スポンサーリンク

       

2011年01月21日

【論理思考】『今すぐ使える!ロジカルシンキング』に学ぶ7つのポイント


今すぐ使える!ロジカルシンキング (PHPビジネス新書)
今すぐ使える!ロジカルシンキング (PHPビジネス新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ビジネスパーソン必須のロジカルシンキングについて、分かりやすくまとめられた1冊。

「今年こそはロジカルシンキングをマスターしたい」と思っていたワタクシとしては、リアル書店で見かけて思わず買ってしまいました。←安易w

本書の構成について、「はじめに」から引用します。
本書では、「みんなが正しいと思えるものを見つける」ための実践的な論理思考を大きく3つに分類して、そのエッセンスを35の思考術に凝縮して解説していきます。あわせて、それらを、考える姿勢や態度に落とし込むための、とっておきの実践フレーズ(決め台詞)を紹介します。
今回は、付箋を貼った中から気になったポイントを7つ選んでみましたので、ご覧ください。


人気blogランキングいつも応援ありがとうございます!




【目次】

第1章 実践的ロジカルシンキングのススメ
 1.ロジカルシンキングの3つのメリット
 2.誰とでも一緒に問題解決できるか?
 3.粘り強く問いかけ続けることがカギ

第2章 「論理構築力」で筋道を組み立てる
 1.筋道が見えなければ分からない?
 2.論点を明示する 〜論点は何?
 3.根拠を持って考える 〜その理由は? ほか

第3章 「批判的思考力」で論理を検証する
 1.その考えは本当に正しいのだろうか?
 2.筋道を検証する 〜どうして?
 3.思い違いを疑う 〜本当にそう?

第4章 「多面的思考力」で他の考え方を探る
 1.他の筋道が考えられないのか?
 2.選択肢を増やす 〜他にないの?
 3.整理して考える 〜ザックリ言えば? ほか


【ポイント】

■1.スキルではなく習慣にしてしまう
 ロジカルシンキングは一般的には「スキル」(技術)としてとらえられています。しかしながら、本書では、誰もが身につけるべき、物事を考える上での「姿勢」や「習慣」だと考えます。何か問題に直面したり、新たな考えが浮かんだときに、一歩立ち止まって「それで?」「本当?」「他には?」「大事なことは?」と考えられるかどうか、です。


■2.まずは論点をおさえる
 論理的に考える上で最初におさえないといけないのが論点です。現実に起こった事象やつかんだ事実に対して、どのように論点を設定するかで、導きだす結論がまるで違ってくるからです。(中略)

 ところが、多くの人が、論点があいまいだったり、ピントはずれだったりします。考えているうちに、論点を忘れてしまうことも多く、いつの間にかすり替わったりします。「論点が見えない」というのは、論理的でない人の典型の一つです。常に「論点は何か」を考え、見失ってしまったら、一度そもそも論に戻ってみましょう。


■3.結論のない話をしない
 会議でも、誰かの発言に対して、「それにからんで言いたいんだけど……」と自分の経験談や知ったかぶりの知識を披露する"コメント魔"をよく見かけます。こんな尻切れトンボの話につきあわされたのでは、たまったものではありません。いずれも論理的でない人の典型的な症状です。
 そういうときは、結論を求めて突っ込んであげてください。事実、経験、知識、情報ではなく、意見、主張、持論、考えを述べるようにと。


■4.要約でエッセンスを絞りだす
 要約とは、重要な箇所を取りだして、別の言葉に言い換えることです。ですから、何が重要か分からないと要約はできません。その目安となるのが、ズバリ論点です。
 論点と主張を一致させる、という話をしました。論点にストレートに答えているところが、重要な箇所なわけです。要約がうまくいかないのは、論点をキッチリと理解していないからです。それさえできれば、ポイントは見えてきます。


■5.ロジックを意識して接続詞を使う
論理的でない人は「それで」「また」くらいしか接続詞を使いません。「……です。それで……なんです。また……なんです」といった調子です。これでは筋道がさっぱリ分かりません。
 接続詞とは論理のつながりを表す言葉です。「なぜならば」(理由)、「したがって」(結論)、「つまり」(要点)、「しかしながら」(逆転)、「まず」(順序)、「ところが」(意外)、「ただし」(補足)、「ー方」(対比)といった接続詞を意識的に使い分けるようにしましょう。


■6.分け上手は整理上手
 整理を一言で言えば、分けることです。「われわれは昔から、分けることによって『わかろう』と努力して」(坂本賢三『「分ける」こと「わかる」こと』講談社)きました。ですから、分けると分かるは同じ漢字を当てているわけです。(中略)

 言い換えると、複雑な問題が処理できる人とは、分けるのが上手な人のことです。ややこしい問題も「ポイントは三つだね」と手際よく分けて、本質的なものに思考を集中させることができるのです。皆さんもそんな「分け上手」を目指してください。


■7.ロジックツリーではレベルの違う話を混ぜない
 ロジカルシンキングが苦手な人、すなわち分けるのが下手な人に共通で見られる癖がこれです。大きな(マクロ)話と小さな(ミクロ)話を混ぜてしまい、粒の大きさが全然違うのに、同じ土俵で考えようとするのです。会社の今年度の方針の話をしているのに、昨日あった顧客のクレームを持ちだす、といったパターンです。(中略)

 レべル感を合わせるというのは、賢く、要領よく考えるための基本テクニックです。もちろん、抽象度の話なので、完全に合わせることはできませんが、少なくとも「何となく不揃いで落ち着きが悪いなあ……」という感じは持ってほしいものです。


【感想】

◆本書は冒頭で触れたように、35の思考術が収録されており、その中にはお馴染みのフレームワークもいくつか登場します。

ただ、どちらかというとそういったツールではなく、日頃の習慣考え方に重点を置いているのが本書の特徴かと。

もちろん、サササっとロジックツリーが書けたり、スパッとマトリクスの軸が切れれば、それはカッコイイですが、それだけがロジカルシンキングではありません。

たとえば、あいまいな言葉(本書では「思考停止ワード」と呼んでいます)をできるだけ使わないのも「論理的な人」の態度です。

「グローバル化を推進する」「部門の壁が厚い」なんて良く見かける言葉も、もっと具体的な表現で、問題や状況を表すべき。


◆本書では、ロジカルシンキングを学ぶ読者の代表として、「大手食品メーカー入社7年目の志幸君」が登場し、各章の冒頭で、キレ者の祐子先輩にトレーニングされていきます。

この祐子先輩が、ロジカルシンキングを指導するだけあって「ロジカルにツッコミを入れる」んですが、結構辛らつ。

自分の強みを話すように言われた志幸君が、とめどなく話していると「悪いけど、結論を先に言ってくれない?」とバッサリ斬られてしまいます。
「気恥ずかしいのは分かるけど、全体像が見えないとこっちは不安なの。話があいまいで、ボヤ〜ッとしているし。それに、なぜこの話をしているか、その目的って、分かっている? それに答えないとロジカルにならないわよ」
       ____
     /      \
   /  _ノ  ヽ、_  \
  / o゚((●)) ((●))゚o \  もっと優しくして欲しいんだお…
  |     (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /


ただ、こうして鍛えられていく志幸君も、最後には「ロジカルシンキングの使い手」になれているので、私たちも本書をマスターすればきっと!?


◆ところで個人的には、ポイントの5番目の接続詞のお話がツボでした。

当ブログでは、「まず」「ただし」「一方」あたりは比較的使っていますが、「なぜならば」「したがって」は皆無です。

うーん、やはり初めの頃の志幸君のように、ダラダラと言葉を連ねているだけだからかもしれません。

ちなみに、土井英司さんの講演を聴いていると、「なぜならば」が多いんですよね。

この辺は、「結論」に対して細かく「理由」を挙げているからなんですが。

私も見習いたいところ。


◆本書は基本的には、ロジカルシンキングのビギナー向けだと思います。

とはいえ、ある程度ロジカルシンキングをマスターしている方にとっても、自分の苦手な部分の洗い出しに使えるはず。

巻末の参考文献の多さからも、本書が多方面に渡って言及をしていることが窺い知れるかと。


まずは論理的に読み書きをこなしたい方に!

今すぐ使える!ロジカルシンキング (PHPビジネス新書)
今すぐ使える!ロジカルシンキング (PHPビジネス新書)


【関連記事】

【オススメ!】『3分でわかる問題解決の基本』大石哲之(2010年09月03日)

【面白】『頭がよくなる「経済学思考」の技術 』木暮太一(2010年06月07日)

【問題解決】『勝間和代のビジネス思考力養成セミナー[基礎力養成編]』(2010年05月21日)

【勉強】「コンサルタントの勉強法」野口吉昭(2009年12月22日)

すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)


【編集後記】

◆小室淑恵さんの新刊が久々に登場!

「3人で5人分」の仕事を無理なくまわす! ― 「欠員補充ゼロ」の職場術
「3人で5人分」の仕事を無理なくまわす! ― 「欠員補充ゼロ」の職場術
「欠員補充ゼロ」時代に業績を上げながら残業なしを実現するための「21のアイデア」を紹介します。
これは要チェックですね。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
                               
この記事へのコメント
               
最近このブログを友人に教えて頂き、本を買うときはこのブログで見てから買うようにしています。

それにしても更新頻度がすごくて、いつ読んでるんだろう!?と感心してしまいます。これからも素敵な書評楽しみにしています!

僕も本を書いていますが、いつしかこのブログに掲載される日を夢見てがんばって書いて行こうと思います!

本当にありがとうございます☆
Posted by 庵谷賢一 at 2011年01月21日 19:51
               
>庵谷賢一さん

コメントありがとうございます。
本は、仕事が終わってから読んで、そのあとすぐ書き始めるので、仮眠をとってこんな時間に書いてたりしますw
ねwwむwwいww

ご本、アマゾンで拝見しましたが、勉強本でも専門書に近いですよね〜。
もうちょと一般書に近いと助かるのですが。

今後ともよろしくお願いします!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年01月22日 06:00
               
まさかコメント返し頂けるとは!ありがとうございます!

えぇぇ??
ちゃんと時間取れないんですね!?

でもそのおかげでこのブログがこんなにも充実しているんですね!本当にいつもお疲れ様です。

そして、拙著をご覧になって下さったとは!感激です。夏ころには「勉強法」の本を出す予定です。その際に目に止まって頂ければとても嬉しいです(^^)
Posted by 庵谷 at 2011年01月24日 23:48
               
>庵谷賢一さん

そのおかげというか、睡眠時間を削ってやってますw

勉強本については、好きでいろいろ読んでいる分、見る目はちょっと厳しいかも。
ベストセラーの本でもスルーしているのありますから。
でも出た際にはご一報くださいね!
Posted by smooth@マインドマップ的読書感想文 at 2011年01月25日 07:41