑)のアドバイス等を受け、徐々に成長していくに連れて、私たちもノウハウを得ていくという仕組み。

これは、難しい内容を分かりやすく解説する際によく用いられる手法ですが、本書にはマッチしていると思われ。

また、ピラミッドストラクチャー等を初めとした図も多く、理解を深めるの手助けをしてくれています。


◆ちなみに、『影響力の武器』を元に木田さんが開発された「CRICSSの法則」については、今回の記事では、その中身を丸ごと割愛しております。

とは言え、その効果については、もちろん『影響力の武器』がオリジナルですから、保証済み。

「CRICSSの法則」自体はそのエッセンスというか、触りなので、本書の内容で興味をもたれて、まだお持ちでない方には、改めてこの本を激プッシュさせて頂こうかとw

影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか

【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)


◆「ロジカルシンキング」や、「心理学」をそれぞれ別個に扱った本に比べると、両方を扱う本書は、どうしても浅くなってしまう部分はあります。

ただ、本書のキモは、両者を合わせて、かつ、実務でどのように実践するかを目指しているところにあるかと。

読む分には非常にサクサク読めますし、内容も分かりやすいのですが、いざ実際にやろうとしたら、かなり難易度は高そうな。

とりあえずは、本書にてシミュレーションしてみてください。


読むは易し、行うは難し!

ほんとうに使える論理思考の技術
ほんとうに使える論理思考の技術
はじめに ビジネスは論理でツカんで、心理で動かす!
序章 論理思考を学んだ「残念な人」たち
第1章 論理でツカむ!論理思考のコツ
第2章 心理で動かす!「CRICSS」の法則
第3章 実践!明日から使える5つの心理テクニック
第4章 ほんとうに使える論理思考の技術
特別付録 これだけで大丈夫!ビジネスでほんとうに使える8大フレームワーク


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【編集後記】

◆今日のご本に関連して。

「しきる」技術 誰にでもできる超実践リーダーシップ
「しきる」技術 誰にでもできる超実践リーダーシップ

以前『SEのプレゼン術』をご紹介したことのある、克元 亮さんの新刊。

チームをまとめたい方に良さそうです。


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この記事へのコメント
               
smoothさま

拙著『しきる技術』のご紹介、ありがとうございました!

この本は、「自分はリーダーに向かないと思っている人」にこそ、ぜひ読んでほしい。そういう思いで執筆しました。

ただ、タイトルが強めのせいか、手にとっていただくまでのリーチが長いことが唯一の懸念でした。

そんな中、ご紹介いただいたことで、読者の方に本を手に取るきっかけをつくっていただけたと思っています。

おかげさまで、先日、発刊から1ヶ月弱で増刷がかかり、Amazonのリーダーシップ本ランキングでも1位を獲得しました。

ありがとうございました。皆さんのご支援をえながらますます良い本を世に送り出していきたい。そう勇気づけられました。
Posted by 克元亮 at 2011年05月28日 10:23
               
>克元亮さん

編集後記の本で、著者様じきじきにコメント頂けて恐縮しております。
確かに当ブログでも、リーダーシップ本というのは、あまり引きが強くないのですが、この本をきっかけに興味を持ってくれる方が増えると良いと思います。
私自身が一人で仕事をしていることもあってか、今ひとつピンと来ないのがツライところではあるのですが…。
今後とも、よろしくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年05月29日 02:56