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2011年05月14日

【必読!】『サバイバーズクラブ』に学ぶ「7つの緊急時でも生き残る方法」


サバイバーズ・クラブ
サバイバーズ・クラブ


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、1年ほど前に本田直之さんからオススメされていたご本。

買うには買ったものの、内容が「災難に巻き込まれた時に生き延びる方法」なため、あまり活用しようがないと判断し、そのまま積読状態にしていました。

ところが、震災後の今、改めてチェックしてみると、これがかなり「キテ」いるコンテンツだということが判明。

「貴方」だけでなく、「貴方の家族」の命を守ることを考えたら、読んでおくべき1冊です!


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【7つの緊急時でも生き残る方法】

■1.冷たい水の中に落ちた場合


USCGC Healy fetching scientists from ice floe in Arctic Ocean / AN HONORABLE GERMAN

冷たい水のなかで命を落とす人の95パーセントは、実際には低体温症にかかってはいないという。それどころか、体温はほぼ正常だ。彼らの命を奪うのは寒さではない。恐怖のために、溺死や心臓麻痺が引き起こされるのだ。
 では、冷たい水中に落ちたときにはどうすればいいのか? ギースブレクトが推奨するのは、そのものずばりの1―10―1一システムだ。呼吸を整えるための1分、意味のある動きをする10分、意識を失う前の1時間である。(詳細は本書を)


■2.飛行機事故に巻き込まれた場合


Eastern Air Liner crash landing, Curles Neck Farm / The Library of Virginia

 飛行機事故の生存のルールは、今話した事実から始まる。外に出るための猶予は90秒。ただそれだけ。90秒だ。それ以上かかると、火が飛行機のアルミニウムの外被を溶かし、客室の気温は1000度を超える。そしてまもなく、爆燃による炎がすぺてを焼き尽くす。90秒で、客室は火炎地獄と化すのだ。


■3.事故等で外傷を受けた場合


Santa Claus involved in a traffic accident : one wounded / fdecomite

ひとつめの山は、事故から数分以内にやってくる。もしあなたが死ぬとしたら、たいていはまずこの最初の時期だ。外傷による死の半分はその場で訪れる。医療がいくら進歩しても、こうした人たちは救いようがない。(中略)

つぎの山はいわゆるゴールデンアワー、外傷を受けてから最初の60分間に訪れる。確たる証拠はないのだが、救急隊員は決まって、最初の1時間がとくに危険だと教えられる。長年にわたる救急医療のモットーはこうだ。命を救う60分。


■4.高い場所から水中に落ちた場合


Golden Gate Bridge / ground.zero

 ゴールデンゲート・ブリッジから飛び降りたとき、生き延びられるのはだれか?(中略)

この行為は、25階建てのビルから飛び降りるのに等しいのだが、入水の条件によって大きな差が生じる。少し角度がついていれば、足、足首、ひざが曲がって衝撃の一部を吸収し、水中で体が弧を描くため、あまり深く沈まずにすむ。足から先でも角度が急すぎれば、脚に衝撃がもろにかかるし、深くまっすぐ沈みこんで溺れるだろう。頭から先に落ちれば、頭骨が衝撃をもろに受け、死んでしまう。腹、背中、側面から落ちても同じだ。時速120キロで進んでいていきなり止められれば、ふつうは生きていられない。


■5.心臓発作を起こした場合


aed and cpr / Frederick Md Publicity

人が助かるかどうかは、急いで細動を除去し、胸部圧迫を行なうまでの時間にかかっている。1分以内にショックを与えられれば、生存の確率はほぼ90パーセントだが、それから60秒ごとに10パーセントずつ下がっていく。


■6.海に長時間放置された場合


Wadden Sea Ship / Acheron333

 自分がメキシコ湾で17時間も生き延びられたことを、ティムはどう説明するのだろう? ただ筋力と、身体の耐久力の問題だったのか? そんなことはない、と彼は言う。冷静さと集中を保つ能力のおかげだった。ジョセフ・ルドゥーの言いまわしを借りれば、頭の中のアラームスイッチを消して、恐怖を行動に切り替えることができたのだ。


■7.ハイキング中に迷ってしまった場合


Hiking trail in Okutama / eyeonjapan.com

ヒルが言うサバイバルの第一の秘訣は、今いる場所にとどまるか、近くの開けた場所を見つけることだ。彼が調査したノバスコシアでの行方不明者800人のうち、捜索隊に見つかりやすいようにと考えて意識的に一ヵ所にとどまっていたのは、2人だけだった。「不明者を発見する前には、かならず手がかりが見つかります」と彼は言う。「そのことが何を意味しているでしょうか?」要するに、不明者が一ヵ所にとどまっていれば、もっと早く発見されただろうということだ。


【感想】

◆本書は、著者が様々な事故から生き延びた人や、専門家に話を聞き、「どのようにしたら生き延びられるか」をまとめたものであり、万が一、自分や家族が同じ状況下にあった場合、確実に「違い」をもたらしてくれるもの。

特に印象的だったのが、2番目の飛行機事故で、今まで私は、「飛行機事故にあったらどうせ死ぬのだから、救命具等は意味がない」と思っていました。

ところが、軽いものから含めた飛行機事故全体では、95.7%もの人が生き延びており、出火等の実質的損害が含まれる事故でも、誰にも生存のチャンスのない事故を除けば、生存率は76.6%。

意外と多くの人が助かっていることが分かります。

というのも、飛行機事故の8割は、フライトの最初と最後(実際には最初の3分と最後の8分)に起きているから。

なるほどこの段階なら速度も小さく高度も低いため、生存率が高いのも納得です。


◆ただし、死亡例の40%は、実際には生存可能な状況で生じているとのこと。

つまり、飛行機に乗る前にお酒を飲んでいたり、着陸ギリギリまで寝ていたりしてはいけない、ということです。

まずは、非常口がどこにあるか確認し、濃い煙のなかでもそこまで辿り着けるようシミュレーションを。

さらに非常口は、事故で壊れたりふさがっていたりする可能性もあるので、予備の非常口のチェックも必要です。

座席の位置では、一般的に後ろに行くほど生存率は高くなります(ファースト&ビジネスクラスは49%、後部客室は69%)が、これは事故のパターンによってまちまち。

もっとも、「非常口から5列目」までとそれ以外とでは、生存率に大きな差があるそうなので、席を選べるならそうしたいものです。

今後飛行機に乗る際には、気合が入ります罠!


◆また、注意したいのが「不活動」と呼ばれるもので、火災や事故等があった場合に「指示を待って何もしない」という状態。

予期しないことが起こると、人はどう反応してよいかわからず、思考停止に陥り、動けなくなってしまうのだそうです。

いずれにせよ、飛行機事故に限らず生死を分けるのは、本人に「どこまで生きる意志があるか」ということのよう。

絶望的な状況に置かれた場合、当たり前ですがあきらめたら、そこで終わりです。
               
         ,. ‐''三ヾ´彡シ,=`丶、
     /'".:=≡ミ_≧_尨彡三:ヽ、
    //.:;:彡:f'"´‐------ ``'r=:l
    /〃彡_彡′,.=、 ̄ ̄ ,.=、 |ミ:〉
   'y=、、:f´===tr==、.___,. ==、._ゞ{ 
   {´yヘl'′   |   /⌒l′  |`Y}    諦めたらそこで試合終了だよ。
   ゙、ゝ)       `''''ツ_  _;`ー‐'゙:::::l{
.    ヽ.__     ,ィnmmm、   .:::|! 
  ,.ィ'´ト.´     ´`"`"`゙″ .::::;'
イ´::ノ|::::l \         "'   :::/  
::::::::::::|:::::l   ヽ、      ..::  .:::/.、
:::::: ::: |:::::ヽ    ヽ、.......::::/..:::/!\\
::::::::::: |::::::::ヽ    ``''‐--ァt''′ |!:::ヽ:::\


それと関係しているかもしれないのが、宗教で、定期的に教会に通っている人は、そうでない人たちよりも寿命がおよそ7年長いのだそう。

とはいえ、信心深い人は、そもそものライフスタイル(酒・たばこ等を含む)も違いますので、一概には言えませんが。


◆本書は、各シチュエーション下における様々なサバイバルテクニックを述べると同時に、巻末において、そのまとめが「教訓」として挙げられています。

例えば「教訓1」は「1度にひとつずつ行動する」

表現や喩えは色々ですが、どのサバイバーもほぼ決まって口にするのが「難題をいくつかの実現可能な作業に分ける」ということなのだそう。

これって、私たちビジネスパーソンの問題解決と一緒ですよね?

なるほど、「生命の危機」は、「解決すべき問題」の1つだったのか……。


本田さん、1年放置してスイマセンでした!

サバイバーズ・クラブ
サバイバーズ・クラブ
1章 胸に突き刺さった編み針 サバイバルのための3つのルール

2章 動けなくなる人たち なぜ死ぬはずでないときに死ぬのか?

3章 生死を分ける90秒 飛行機事故のときにすべきこと、してはいけないこと

4章 臓器(オルガン)のリサイタル 救急救命室で死ぬ人、生きる人

5章 超音速のサバイバー なぜ奇跡は起こるのか?

6章 幸運を科学する いいことはなぜ、いつも同じ人たちに起こるのか?

7章 モンスターを抱きしめよう 恐怖があなたの命を救うとき

8章 立ち直る人、立ち直れない人 打たれ強さの遺伝子


【関連記事】

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【防災用品】多機能型ラジオライト「スターリングターボ」を使ってみました(2011年03月15日)

こんな時だからこそ読んでおきたい3冊(2011年03月14日)


【編集後記】

◆昨日リアル書店で見かけたもの。

Le Petit Prince Ruled Pocket
Le Petit Prince Ruled Pocket

モレスキンの「星の王子様」バージョン。

どちらかというとプレゼント向きですかね?


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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Posted by smoothfoxxx at 09:00
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この記事へのコメント
               
飛行機の生存率が高いのは驚きました!
Posted by マグロ船齊藤 正明 at 2011年05月14日 10:39
               
「伝達力の基本」をこのサイト経由で中古を注文。
1147円でした(送料込み)。
今後も良本をどんどん発掘していってくださいね。
このサイトと、ビジネスブックマラソンが俺のツボを突く本を紹介しますね。
では、では。
Posted by KT at 2011年05月14日 12:56
               
smoothさん

こんにちは!
smoothさんの記事があまりにも興味深く、
思わずamazonアタック完了してしまいました。
現場で使うことはあまりないとは思いますが(あったら困る)、
いろいろと参考にさせていただきたいと思います☆
Posted by ニャロメ at 2011年05月14日 19:12
               
>マグロ船齊藤 正明さん

私も正直意外でした。
今まで離陸&着陸時にはのんきに本を読んでましたけど、これからは身構えておくようにします(汗)!

>KTさん

いつもありがとうございます。
大石先生の本はどれも秀逸だと思います。
また、土井さんは私と違って重いテーマの本も紹介されてるので、なかなか対照的ではないか、と。
今後ともよろしくお願いします。

>ニャロメさん

アマゾンアタックありがとうございます(涙)。
ニャロメさんはお仕事の関係で、知っておくとよい知識があるかもしれませぬー(もちろん、活用しなくて良いことを祈ってますが)。
ただ、そもそもは、本田直之さんのオススメですから、間違いないと思われまする。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年05月15日 22:51