2011年04月22日
【本田流読書術】『リーディング3.0―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術』本田直之
リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、昨日の記事で取り上げたばかりの、本田直之さんの新作。一世を風靡し、本田さんの人気を決定付けた『レバレッジ・リーディング』が、アップデートされた、とも言えるのが本書です。
最も大きな特徴は「読書とテクノロジーの融合」。
私が苦手とする分野ですが、マスターしないともはや時代に置いてかれかねないようです。
また、僭越ながら当ブログもご紹介頂いたので、あわせてご報告まで。
いつも応援ありがとうございます!
【ポイント】
■リーディング3.0の中心となる3つのツール●モバイルデバイス
これは、iPhoneやiPad、アンドロイドOSを搭載したスマートフォンなどが当てはまりますが、本書では主にiPhoneを中心に説明します。●クラウドサービス
エバーノートというオンラインメモや、グーグルのさまざまなサービス、電子書籍などが含まれます。●ソーシヤル・ネットワーク
読んだ情報をどう活かして活用していくか。ツイッターやフェイスブックを中心に人とつながる方法をまとめます。
■2.ノマドリテラシーなしでは生き残れない
もしあなたがウェブ・モバイルリテラシーを一切取り入れず、2.0時代のままのリーディングを続けていても、当面は大きなデメリットはありません。現状維持のまま、なんとかやっていくこともできると思います。
しかし、ふと気づいたときには、自分以外のほとんどの人が前に進んでおり、1人だけぽっんと取り残されている……。こんな状況は遠からずやって来るでしょう。
■3.モバイルとパソコンをセットで使う
リーデイング3.0はモバイルとパソコンがセットになってこそ、十分な効果を発揮します。海外でも、日本にいるときと何ら変わりなくクラウド上で同期できるようにしておく。そのためには、モバイル力を備えておきたいものです。こうしたツールによって、どこにいてもストレスフリーな通信環境を維持できます。
せっかく場所の制約がなくなるリーディング3.0の時代なのですから、「場所」を自ら拡大しない手はありません。モバイル力をつければ、時間と場所の制約から自力で解放されるのです。
■4.英語読解力によってアドバンテージを得る
「本にならない情報」というのは、日本語でも英語でも思いのほか多くあります。なぜならどのような言語でも、ある程度のボリュームがないと書籍として成立しないのです。いくら貴重なものでも、「A4用紙2枚でまとまってしまう」というような情報は、商品化されにくいということです。
「本にならない情報」はウェブ上に無数にあり、そのほとんどは日本の編集者も「これを翻訳しよう」などと目を付けないケースも多いのです。逆にいうと、このような情報を自分で見つけて英語で読むことで、アドバンテージを取れます。
■5.iPhoneとクラウドサービスが即時性を実現した
エバーノートを活用しているので、クラウド上に蓄積できます。ここにインプットした情報は、写真であっても文字情報として検索可能なので、利便性が高くなりました。
レバレッジ・メモもエバーノートで一括管理していますから、好きなときに好きなものが取り出せます。たとえば人と話をしていて、「この間見つけてレバレッジ・メモにした情報をシェアしたい」と思ったら、検索して即座に必要なメモを取り出して見せられます。同様に、「この人に教えてあげたい」と思ったそのときに、iPhoneでメールしたり、ツイッターで発信できるということです。
■6.電子書籍に向かない本
●じっくり読む本
●考えながら書き込みたくなる本
専門的でいささか難しいビジネス書など、考えたり書きこみたくなる本も、電子には向きません。●細かい図表が多い本
いろいろなケースがあると思いますが、いったん紙の本向けに作った図表を電子書籍用に置き換える際、多少の無理が生じることがあります。
■7.新聞を読む場合の紙と電子の使い分け
日本でも電子版の新聞を読むという人が増えていますが、私の場合、「今日の新聞」は紙で読むと決めています。
経済、社会、文化、ニュース。その日のすべての記事を一気に俯瞰できる紙のほうが、電子に比べてサーチ力の面で優れていると感じるためです。
しかし、「過去の新聞」は電子に限ります。ピンポイントで読みたい記事は決まっているのに、検索機能がついていない紙の新聞から必要な情報を見つけ出すというのは、明らかに無駄な努力です。リーディング3.0のサーチ力を活かし、電子版の新聞から見つけたほうが格段に効率的です。
【感想】
◆本書の第2章には、おさらい&『レバレッジ・リーディング』未読の方に向けて「レバレッジ・リーディングのポイント」が6点挙がっています。「読書は投資である」(リターンが大事)ですとか、「ビジネス書の読み方を変えよ」(完読ではなく2割で十分)といった、「読書を目的ではなく手段」と捉えた考え方は、当時多くの人に衝撃を与えました。
また、この本のヒットともに、いわゆる「ビジネス書ブーム」のようなものが盛り上がり、「レバレッジ・メモ」を作ったり、それを書評ブログとして公開する人も急増した記憶が。
そしてその流れは、翌年の勝間和代さんの台頭によって、決定付けられました。
ここまでが、本田さんによると「リーディング2.0」であり、本書はそこから発展した読書スタイルである「リーディング3.0」がそのテーマです。
◆ところで、勝間さんはそれ以前からブログを続けられており、その後、Twitter上でも存在感を示すのに対し、本田さんはTwitterはおろか、ブログもメルマガもやられていませんでした。
ちなみに、2009年の秋にとある用事で本田さんとお会いした際には、あの「ヒウィッヒヒー事件」が起こってTwitterがブームになりつつあったこともあったので、「本田さんはやらないんですか?」と聞いた私に、「日本人の9割がやらない限りやらないです(キリッ!)」と言われたことも。
ところが、今ではTwitterをガンガン活用されてらっしゃる本田さん。
その「宗派替え」の理由こそが、本書の第6章の「ソーシャル・リーディング」です。
面倒なことが嫌いで、ブログもやっていなかったわたしがツイッターを始めたのは、全く面倒なことなく情報が大勢の人とシェアでき、しかもいろいろなフィードバックカもらえるためです。事実、もうすぐ出る『7つの制約にしばられない生き方』は、Twitterでのフィードバックを参考に作られたのだそう(詳しくは本書を)。
◆さて、日本ではまだ実用的とは言えないので今回は割愛しましたが、本書にはアマゾンのキンドルについても、かなり言及されています。
このキンドルとiPadやiPhoneの使い分け、さらには新聞や雑誌等の紙と電子の使い分け等は、実際に体験していないと分からないもの。
本書では、その役割をまさに本田さんがなさっているわけで、これからリーディング3.0を実践しようとされる方には、よい道しるべになると思います。
私の場合は、そもそもスマートフォン自体持っていないんで、まずそこから、という話ですかね……。
◆最後になりましたが、本書の146ページにおいて「ビジネス書評のおすすめブログ」の1つとして、当ブログをご紹介頂いております(他のブログは本書にてご確認を)。
本田さん、ありがとうございました!
今後、電子書籍が普及し、そのレビューが必要となった場合に、どこまで対応できるか分かりませんが、当分の間は紙中心で頑張りたいと思います。
まぁ、Twitterにおける本田さんの変わり身の早さを考えれば、私もリーディング3.0を実践できるカモ!?
リーディング3.0 ―少ない労力で大きな成果をあげるクラウド時代の読書術
Chapter 1 リーディング3.0時代の到来
Chapter 2 リーディング3.0の基本
Chapter 3 リーディング3.0に必要な6つの能力
Chapter 4 スマートフォンが読書を進化させる
Chapter 5 紙メディア・電子メディアの活用法
Chapter 6 読書からソーシャル・リーディングへ
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【編集後記】
◆上記で触れた、本田さんのもう1つの新作も、もうすぐ登場です。7つの制約にしばられない生き方
あわせてどうぞ。
ご声援ありがとうございました!
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