2011年04月25日
【出来レース?】『マッチポンプ売りの少女 〜童話が教える本当に怖いお金のこと〜』マネー・ヘッタ・チャン
マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、謎のビジネス書著者マネー・ヘッタ・チャンの第2作。前作『ヘッテルとフエーテル 本当に残酷なマネー版グリム童話』は「発売即増刷」で、5万部を売り上げており、本作も期待されるところです。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
国民がさじを投げた民主党より質が悪い出来レースの数々。前作同様「ケンカ売りまくり」「敵作りまくり」(?)の1冊です!
知らないところでぼろ儲けしている奴らの手口が満載。
儲けの裏側には必ずマッチポンプの図式が!
金融、不動産、ネットそこかしこに出来レースの罠。
知らなきゃ人生、大幅に損します。
あなたの大切な財産を守るための1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
◆本書は物語形式であり、また「取り扱うネタが命」な部分もありますので、引用は最低限にしておきます。■「Story2 コブラの魔法使い」より
「今は話題先行で注文がたくさん来てるけど、つまらないってバレたら、返品で私たちの倉庫がパンクしちゃうわ。
たくさん仕入れられて、普段より利益が多いから、食いついてくる書店さんはたくさんいるでしょうね。
あんな内容だとも知らないで。
返本のコストも高いから、ちょっと申し訳ないけれど。
残念だけど、これ戦争なのよね」
■「Story4 アクデスと40人のどろぼう」より
気がつくとタバコの火は消えていました。
へッテルは、今までしてきた寄付の何割もが、今日訪れたあの東京の1等地のビルの土地代やビル代、官僚や汚偉いさんの天下り先や名誉職、あのDMの豪華な封筒やらに使われていたことがわかってげんなりしてしまいました。
■「Story5 家を買った娘」より
最初は安い価格と管理費でマンションを売って、その後、マンション管理費や修繕積立金を数年ごとに上げていくことで、マンションの住人からお金をぼったくることを話し合っています。
へッテルにマンションを売ってくれた営業マンの顔は、白分にマンションを勧めたときの誠実そうな面影はかけらもなく、まさに小悪党の面構えです。
マンション販売会社とマンション管理会社は、親会社と子会社の関係で実はグルだったのです。
■「Story7 白々しい姫」より
保険加入のポイントは、「アンチGNP」(義理(G)で入らない、人情(N)で入らない、プレゼント(P)をもらっても入らない)よ。覚えておいてね。
心配なあなたは、まずは共済から考えるといいわ。
■「Story8 みにくい天下りの子」より
50歳前後で早期退職させられて、年金が出る65歳までの仕事がなくなって困った官僚さんが、わが身を守るためにつくった仕組みが「天下り」なの。
早期退職慣行をなくさないで、官僚さんの保険としての天下りを止めろって言うのは、官僚さんに路頭に迷えって言うのと同じなの。そリゃ死にもの狂いで抵抗するわよ。
もし自分が同じ立場でも、天下りなんかしないって言いきれる?
仕組みもわかってなくて、解決案も出さず、ただ天下りを非難するのは、ただの世間知らずよ。
【感想】
◆冒頭でも触れたように、本書でも相変わらずの「毒舌ぶり」(?)で、ハラハラドキドキ。ケンカ売ってる業界も、上記ポイントでそこはかとなく(?)分かるもののほか、天下のグーグル先生やマスコミ、さらにはわざわざ「ゼーリシ業界(&コクゼイチョー)」まで俎上に乗せているという。
私はさておき、ヘッタチャンの知り合いにはゼーリシさんも多いハズなんですが、きっと「ゼーリシと税理士は違う」んですね、分かりますw
とうとうこんなツイートも。
くれぐれも、この本の印税で税務調査が入らないことをお祈りしております。
(-人-)ナムー
◆参考までに、上記ツイートのリンク先のヘッタ・チャンの日記にあった、本書の販促用PVをご紹介。
販促用なのに、妙にクオリティが高いのがスゴイです。
その他にも、本書の巻末には本書を購入した人だけの3つの「スペシャル特典」のお知らせが。
特に、特典の2,3については、書店で本書を立ち読みしただけでは入手できない仕組になっていますので、ご留意を。
◆ただ、この本の教えに沿うのであれば、そもそも「何事にもウラがある」と考えるのが自然なこと。
本の帯にある『ホリエモン推薦!「自作自演乙。」』というフレーズも、まさかとは思いますが、「読んでないのにお金払って(ry」
現時点ではまだないものの、アマゾンの高評価レビューも、「もしかしたら自作自演(ry」
それ以前に、このエントリーも、ヘッタ・チャンに「買収されて書いて(ry」
……だったらいいんですが(イクナイ(・A・)!)、そもそも献本も受けてないんで、先週金曜日に先行発売されている丸善オアゾで、自腹で買ってきましたよ、ワタクシ。
隣には、先日未読本記事でご紹介したこの本が。
こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義
◆そんなワケで、本音ベースで言っちゃいますと、前作の『ヘッテルとフエーテル』がツボだった方は、文句なしに「買い」でしょう。
もっともそういう方は、この記事を読むまでもなく、既に予約されていると思いますが。
また、前作をお読みでない方でも、橘 玲さんの作品が好きならば、ハマる可能性は高いかと。
いずれにせよ、本書を読むと、「情報」というものは、「発信者の事情」を考慮した上で判断しないと「いいカモ」にされてしまう、ということが良く分かりました。
"情弱"と言われたくないなら必読かも!?
マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~
1 ゴーグルをかけた猫
2 コブラの魔法使い
3 マッチポンプ売りの少女
4 アクデスと40人のどろぼう
5 家を買った娘
6 だんごう三兄弟
7 白々しい姫
8 みにくい天下りの子
9 金のゼーリシと銀のゼーリシ
特別編 インゴッドは死んだ
【関連記事】
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【人気ブロガーがデビュー】『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』ちきりん(2011年01月20日)
【オススメ】『そこまで言うか!』勝間和代,堀江貴文,西村博之(2010年09月06日)
【編集後記】
◆物語つながりで、こんな本もご紹介。四つ話のクローバー
『夢をかなえるゾウ』でお馴染みの、水野敬也さんの新作小説です。
ご声援ありがとうございました!
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