2011年02月10日
【身だしなみ】『4分5秒で話は決まる ビジネス成功のための印象戦略』山川碧子
4分5秒で話は決まる ビジネス成功のための印象戦略 (朝日新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々の「身だしなみ」ネタのご本。本書の著者の山川碧子さんは、国際イメージコンサルタントであり、会社役員等ビジネスパーソンに外見戦略を授けられてきた方です。
本書の内容も、単なる着こなし術に留まらない多彩な内容で、なるほど副題の「ビジネス成功のための印象戦略」というのも納得。
同じ「ファッション」でも、「モテ」より「ビジネス」寄りの、ガチな1冊です!
いつも応援ありがとうございます!
【目次】
はじめに
第一章 なぜ4分と5秒ですべてが決まってしまうのか
第二章 あの人に会うならこれたけは〜三つのシーンで印象を上げる
第三章 出あいがしらの「5秒」を制する! 基本の装い術
第四章 「あなたと仕事がしたい」と言わせるしぐさ術
第五章 やっていないか! 大きく印象を下げるNGしぐさ
第六章 なぜか「感じのいい人」と言われる身だしなみのツボ
おわりに
参考文献
【ポイント】
■1.第一印象は「4分5秒」で決まる第一印象は、(1)服装などのパッと見で判断する「5秒間の短期的な印象」と、(2)その後に続くコミュニケーションによって判断する「4分後の永続性のある印象」に分かれます。「第一印象は数秒で決まる」「人は見た目の印象で9割が決まる」などと言われますが、その5秒の印象はその後の4分間で変化を生みます。
服装などの見た目に気づかいはもちろん大切ですが、仮に見た目の印象があまり良くなくても、会話や身のこなし(立ち居振る舞い)で、あなたの印象をレべルアップさせることは、十分に可能ということになります。
■2.印象を良くするために「類似性」を作る
とくに男性の場合は、見た目に自分と似ているところ、なんらかの「類似性」を求める、ということをお伝えしました。事前情報として、その「類似性」を知るためには、相手の著書やホームぺージ、パンフレットや掲載雑誌などがある場合は、それらに目を通す。とにかく相手がどんな人か、どのような好みか、を知ることです。
社長や役員、社員の写った画像がある場合は、その装いを入念にチェック。スーツの胸元でシャツとネクタイが組み合わさった「Vゾーン」を似たような色合いや印象にすることを少し意識するだけでも「類似性」は高まるはずです。
■3.印象が確実に上がる3つのチェックポイント
●鼻、額の脂浮きはないか?
最近は男性用の「脂とりぺーパー」が発売されています。顔が汗ばんだり、脂っぽくなったと感じたときに、これを顔に当てたり、皮脂を拭き取ったりすることで、見た目の清潔感をアップさせてくれます。
●メガネのレンズが汚れていないか?
本来、クリアなはずのレンズに少しでも汚れがついていると、反対に清潔な印象に大きなダメージを与えます。レンズの汚れは、かけている方のほうが、気付かない場合があります。マメなチェックが必要です。
●清潔なハンカチを持っているか?
自分一人で使うものであるはずのハンカチですが、意外にも人目につきやすいものです。理想的なのは、アイロンをかけたきれいなハンカチであることはいうまでもありません。(中略)最初はきれいでも、手や汗を何度も拭くことで、どうしてもシワやくたびれた感じが出てきてしまいます。使っていると仕方がないことですので、その対策としては、予備のハンカチを持つこと。
■4.紺色と濃いグレーがスーツの基本色
欧米に比べると、日本では若い方を中心にピジネスシーンでも<黒>のスーツを着ている方もいらっしゃいますが、<黒>は、きちんとした印象というよりも、流行を意識しているというトレンド感が強く出る色でもあります。ですので、40代以上の方が着ると、どうしても"ちょい悪"を意識しているような印象になることもあるので、注意が必要です。
きちんとした印象を出したいのであれば、基本色は<紺>と<チャコールグレー>の2色にして、その素材感と柄で違いを出していくのがおすすめです。
■5.ジャストフィットのスーツ選びは「肩」で
スーツを選ぶとき、体のどの部分が合っていることを重要視するか? 最も重要視してほしいポイントは「肩」です。「スーツは肩で着る」とも言われます。(中略)
逆に袖丈(肩から袖先までの長さ)や着丈(首の後ろから上着の裾までの長さ)などは、お直しで調整することが可能です。試着したときに、以下のポイントをチェックしてみましょう。1.肩のかたち、大きさが合っているか?
2.腕を曲げてラクに上下に動かせるか?
3.前ボタンを留めたとき、その周りが引っ張られていないか?
4.背中に大きな横シワ、縦ジワができないか?
5.椅子に座って、楽な姿勢で靴ひもが結べるか?
■6.ネクタイの下のシャツの第一ボタンは必ず締める
スーツ姿のシャツの着方で、明らかに相手に「だらしがない」と感じさせてしまうことがあります。それはネクタイの下のシャツの第一ボタンをはずしていること。以前は、首のサイズが合わないため、はずしている、というように見受けられる方が多かったのですが、最近ではサイズよりも、着る意識の問題。クールビズの影響でカジュアル化が進み、ノーネクタイのときに第一ボタンをはずして着る感覚で、そのままネクタイをしています。(中略)
ネクタイ着用のビジネスシーンで、シャツの第一ボタンは必ず締めておく、ということを忘れないでください。シャツの第一ボタンが外れている方は、間違いなく、ネクタイの結び目も緩みがちです。
■7.背筋を伸ばして座るだけで評価は高まる
男性の場合は、むずかしいことを考えず、シンプルにいつでもこの3点を気にしてみましょう。1.背筋を伸ばす意識している男性が少ない分、良い姿勢をちょっと意識するだけでも大きな違いが出てきます。とくに自分のデスクや会議のときなど、座っているときほどその違いは、顕著です。座ったら、どんなに疲れていても背筋をピンと伸ぽす、これが自分のスイッチを入れることであり、必ず周りの高い評価につながります。
2.胸を張る
3.アゴを引く
【感想】
◆「イメージコンサルタント」の方の本というので、最初は「身だしなみ」「着こなし」本だと思っていたのですが、実は「そのほか」のコンテンツも結構収録されていました。それが第4章と第5章で取り上げられている「しぐさ」。
具体的にはこの本で描かれていたような、「表情」や「声」等による印象操作になります。
FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学
参考記事:【必読】『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』緊急レポート(2011年01月29日)
さすがに専門家が書いているこの本を上回る程ではないのですが、イメージコンサルタントの方の本で、こういった部分まで踏み込んでいる作品を読んだのは、多分初めてかと。
◆もちろん、「身だしなみ」や「着こなし」についても抜かりなく、今回の記事では、そちらばかり抜き出しております。
基本のスーツの話や肩でのフィッティングの話は当然として、着こなしで私がやらかしていたのが「ネクタイの下のシャツの第一ボタンを留めない」。
どうせネクタイで見えないのだからいいや、と思って、いつも留めていませんでした。
指摘されているように、日頃はボタンダウンをノータイで着ているため、その延長線上で考えており、これはさっそく改めることに。
また、身だしなみは抜かりない、と思っていましたが、「メガネのレンズの汚れ」は、たまに気がついた時に拭いていたワケで、逆に人と会う前にはまずチェックしておかないといけなかったな、と、これまた反省。
◆そして、今回この本で特に「なるほど」と思ったのが、俗に言うTPOに「W(Who)」を加えて、「会う相手によって装いを考える」、という点です。
今までは、自分の特徴や場所(プレゼンなのかセールスなのか等)で着こなしを決めていましたが、本書では「今日、会う方はどんな方か?」をまず第一に考える、とのこと。
それがポイントの2番目の「類似性」であり、場合によっては相手に合わせて「装いのレベルを下げる」ことも必要のようです。
自分は今まで、「とりあえずカチっとした勝負服を着ていれば問題ない」と単純に考えていましたが、本当にできる人は、「相手に合わせられる人」なんですね。
これは結構「目からウロコ」でした。
◆なお、着こなしに関しては、今回触れてませんが、本書ではネクタイから靴まで一通り押さえてあります。
新書ゆえ、カラーページはないものの、スーツやネクタイの種類のイラストもあるので、全くの初心者の方でも大丈夫のハズ。
新書にしては、扱うテーマが広すぎるような気がしないでもないですが、逆にこのお値段で「いいとこどり」で「印象戦略」を強化できるのであれば、コストパフォーマンスは悪くないかと。
身だしなみで後悔する前に読んでおきたい1冊!
4分5秒で話は決まる ビジネス成功のための印象戦略 (朝日新書)
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【必読】『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』緊急レポート(2011年01月29日)
アルファギークもびっくり 驚愕の「FBI式 人の心を操る技術」(2010年06月28日)
【編集後記】
◆かつて荒井由美時代からユーミンを聴いていたものとしては、見逃せない作品が!YUMING BOX (仮)
転売厨に荒らされそうで心配ではありますが。
ご声援ありがとうございました!
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はじめまして。山川碧子(みどり)と申します。この度は、ブログにご紹介いただきましてありがとうございました。
書いていただいた内容が、本当に読者の方々にお伝えしたいことでした。私の言葉をsmoothさんが代弁してくださっているようで、大変うれしく感じました。
私は早速、『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』を読んでみようと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
書いていただいた内容が、本当に読者の方々にお伝えしたいことでした。私の言葉をsmoothさんが代弁してくださっているようで、大変うれしく感じました。
私は早速、『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』を読んでみようと思います。今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by 山川碧子 at 2011年02月11日 18:01
「5秒の短期的印象」と「4分の永続的印象」、なるほど納得です。
Posted by 片木 at 2011年02月11日 23:19
>山川碧子さん
著者様直々のコメントありがとうございます。
本書を拝読して、単なるファッションコーディネートだけでなく、心理学的な要素を加味されているのが、ユニークだと感じました。
その意味では、『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』も参考になると思います。
今後ともよろしくお願いします。
>片木さん
その両方を考えるべきご本なのに、前者ばかりを拾ってしまい申し訳ございません(汗)。
著者様直々のコメントありがとうございます。
本書を拝読して、単なるファッションコーディネートだけでなく、心理学的な要素を加味されているのが、ユニークだと感じました。
その意味では、『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』も参考になると思います。
今後ともよろしくお願いします。
>片木さん
その両方を考えるべきご本なのに、前者ばかりを拾ってしまい申し訳ございません(汗)。
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年02月12日 03:41
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