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2011年01月08日

【起業のヒント!?】『風俗的マーケティング』モリコウスケ


風俗的マーケティング
風俗的マーケティング


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ちょっと異色なマーケティング本

パッと見、「風俗」という単語が目に入ると思いますが、当ブログと同様、「的」と付いているのがミソで、その考え方を他業種に応用しようとするものです。

また、その思想を実践して著者のモリコウスケさんが開店したメンズエステ店(風俗ではありません)は、「1日5人の来店で月収100万円超え」だとか。

これは読まずにはいられませぬ!


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【目次】

はじめに~商売で大切なことはみんな風俗で教わった

第1章 風俗的マーケティング~その禁断かつ魅惑的で最強のマーケティング手法とは

第2章 風俗業から学ぶマーケティング~風俗繁盛店におけるマーケティング技術とは

第3章 オトコをとりこにする接客術~大切なのはコミュニケーション

第4章 草食系男子の増加~風俗産業の競合相手とは

第5章 風俗的マーケティング実践編~メンズエステ開業を例にとり

おわりに~日本経済復活のカギは風俗的マーケティングにあり!?


【ポイント】

■1.下着メーカートリンプのすごい罠
 女性の下着を扱うトリンプが、ウェブ限定通販ブランド「desir」のサイトに「おねだり機能」というサービスを加え、驚異的な成果を出しました。
 このサービスでは、女性が自分の欲しい下着をオンラインショップで申し込むと、彼氏に「おねだりメール」が送られます。そして彼女に「おねだり」された男性は、メールのリンクからそのまま購入画面へと進み、決済するという仕組みです。
 驚くのは、そのコンバージョン率(決済率)で、実に79%の男性がこの罠の餌食になったそうです。



■2.妄想を刺激する写真こそが反応が高い
 「妄撮」というグラビア写真集をご存知でしょうか。通常、グラビア写真集は1万部売れれば大ヒットという中で、この妄撮はなんと9万部も売れました。かわいい女の子の服の下はどんなだろう? この、誰もが一度は悶々と思い描く「妄想」を「撮影」してしまったという企画で、服を着た写真と、服の下が透けたり、覗けたりする写真を並べるという見せ方が、オトコ心をわしづかみにしました。

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妄撮 モーサツ


■3.特定の人に向けて限られた時間に割引をする
 来客>女性という混雑する日・時間帯は、機会損失が発生しないようできるだけ女性の出勤を増やし、逆に来客<女性という日・時間帯は、メールやツイッターでタイムサービスの割引を実施して女性コンパニオンを回転させます。
 全員に一律に割引を適用すると、割引ばかりしているお店ということで割引のありがたみが薄れてしまいます。お客様がほしいタイミングで特定の人に向けて限られた時間に割引をするのが、インターネット時代におけるプライシング(価格設定)となります。


■4.コンサルタントとして見た起業して成功する人の特徴
 では逆に、成功する人はどんな人かというと、面会してすぐに「自分はこんなお店をやりたいんです!」と僕に企画書を見せながら、自分が考えたこだわりの企画を情熱をもって熱く語るような人は、成功しやすいパターンのひとつです。こういう人はたいてい自分のこだわりの性癖を具現化したくて、自らが利用したくなるお店を作りたい人なので、お客様の趣味嗜好もよくわかっています。
 また、単にお金儲けの手段のみとして始めるのではなく、自分のやりたいお店を作るという情熱がまず先にあるので、意気込みが違います。


■5.メンズエステは中毒性が高い
マッサージ好きの人というのは、マッサージに通うことが習慣化します。風俗の場合は人間から「性欲」がなくなることはないので、安定した商売であると述べましたが、人間から「疲れ」がなくなることもありません。ストレス社会になればなるほど、疲れがたまり、その疲れをとるべく安定した需要があるのがマッサージ業です。仕事でパソコンなどのIT機器を使う人が増えたことにより、肩こり、腰痛、眼精疲労が慢性化している人が増えているのも、この業種にとっては追い風です。


■6.女性客のみに存在する「口コミ効果」
 女性は自分で良かったと思うモノやサービスは人に話したくてしょうがない習性があります(女性が書いているブログは、ほぼそのような情報であふれています)。というわけで、商売する側からすれば、女性がメインターゲットの場合は、口コミ戦略が極めて重要になります。(中略)
 
 それに対して、男性は、特に隠れ家メンズエステにおいては、「自分だけの楽しみの場」として、むしろ他人には秘密にしておきたいという気持ちが働きます。ご友人紹介割引などを導入しても、女性向けのお店ほどの効果はありません。


■7.隠れ家メンズエステの客層
 データを収集分析すると、客層は20代半ばから70代前半までと幅広いですが、30代だけで約半分弱を占め、30代と40代を合わせると、約4分の3を占めます(ただし、首都圏のサロンにおける数字です)。
 さらに20代と30代のお客様は世間でいう、草食系男子の特徴に当てはまる人が多く、独身で彼女なしの人がほとんどです。セラピストに聞くと、彼女をほしがっている人は多く寂しさをまぎらわすことも兼ねて隠れ家メンズエステに来店する人が多い印象です。



【感想】

◆本書に興味のある人は、おそらく次の4種類くらいのカテゴリーの方だと思います。

1.風俗店経営者

2.風俗店勤務女性

3.非風俗関係のマーケッター・経営者

4.起業志願者(風俗&非風俗)

ただし、当ブログの読者層を考えると、1と2の方は少ないと思われますので、上記ポイントでは特に3と4の方向けにまとめてみました。

実はまるごと割愛している第3章では、コンパニオンの女性の接客術が収録されているのですが、これがなかなか秀逸。

お客を満足させる「会話術」だけでなく、彼女の有無の確認や、可処分所得を見極めての誘導など、いい意味で「エグイw」お話もあったりします。

ここを読んで、「あのプレゼントは僕だけじゃなかったんだ」とショックを受ける人も出てきそうな。


◆ただ、この3章の内容は、必ずしも風俗だけに適用するものではなく、実は美容院での接客にも応用できるとのこと。

確かに具体的なサービスは異なれど、会話等のコミュニケーションが重要なのは同じですし、そういう部分も含めて、「リピートの有無」につながってくるのかと。

もちろん、3章以外にも他業種に応用できるお話は本書には多々あります。

私は『週刊SPA!』の愛読者なので以前から知っていましたが、ブランディングの事例として「鶯谷デッドボール」が出ていてワロスwww



「風俗を止めたい方へ…遊べば夫婦円満!彼女の有難さ倍増!」って、誰得www


◆そして、個人的にもっとも興味深かったのが、第5章の実践編。

今までコンサルタントとして経験を積んできたモリさんが、ついに自分のお店を持つまでの経緯が詳しく述べられています。

コンセプト決定から、店内デザイン、求人、集客、セラピストブランディング、店員のマネジメント等々、風俗・非風俗にかかわらず、この部分は起業を志す方なら必見!

冒頭で触れたように、実際に「1日5人の来店で月に100万円の利益」(売上ではないです)というのがスゴイです。

そもそも、極端に損益分岐点が低いビジネスモデルゆえ、1日1〜2人の来店で黒字にできるのだそう(詳細は本書を)。


◆本書は発売と同時に、予約分だけでアマゾンでは在庫が切れているようです。

これはおそらく、モリさんのブログをお読みの風俗関係者の方の注文によるものだと思いますが、ここまで述べてきたように、本書のコンテンツは風俗のみに通用するわけではありません。

あまりマーケティングを意識されてなかった風俗関係者の方には、実践的なマーケティングスキルが身に付き、普通のマーケティングしかご存じない非風俗関係者の方には、変化球的(?)な知識が身に付くという本書。

さらには起業志望者の方は、開業のヒントが得られると思います。


リアル書店では買いにくいのでぜひウチでw←アサマシw

風俗的マーケティング
風俗的マーケティング


【関連記事】

【風俗的?】「デリヘルの経済学」モリコウスケ(2007年07月25日)

【起業のヒント】「耳かきエステはなぜ儲かるのか?」鬼頭宏昌(2010年07月19日)

【ネタ?マジ?】『ラーメン二郎にまなぶ経営学 ―大行列をつくる26(ジロー)の秘訣』牧田幸裕(2010年12月12日)

【テク満載】「飲食店の利益を1.7倍にする50の方法」早川雅章(2009年08月11日)

【良い店とは?】「流行る店」吉野信吾(2007年09月07日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本にちなんで(?)セクシー系を。

4584132763
本当に感じるSEX

リアル書店で『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』に並んで置かれていました。

……買ってレビューした方がいいんでしょうかw?


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