2011年02月14日
【英語】『残念な人の英語勉強法』山崎将志
残念な人の英語勉強法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「残念な人シリーズ」でお馴染みの山崎将志さんの英語勉強本。山崎さんのコンサルタントという本業や過去の著作から、正直なところ「何で英語本?」と思ったのですが、これが意外とスキルフルなお話でビックリw
もっとも、共著者のDean R. Rogersさんは英会話学校の経営者であり、また、山崎さんご自身も実は英語が意外にお得意(失礼)なこともあるためか、山崎さんがベストセラー著者だと知らなくても、英語コーナーにおいてあったら、「普通に売れそうな仕上がり」だと感じました。
しかも、完全な「ビジネスパーソン仕様」ですので、当ブログの読者さんにはピッタリだと思われ。
2日連続で画像を貼るのもどうかと思うので自重しますが、これまた付箋を貼りまくりました!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
1章 日本人の英語はなぜ通じないのか
2章 間違いだらけの英語学習
3章 もしネイティブがTOEICを受けたら
4章 脱・残念な英語
5章 説得力の要は発音
6章 一生もののボキャブラリーと文法
7章 ビジネス英語のフレームワーク
8章 英語以前の学びの本質
【ポイント】
■1.成果が出ない人の英語勉強法の特徴・わからないことをわかるようにするのではなく、すでに知っていることを確認することで時間を浪費している
・英語のコアになる部分が理解できていないのに、難しいことを学ぼうとしている
・本質的な部分とそれほど重要でない部分の区別ができていないので、勉強時間あたりの生産性が低くなっている
■2.こども英会話で自然に覚えるのは不可能
よく、子供は自然に言葉を覚えるから、英語もそうだろうという話があるが、これは間違いである。子供が言葉を覚えるのは、言葉が理解できないと、生活に困るからだ。ご飯が食べたい、トイレに行きたい、痛いから何とかしてもらいたい、友達と遊びたい、おもちゃが欲しい、という必要性が根底にあるから、言葉ができるようになるのだ。
■3.TOEICで730点取れたら、TOEICの勉強を離れる
おそらく、発音、文法、ボキャブラリーの基本的なところがおさえられているのが、730点のレベルだと思われるが、その先はTOEICの勉強よりは、むしろ、自分の仕事に関係することだけに集中して英単語や表現を覚えたほうがよいだろう。(中略)
TOEICで満点を取るための勉強は、特にビジネスパーソンにとっては本当にムダだと思う。ネイティブでさえ満点を取れないテストで、満点を目標にすることに何の意味があるのだろう。仕事で使うための英語を勉強し、実践した「結果」として満点が取れるようなやり方が必要だ。
■4.アルファベットと、1から10までの数字の正しい発音を理解する
正しい発音の習得のために、まずお勧めしたいのが、アルファベットと、1から10までの単語の正しい発音を徹底的に訓練することである。全部でたったの36語だ。いまさら、という向きもあるかもしれないが、ほとんどの人が正しい発音を知らないし、できていない。(中略)
ちなみに、この36語は投下時間に対する効果が高い。なぜなら、アメリカ英語の主な音のうち、この36語で母音の45%、子音の80%をカバーできるのだ。
■5.単語帳で語彙力はつかない
私が使った本を含めて、一般的に単語帳は単語と日本語の対訳が書かれている。しかし、この「英単語と日本語訳」の組み合せで意味を覚えることに、たいへんな無理があるのだ。
なぜなら、状況や経験とリンクしていない記憶は、後で取り出すことが非常に難しいからである。この理論については、拙著『eラーニング』(ダイヤモンド社)に詳しいので、参考にして頂きたい。
eラーニング―実践的スキルの習得技法
■6.聞きこんでしまった『実践ビジネス英語』
2010年の4月と5月のCD-ROMを買ってみて聞き流しに使おうと思ったのだが、「聞き流せ」なかった。内容が面白いため、「聞きこんで」しまったのである。(中略)
ここで扱われていた内容は、逆におおよそ頭に残っている。どういう単語が出てきたかもほぼ覚えている。
これは、自分の興味のある分野が扱われていて、しかも表現も含めた「文脈」でセットで記憶しているからである。
NHKラジオ実践ビジネス英語 2010 5 (NHK CD)
■7.深く学ぶべき重要単語83
重要な品詞のうち、どれだけ勉強を進めていっても、ほとんど数が増えていかない品詞がある。それは、前置詞、助動詞、冠詞の3つである。この3つで43単語だ。これらは、ボキャブラリーというよりは、文法と絡めて勉強すべき分野である。
次に動詞である。動詞は、ほとんどひとつの意味しか持たないものと、他の品詞と一緒になって熟語となり、高頻度で使われるものとがある。たとえばtake,makeなどであり、それらをピックアップしていくと、40語に絞られる。
とりあえず、この動詞40語と、先ほどの43語、合計83語に絞って、意味を深く理解すれば、Effective Business English Speakerを目指すのに、十分な素地ができあがる。
まずは、ここに集中しようというのが我々の提案だ。
【感想】
◆えー、ここから書くことは、社会人になってからまともに英語勉強していない私のたわごとですので、それをご了承の上でお読み頂きたく(←いいわけ)。まず本書では、ある程度まではTOEICについてその価値を認めてはいるものの、過度な資源投下については否定的なスタンス。
上記で挙げたポイント以外にも、例えば第3章ではネイティブ24人(求人サイトで様々なグループから選出)にTOEICを受験してもらい、その問題点を探っています。
もちろん、満点である990点を取った人も結構いるのですが、逆に200問全問正解した人もいなかったとのこと(具体的に「ネイティブが正解できなかった問題トップ3」も提示されていますので、興味のある方はご確認を)。
確かにあるレベル以上からは、かけた時間ほど点数が伸びない、という話は聞いたことはありますが、高次元でTOEICに挑戦されている方にしてみれば、耳痛いカモ。
また、幼児の英会話教室や、聞き流しの教材についてバッサリ斬り捨てているのも、「業者的に」(?)論議を呼びそうなw
◆一方で、発音に関して結構なページを割いているのも本書の特徴です。
「発音できない単語は聞き取れない」という話を聞いたことがある(これまた曖昧な情報でスイマセン)私としては、「なるほどねー」と思うばかりなのですが、どうも本書の共著者のDean R. Rogersさんの経営されている英会話学校のプログラムが、発音矯正に力を入れているらしく。
ただ、日本語は、英語に比べ音の数が少ない(日本語:20種類、英語:45種類)ため、同音異義語が多く、「聞き手の能力に依存している」、というクダリには深く納得。
確かに同音異義語を正しく認識するには、文脈を読む必要がありますよね。
逆に英語は「話し手の発音能力に依存している」ため、発音スキルを磨く必要があるよう。
◆もっとも本書は発音ばかりに注力しているのではなく、6章以降では、語彙や文法の学び方や、ビジネスシーンで使える英語の勉強法、さらには教材について言及しています。
例えば「英語的な考え方」を理解する上でお薦めされたうちの1冊がこちら。
その英語、ネイティブはカチンときます (青春新書INTELLIGENCE)
どこかで見たことがあるなー、と思ったら、成毛眞さんがブログでご紹介されていたのでした。
『その英語 ネイティブはカチンときます』 - 成毛眞ブログ
また、自己紹介の雛型や、巻末には、カスタマイズして使える、「プロジェクトを始める際の提案書のフレームワーク」などもアリ。
まさにビジネスパーソン向けの英語学習本と言えると思います。
「費用対効果の高い英語学習」を望むなら必読の1冊!
残念な人の英語勉強法
【関連記事】
【英語】「英語多読 続けるコツ」@日経産業新聞(2010年09月23日)【メモ】週刊東洋経済の「非ネイティブの英語術」は結構キテます!(2010年09月14日)
【英語】アソシエの『やり直し「英語」勉強法』が濃厚だった件(2010年03月06日)
【英語】「ビジネスパーソンの英単語帳」関谷英里子(2009年12月24日)
【英語】『「伝わる英語」習得術』から学んだ「英語活用5つのツボ」&「勉強法4つのポイント」(2009年09月09日)
【編集後記】
◆先日の記事のコメントでmishiaさんにオススメ頂いたのがこちら。英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法
下記の記事とか、とんでもないブクマ付いてます!
英語上達完全マップを10ヶ月やってみた
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