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2011年04月06日

【意外な良書!?】『心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部 誠


心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、サッカー日本代表でキャプテンを務める長谷部誠選手の自己啓発本

アマゾンでも長らく売上上位に位置しており、ご存知の方も多いと思います。

また、本書の著者印税はユニセフを通じて、東日本大震災の被害地に寄付されるとのこと。

長谷部 7万超え自著の印税全額を寄付へ ― スポニチ Sponichi Annex サッカー

とはいえ、本書を単なる「タレント本」のように捉えているなら、それは「大きな間違い」かと。

伊達に「国を代表する」という重圧に耐えてきたワケではない事が分かる、想定外の(失礼)良書でした!


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【ポイント】

■1.組織の成功が自分の成功につながる

僕はヴオルフスブルクで、自分を殺してプレーしているわけじゃない。
すぐに評価を上げようと思ったら、目立つプレーをした方が手っ取り早い。だけれど、組織に成功がもたらされたときには、必ずチームプレーをしている選手の評価も上がるはずだ。
焦らず我慢して継続すれば、いつか「組織の成功」と「自分の成功」が一致する。それを目指しているのであれば、組織のために自分のプレーを変えることは自分を殺すことではなくなる。


■2.運とは口説くもの
 普段からやるぺきことに取り組み、万全の準備をしていれば、運が巡ってきたときにつかむことができる。多分、運は誰にでもやってきていて、それを活かせるか、活かせないかは、それぞれの問題なのだと思う。(中略)

 以前、代理人のロべルト佃さんと運について話したことがある。ロべさんはアルゼンチンのことわざについて教えてくれた。
「スぺイン語で運(la suererte)は女性名詞。だから、アルゼンチンの人たちは「運を女性のように口説きなさい」と言うんだ。何も努力しないで振り向いてくれる女性なんていないだろ? それと同じで、運もこちらが必死に口説こうとしないと振り向いてくれないんだ」


■3.遅刻は信頼を失う
 時間に遅れるのはどこかに甘さがあり、本気で取り組んでいないという証拠だ。きつい言い方をすれば、まわりに対する尊敬の念が薄いと思われても仕方ない。
 また、そういう準備不足の人間がひとりでもいると組織の士気にも悪影響を及ぼす。ドイツには、「箱の中に腐ったリンゴがひとつでもあると、全部が腐ってしまう」ということわざがある。腐るとまでは言わないが、ひとりでも遅刻する人間がいると、組織としての集中力に雑音が生じると思う。


■4.常に最悪のケースを想定しておく
 最悪のケースを考えるというと、何だか悲観主義者のように思われてしまうかもしれないけれど、僕はそうは思わない。最悪を想定するのは、「失敗するかもしれない」と弱気になるためではなく、何が起きてもそれを受け止める覚悟があるという「決心を固める」作業でもあるからだ。
 後づけになってしまうけれど、パラグアイ戦のPK戦のとき、僕がすぐに立ち上がったのは、みんなで全力を出してやった結果なのだから、どんなラストが待っていようと悔いはないと捉えていたのかもしれない。今はそう思う。


■5.迷ったときこそ、難しい道を選ぶ
 ここまで歩んで来た道のりを振り返ると、挫折欲があるのかなぁと思うほど、僕は迷ったときに難しい道を選択してきた。周囲からしたら無茶な決断ばかりで、どこかで一度でも失敗していたら、今頃、何をしていたか分からない。両親は常に僕が選ぶ道に反対したし、実際、自分が親だったら同じように反対したと思う。怖いもの知らずというよりはただの無謀だった。
 しかし僕は知っている。難しい道ほど自分に多くのものをもたらし、新しい世界が目の前に広がることを。


■6.目を合わせて気持ちを伝える
自分が普段、選手としてミーティングを聞くときに監督の気持ちを伝えるうえで一番大切なのは、目を合わせることだと感じていた。目を合わせない監督もいるが、それだと気持ちが伝わってこない。だから、いくらみんなの目線が突き刺さっても絶対に目をそらさないようにしようと思っていた。
 僕は一人ひとりの目を順番に見るようにして言った。特に伝えたかったのは集中している選手のぺースを乱すような発言をする若手の姿が目についたため、そのことについてはどうしても言いたかった。


【感想】

◆当ブログでは、カテゴリーに「サッカー」を設けているくらいですから、本書の登場を期待されていた方もいらっしゃったかもしれません。

ただ、基本的にこのカテゴリーで取り上げているサッカー本は、メディア関係者や監督等のある程度の年齢以上の方の手によるものがほとんどで、例外は中村俊輔選手の『察知力』くらい。

本書も実は、他の現役選手の本同様、読みもせずにスルーしておりました。

それが、「発売1週間で7万部突破」ですとか、「印税全額寄付」といった話が出てくると、さすがに読んでおかないとマズイかな、と思ったワケでして。

もっとも実際には、寄付の話が出た頃から店頭でもキレイになくなっていて、こんなに遅くなってしまったという。


◆読んでみての率直な感想としては、「よく出来ている」

例えば、日頃は自己啓発書を読まない方でも、最近から代表戦を観始めたサッカーファンなら、ワールドカップやアジアカップでの日本代表の素顔を垣間見れることができますし、浦和レッズ時代から長谷部選手のことを知っているサッカーファンなら、Jリーグの裏話(?)等が楽しめます。

一方、読書好きの方には、長谷部選手の「オールタイムベスト5」なんてお勧め選書集が。

これは、雑誌『Number』の特集で長谷部選手が挙げたものです。

Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2010年 9/16号 [雑誌]
Sports Graphic Number (スポーツ・グラフィック ナンバー) 2010年 9/16号 [雑誌]

ネタバレ自重して、1冊だけ。

本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)

私よりも「ガチ」なんですが!


◆さらに長谷部選手は本を読むと「読書ノート」を作って、好きなフレーズを書き写しているそうで、フレーズとともに何冊か本が紹介されていました。

ちなみにこの本は、半分以上のページを折ってしまったくらいのお気に入りだとか。

「心の掃除」の上手い人下手な人 (集英社文庫 (さ28-6))
「心の掃除」の上手い人下手な人 (集英社文庫 (さ28-6))

そういえば、長谷部選手と言えば、ワールドカップ期間中『超訳 ニーチェの言葉』を愛読していたことが話題になりましたよね。

ディスカヴァー社長室blog: サッカー日本代表大躍進の陰に『ニーチェ』!?キャプテン長谷部選手の心に響いた言葉とは? ●大竹

長谷部選手自身、「いずれ監督になる」という夢があるため、「読書で得た偉人の言葉やエピソードで選手やチームを鼓舞したい」よう。

本が「読むだけで終わりがち」な私も、見習いたいくらいです。


◆そして、ハック好きなら「ワールドカップ期間中に長谷部選手が実践していた睡眠ハック」(?)に注目!

普通に考えたら、あれだけの大舞台の試合の前日なら、なかなか寝付けなくなりそうなものですが、期間中は「不思議なくらい快眠できた」とのこと。

6つほどTIPSが挙げられているうち、グッズ関係だけご紹介してみます(使い方等詳細は本書を)。

究極の眠れるCD
究極の眠れるCD

kuumba HAPPY クンバ ハッピー
kuumba HAPPY クンバ ハッピー

ニールズヤード レメディーズ ブレンドエッセンシャルオイル ナイトタイム5ml
ニールズヤード レメディーズ ブレンドエッセンシャルオイル ナイトタイム5ml

寝つきの悪い方はご参考まで。


◆なお、長谷部選手が所属するヴォルフスブルクは、現在リーグ18チーム中16位。

下位2クラブは2部に自動降格するので、結構な崖っぷちです。

既に今季は監督が2回変わり、現在は08/09シーズン制覇時の監督、フェリックス・マガトが返り咲いて、残留に向けて巻き返しているところ。

ただ、そのマガト監督のスパルタぶりは、本書を読む限りでは想像以上でした(マジで)。

長谷部選手も色々な意味で(?)大変だと思いますが、ぜひとも頑張って頂きたいものです。


普通に自己啓発書として十分なクオリティでした!

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
●意識して心を鎮める時間を作る
●過度な自意識は必要ない
●恨み貯金はしない
●お酒のチカラを利用しない
●注意は後腐れなく
●仲間の価値観に飛び込んでみる
●情報管理を怠らない
●競争は自分の栄養になる
●運とは口説くもの
●読書は自分の考えを進化させてくれる
●夜に時間に甘えない
●遅刻は努力を無駄にする
●ネットバカではいけない
●常に最悪を想定する
●自分が楽な方に流されると、誰かが傷つく
●外見は自分だけのものではない
●正論を振りかざさない ほか


【関連記事】

【羽生流】『結果を出し続けるために (ツキ、プレッシャー、ミスを味方にする法則)』羽生善治(2010年12月13日)

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【痛快!】「大人げない大人になれ!」成毛眞(2009年11月25日)

【サッカー】「察知力」中村俊輔(2008年06月09日)


【編集後記】

◆その長谷部選手がワールドカップ期間中、毎朝必ず観て、心を奮い立たせたというDVDがこちら。

Mr.Children “HOME” TOUR 2007~in the field~ [DVD]
Mr.Children “HOME” TOUR 2007~in the field~ [DVD]

具体的には『イノセントワールド』の大合唱部分で、ミスチルのメンバーと7万人の観客から元気をもらうそうです。

確かにこの部分は鳥肌モノですね〜。


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この記事へのコメント
               
いつも記事を読ませて頂いております。
長谷部選手の心を整える という表現はすばらしいと思います。是非読んでみたいです。
Posted by モテる女性 at 2011年04月06日 14:26
               
smoothさん、お久しぶりです!自分も最近、長谷部誠さんのこの本読んでみたいと思っていたのでブクログ登録してました♪「運とは口説くもの」など、なるほど…smoothさんの記事が決定打になりました(笑)、今度この本買ってみます!

最近紹介している本だと「創業者夫婦が初めて語る「やずや」の秘密」、面白そうですね、ブクログに登録させてください♪

自分も自己啓発というほどでもないですが、自分を高めるような本のレビューをいくつか書きました。よかったらまた遊びに来てください。

Posted by だいすけ at 2011年04月06日 17:10
               
smooth様、しばらくぶりです。

『心を整える。』、私も読みました♪
smooth様のおっしゃるとおり、現役の選手らしからぬしっかりした内容だったと思います。
長谷部選手の場合はまさに結果が証明してくれているので、本当に参考になりますね。
初めてsmooth様より先に本を手に入れてしまいましたので、思わず報告してしまいました(笑)

追伸:私も先日ブログで慣れない感想文を書いたばかりだったのですが、smooth様の記事を見ると改めてsmooth様の凄さが身に染みます‥‥
Posted by こちゅ at 2011年04月06日 20:26
               
smoothさんこんばんは

これは!買わなければ、というか、だんながすでに買っているかもしれないのできいてみます(^^)b
Posted by 赤っぴ at 2011年04月06日 22:46
               
>モテる女性さん

ご愛読ありがとうございます。
この本、サッカーに興味ない方でも、自己啓発本として十分楽しめると思いますよ〜。
ぜひ書店ででも見てみてください。

>だいすけさん

おぉ〜〜!!!
超ご無沙汰しておりました!!
「やずや」本は、かなりアツいですよ〜。
だいすけさんなら楽しめるハズ。
最近のレビュー、拝見させて頂きました。
ご商売されている方の本が多いですよね(ウチでは結構スキルアップ系が多いです)。
駅弁本はちょっと興味あります。
今度書店でチェックしてみようかな。
また遊びに来てくださいね!

>こちゅさん

ご無沙汰しております。
おっと!確かに一足先に今回の長谷部選手の本がレビューされてますね!
というか、高校時代のクラスメイトって、マジですか!??
スゴイ!
当時からあんなに自分に厳しかったんでしょうか?
本の中では、少年時代の結構ヤンチャな部分も見え隠れしてますが。

>赤っぴさん

レッズファンなら買うでしょうJKww
旦那様もきっとお持ちのはず。
私のように、初動で買い損ねて、なかなか手に入らない人もいますが(汗)。

Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年04月07日 04:58