2011年03月19日
【プロファイル】『文具王 高畑正幸の最強アイテム完全批評』
そこまでやるか!文具王 高畑正幸の最強アイテム完全批評 (日経ホームマガジン)
【本の概要】
◆昨日、寝起きに自宅のトイレに腰掛けたところ、節電で便座が冷たくてビックリして目が覚めたsmoothです。自分自身がネットを控えめにしているのに、長文のブログをお送りするのが忍びないので、今日はダラダラ書く必要のないムックをご紹介。
文具王こと高畑正幸さんの、日経トレンディネットでの連載、「最新文具ワンダーランド」をまとめた、『文具王 高畑正幸の最強アイテム完全批評 』です。
単なる文房具カタログとは一線を画す内容が、「文房具ヲタ」には、たまらないかと。
いつも応援ありがとうございます!
【内容&所感等】
◆本書で取り扱われている文房具は、全部で35アイテム(下記目次参照のこと)。いずれも、「デザインが秀逸」というよりは、「優れた性能」や「目からウロコの仕組み」を持つものがほとんど(デザイン"も"優れているものはありますが)であり、その分、テキストも多めです。
1つの製品について、それだけ語ることができるのは、著者の高畑さんが、その業界の方だから(「某文具メーカー」勤務)。
普通の人なら見過ごしてしまいそうな機能・仕組みも、高畑さんにとっては「何でそうなるの?」となってしまうワケで。
◆例えばこのスタンプ台。
瞬間ワンタッチ開閉式スタンプ台 オスパ【ブラック】 SA90095
押して開く製品は多いですが、これはもう1回押すと、フタが戻ってくる仕組み。
これは、バネ式ではありえない動きだと。
私なんぞ、上の動画を見ても何がありえないのかよく分からなかったのですが、確かにバネだったら、戻っては来ませんよね(仕掛けは本書にて)。
◆また、私も愛用しているこのノック式蛍光ペン。
ぺんてる ノック式蛍光ペン ハンディラインS スカイブルー
参考記事:【文房具】ノック式蛍光ペンを比較してみました(2009年02月12日)
高畑さんは、ペン先の乾燥を防ぐ仕組みを分解して確認し、イラストで解説されています。
その動画が上がっていたのでご紹介。
◆さらに、このハンディラインSは、他のノック式蛍光ペンにはない2つの特徴があります。
1つは、インク交換が可能なこと。
もう1つは、クリップ部分を開くと自動的にペン先が収納されること。
これらを可能にした秘密が、実はクリップにあるということを、高畑さんは突きとめます。
この極めて特殊なクリップのおかげで、通常のノックはもちろん、クリップで挟むとペン先が本体内に収納され、安全性も確保。かつ本体後部にはほとんど何も仕掛けが必要なくなるから、簡単にインクの交換ができるという、"一石三鳥"の絶妙な設計なのだ。正直、このクリップの裏の仕組みは分解するまで気づかなかった。これまた詳しくは本書を。
◆万事がこのような感じなので、「仕組みなんかわからなくても使えればいいじゃん」という方には、本書の醍醐味は伝わりにくいかも。
ただ、「文具ヲタ」を自称するワタクシにとっては、このハンディラインSについての高畑さんの次のお言葉の方が腑に落ちます。
「150円のノック式蛍光ペン」と書いてしまえば当たり前のようだが、それを実現するためのからくり仕掛けの美しさと巧妙な動きにしばし見とれたのである。他にも、「何で半分の力で綴じられるのか」とか、「何でセロテープがまっすぐに切れるのか」のように、使い手側が仕組みを知らなくとも、その機能を享受できるものについて、しっかりと分析。
マックス サクリフラット HD-10FL/OR オレンジ
ニチバン テープディスペンサー 直線美 白 TC-CB5
私は結構、本書に載っている文具を持っているのですが、今後それらを使う際に、本書の内容を反芻してみたいな、と。
ムックだけあって、全ページフルカラーですし、使われている画像も美しくて溜まりませぬ。
これはもう「文房具好き」を名乗るなら必携の1冊!
そこまでやるか!文具王 高畑正幸の最強アイテム完全批評 (日経ホームマガジン)
【書く】
◆冷やすと戻る!?消せるボールペン フリクションボール(パイロットコーポレーション)
◆メカメカしいが実は「楷書」が大得意 クルトガ(三菱鉛筆)
◆「キャップ不要の蛍光ペン」に驚くべき“まぶた”のカラクリが! ハンディラインS(ぺんてる)
◆ボールの回転数はF1並み!?滑るように書ける油性ボールペン ジェットストリーム(三菱鉛筆)
◆“指で加圧する”ボールペン!現場に強いアイデアの数々に脱帽 エアプレス(トンボ鉛筆)
◆「おんぶvsだっこ」!手帳と相性抜群の“しがみつく”ボールペン
おんぶっく(トンボ鉛筆)/バインダーボール(サンスター文具)
◆不満解決!「芯折れ」に挑んだシャープペンシル オ・レーヌ(プラチナ万年筆)
◆名前だけじゃない!体験したことのない「10B」の軟らかさ 筆鉛筆(三菱鉛筆)
◆ルーズリーフみたいに使える!ビジネスにも向く“ほぼ最強”ノート ツイストリング・ノート(リヒトラブ)
◆「ただのコピー用紙」を使うメモカバー。“適当”な便利さに参った!
保存するメモ帳 アブラサス(バリューイノベーション)
◆250年ぶりの大変革!海外から来た“天むす”色鉛筆 カラーストライプ(リラ)
【消す】
◆まるで「きりたんぽ」と「田楽」だ!極細ピンポイント消しゴム MONO ZERO(トンボ鉛筆)
◆文字を「文字」で隠す!これは人間の脳に対する挑戦だ ケシポン(プラス)
【切る】
◆カッターナイフにイイトコドリ新規格!(上手に使うコツも) 万能M厚型(オルファ9
◆驚きの刃交換方式!10年使える“機能美”カッター MZ-AL型(オルファ)
◆ペン型ハサミが隠し持つ“驚きの機能”に脱帽! ペンカット(レイメイ藤井)
【貼る】
◆セロテープが“真っすぐ”切れる衝撃の仕掛け テープカッター 直線美(ニチバン)
◆“もう一つのDS”に期待!道具と関節の関係を克服する テープのりDS(ニチバン)
◆“スタンプ専用”なのに押してない!?テープのり ドットライナースタンプ(コクヨS&T)
◆シールが蛍光ペンや修正テープに!?体積、重さほぼゼロの“貼る文房具” ポータブル(エーワン)
◆ゾウとネズミの関係と同じ?ミニ文具のウラ側には別世界が…
消えいろピットXS(トンボ鉛筆)
◆20年目のMac対応に興奮!これは“テプラ2.0”だ テプラPRO SR3700P(キングジム)
◆デザイン一新のキューブ型意欲感じるが、納得いかない点が テプラPRO SR600(キングジム)
【とじる】
◆“とじる力半分”のステープラーそんな虫のいい話あるわけない? サクリフラ
ほか
【関連記事】
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【逸品】文具王オススメのパンチ『アリシス』を買ってみました(2010年10月03日)
【文房具】アソシエの文房具特集が見逃すには惜しい件(2011年03月16日)
【文房具】「爆発的に仕事効率が上がる[(驚)文房具]名鑑」@『SPA!』から選んだ文房具10選(2011年03月11日)
【編集後記】
◆今、一部で話題となっているのが、ディスカヴァーさんの新刊。バタフライ・エフェクト 世界を変える力
私たちの小さな動きが、被災地のお役に立ちますように。
ご声援ありがとうございました!
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