2011年05月05日
【ズル?】『ズルくやれば50倍成功する!』内藤誼人
ズルくやれば50倍成功する! (宝島SUGOI文庫)
【本の概要】
◆昨日、モテ本のまとめ記事を投稿して面白かったのが、定番の『影響力の武器』に意外と人気が集まったこと。そこで今日は、最近読んだ中で、ベクトル的に近いと思われる、内藤誼人先生の文庫本をご紹介してみます。
アマゾンの内容紹介から。
「世間一般のつまらない道徳を否定し、目的のためには手段を選ぶべきではない」としたマキャベリ。その「弱肉強食」の思想は、競争原理に突き動かされ続ける現代人こそ、参考にすべきものである。ズルさとは賢さの証明であり、すなわち社会的知性の証明なのだ。気鋭の心理学者が教える、本当に役立つ「生きる技術」。タイトルで言うほどズルくはないですし、知識として知っておいて損はないハズ。
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【ポイント】
■1.成功する人はルールや決まりに縛られない対象となったのは3000名のビジネスマン。実験では、まず彼らに想像力の度合を調べるテストを受けてもらう。(中略)
すると面白いことに、創造力の高い人には次のような傾向が見られた。
・自分の好きなように仕事をする
・決め事を守らない
・会社で禁止されていることも、こっそりとやる
要するに、創造力あふれる人たちは、常識や既成のルールに縛られず、他者と違ったことをやるから、仕事も人生もうまくいくのだ。
■2.人は過去のことを考えると自己評価が低くなり、未来のことを考えると自己評価が高まる
グリーンは、被験者を2つのグループに分け、それぞれに「過去の自分」と「未来の自分」についていろいろと考えさせた。
そしてたっぷり考えてもらったあと、今度は「現在の自分」についてどう思っているか、自己評価を測定するテストをおこなった。
すると、事前に「過去の自分」について考えていた人たちの自己評価の平均が64点だったのに対して、事前に「未来の自分」について考えていた人たちは、平均76.39点だったのである(100点満点)。
つまり、われわれは過去のことを考えるほど自己評価が低くなり、未来のことを考えていると自己評価も高まってきいくのである。
■3.人の心は「数の論理」「多数派の論理」に支配されている
同じ「60%が賛成」というデータがあったとしても、「10人中6人が賛成した」と聞かされるより、「1OOO人中600人が賛成した」と聞かされたほうが、人は信用してしまうのである。
■4.相手にはナメられないためには距離をとる
さほど親しくもないのにベタベタと距離を縮めてくる相手は、あなたのことをナメている。あなたに威厳や権威を感じていたら、そう簡単には近づけないはずなのだ。(中略)
もし、あなたが交渉相手にナメられたくない、心理的に優位に立ちたい、というのであれば、強引に距離をつくることを推奨する。
交渉する相手をなるべく大きな会議室に案内し、大きな机を挟んで対面するのだ。
■5.人は相手を身なりで値踏みする
ノースは、歩行者が道路を横断するときに車が停車するかどうかを計1万8000回にわたって観察し、分析した。
その結果、歩行者の服装によって次のような差が出ることがわかった。
・歩行者の服装がだらしない場合⇒65.6%の車が停車
・歩行者の服装がきちんとしている場合⇒78.9%の車が停車
つまり、ドライバーたちは歩行者の身なりによって、道を譲るか譲らないかを判断していたのだ。
■6.自分を大きく見せたいなら偉人の言葉を引用する
偉人の名前を持ち出し、その言葉を引用する。
こうすると、それだけで相手はその言葉に「権威」を感じる。(中略)
ただし、引用には注意点がある。(中略)
引用する偉人の肩書きとフルネームをしっかり覚えて、できれば国籍や引用元となる本の名前など、周辺情報も頭に入れておく。引用は、長ければ長いほど真実味が増していくのである。
■7.「レッテル貼り」で人を動かす
嫌な仕事を誰かに投げたいとき、もっとも効果的なのが「相手の心にレッテルを貼りつける」というテクニックである。(中略)
8日後、子どもたちがどれくらいゴミを拾っているか調べたところ、次のような結果が判明した。
・「キレイ好きだね」と言われたクラス……82%がゴミを拾う
・「ゴミを散らかしたらダメ」と言われたクラス……48%がゴミを拾う
・なにもしなかったクラス……27%がゴミを拾う
もちろん、「みんなキレイ好きなんだね」と言われたクラスの子どもたちは、本当に元からキレイ好きだったわけではない。ただミラーから「キレイ好き」というレッテルを貼られただけなのだ。
【感想】
◆冒頭でも申しあげたように、本書はタイトルほど「ズル」くはないです。もちろん、「50倍」という数字にもまったく根拠はなく、単行本時点でのタイトルは、単に『ズルい奴ほど成功する!』でした。
なるほど、この「50倍」が、「ズルい」んですね、分かりますw
ただ、「ズル」という言葉が「バカ正直」の反対であるならば、納得できるかも。
ポイントの最初に挙げたように、仕事のできる人は、固定概念やら今までのしきたり、といったものからは自由であることが多いようですから。
◆また、こういった「心理テクニック」的なものは、自分が活用するよりも、「その手のテクニックを使った相手からの働きかけを防ぐ」意味では有意義かと。
これらは、セールスや勧誘等では当たり前のように用いられており、しかも使っている本人は騙すというより、マニュアル通りにやってるだけのこと。
「フット・イン・ザ・ドア」や「ローボールテクニック」なんて、知らなかったら、私は絶対ひっかかってますよ。
その「実際に騙す方」に潜入調査して書かれた、と言う点でスゴイのが、お約束のこの本なワケですが。
影響力の武器[第二版]―なぜ、人は動かされるのか
参考記事:【速報!】最強のビジネス本「影響力の武器」の[第二版]がいよいよ登場!!(2007年08月18日)
◆一方、ビジネス面ではなくて、「子育て」の面で気を付けたいのが、ポイントの最後の「レッテル貼り」です。
本書に出ている事例で、「そんなことしてると、ロクな大人になれないわよ!」というのがあるのですが、親がこんな言葉で子供を叱っていたら、その子の心には「ロクな大人になれない」というレッテルが貼られて、本当にそうなってしまうのだとか。
……私自身、たまにそれに近いことを言ってる気が。
もちろん、子育ての中では叱る場面も必要ではあるが、自分の言葉がどんなレッテルを貼っているのかについては慎重すぎるほど慎重であらねばならないのだ。深く気を付けねば。
◆本書はいつも通り(?)の内藤先生仕様で、ほぼすべての項目が、何らかの研究や実験の結果に基づいて論じられています(巻末に参考文献アリ)。
ちょっと強引だったり、こじつけっぽいのもありますが、「そういう考えもあるよね」と捉えれば、それほど気にならないはず。
そもそも、この手の本は、「使える部分だけ使う」と割り切れれば、読む価値はあります。
一応、単行本が安値で入手できる、ということはお伝えしとくべきでしょうが。
騙されない人生を送るために!
ズルくやれば50倍成功する! (宝島SUGOI文庫)
1章 ズルさとは知性である 戦略とは汚いものである
人一倍ズルい人になるためのコツ
善人では生き残れない!
人に嫌われることを恐れるな! ほか
2章 いかさま営業術 したたか交渉術
交渉事をズルさで突破するコツ
相手の「NO」を「YES」に変えろ!
感情を揺さぶって思考を停止させろ ほか
3章 だましの暗示術 腹黒ハッタリ術
他人に暗示をかけてズルく操るコツ
嫌な仕事は堂々と他人に振れ!
いけ好かない上司の鼻をへし折る方法 ほか
4章 抜け目ない立ち回り術 タヌキ親父の処世術
組織の中でズルく生きるコツ
成功を独占して、失敗は他人に押しつけろ!
自分の右腕にはダメな後輩を選べ ほか
5章 まやかしの自己演出 えげつない舞台演出
自己演出でズルさを発揮するコツ
性格、外見、大切なのはどっち?
外見で緒戦を制し、性格で落とせ! ほか
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【編集後記】
◆子育てで思い出したんですが、アマゾンでプレゼント本として人気だった『ちいさなあなたへ』のDVD版が出ました。ちいさなあなたへ~Someday~ [DVD]
これまたプレゼントに良さげ。
ご声援ありがとうございました!
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