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2011年02月26日

【オススメ】『世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人』キャメル・ヤマモト


世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人
世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人


【本の概要】

◆今日お送りするのは、これからのグローバル時代における、サバイバル術を指南するご本。

先日、『もし御社の公用語が英語になったら』という本をご紹介したばかりですが、そちらでは収録されていなかった、実際に英語が公用化された会社の具体例も登場しています。

また、取り上げる内容も英語だけでなく、身に付けるべきスキルや、キャリアプラン等盛りだくさん。

時代の流れに敏感なビジネスパーソンなら、目を通しておきたい1冊です!


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【目次】

第1章 あなたも人材仕分けの対象になる

第2章 外国人と対等に戦う――外交力

第3章 自分だけのワザをもつ――専門性と汎用性

第4章 人を導く技術を身に付ける――リーダーシップ

第5章 自分の将来像を描く――キャリアアップ

エピローグ


【ポイント】

■1.会社の公用語が英語になって誰が困るのか?
 あなたはきっと、僕が「あなたの部下」と「あなたの上司」といったとき、彼や彼女が日本人だと想定していたのではないか。その想定自体が新しい時代では誤っている可能性にあなたは気づいていない。新しい想定では、あなたの部下の一人は、中国人で、中国のいい大学をでている人材だから英語には困らない。もう一人はインド人でもちろん英語には困らない。もう一人は韓国人でこれもまた困らない。困る部下がいるとしたらそれは日本文化の中で純粋に育った人材か、北朝鮮で育った人材だけかもしれない。


■2.ゴーン・日産で実際に起こったこと
 彼女(日産に転職した著者の知り合い)の上司は日本人だったが、上司の同僚やスタッフにフランス人その他の外国人がいるので、英語でプレゼンすることになった。もちろん、はじめは、英語があまりできない人が多かったという。近所の英会話教室が、日産社員でいっぱいになった時期もあったという。その後は、週2度、毎朝、8時から10時まで、必要な人は語学教育を受けることとなったらしい。そういう実践の必要性に迫られる中で、英語は、いやでもうまくなるのだ。


■3.イギリス人をトップにすえた日本板硝子
 日本板硝子は、2006年に、自社の2倍の規模の英国のグローバル企業ピルキントンを買収した。そして、日本人経営メンバーと外国人経営メンバーの性能比較アセスメント等を行った上で、日本板硝子を含めてグローバル経営のトップ(CEO)を日本人から、買収先のピルキントンの英国人トップにすげ替えた。
 実は、買収先の外国人トップを買収側も含めた全体のトップにおくというのは、これまでの日本企業では考えられないことだ。(中略)

 その理由はただ一つ。買収先の英国人トップが、日本人トップよりも、グローバル企業を経営する力でまさってたからである。


■4.フラット化したグローバル組織の構成
 結局、フラット化したグローバル組織は、全体としてみればこういう組み合わせになる。自分の専門領域をもちつつ他者と協働しながら自律して動けるプロ型の「グローバル人材」と、そういうプロ化した部下たちからみても一目おかれるような非常に高いレベルのリーダーシップを発揮できる「グローバルリーダー」の組み合せとなる。
 それ以外は、海外の「安い人(+IT)」にアウトソースされるので、「余る人」となっていく。


■5.3ヶ月で500個の英文を覚える
 まず、そのテキストから、50個くらいのセンテンスを選び、それを覚えていく。
 毎日7個ずつ覚える。さきほど、5分で一つのペースを紹介したが、すぐに慣れてくるので、5分の間に、3〜4個のセンテンスを処理できるようになる。(中略)

 このようにやると、5日間で50個程度覚えられる。翌日(6日目)と翌々日(7日目)は、50個全体の復習をざっとやる。これで1週間に50個覚えるペースができる。
 そういうのを10週間、つまり2ヶ月半続ければ、500個になる。さらに2週間かけてひたすら復習すると3ヶ月になる。つまり3ヶ月で500個の英文を覚えることになる。決して手を抜いてはいけない。


■6.身に付けるべき専門性を見つける3つの問い
・職能的な専門性で何か該当するものがないか? つまり「研究」「開発」「調達・物流」「製造」「マーケティング」「営業」「財務」「経営企画(戦略)」「人事」「IT」「法務」「広報・IR」の中で何もないか? 何かあるはずだ。それを選べばよい。

・どこかの国や地域に関係したことがないか? たとえば偉い人のお供でインドに出張したことはないか。インドでの事業の立ち上げにかかわったことはないか。

・何かの事業に関係していないか?


■7.48歳でトップに立つ5年5場所
 もし、48歳でリーダーとしてトップスピードにはいれるようにするには、仮に、23歳で会社にはいったら、25年しかない(48-23=25)。この25年の過ごし方が、あなたの成長の可能性をほとんど決める。そして、さきほど触れたように、ここで、何回かうまくジャンプできた人が、グローバル人材、さらにはグローバルリーダーになっていく。(中略)
 さらに、どれくらいのスピードで、一つの役割から次の役割に移るのが成長にとってよいか、これも重要なテーマである。(中略)
 ここでは、話をわかりやすくするために、5年刻みで考えてみた。25年は、5年で区切ると、5つになる。僕はこれを「5年5場所」のキャリアモデルと呼ぶことにした。

 (詳細は本書を)


【感想】

◆上記ポイントでもいくつかご紹介しましたが、本書の第1章では、「グローバル化」を行っている企業の実例が、実名・匿名併せていくつも収録されています。

そこで明らかにされているのが、いくつもの会社で現時点、もしくは近い将来に、会社全体まではいかなくとも、一事業、一機能のレベルであれば、外国人をトップにすえている、ということ。

そうなると、社内全体で英語が公用化するかは別として、英語でのコミュニケーションプレゼンテーション等の能力が問われることになります。

さらには、ライバルや同僚もも日本人ではなく、外国人になる可能性も出てくるワケで、必然的に今までとは違うスキルを身に付ける必要も出てくることに。


◆そしてそれを明らかにしているのが第2章の「外国人と対等に戦う――外交力」

ここでいう「外交力」とは、著者のヤマモトさんによると「語学力・コミュニケーション力」「人脈形成力」「世界情勢判断力」の3つ。

詳細は本書で確認して頂くとして、紹介されていた教材を自分用にメモ。

和文英訳の修業 4訂新版
和文英訳の修業 4訂新版

発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) (CD BOOK)
発信型英語10000語レベル スーパーボキャブラリービルディング(CD3枚付) (CD BOOK)

もういちど読む山川世界史
もういちど読む山川世界史

世界の諸地域NOW〈2010〉―図説地理資料
世界の諸地域NOW〈2010〉―図説地理資料

特に、付属高校上がりの私は、まともに世界史や地理を勉強していないので(言い訳w)、目を通しておく必要がありそうです。


◆第3章以降は、キャリアプランのお話で、当然のように「グローバル対応仕様」

第3章における、『専門性を極めるのは当然のこと、汎用性も身に付けるべく、「問題解決力」を磨け』というお話には深く納得(詳細は本書を)。

また、第4章ではリーダーシップのお話が展開されており、どうもグローバル組織を動かす上では、「水平的リーダーシップ」が鍵となる能力のよう。

長くなるのでご紹介できなかったのですが、その実例として紹介されていた、5〜6年前のソニーのテレビ事業部における、とある部長さんの見事な活躍ぶりは、グローバル化時代のよいお手本と言えそうなので、ぜひご確認頂きたく。


◆実は、本書の著者であるキャメル・ヤマモトさんは、2001年に『稼ぐ人、安い人、余る人―仕事で幸せになる』という、本を書かれているものの、ここではグローバル化の視点はなかったとのこと。

そこで今般、本書という、現状に対応した「グローバルバージョン」を書き上げたそうです。

今後、かなり多くの職場でグローバル化が徐々に始まる(もしくはすでに始まっている)ことを考えると、本書を読むべきビジネスパーソンは、決して少なくないハズ。

私自身は自営業で、かつ今のところはバリバリにドメスティックなのですが、本書を読んで考えるところがかなりありました。

いずれにせよ、このコンテンツが1000円というのは、お買い得だと思われ。


これはオススメせざるを得ません!

世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人
世界で稼ぐ人中国に使われる人日本でくすぶる人


【関連記事】

【英語公用化!?】『もし御社の公用語が英語になったら 生き残るための21の方法』森島秀明(2011年02月05日)

【オススメ】『35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書』渡邉正裕(2010年10月14日)

【アマゾンキャンペーン有】「自分をグローバル化する仕事術」天野雅晴(2008年08月30日)

【リストラなう】「外資系金融マンのリストラ日記」六本木健(2010年05月08日)

【キャリア育成】「本田式サバイバル・キャリア術」本田直之(2009年03月21日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本に関連して。

英語が社内公用語になっても怖くない グローバルイングリッシュ宣言! (講談社プラスアルファ新書)
英語が社内公用語になっても怖くない グローバルイングリッシュ宣言! (講談社プラスアルファ新書)

こちらはもうちょっと英語寄りの内容のようです。


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この記事へのコメント
               
この書籍、今朝の日経に広告が出ていて、タイトルからしても是非読んでみよう、と思っていたところです。「5年5場所」のキャリアプラン、納得です。
Posted by 片木 at 2011年02月26日 14:08
               
>片木さん

そうなんですよねー。
新聞広告のおかけで、さっそく在庫切れになってしまったという(涙)。
5年5場所の件は、私の場合すでにトップにいなきゃいけない年なんですけどね(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年02月27日 04:09