2011年02月28日
【脱・初心者】『英語が社内公用語になっても怖くない』に学ぶ5つの英語上達法

英語が社内公用語になっても怖くない グローバルイングリッシュ宣言! (講談社プラスアルファ新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、最近よく目にする「英語の社内公用語化」に関するご本。ただし、本書は『もし御社の公用語が英語になったら』や『世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人』といった類書に比べると、より「英語学習法」にページを割いてるのが特徴です。
特に第5章から第8章にかけては、それぞれ「レベルゼロ」から「レベル3」までレベルに応じてアドバイスがされているという。
そこで今回は、特にレベルゼロ(TOEIC700点未満)向けの部分を中心に、英語学習のポイントを5つ選んでみました。
お恥ずかしながら、私もこのレベルに該当しているもので……。

【目次】
序章 「世界で使われている英語」の正体
第1章 間違いだらけの「英語社内公用語化」
第2章 日本人の英語力はなぜ伸びないか
第3章 英語を効果的に身につけるには
第4章 「英語以前」の日本人の大問題
第5章 レベルゼロ:「英語嫌い」から脱出せよ
第6章 レベル1:「TOEIC700点、でも使えない」を越えて
第7章 レベル2:「かろうじて使っている」からの6ステップ
第8章 レベル3:「英語で戦える」ビジネスパーソンになる
【5つの英語上達法】
■1.なぜ英語を身につけるのか? 自分のビジョンと動機を確認せよ!漠然とした動機だけでは、漠然とした結果しか期待できないのは自明の理。「とりあえず英語を身につけよう」という程度の動機だけなら、英会話スクールの恰好の「とりあえずお客さん」で終わってしまう。◆実際に著者の船川さんが、レベル3まで英語を極めた人に聞いてみると、最初は漠然とした「あこがれ」であっても、そこからさらに英語圏に広がる世界に関心を持ち、コミュニケーションをとりながら英語力を高めていくという「グッドサイクル」に入っているそう。
これは一般的には「統合的動機づけ」と言うのですが、英語上達には重要な鍵となるのだとか。
■2.習うよりも慣れろ、マネをせよ!
2010年、私も取材協力をした「非ネイティブの英語(=グロービッシュ)が世界の共通語になる」という特集記事を掲載したビジネス誌では、上海、北京、ソウルで英語を使って活躍している中国人、韓国人に対するインタビューを掲載していた(『週刊東洋経済』2010年9月18日号)。その中に登場したほとんどの人がやっていたのが、CNN、映画、ドラマなどを多く観ながら、マネられるものはマネるということだった。そう、マネをする対象は、実際に会っている外国人たちだけでなく、今や、広くいろいろな媒体を利用できるようになっているわけだ。◆本書の別の章には、英語学習に役立つ映画の「定番」が紹介されていました。
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また、船川さんご自身も、シリコンバレーにいた4年間は、車の中はオーディオテープだらけだったそう。
■3.インプットせよ、訳さないで読む
以前、ある外資系の製薬会社で、それほど流暢ではないけれども英語で仕事を十分こなしている方がいた。彼は語感が非常に冴えていて、的確なことばを使っていた。「秘訣は?」と尋ねたところ、「薬に関する文献に関しては相当読んできた」という返事であった。このように、自分の分野、仕事に必要なことから始めればいいわけだ。◆もちろん必ずしもインプットの材料は、仕事に関するものである必要はなく、「好きな商品を扱う外国企業のサイトをチェック」するのでも良いとのこと。
私だったら、ライフハック系の海外のサイトをチェックしたいところです。
また、「ハリー・ポッター」や「マザー・グース」は、かえって難しい言い回しがあったり、内容がなじみにくいので、「おすすめできるとは言いがたい」のだとか。
■4.「つながる」を体感せよ! 1語1訳と単語の丸暗記はもうしない
単語と単語がつながれば新たなことばが生まれるし、文ができる。単語と意味がつながると理解が生まれる。その「意味」が、日本のことばで1対1の対応になる必要はない。それにこだわってしまうのが「1語1訳という悪癖」だと前でも述べた。むしろ、ことばと現実の事象やイメージがつながって、ことばの意味が腹にストンと落ちる感覚が大事なのだ。◆「1語1訳」とは、文字通り、1つの英単語に日本語の訳が1つある(その逆も含む)という思い込みのこと。
英語を使っている人に聞いてみると、必ずといっていいほど、「1語1訳はやってません」という返事が返ってくるのだそう。
■5.英和辞典よりも類語辞典(thesaurus)と英英辞典を使え
英和辞典を使うと、たしかに気になることばのチェックは楽だ。だだし、これまで述べてきたように「1語1訳という悪癖」に陥ることなく、早い段階から"thesaurus"や英英辞典も併用するとよい。私の経験からしても、英語を使っているほかの人を見ても、ある程度のレベル――TOEICのスコアでいわば、700点を超える段階――になったら、なるべく英和辞典を使わずに、"thesaurus"と英英辞典で、ことばの語幹もチェックしながら語感を磨くことをおすすめしたい。◆私のTOEICスコアは700点に届いていないものの、英国短期留学中は、確かに、英和辞典は使わず英英辞典1本で何とかなりました。
また、船川さんによると、類語辞典を使いだしてから、みるみる語彙が増えていくのを体感できたとのこと。
ですからTOEICの点数にこだわらず、類語辞典は使ってみてもよいと思われ。
【感想】
◆冒頭で申しあげたように、これらは「レベルゼロ向け」のTIPSになります。目次で言うところの第5章であり、以降第6章〜8章までで、残りのレベル1〜3に対応。
TIPSも全部だと24にものぼります。
ただし、レベルが違うものを同じくくりでご紹介するのはちょっと無理があると思ったので、今般初心者向けにフォーカスした次第。
TOEICが700点を超える方については、残りのTIPSをご覧頂きたく。
◆参考までに、割愛したTIPSのタイトルを列挙してみると、こんな感じです。
・まずは「牛丼英語」から始める
・沈黙は禁! 2.1秒ルールを実践せよ
・Enunciation! 発音(Pronunciation)だけじゃない!
・"Why?"と"So What?"に強くなれ
・日本について語れるか? アイデンティティを確立せよ!
・人間に対する深い洞察力を磨け
後ろ(レベルが上)に行くほど、だんだん英語そのものよりも、その前段となる部分も必要になってくる感じかと。
◆これらTIPSについても参考になりましたが、実はこれらが登場する前、つまり第4章まででも付箋は貼りまくっています。
中でも興味深かったのが、船川さんは、セミナーで英語のできる日本人参加者には、どのようにして英語を身につけたのかをヒアリングしている、というお話。
そこから言えるのは、『「ラクして身につけた」という人はまずいない』ということ。
また、皆それぞれ自分で工夫しながら、ダイナミックで立体的な学びを掴みとっているのだそう。
例えば、英語の映画やテレビドラマを観るにしても、声のトーンや表情、ボディランゲージまで参考にしています。
逆に言うと、ただ漫然と観ているだけでは、英語が身につかないのは当然なんですね。
英語嫌いを克服して、世界で活躍したい方にオススメ!

英語が社内公用語になっても怖くない グローバルイングリッシュ宣言! (講談社プラスアルファ新書)
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【編集後記】
◆今日のご本に関連して、こんな本もご紹介。
すぐ使える仕事英語――英語公用語化、外資系のリアル
社内英語化や外資系でも、これさえ押さえていれば大丈夫! 外資系 キャリア20年の百戦錬磨で積み上げた実戦英語のノウハウとコツを伝授する。装丁はちょっとアレですが、この本も面白そうです。

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