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2011年03月24日

【文章術】『100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに』酒井聡樹


100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに-
100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに-


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、タイトルにもあるように、たった100ページで構成されている文章術の本。

ページ数が少ない分、無駄な要素は限りなく少なく、本全体が「文章術のまとめ」のような仕上がりでした。

また、著者の酒井先生のプロフィールが「東京大学大学院理学系研究科植物学専門課程博士課程修了。現在、東北大学大学院生命科学研究科・准教授・理学博士。専門分野は進化生態学」というだけあって、本書も雰囲気的にはアカデミック。

内容的には論文やレポート、卒論等の執筆に特に適しているようですが、「ビジネス文書・個人的な情報発信の文書までを対象に含めている」とのことなので、私たちビジネスパーソンにとっても有意義であることは間違いありません。

私の場合は、「耳イタイ指摘」の連続だったワケですが。


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【内容等】

◆せっかく本文がタイトに詰まっているので、本エントリーも「短めにわかりやすく」を意識してみたく。

まず、「わかりやすい文章を書く意義」について、本書ではこう例えています。
文章を書くということは、文章という乗り物に情報を載せて読者に届けることである。乗り物の性能(わかりやすさ)と、その文章が載せている情報の価値は別物だ。
つまり、どんなにすごい情報も、乗り物の性能が低ければ(わかりにくければ)読者に伝わることはない、ということ。
読者に確実に届くように、可能な限り性能の高い乗り物に載せてあげようではないか。
なるほど、納得。


◆さて、それではどうすれば「わかりやすい文章」が書けるのか?

本書では「文章全体としてわかりやすくする方法」「一つ一つの文をわかりやすくする方法」に大きく二つに分けて展開しています。

最初に「文章全体としてわかりやすくする方法」から。
■1.無駄な情報を削る
■2.一度に一つの話題だけを扱う
  2.1.一つの章では一つの大きな話題だけを扱う
  2.2.一つの段落では一つの話題だけを扱う (中略)

■4.原則として、前の文の要素を次の文の話題とする
■5.読者が待っている情報を与える (後略)
結構細かいので割愛しましたが、これらのテーマの1つ1つについて、それぞれ例文(悪例も!)を提示し、細かく解説しています。

ちなみに、複数の話題が入り込んでいないかどうかを見分けるコツは、「その段落の初めの方と終わりの方の文を読み比べること」だそう。


◆次に「一つ一つの文をわかりやすくする方法」
■1.一つの文で、一つのことだけを言う
  1.1.無駄な情報を削る
  1.2.複数の情報を次々とつなげない (中略)
 
■2.語順:重要な要素を先にする
  2.1.その文の扱う話題を先にする (中略)

■3.語と語との修飾関係を明確にする
  3.1.長い修飾語を先に、短い修飾語を後にする
  3.2.短い修飾語を先にするとき、その後ろにテンをうつ (後略)
いやもう私の場合、思い当たるフシがあり杉なんですがw

特に、1.の「無駄な情報」という点では、「そう言えば」とか「なお」「ちなみに」あたりに続く文章は、結構怪しいモノがありそうな(怖くて読み返せませんw)。

また、3.の修飾関係については、書いてる本人は「そのつもりで読んでしまう」ので、気がついてないことも多い気がします。


◆酒井先生曰く、「わかりにくい文を書いてしまう最大の原因は、推敲をおろそかにしてしまうこと」なのだそう。
頭に浮かんだ文がわかりやすいとは限らない。だから絶対に、思い浮かんだ文を書いて終わりにしてはいけない。「わかりやすいか」という意識を持って読み直すことが非常に大切である。
私自身、文章のリズム感を意識することはありましたが、「わかりやすいか」という点については、心もとないというか、正直なところ意識しておりませんでした。

ただ、その結果、上記で言うところの「乗り物の性能がよくない」ことになり、自分の考えや、本の魅力が伝えきれなかったら、それはそれで残念です。

もっとも、どの記事も大抵夜中に睡眠時間削って書いているので、ついつい妥協してしまうんですがw←言い訳


◆なお、本書は前後に該当部分や具体例がある場合に、「(3.3.3項参照;p.45)」のように、いちいちリファー表記があるので、あまり速読には向いていない点にはあらかじめご了承頂きたく(そもそも100ページの本を速読する必要があるか、という話しもありますが)。

さらに、推奨されている文章も、セールスコピーやキャッチコピーのような「惹き込む文章」とは違いますので、セールスページ等には不向きだと思われ。

それでも、「わかりやすい」「誤解をまねかない」文章というのは、ことビジネスシーンでは必須です。

オンオフで言うところの、オンタイムの文章術の指南本としては、かなり秀逸ではないでしょうか。


実践的な文章術をお試しアレ!

100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに-
100ページの文章術 -わかりやすい文章の書き方のすべてがここに-
第1章 文章術の前に
1.1 読者のために,あなたのために,わかりやすい文章を書こう
1.2 文章の理解とは
1.3 記憶の仕組み
1.4 わかりやすい文章とは

第2章 文章の構成要素
2.1 文章の構成
2.2 章・段落
2.3 文

第3章 文章全体としてわかりやすくする術
3.1 骨格を練る
3.2 無駄な情報を削る
3.3 一度に一つの話題だけを扱う
3.4 何の話をするのかを前もって知らせる
3.5 前の文の要素を,次の文の話題とする
3.6 読者が知らないであろうことは説明する
3.7 重要なことから述べる

第4章 一つ一つの文をわかりやすくする術
4.1 わかりやすい文を書くための心構え
4.2 一つの文で一つのことだけを言う
4.3 語順:重要な要素を先にする
4.4 語と語との修飾関係を明確にする
4.5 掛かり受けの関係を確認する
4.6 漢字とカナの混じり具合


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【編集後記】

◆本書の中でも登場している、『日本語の作文技術』に新装版が出ていたとは。

新装版 日本語の作文技術
新装版 日本語の作文技術

さすがにアマゾンでも高評価ですね。


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